井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

季節の食材を知って、毎日の食生活を豊かに。
食べて元気になれる、栄養豊富な旬の食材を日替わりでご紹介します。

2022年 0月の記事

6/21

夏至(げし)・二十四節気・初夏の料理・食養生

薬味・新生姜・食養生・夏至・まいにち食薬養生帖・食薬・健康・初夏の食べもの・夏至の食べもの

今日は夏至(げし)です。二十四節気の一つで、昼間が最も長く、夜が最も短い日として知られています。冬至と比較すると4時間以上の差があるそうで、ちなみに冬至に食す良しとされる食材は「ん」が付くものとされています。かぼちゃ(なんきん)・だいこん・にんじん・れんこん・きんかん・ぎんなん・みかんなど。どれも滋養があり、カロテンなどビタミン類が豊富、薬膳的にも咳止め効果や胃腸に優しい効能もあり、風邪予防にも適切です。

夏至に良いとされる食材は、いちじく田楽(愛知)・水無月(京都和菓子)焼き鯖(福井)・小麦餅(奈良・和歌山)・うどん(香川)・とうがん・たこ・実さんしょう・あずき・新生姜・みょうがなど地域によって違います。作業の大変な田植えや農作業を労う、不老長寿、豊作祈願など様々です。夏至の期間は6月21日から7月7日の七夕頃まで、北半球では昼間の時間が長く、それぞれの国や地域での祝う文化や風習があってとても楽しげです。

この頃によく作るもの。旬のいちじくの皮を剥いて耐熱容器に入れ、レモン果汁をかけて蒸すとうっすらピンク色のジュースが出ます。冷たく冷やすと美味、井澤家の定番おやつです。たこはタウリンが豊富、セロリや生姜のおろし酢と合わせると雨季の疲労回復にお勧めの一品に、みょうがは縦半分に切って焼き田楽にする、お酒のアテにもピッタリです。

6/20

らっきょう・韮白・手仕事・免疫力

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らっきょうは中国原産で中薬学では韮白(がいはく)と言う名の生薬、日本では畑の薬と言われるほど豊かな効能を持っています。行気薬(気の巡りをよくする)でもあり、野菜の中でもトップクラスの水溶性食物繊維を含みます。腸内の便を吸収するので、便秘解消に薬効があります。
ネギ類なので匂いがありますが(硫化アリル)、血行を良くし、血液をサラサラにします。購入時は丸みを帯び、あまり芽が出ていない新しいものを選んで下さい。

甘酢漬けの作り方です。らっきょう1㎏は茎と根元ギリギリの部分を切り、ボールに入れて流水で薄皮を取るようにこすり洗いする(剥きにくい時は、包丁で切った部分から引っ張るようにします、傷んでいるものがあれば除くか、包丁で剥く)塩大さじ2でもんで20分ほど置き、ざっと水で流す。熱湯で8〜10秒茹でてそのままザルに広げて冷まし、消毒した保存容器に入れ、種を取った赤唐辛子2本と昆布一切れを加えます。小鍋に水160cc、グラニュー糖か氷砂糖(ハチミツやきび砂糖でも)250g入れて溶かし、酢350ccをまぜて冷ましてらっきょうの入った瓶に注ぐ、2週間後から食べられます。
大事なのは芽が成長するので購入したらその日に仕込むこと、後は時間が美味しくしてくれます。

6/18

カモミール・カミツレ・マザーハーブ・ハーブ・安眠

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絵本の中で、ピーターラビットのお母さんが、具合が優れないピーターにカモミルーティーを飲ませていた件があります。目覚め時やお休み前のハーブティーとして、おすすめのカモミール。林檎を思わせる香りや鎮静作用でリラックし、安眠を促す作用が期待できます。

雨季に入り、寒暖の差も激しく心身の体調が不安定になる時。カモミールは別名、マサーハーブ(お母さんのハーブ)と呼ばれるほど安らぎ効果の高い薬草です。ヨーロッパなどでは、古代からその鎮静作用や健脾(食欲不振など、胃に優しく作用する)に効果があるとされ、民間療法でもとてもポピュラーです。

