井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

季節の食材を知って、毎日の食生活を豊かに。
食べて元気になれる、栄養豊富な旬の食材を日替わりでご紹介します。

2018年 7月の記事

7/27

蛸・たこ・タコ・タウリン

タコはお刺身、酢の物、アヒージョ、タコ飯など和洋中どんな料理にも使いやすい海の幸。タコがとれる地方では15㎝くらいの足を揚げたタコ天がお総菜屋さんに並んでいるのを見かけます。
醤油風味のタコ飯も、タコの旨味がじんわり広がって美味しいですね、暑い季節には酸味があるトマトと合わせたさっぱり味のゾットも食べやすいもの。滋養がつくにんにくを入れたアイオリソース(マヨネーズベース)を添えるとさらに食が進みます。アイオリソースにチリパウダーを加えれば鮮やかなオレンジ色に、イカスミを加えて黒いアイオリソースも美味しくて楽しいもの、BBQなどにもいいですね。
タコには疲労回復に役立つタウリンが豊富。また、味覚力も正常に保つ亜鉛を含んでいます。
薬膳では、血を補う作用があるとされ、生理痛、整理不純などを改善する手助けをするため、女性にとって嬉しい食材です

7/23

カレー・カシミールカレー

夏本番を前に、本屋さんでカレー特集の雑誌が目立ちますね。ついつい立ち読みなどして、食べたくなってしまいます。私が大好きな市販のレトルトカレーは、カシミールカレー(デリー)です。キッチンにストックしておかないと落ち着かないほどの中毒で、気分をスカッとさせたい時はこれを食べます。冬瓜やなす(他の夏野菜でも)を出汁で煮て冷やしたものが相性抜群なんのです。
玄米に野菜をのせてカシミールカレーをかけるだけですが、この組み合わせはぜひ試してみて下さい。かなりスパイシーなので、出汁をたっぷり含んだ冷たい野菜を口に入れるとちょうどよくなるバランス。
このカレー、なぜか納豆と千切った海苔、卵黄のせなど和風にの具にも合う。薬膳ではスパイスの独特の香りは気の巡りをよくし、その働きは胃液の分泌をよくし、消化不良を改善します

7/22

莢隠元(さやいんげん)

さやいんげんはいんげん豆の若いさやで、原産は中南米です。ヨーロッパ経由で中国に伝わり、中国の高僧の隠元によって伝えられたのでこの名がついたとされています。
主に関西では、三度豆とも呼ばれ、1年に数回収穫できます。購入したらできるだけ早く調理して、味と栄養を逃さないようにしまょう。ビタミンB群やβカロテンが豊富で、薬膳(漢方)では腎機能を活性化して身体の湿を取り除くとされています。太めのさやいんげんはたまに筋がありますが、近頃のいんげんは筋の無いものが多く、両端の硬い部分を落とすだけでOK。沸騰した湯で、いつもより心もち塩を多めに入れて好みの加減に茹でます。

7/18

桃(もも)・桃仁(とうにん)・薬膳・漢方

旬のフルーツ・果物・薬膳・桃・桃仁・井澤由美子・食養生・

新鮮な桃は水で洗いながらうぶ毛をこすりとるように布で洗い、皮ごと食べるのだと山梨の友達から初めて聞いた時はびっくりしました。食べてみて納得。その方が、桃の香りが立って美味しい。写真のももは熟しても実が硬いタイプ、切ると真っ白な果肉に紅色がなんとも艶やか。

それまでは桃は完熟した柔らかい果物と認識していたので、そのシャリシャリとした食感は新感覚でした。かたい桃はフルーツビネガーに漬けてピクルスにしても美味しそうです。

桃の葉は日本でも民間療法であせもや湿疹、神経痛などに効く入浴剤になっていますね。中国では邪気を払い長寿の果物とされ、つぼみや花は漢方の生薬(白桃花)、むくみや無月経などに使用されます。種は(桃仁)と呼ばれ、血行を良くし、下腹部痛、更年期障害などに有効、漢方薬の桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)の主成分でもあります。

7/15

北海道仁木町・アイコのトマトジュース

北海道の仁木町のある農園でトマトジュースを頂いて、そのお味にビックリ。とっても甘くて旨味が濃い!なんと、糖度が9度以上もあるそう。原料となるトマトは「アイコ」と言う品種で、仁木町はその生産地として名高いのです。
アイコは少しほぞ長いプラム形をしたミニトマトで、その小さな身に秘められたパワーは凄いのです。普通のトマトの約2倍ものリコピンを含み、ビタミン、ミネラルもとても豊富。リコポンの高い抗酸化作用は、老化やガンを引き起こす活性酸素を除去するので美容と健康を守りたい人にお勧めです。
とろみもあるアイコのトマトジュースを半分凍らせて、おろし生姜やすりごま、自家製のめんつゆを混ぜ、そうめんタレを作ったら美味しそう。「氷トマトそうめん」って、熱い時にはそそられます。

