井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

季節の食材を知って、毎日の食生活を豊かに。
食べて元気になれる、栄養豊富な旬の食材を日替わりでご紹介します。

2018年 1月の記事

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黄韮(きにら)・にら

黄ニラのお祭りが岡山県でありますよ。ニラのスープが配られたり、色々な料理が販売される楽しそうなイベントです。黄ニラは普通の緑のニラを日光から遮断した状態で栽培したもの。食物繊維が豊富でその上増血作用もあり、貧血なども予防します。ニラ独特のイオウ化合物の含有量は通常のニラより少ないので香りが穏やかで、匂いがあまり気になりません。甘みがある上品な黄ニラは生でも食せる高級野菜、柔らかいのでどんなお料理にも使えます。お勧めは、さっと茹でた出汁酢に浸した一皿。繊細な風味を楽しめますよ。酢を加えた湯にくぐらせて、冷水でしめた菊(花弁が紫や黄)や三つ葉などと和えると美しく粋

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寒蜆(かんしじみ)・シジミ・二日酔い

シジミは肝機能を高めるタウリンやカルシウム、アミノ酸が豊富、アルコールを分解する作用が高いので二日酔いに効くことは有名ですね。解毒作用や血圧を下げる効果も期待できるシジミは滋養が高い。肝機能を高めると言うことは、目の充血や尿の出をよくするなどにも有効です。シジミをストックする時の保存方法ですが、砂抜きし、よく洗った後、水気をしっかりきって冷凍庫で保存します。旨味も栄養価も上がるようですよ、どちらにしてもお味噌汁やスープにする時は20分くらいゆっくり煮て旨味を抽出するようにしましょう。お味噌に含まれるコリンとしじみと合わせたお味噌汁はやはり、最強の酒解毒薬になります。

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冬の薬膳・海藻と小豆のスープ

寒い冬は特に腎機能を上げる食材を多く食卓に並べてケアします。腎機能向上の為には海藻など黒い食材の他、小豆もお勧め。
茹でた(ドライパックなど)小豆の入った、海藻の熱々スープは雪が舞うような寒い日には骨身に染みいる美味しさです。
昆布、ワカメ、海苔など家にある乾物の海藻を戻して作ります。ごま油、豆板醤でねぎ、生姜、海藻、あれば薄切り肉やタラをピリッと炒め、鶏ガラスープの素とかぶるくらいの水、小豆を入れて弱火でコトコト煮込み、味をみて醤油か粗塩で整える。ワカメがとろりと煮えたところをいただいて下さい。ワカメにはカルシウム、鉄分、繊維が豊富、これからの季節はワカメのしゃぶしゃぶもよいものですよ。

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小正月・女正月・二番正月・小豆粥

今日は小正月(こしょうがつ)です。昔はこの日を正月にしていたので、その名残から小正月とされています。お正月から働き詰めの女性をねぎらう休息日として、女正月とも呼ばれるそうで、二番正月、花正月とも言われます。各地の田んぼや神社では門松、しめ縄などを持ち寄って焼く風習があり、どんどん焼きなどの火祭りが行われ、五穀豊穣、無病息災などを祈願し、焼き餅や小豆粥をいただきます。小豆粥は邪気を払い、体を元気にしますよ。私は七草粥を食べ損ねたので、明日も明後日も朝は小豆粥です。小豆は一晩水につけて好みの柔らかさに炊いてから、お粥と合わせます。最近は蒸し小豆などが売られているので、その場合はいつものようにお粥を炊いて最後に小豆と粗塩を加えて出来上がり。お米から炊いたお粥は凛として美味しいものです。

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芋煮汁・味噌煮込みうどん

芋汁・煮物・煮込み・芋煮

朝方目覚めたら雪景色、こんな日は絶対にお鍋ですね。千葉県の大浦ごぼうを頂いたので加えてみました。見た目はごつごつとしていて扱いにくそうですが、煮るとほくほくして甘くとても美味しい。そのごぼうとにんじん、里芋、こんにゃくなどを下ゆでし、焼き豆腐や油揚げと一緒に鍋に入れて、酒、濃いめの出汁、醤油で煮込んでいただきます。
そのあとの締めには、合わせみそ・みりん・ザラメかきび砂糖を足して濃いめに味を整え、下茹でしたコシのある太めのうどんとネギ、落とし卵を加えてクツクツ煮込み、煮汁がうどんに染み込んだら食べごろです。
寒くなると運動不足で太ったり、血の巡りも悪くなりやすい。積極的に体を動かし、繊維や発酵食を積極的に摂取しましょう。

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昆布・酢・昆布酢・羅臼昆布

昆布・こんぶ

昆布にはフコイダン、フコキサンチン、食物繊維が豊富。フコイダンは免疫力を高めてがん細胞やウイルスに感染した細胞をいち早く攻撃できるように活性化させるなどの効果が期待でき、フコキサンチンはストレスや生活習慣病、メタボリックシンドロームの予防に役立ち、食物繊維は調整作用を促進させます。酢に昆布を浸すと昆布のカルシュウムが酢の酢酸(さくさん)に溶けでて酢酸カルシュウムを作るのですが、骨粗しょう症予防に有効です。酢に昆布をつけおくだけの旨味昆布酢をいつもキッチンに常備しています。天然昆布を全て手作業で丁寧に作業する素敵な漁師さんご夫婦とパチリ

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酒粕・甘酒・粕汁・発酵食

酒粕・紅麹・甘酒・発酵食・

寒さ厳しいこの季節にいただく粕汁は、体にしみ入るように美味しく感じますね。大人になってお酒をたしなむようになり、さらに好きになった発酵食の酒粕。今が旬の大根、かぶ、にんじん、サケやブリのアラなどとコトコト煮ると最高です。白味噌、山椒、おろし生姜を加えて一緒にグツグツ煮た粕汁は芯から温まり、この時期だからこそのこっくりした温もりのある旨さがあります。

蒸した米、米麹、水を発酵させて漉した液体が日本酒、そのしぼりかすが酒粕です(発酵が終わったもろみを絞ったものが酒粕ですが、アルコール度数もビールほどあります)。
酒粕には、アミノ酸、食物繊維、レジスタントプロテイン、ビタミン、酵母も豊富なので、非常に栄養価が高い発酵食品と言えます。私は「酒粕メンテナンス」と称し、毎週末に酒粕料理を食べてます。肌や腸が潤う実感があります。
今日は赤米で仕込まれた紅麹の酒粕が手に入ったので、きび砂糖を溶いて桃色の豆乳甘酒を作っておやつに。

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元旦・お雑煮(おぞうに)・帰経(きけい)

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2018年・明けまして御芽出度うございます。今年も発酵食と帰径(中医学・食したものの臓器との関係や身体への効能)を自分の勉強も含め、皆様に楽しくお伝えして参りたいと思います。今年は島根県邑南町の大変美味しい餅米で丸餅を作り、お雑煮にしました、井澤家では江戸っ子の父が毎年鶏ガラ・鰹節から出汁をとり、醤油とみりんですまし仕立てに仕上げます。紅白の大根と人参を下ゆでして最後にお餅と合わせますが、江戸雑煮なので小松菜やなると三つ葉などが入ることも。山や海の幸、お椀に盛り込んだお雑煮は土地の数だけ、家の数だけあると言われています。お雑煮(雑=臓)の餅の原料となる餅米は、疲れた臓器や身体を元気にするとも言われていますよ。今年も皆様にとって健やかで麗しい年になりますように。本年もどうそ宜しくお願い申し上げます。