井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

季節の食材を知って、毎日の食生活を豊かに。
食べて元気になれる、栄養豊富な旬の食材を日替わりでご紹介します。

2017年 3月の記事

3/22

補腎薬膳・黒木耳(くろきくらげ)・

黒木耳を水で戻して、水と酒少々、醤油、みりんで柔らかく煮た、黒きくらげの醤油にはコリっとした食感とはまた違って楽しいですよ。納豆に付属の辛子をよく混ぜフルフルの木耳の醤油煮を和えるだけですが、よくからんで美味。黒木耳は不老長寿の食材と言われ、黒ゴマやごま油(茶色)を足すとさらに腎機能が高まり、身体に吸収されやすくなります。足腰が弱くなったり、老化が気になる方は率先して黒い色のものをいただいて下さい、便通を促し、皮膚の再生力も高める効果が期待できます。

3/20

賢い作りおきおかず・お惣菜

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お惣菜は熱を入れ保存効果の高い醤油や砂糖、油など使うと日持ちがしますね。定番のきんぴらやひじきの煮物などは美味しいだけではなく、栄養価や食物繊維などもたっぷり。作りおくとごはんにもパンにも合うので、とても重宝します。私が良く作るのは煮卵、魚の煮付けやすき焼きなど(残った美味しい煮汁は他の料理に使い回すと深い味になります)。先日発売されたエイい作りおきおかずの中の「定番の作り置きだからこそトクベツ美味しくひと工夫!」のページを担当しています。ちょっとしたことですが、ポイントを抑えればグッと美味しくなる秘訣とアレンジです。あるとホッとするお惣菜のひじきの五目煮、ごぼうとにんじんのきんぴら、半熟煮卵、牛肉のしぐれ煮などの定番中の定番のご紹介。(そこに、煮卵や魚の煮汁に入れると美味しくなる)その他いろいろな知恵が詰まっていますよ〜宜しければご覧ください。

3/16

当帰(とうき)・当帰補血湯・冷え・薬膳・生薬

当帰・とうき・生薬・ホップ

当帰(とうき)の名は小耳にはさんだことがあると思いますが、婦人科の病気に用いられることが多い生薬です。月経不順や瘀血(おけつ・血のかたまり)、血行不良に使用し活血(かっけつ・血を巡らせる)に身響きます。便秘の種類としては血虚便秘のタイプの便秘(血が不足して起きる)効果があるとされています。足腰の冷えが気になる、めまいや耳鳴り、肩こり、寒部の痛みにも効能があります。冷えが気になる方は、当帰に黄耆をシンプルに配合したものが「当帰補血湯」試してみるといいですね。頭寒足熱といって、頭は冷やし、足は大事に温めるようにします。
市販されている当帰は、根を乾燥させたのですが、生の当帰の葉は少しセロリや芹のような風味がしますよ。農家さんは天麩羅にする事が多いと伺いました。もしも柔らかい若葉が手に入った時は、茹でたり炒めたりと料理に使用出来ます。
生薬としての当帰は、鶏のスープを作る時にポンと入れる、あるいはスペアリブの煮込み料理、カレーなどに加えます。黄耆(おうぎ)を加えると、さらに滋養が高まりますよ。当帰に黄耆をシンプルに配合したものが「当帰補血湯」です。

3/11

休日のお粥(おかゆ)

毎日フル回転の胃や肝臓を少し休ませてあげたいので、私は週末にお粥にすることが多いです。薬膳では(後煎と言う手法があり例えば繊細な香りもののしそ、三つ葉、木の芽、パクチーなどや食間をふんわり残したい魚介などは後から加えます。戻す必要のある乾物や根菜類、硬い肉類は下茹でしてから加えますがこちらは(薬米同煮)と言います。今日は少し風邪気味なので、はり生姜をたっぷり加えた鶏肝粥。まさに以蔵補蔵(蔵を持って蔵を補う)ですね、身も心もゆっくり栄養を吸収し、体を温めます。

3/10

冷え症・貧血予防・鉄分

鉄分が不足すると、代謝が落ちて冷えの症状がでやすくなります。鉄分を摂取する時は、ビタミンCとタンパク質と一緒に食すと体に吸収されやすくなりますよ。お薬も大切ですが、普段から豆類、魚、レバー・赤身肉、ほうれん草・卵などを食すよう心がけましょう。体が温まる食材とビタミンCが多い野菜と合わせて調理するのがお勧め。例えば「レバニラ」などはさっと作れて簡単です。レバーの鉄分、にんにくの温効果、ニラの豊富なβカロテンやビタミンCとシンプルですがバランスがとても良い一皿なのです。「魚のみぞれ和え」は、大根おろしを合わせることがポイント、生の大根に含まれる酵素とビタミンC、そこに酢と一味唐辛子を加えと代謝もアップに繋がります

