井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

季節の食材を知って、毎日の食生活を豊かに。
食べて元気になれる、栄養豊富な旬の食材を日替わりでご紹介します。

2022年 0月の記事

11/15

柿・食養生

カロテン・風邪予防・簡単おやつ・美肌・養生・美人・綺麗・美味しい・フルーツ・デザート・井澤由美子・薬膳・かき・柿・食養生・二日酔い

種無しの平たい柿が近年のお気に入りです。タネがないので、完熟したものはスプーンですくって食べやすいし、スライスして乾燥させる時もカットを気にせず切れるのもいい。皮が薄く、オレンジ色が柿の中でも鮮やかです。
1個の柿には1日に必要なビタミンCが含まれているそうで、風邪予防にいいですね。アルコールを分解する成分もあり、こちらは木で完熟したものがお勧めです。漢方・薬膳では、体の余分な熱をとり、喉の渇きを止め、葉やヘタは生薬です。

好きな食べ方に、完熟柿にスダチやカボス果汁をたっぷり振りかけて一晩冷蔵庫でマリネする一皿があります。柿のカロテンに柑橘果汁のビタミンCを足すと酸味が甘さを引き立てさらに美味しく疲労回復効果も上がります。
酒粕でほんのりマリネした生ハムで巻くとお酒に合わせる前菜にもピッタリ。柿の中身をくりぬいて器とし、中身といくらを和えて柚子を散らし、美しく盛りつけた柿といくらの小鉢は秋の味覚、一瞬の出会いものを楽しみます。
干し柿になるとビタミンAや食物繊維が倍増し、甘みも凝縮します。

11/11

NHKあさイチ・水キムチ・発酵サラダ・腸活

井澤由美子・発酵食・乳酸菌飲料・水キムチ・発酵サラダ・まいにち食薬養生帖

NHKあさイチさんでご紹介させて頂いた「発酵サラダ」は韓国の水キムチ風、辛味のない食べやすい漬物です。従来の米のとぎ汁などで発酵させるタイプも私は好きですが、今回はコンビニでも販売されている市販の乳酸菌飲料を使った裏技タイプ。発酵食作りに腰が引けている方にもお勧めの作り方です。安定した発酵と美味しさを簡単に生み出すことができます。今回私はスグキ生まれの植物性乳酸菌飲料「ラブレ」を使用しました。

腸活には食物繊維と発酵食の両者が揃うことが大事で、効き目を最大限に発揮します。特に秋冬は肌が乾燥するだけでなく、体の中や腸も乾燥しがちです。以前にきょうの料理でも胡瓜バージョンをご紹介しましたが、野菜は何でも良く、今回は秋冬野菜の白菜・りんご・大根でアレンジ。セロリにおろし生姜と梨バージョンもアダルトで美味ものです。

疲労困憊した時に、サッパリとした水キムチの漬け汁をゴクンと飲む。塩分と糖分、野菜や薬味の風味、程よく発酵した酸味が入りじまっているたっぷりの乳酸菌に体も脳も生き返ります。これから増える冬の食卓の鍋や煮込み惣菜などの箸休めにもぴったりです。

まいにち食薬養生帖 P182〜

 

 

11/9

立冬・二十四節気・クローブ・丁子

クローブ・紅茶・発酵茶・丁子・温活・体温め・胃腸の調子を整える・スパイス・生薬・井澤由美子・二十四節気・立冬・まいにち食薬養生帖

小春日和の気持ちの良い日ですが、暦では7日に立冬に入りました。今日は冬に備えて体を温める効能があり、胃腸が冷えて痛いときにも有効なスパイスの丁子(クローブ)をご紹介します。

クローブは花が咲く前の蕾を乾燥させたもので、中医学では丁香(ちょうこう)と呼ばれる生薬。インドでは歯の歯痛どめとされることもあり、日本では丁子(ちょうじ)と呼ばれ、衣類の虫除けなどにも使われていました。カレーなどにも使用されるミックススパイスのガラムマサラの一つで、他はシナモンとナツメグになります。肉の塊にニンニクの切り口をこすりつけ、クローブを4、5本さしてローストしたり、煮込んだりすると肉の臭み抜きになります。

疲れた日には、白湯に一粒のクローブを入れて煮出します。ゆっくりと口に含むのですが、そのスパイシーさと甘さの混じりあった香り高い湯気を吸い込むと、芯からリラックスします。好みではちみつやレモンなどを絞ったり、紅茶に入れても美味しくいただけますよ。

「まいにち食薬養生帖P287〜より抜粋」

食薬についての講座や料理教室が11月〜3月のスパンで2校開かれています、詳しくは下記にご連絡下さい。
nhk文化センター・埼玉スーパーアリーナ教室
3000坪の敷地内にある有形文化財の日本家屋・ジュークボックス