7/13

玉蜀黍(とうもろこし・とうきび)・とうもろこしの冷たい昆布スープ

とうもろこしは米、麦に並ぶ世界3大穀物の一つ。糖分が高いので、エネルギーの補給源にもなります。購入したら栄養価が急速に下がるので、なるべく早めに直調理しましょう。毎年、生のトウモロコシを炊き込みごはんにしたり、かき揚げにするのが楽しみ。甘みを生かしたすっきりとした和風スープもいいものです。作り方は昆布を水につけておき、とうもろこしの実を削いだ後の芯と玉ねぎを入れて弱火にかけてフタをし、20分ほどゆっくり煮る。とうもろこしの実を加え、好みの加減に煮たらハンドミキサーで撹拌し、白みそを溶き入れる。冷たく冷やすして夏向きの冷製スープもいいですが、温かくても美味しいものです。とうもろこしは利尿作用が高く、繊維も多いので便秘やむくみを改善します。

7/12

味噌・みそ・長期熟成

みそは発酵食品なので、様々な健康効果が期待出来ます。発酵・熟成の過程でできる色素成分「メラノイジン」は、食物繊維のような働きをし、
腸内の善玉菌を増やして悪玉菌を減らすのに、一役買います。また、抗酸化作用も高まり、廊下の素となる活性酸素を減少させる事も、わかっています。私が日常使いしているみそは長期熟成褪せたもの。塩分はしっかりめですが、寝かせることによって角がとれ、奥深い旨味に変わります。保存食は、原料が上質なものなら、寝かせる時間が美味しさを引き出してくれる。
美味しい大豆、良い生米麹、天然の塩にこだわって作る味噌蔵のものを選びたいですね。
みそは手作りも簡単ですよ、私の適当に作る手前みそは毎年違う出来上がりになってしまうのですが、それはそれで面白い。お手製のみそに皮ごとおろした生姜とごま油少々を加えまぜる、きゅうりスティックなどをつけて食べると身体の余分な熱を健康的にとり除くことが出来ます。

7/8

蘇葉(そよう)・紫蘇(しそ)・大葉(おおば)・保存食

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蘇葉・紫蘇葉(そよう・むらさきそよう)は、しその生薬名。食用だけではなく、古来より使用されてきた薬草で、解毒作用や抗菌作用が高く理気薬でもあります。美しい発色の紫蘇ジュースは、貧血予防にも良く、咳なども止める薬効が期待出来ます。

お刺身のツマには青しそ、穂しそが添えられていますね。青しそはβカロテン、リノレン酸、ビタミンCが豊富なので美肌効果やアンチエイジングが期待出来ます。アレルギー症状の緩和、吐き気やつわりにも効能があるとされています。その香りは気を巡らせ、食欲増進を促す効果があ有ります。今日は庭やベランダに青しそがわさわさなっているのでクイック保存食を作ります。しそは葉を摘んで水に5分さらして重ね、手前から丸めてごく細切りにする。キッチンペーパーに包んでぎゅっと水気をしぼり、ほぐしながら密封容器に入れ、ごま油、おろしにんにく、粗塩を適宜加えてなじませ、好みですりごまを加えれば、しそのナムルの完成。パスタやそうめん、肉や魚と和えるだけで爽快な一皿に。

7/4

岩牡蠣・いわがき・夏牡蠣

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岩牡蠣は亜鉛を多く含み、味覚に正常に保つ働きがあります。タウリン、カルシウム、ビタミンA,ビタミンB群が豊富、夏バテ予防にも良いものです。私は一口で食べられるサイズが好み。口の中で一体化し、濃厚なクリーミーさとみずみずしさをバランスがよく堪能できるから。後から貝柱の美味しさと磯の香りがジワっと広がります。
写真は。隠岐の岩牡蠣「隠岐ひかる」です。島根県隠岐郡西ノ島町の中上養殖場は、日本で初めて岩牡蠣の種苗生産に成功し、その美味しさを広めたそう。岩牡蠣はそれはそれは絶品です。

7/2

朝活・朝ごはん・卵(たまご)

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朝起きたら常温のお水をコップ半〜1杯ほどゆっくり飲みましょう。そして朝ごはんには温かいお味噌汁やスープなどを添える。胃を温めると、身体が喜ぶように気持ち良く目覚めていくので、1日のスタートを快適に過ごすことが出来ます。ぜひ、そこにほぼ完全栄養食の卵を合わせて下さい。調理もクイックで出来るし、繊維とビタミンCを補えばバランスの良い朝食になります。ゆで卵なら、消化の良い半熟茹がお勧め、作り置きしておくと何かと重宝します。卵のおしりの方に画びょうでちょんと刺して一箇所穴をあけます。沸騰したお湯に塩と酢を少し加えて卵を入れ、4〜6分ほど茹でて好みの硬さにし、冷水にとるとツルリとむけます。