3/9

富士宮焼きそば・削り節・ご当地グルメ

富士宮焼きそばが大好きです。しっかりした食べ応えのある麺で、初めて口にして以来、そのコシの強さにやみつきになっています(中でも黒文字のメーカーさんの麺がお気に入り)。肉かすとイワシやサバの削り節を使用するのが特徴です。削り節工場に見学に行き、カツオとはまたひと味違う風味の削りたてを、お味見させて頂きました。必須アミノ酸やカルシウムがたっぷりで、削り節には美肌効果もありますよ。削り節を購入したら、酸化しやすいので出来るだけ空気を抜いて冷蔵、または冷凍庫保存しましょう)。焼きそばやラーメンなどの麺類は、よくB1グランプリに登場しますね。例えば極太麺の道頓堀焼きそば、ボリュームたっぷりの小樽のあんかけ焼きそばも有名ですね。それぞれのご当地グルメは、それぞれのストーリーがあってとても楽しい

3/8

鯖・さば・サバ・へしこ・熟鮓・福井県小浜市・発酵食

鯖の熟鮓・サバ・なれ鮨・鯖・へしこ・郷土料理

3月8日は鯖の日だそうです。下処理などの手間が一切かからず調理がしやすい鯖缶は、近年大変人気がありますね。良質なタンパク質、ビタミン類、EPA・DHAなどの豊富な栄養素を丸々含みます。日本で鯖を食べられてきた歴史は古く、縄文時代からだそうで馴染みの深い魚です。出張先の京都から福井に抜ける山道を車で走りました。昔から鯖街道と呼ばれるこの道筋には数件の鯖寿司店があります。オーダーを受けてから作られる鯖寿司には数種あって、どれも絶品。鯖は酢で〆ることが多い魚ですが、食あたりを防ぐ調理法、急速に鮮度が落ちるので「さばの生き腐れ・さばを読む」などの言葉も生まれました。近年では技術が発達して美味しく食べやすい状態で色々販売されています。
街道を抜けた小浜市で、素晴らしい鯖の発酵食に出会いました。福井県の昔ながらの糠で漬ける(さばのへしこ)、そしてこのへしこからさらに漬けられる「さばのなれ鮨」。まったく生臭みがなく、むしろたっぷりの乳酸菌の爽やかな香りが鼻を抜けた時には驚きました。丁寧な作業と時間が生み出す郷土食でもあるこの魚の発酵食に出会え、佐助さんに取材させていただけた事に感謝しています。

3/1

美容薬膳・薬膳・漢方・薬膳ベースの素・免疫力

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本日のちふれ化粧品さんのイベント(有楽町マリオン)でご紹介した「薬膳ベースの素」レシピです。ご興味のある方はご参照下さい、インスタクラムでは判りやすくレシピ立てにしています。ノンオイルレシピです。鍋に鶏ももひき肉400g、酒1カップ、皮つきでおろし生姜とおろしにんにく各2かけ分、おろし新玉ねぎ大1個分、皮つきでおろした人参1本分、粗塩小さじ1、粗挽きこしょう適宜、唐辛子1本分(刻まない)をひと混ぜしてから中火にかけ、沸騰したら弱火で肉に火が通るまで10〜15分ゆっくり煮込む。冷ましてから冷蔵、または冷凍します。ここまでがベース。好みで血行不良や疲れに効く紅花、大茴香(八角)、大棗(なつめ)、丁子(クローブ)、陳皮(ちんぴ)、クミン、若返りのスパイスと言われるナツメグなどを適宜加え、香りや体への相乗効果を上げるとさらによいですね。このベースにカレー粉を足すだけでドライカレーができます。その他豆乳を加えてソイシチュー、トマトホールを加えればミートソース、じゃが芋を足せば肉じゃが、キャベツで巻いて煮込めばロールキャベツなど幅広く活用できます。写真は醤油と砂糖を加えたそぼろ丼で、乳酸紫キャベツを添えています。冷えと疲労が重なると血の巡りが悪くなって、肌のくすみやクマができたり、体調不良などの原因に。食材の相乗効果で体を温めて、免疫力も高めましょう。