大きく分けるとジャーマンカモミールとローマンカモミールがあり、ハーブティーに向いているジャーマンカモミールは春から今が旬(写真は空気の綺麗な里山、長野県のオーガニックカモミール畑)。心身をリラックスさせる効果があることで有名なカモミール、手に入ればフレッシュカモミールティーをぜひ楽しんで下さい。

ふんわりと優しいカモミールミルクティーの作り方です。小鍋にお湯をブクブクとしっかり沸かし、紅茶の茶葉とカモミールを入れて煮出します。もしあれば、濃いめのミルクを入れ、沸騰直前で火を止めて茶こしを通してカップに注ぎます。好みで生クリームと甜菜糖や和三盆などで、好きな甘さに調整します。ハチミツやメープルシロップを使っても美味。

電子レンジで作るときは、耐熱カップに紅茶のティーバッグ、カモミールのティーバッグ、吹きこぼれないくらいの水を入れて加熱します。カップごと温まりますし、オフィスなどでも手軽に楽しめます。

6/17

青梅・青梅シロップ・梅のカリカリ漬け梅仕事・疲労回復

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庭にポトリポトリと落ちる青梅。手始めの一つに、すぐにいただけるシロップ漬けがあります。傷がついてない梅を選んでよく洗い、2時間水に浸してなり口をとる。密封袋に塩と入れてよく揉み、30分おきます。ヘラなどを押し当て半分に割って氷砂糖になじませるだけで。実はカリカリで、お茶請けにも最適ですよ、詳しい作り方は本日のj-wave start linenにてご覧になれます。

甘露煮の作り方をご紹介します。ホーローなどの鍋に竹串で穴を数カ所開けた梅を入れ、かぶるくらいの水を加えて5〜10分ほど煮ます。この時、火加減は必ず極弱火で(強いと皮が弾けてしまう)。水をかえて氷砂糖を加え、厚手のキッチンペーパーをかぶせ、弱火でさらに10〜15分ほど煮て冷まします。梅を取り出して清潔な保存容器に入れ、煮汁を半量まで煮詰めて注ぐ。甘酸っぱい香りがキッチンに広がって、梅仕事の幸福なひと時が今年もまた始まりました。毎年もたらされる自然の恵みに感謝しながら過ごすひと時です。

薬膳では氷砂糖は肺を潤す効果が期待でき、梅は唾液の分泌を活発にしたり疲労回復を助ける働きがあります。甘露煮のシロップは炭酸や冷水で割っていただくと汗がひき、心身が癒されます。

後少ししたら南高梅が色付きそうです。こちらは黄色くなってから虫あみでそっと手繰り寄せて追熟させてから梅干しにします。

6/15

発酵食・糠漬け・漬物・青梅・実山椒

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糠漬けつくりは発酵しやすいこの季節の気温がおすすめです、本格的な梅干し作業の前に楽しまれてはいかがでしょう。

精米したての生糠(ぬか)500gを用意します。鍋に水2カップ強の水と粗塩60〜70gを入れ溶かし冷ます、ホーローなどの密封容器にぬかを入れ、冷ました塩水を少ずつ柔らかく(ぬかどこらしく)なるまで加えてよく手で馴染ませる。赤唐辛子2本、角切り昆布3㎝角2枚、生姜、粉辛子、干し椎茸などを適宜好みで加え混ぜる。捨て漬け野菜を毎日変えて5、6日して熟れたらきゅうり等、軽く塩もみしてから本漬けします。朝晩かき混ぜるのが理想ですが、最低でも1日1回は混ぜる、容器のフチについたぬかはキレイにふきとり、表面は平らにならして保存するとカビが生えにくくなります。

そして、旬の生実山椒と青梅をポンと加えるのがこの時期ならではの醍醐味。風味が良くなって防腐作用が上がります、ぜひお試し下さい。管理が難しい時は発酵してから冷蔵庫保存します。乳酸菌やギャバがたっぷりの糠漬け、免疫力を上げイライラも防ぐ効果も期待できます。