11/4

蟹・香箱ガニ・食養生・二十四節気・立冬

二十四節季・海鮮・薬膳・季節の美味しいもの・カニ・香箱蟹・蟹・井澤由美子・旬の味・11月の美味しい食材・食養生

来週の7日は、二十四節気の一つ「立冬(りっとう)」冬の始まりです。

美味しいカニの季節も到来です、カニ食いの私にとって、待ちにまった本当に嬉しい季節。明後日の11月6日に解禁になります。松葉カニは昆布締めと焼きガニにして、香箱は茹でたり炊き込みご飯にする予定で楽しみ。冷たい日本酒もスルスルと喉元を通りすぎて至福。いろんな事を頑張った自分へのご褒美は、大人ならではの醍醐味です。

カニは低カロリー高タンパクでヘルシー。加熱すると赤くなるのはアスタキサンチンと言う色素で、強い抗酸化作用があり、体内で過剰に発生した活性酸素を除去する効能があります。豊富なタウリンはアミノ酸の一種、血中のコレステロールを抑え、肝機能を上げて眼精疲労にも効果が期待できるようです。

缶詰めの場合は汁の部分にこれらの栄養分が溶け出しているので、捨てずに調理します。美味しく栄養価も高いカニですが、カラダを冷やすので、いただく時はおろし生姜や酢をつける、カラダを冷やす柿や梨などとは一緒に食べないようにします。

10/31

剽柑・柑橘・食養生

瓢柑・柑橘・秋の食養生・井澤由美子・まいにち食薬養生帖・果物

瓢箪(ひょうたん)の形に似ている柑橘が目に飛び込んできました。何ともユニークな形で、その名も剽柑(ひょうかん)といい、正式名は弓削瓢柑(ゆげひょうかん)と言うそうです。グレープフルーツの様な皮感があり、リラックス出来る独特の香りも似ています。後にレモンの様に黄色くなるようで、熟すのが楽しみ。酸味は少なく、良い香りに成熟する感じなので、ピールなどにも向いているかも知れません。

弓削瓢柑は文旦系の果物だそうで、食べやすく、台湾でもよく見かけますね。11月頃から着色し、12月〜1月頃が収穫期ですが、路地物が出荷されるのは数ヶ月貯蔵したあと。甘みが立ち、香りをまとった春先頃です。ビタミンCが多く、シネフィリンは風邪予防に最も効果的です。

 

 

10/27

レンコン・蓮根・ハス・喉の不調・食養生

薬膳・漢方・レンコン・蓮根・れんこん・喉の不調・薬膳

蓮根は調理の仕方によって、いくらでも表情を変えることが出来る魅力的な野菜。蓮根に含まれるポリフェノールには抗酸化作用や殺菌作用があると言われていますが、この成分はわずかながら皮の方に多いのです。なので、剥いてしまうのはもったいない。私はたわしでこすって調理します、香ばしさも感じて美味しいなぁと思うのですが、皮の硬さが気になる方は包丁の背でこそげたり、薄く剥いて下さい。すって加熱すると自然なとろみがつきます、椀ものなどや葛湯に入れると喉の痛みや咳が鎮まります。スッと糸引く縦切りもお勧め、切り方や厚さによって食感が変わります。散らし寿司やお稲荷さんには薄切りでさっと茹でて甘酢漬けにし、胡麻と合わせると美味。

蓮根はビタミンCも豊富、レバーなど鉄分が多い食材と合わせた煮物や炒めものなどにすると相乗効果で貧血予防にも良い一皿になります。コロンと丸い小さめの先方部分はシャキシャキした食感、掘り立ては生でも食べれ、梨のような風味です。長方形の部分はデンプンが多いのでとろみが多いようです、料理によって使い分けてみて下さい。

10/24

焼き芋・さつま芋・スイートポテトの作り方

さつま芋・食養生・井澤由美子・焼きも・スイートポテトの作り方・美肌食材

食物繊維たっぷりのさつま芋はビタミンCが豊富。薬膳では胃腸を元気にする野菜とされています。地方に行くと、形、甘み、旨み、食感、色味もさまざまで楽しい。体調をくずしたり、食欲が低下した時などにもつま芋はお勧めです。

さつま芋はお粥に入れても良いもので、甘みとトロみが弱った体に優しく作用します。そのままオーブンで焼いてホクホクの焼き芋にしても美味ですが、今日は一手間かけたスイートポテトのご紹介です。さつま芋5本はたわしでこすり洗いし、濡れたままアルミホイルに1個ずつ包んで竹串がスッと入るまで190度で1時間前後焼く。熱いうちに皮から中身を鍋に出して木べらなどでつぶすように混ぜ、甘さをみてきび砂糖を50g、生クリームかミルクを様子をみながら60〜100ccほど加え、塩ひとつまみで味を整える(ミルクならコクを足す為にバターや卵黄を加えても)。形を整えて表面に卵液を塗り、さらに同じ温度で15分ほど焼き色がつくまで焼いてベークドスイートポテトに。熱々のスイートポテトには、濃厚なアイスクリーム、シナモンがよく合います。

焼き芋は抗酸化力が高く、老化の原因である活性酵素の生成を抑えます。アンチエイジングにも効果がある美味しい焼き芋、たっぷり堪能して下さい。

 

10/20

秋鮭・秋味・秋の味覚・鮭の黄金焼き・料理教室

井澤由美子・秋鮭・秋味・鮭の黄金焼き・食養生・まいにち食薬養生帖・料理教室・料理家

産卵直前の川に上がる前の秋味、メスのお腹を裂くとすじこが出てきます。おろして切り身にし、2つに割った頭は一晩塩漬けにし、酒粕、白味噌、秋田味噌を加えて三平汁風にすると美味しい。大根、にんじん、ごぼう、生姜など根野菜をたっぷり入れます。

鮭に多く含まれるアスタキサンチンは抗酸化力が高く、体を温め、肩こりや、眼精疲労、体の疲労感を回復するそう。シワやシミが薄くなるなど女性に特に嬉しい食材でもあるのです。北海道に行くと珍味の「メフン」(鮭の腎臓の塩辛で、半年から1年くらい塩付けにしたもの)があります。日本酒のお供に最高ですが、塩辛のパスタがあるように「メフンのパスタ」なるものもあって楽しいものです。

先日の食養生料理教室でご紹介した秋鮭の黄金焼きの作り方です。秋鮭にお酒と塩麹を少々なじませ、15分ほど置きます。水気を拭き、よく温めた魚グリルで8割方焼きます(焼くときは麹が焦げるので中弱火に)。これに卵黄に塩麹適宜をよく混ぜたものを2、3回に分けて塗る。表面をこんがりさせたら出来上がり、秋の食卓がパッと華やぐ簡単レシピです。年中出回っている鮭ですが、この時期ならではの天然鮭は滋養もたっぷりです。

 

10/17

秋の味覚・みょうが・食養生

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白っぽく可愛らしい天然の秋みょうが、今年もそろそろ終わりです。小ぶりのサイズを目にしたら、早々天つゆや香り塩を仕込みます。薄く衣をつけた揚げたてのみょうがを一口でほうばると、香りが鼻を抜け、しゃきしゃきとした食感が何とも心地よい。秋の醍醐味ですね、うどんやお蕎麦の付け合せにも最適です。

みょうがの香り成分には発汗作用があり、血行を良くします。消化をよくする効能も期待できます。色も美しいので、何かとお料理のアクセントになりますね。3〜4月頃が旬の茗荷竹は若い頃の茎です、7月ごろの早(わせ)茗荷は比較的小ぶり、八月に入ると赤く丸みを帯び立派になり、秋口になると白っぽく瑞々しい小ぶりの茗荷が出回ります。この茗荷が私は一番好きですが、東京では一瞬しか出回らないので貴重です。

みょうがをさっと茹で、熱い内に甘酢に漬ければ鮮やかに発色し、日持ちするピクルスになります。これを刻んでご飯に混ぜれば即席のお寿司がすぐに作れます。茗荷をつけた甘酢に今旬の焼き鮭や、じゃこをくぐらせてご飯に混ぜるとさっぱりとした旨味で、食欲がない日にも箸が進みます。

10/14

いちじくレシピ・蒸し無花果・秋の食養生

無花果・蒸しいちじく・秋の食養生・薬膳・井澤由美子・フィグ・無花果レシピ・料理・井澤由美子

古代ローマでは「不老不死の果実」とされていたいちじく。いちじくは和食でも繊細な白和えなどいろんな食べ方がありますが、是非一度お試しいただきたい一品をご紹介します。

完熟いちじくが手に入ったら皮をむいて器に入れて蒸し、粗熱をとって冷蔵庫で(蒸し汁ごと)冷やしておきます。次にタレを作ります、指で砕いたカシューナッツ3、4個を乾煎りし、香りが出たら胡麻大さじ1を一緒に炒ります。熱いうちにすり鉢ですって、メイプルシロップ、醤油、酢各少々で伸ばしながら好みの味に整えて、さらによくすり混ぜます、これを冷やしたいちじくに適宜かけます。香ばしい香りとトロリとした甘みがいちじくに絡まってなんとも美味、冷たいことも美味しいポイントです。ビールよりスパークリングか白ワイン、日本酒がよく合います。繊維が豊富ないちじくと胡麻を合わせるとグンと便通効果が上がりますね。

シンプルな温かいデザートにしたい時は、ちょうど今出回ている蜜柑を絞って蒸します。無花果の甘さを蜜柑の酸味がスッキリと引き立て、美しい天然の赤色が映えます。その他に、皮をむいたいちじくをトースターで香ばしく焼き目をつけ、ポッタリと甘く練った味噌や、ブルーチーズをふんわりとホイップして添えても美味しいものです。

いちじくは体の余分な熱をとり、喉の腫れをおさえます。更年期の女性によい効能もたくん、母乳の出もよくすると言われています。