6/12

玉蜀黍・コーン茶・とうもろこしのミネストローネ・スープ

玉蜀黍・食養生・食薬ごはん・利尿作用・井澤由美子・まいにち食薬養生帖・薬膳・漢方

とうもろこしは米、麦に並ぶ世界3大穀物。糖分が高いので、エネルギーの補給源にもなります。ひげ根が茶色くなってボリュームがあるもの、全体的に重くしまっているものを選び、鮮度が落ちやすいため購入したら直ぐに調理します。

毎年、生のとうもろこしを炊き込みごはんやかき揚げにするのが楽しみ、スープもよく作ります。甘みを生かした品の良い和風スープは、おもてなしにも。削いだとうもろこし、芯、昆布、新玉ねぎを鍋に入れてフタをし、20分ほどゆっくり煮る。ハンドミキサーで攪拌し、白味噌でまとめます。よく冷えたぽったりとした喉越しのよい冷静スープは、突き出しにも最適です。

とうもろこしの削いだ後の芯から旨味や風味が出るので、出汁として他のお料理にもぜひ加えて調理して下さい。今日は撮影で余った彩りトマトやピーマンを加えたミネストローネをスタッフのランチに。鶏ガラスープと塩少々で味付けしています。とうもろこしの食感や甘み、トマトの旨みや酸味が疲れた体に心地よく感じます。バジルを摘んで香りも散らしました。

とうもろこしには血液をサラサラにするリノール酸を含み、便秘改善に役立つ食物繊維が豊富です。ひげをお茶にして(コーン茶)飲む習慣が韓国にはありますが、日本でも人気です。香ばしい中にほんのりとした甘みがあってノンカフェイン。美容に良く利尿作用があります。中医学では湿邪(水分や老廃物が溜まる)と言いますが、雨季になると体や頭が重くなりがちな方には、特にお勧めです。

 

6/9

どくだみ・ドクダミ・漁腥草・十薬・虫刺され

井澤由美子・食薬・食養生・ドクダミ・どくだみ・十薬・魚腥草

庭には3種類のドクダミが咲いています、八重は特に愛らしい。ドクダミは、ドクダメからドクダミの名になったそうです。乾燥させたものは「十薬」という生薬名がつくほど多くの薬効があります。

便秘、肌荒れ、高血圧の予防、利尿作用、アレルギー症状の緩和などに効能があるとされています、生命力のとても強い湿地を好む薬草です。
独特の苦味と香りがありますが、身体の老廃物を排出させるデトックス効果があります。
虫刺されにも効きますよ。ブヨに刺されて腫れた時にドクダミをホイルに包んでしばらく焼いてから、よく揉んだ葉を患部にこすりつけるとかゆみと腫れが治まります。どくだみの花を焼酎に漬けたドクダミチンキも効くそうで、これらは昔ながらの民間療法です。
薬効を気気軽に取り入れられるドクダミ茶の作り方です。ドクダミは開花時期(6〜8月)に、茎の部分から刈り取ってよく洗います。これを束ねて逆さにし、風通しの良いところでしっかり乾燥させます。3、4cmにカットし、保存容器に乾燥剤(お菓子や海苔などについているものでOK)と共に入れて保存します。湿気が気になるようなら極弱火で数分間乾煎りしてから容器へ。飲む時はホウロウのコナンべや土瓶に入れて水から弱火でゆっくり煎じていただきます。

6/7

あさイチ・しらすレモン素麺・おかひじき

おかひじき・野菜・アグレッティ・カルシウム・食養生・

本日のNHKあさイチさん、出演は9時半頃です。関東も梅雨に突入にましたね。ジメジメする日や暑い日など、寒暖の差がある時期は、何かと不調を覚えがち。疲労も重なって、気持ちも落ち込やすくなることもあります。今日はレモンと塩麹、蜂蜜を使ったソースで心身に効く喉越しのよい素麺をご紹介します。カルシウム豊富な旬のしらすとおかひじきの組み合わせ、レモンのビタミンCで効率よく体に吸収できます。

おかひじきは、他の野菜にはないシャキシャキ感が魅力。名前の由来は海藻のひじきに似ているからだそうで、元々は海岸の砂地に自生するアカザ科の野草。ものによっては口に含むと微かな塩気を感じることも。

発祥の地、山形でのハウス栽培では、水分が足りないと固くなり、温度、湿度が適切でないと特徴である歯ざわりが失われてしまうので、細心の注意を払っているそうです。ほぼ無農薬、安心してたっぷり食べられるのも嬉しいですね。お味噌汁やスープに入れたり、あさりとにんにくと合わせてボンゴレ風にするのもお勧め、少々の油をプラスするのが、カロテンポイントです。

 

6/6

紅茶キノコ・コンブチャ・スコビー・発酵

紅茶キノコ・スコビー・発酵飲料・乳酸菌・発酵食品・コンブチャ・健やか・井澤由美子

海外のスーパーでは、コンブチャに様々なフレーバーがついたものが陳列しています。古くから健康のために飲まれてきた少し酸味のある発酵ドリンクです。私は紅茶や緑茶にきび砂糖を加え、酵母由来から生まれた発酵菌のスコビー(ゲル状の白い膜、種菌)を加えて育てています。この頃は、気温が高くなってきたので発酵が早く進みムクムクと大きくなります。スコビーは食べる事もできますよ、私は酢の物などにして楽しんでいます。ナタデココとよく表現されていますが、柔らかく戻した中華のクラゲの様な食感もします。

秋に仕込む柿酢にも元気なスコビーが育ちます。こちらは水を一滴も加えず100%の完熟した柿を発酵させて作るもの。目指すは美味しい酢です、濾した後3〜5年ほど熟成させると琥珀色になってこの上ない素晴らしい酢になる。この時に出来るスコビーもコンブチャのマザー(種菌)になります。

キッチンに行くと日々の様子が目に見える紅茶キノコ。自分で育てる、培養する、こんなに成長過程が解りやすく、見ていて楽しい発酵はないかもしれませんね。

6/4

バジル・ハーブ・ジェノベーゼ

井澤由美子・まいにち直訳養生帖・薬膳・食養生・バジル・スパイス・ハーブ

バジルを目の前にすると深呼吸したくなります。鎮静作用、強壮作用があるスパイシーな香りはイライラも鎮めてくれます。

今日は綺麗なグリーン色のジェノベーゼペーストの作り方をご紹介します。まず、ハーブの色あせ防止作業をして色をくすみにくくします。バジル、パセリ、イタリアンパセリ等好みで合わせて40gほど使います。硬い部分は落とし、熱湯に塩を加えてさっと茹でる。氷の入った水に放してしっかり冷やして色止めをし、水気を絞る。ボウルに松の実やくるみを30g、潰したにんにく半かけ、粗塩、胡椒、茹で各汁少々、おろしチーズが無ければ粉チーズを半カップ、オリーブオイルを半カップ弱ほどつ加えてハンドミキサーで攪拌し、水気を絞ったバジルを入れてさらに攪拌します。好みでフレッシュ少々を足しても。後は清潔な密封容器で冷蔵保存。

簡単に作る時はバジルとハーブ、にんにくを攪拌したら、容器に入れてフタをする様にオリーブオイルを注いで色止め防止します。

色鮮やかなジェノベーゼは、パスタはもちろん茹で野菜やサンドイッチ、魚のソースにと多様。スープに落とすと、お皿の上がパッと美しく映えてコクのある清涼感が宿ります。今年は、いつものペーストに山椒の実を加えてみましたよ、大人のジェノベーゼが出来ました。

バジルも山椒の実も食欲増進効果があり、胃もたれを防ぐ効能が期待できます。肉料理などの付け合わせとして、お勧めです。