井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

季節の食材を知って、毎日の食生活を豊かに。
食べて元気になれる、栄養豊富な旬の食材を日替わりでご紹介します。

2020年 6月の記事

6/30

玉蜀黍(とうもろこし・とうきび)・とうもろこしの冷たい昆布スープ

トウモロコシ・とうもろこし・玉蜀黍・モロコシ

とうもろこしは米、麦に並ぶ世界3大穀物。糖分が高いので、エネルギーの補給源にもなります。ヒゲの数と、とうもろこしの粒の量は比例しますよ、茶色くなってボリュームがあるもの、全体的に重くしまっているものを選び、購入したら直ぐに調理しましょう。毎年、生のトウモロコシを炊き込みごはんにしたりかき揚げにするのが楽しみ、甘みを生かしたすっきりとした和風スープもいいものです。作り方は昆布を水につけておき、ここにとうもろこしの芯と玉ねぎを入れて弱火にかけてフタをし、20分ほどゆっくり煮ます。芯からは甘味や旨味が出るので出汁としてぜひ加えて下さい。
後は削いだとうもろこしの粒を入れ、好みの加減に煮たらハンドミキサーで撹拌し、白みそを溶き入れるだけ。冷たく冷やすと夏に楽しむ冷製コーンスープになりますが、温かくても美味しいものです。
とうもろこしは、体の余分な水分を排出し、豊富な繊維と共に便秘やむくみを改善します。
シンプルにいただく時は、中皮を残してラップで巻き、レンジにかけると茹でるより美味しい!と、美味しいとうもろこしを作る農家さん情報。

6/28

どくだみ・ドクダミ・漁腥草・十薬・虫刺され

ドクダミ・どくだみ・十薬・魚腥草

ドクダミは、ドクダメからドクダミの名になり「十薬」という生薬名がつくほど多くの薬効があり、馬にも効くので使用されたそうです。人には便秘、肌荒れ、虫刺され、高血圧、利尿作用、アレルギー症状などに効能があり、生命力のとても強い湿地を好む薬草です。
独特の苦味と香りがありますが、身体の老廃物を排出させるデトックス効果があります。
虫刺されにも効きますよ、実際にブヨに刺されて腫れた時にドクダミをホイルに包んでしばらく焼いてから、よく揉んだ葉を患部にこすりつけると痒みと腫れが直ぐに治まります。花を焼酎に漬けたドクダミチンキも効くそうで、これらは昔ながらの民間療法です。
お茶の作り方です。茎の部分から刈り取ってよく洗います。これを束ねて逆さにし、風通しの良いところでしっかり乾燥させ、3、4cmにカットし、お菓子や海苔などについている乾燥剤を入れ(湿気が気になるようなら極弱火で数分間乾煎りしても)保存します。ホウロウや土瓶などで水から弱火でゆっくり煎じていただきます。

6/26

ピンク・ペッパー・人気スパイス・spice

原産地がインドのピンク・ペッパーは赤いコショウの実で、完熟後に収穫して外皮を剥いていないもの。コショウの代用品として流通しているピンクペッパーはコショウボクの実で、南アメリカが原産地のウルシ科サンショウモドキ属、コショウボクの赤い実を乾燥させたものです。辛味は少ないですが、香りがよく指でスッとつぶれる柔らかさ、サラダはもちろん料理のトッピングに彩りよく使用されることが多い。初心者にも扱いやすく、おしゃれなチョコレートやお菓子にも多様されていますね。似たものに、西洋ナナカマドの実がありますが、此方の原産地はヨーロッパからシベリア、主に肉料理などに使用されているそうです。どれにしてもひと瓶あると、お皿の上がパッと華やぐので重宝します

6/25

赤しそ・ゆかり・抗酸化作用

DSC05550

抗酸化作用が高いアントシアニンが豊富な赤しそ。お弁当のごはんなどによくふってある塩味の紫蘇のふりかけ(ゆかり風)は、風味よく手作りできます。梅を塩漬けすると白梅酢が上がってきますが、赤しそと一緒に漬けると梅が鮮やかな紅色になります。葉をむしり、よく洗ったらたっぷりの塩でもんでギュッと絞ってアクを抜き、再度塩をしたら白梅酢少々で洗って、梅にもどして一緒に漬けます。この赤しそを梅干しを干す時に、広げて一緒に干します。カラカラに乾いたら、形を残して保存瓶や缶に(お菓子や海苔についている乾燥剤と一緒に)保存してください、もんだきゅうりやキャベツと和えるなど使いかってもよいですよ。食べる時に手でこすれば細かくほぐれます、気分で胡麻や青海苔と合わせても良いですね。赤しそは紅ショウガと漬けてもキレイに発色します、食欲を増進させ、胃液の分泌をよくします。

6/24

杏(あんず)・杏仁

杏・杏仁・あんず

ほんのり甘い香りに気づいて見上げると、杏の実がたわわ。杏のやわらかな色合いを目にすると幸福感が生まれます。完熟杏は香りよく果肉も食べやすい、旬が短いので見かけるたびに堪能します。子供の頃によく食べたクレープは、生クリームやチョコバナナではなく、甘酸っぱいあんずジャムを薄く塗ったものでした。美味しく感じる温かいジャムは、杏が際立っているように今でも思います。
杏は、ドライフルーツにしてもいいもの。半分に割って種を取り、低温のオーブンか果物乾燥機でセミドライにします。これを、黄色いパプリカとオリーブオイルで蒸し焼きにして冷ませば、お互いの良いところがきわだった鮮やかな冷製サラダになります。
杏はカロテンが非常に豊富で、粘膜をうるおす効能があり、種の中身(仁)は漢方薬の原料の杏仁です。杏仁豆腐でも有名ですね(生では食べられません)。
白きくらげは肺を潤す食材と言われていますが、氷砂糖と1時間半ほどゆっくり煮てトロトロにし、そこへ杏仁の粉を加えると咳にもよい美味しいデザートになります。冷たくても温かくてもおすすめです。生クリームなどお好みで加えてください。

6/22

ラペソー・発酵食・ミャンマー

ラペソー・発酵食・発酵食品

ラペソーは約半年から1年ほどかけて茶葉を発酵させたミャンマーの郷土食、漬物のようなイメージです。ミャンマーはイギリスの植民地でしたので、お茶を飲む文化も盛んな土地柄、飲むだけでなく、料理にも展開されています。ラペは「茶」、ソーは「湿った」の意味を持ちます。確かにしっとり湿っており、ほのかな酸味があって、後味に少し苦味が残ります。
ミャンマーのお母さんが作るお惣菜は、苦味のある野菜がクタクタに煮てあったり、辛味とたっぷりのオイルで煮た魚、スパイスでじっくり煮込んだ肉など保存性も高めた料理が多い様です。
買って帰ったラペソーは乳酸キャベツと混ぜてカレーの付け合わせにしたり、唐辛子入りの酢をかけたりして楽しんでいます。現地では(ラペットウ)と言うサラダにされることも。ラペソーと刻んだ生野菜に、レモン果汁、にんにく、青唐辛子、すりごまなどで味付けし、アジョゾンと言われる素揚げした豆やナッツがたっぷり混ぜてあります。旨味のある干しえびも入って、食感のコントラストも楽しいのです。タイの北部や中国雲南省でも食べられるラペソー、実に興味深い発酵食です。

6/20

空豆・蚕豆・天豆・夏豆・Broad bean

空豆・天豆・おたふく豆・蚕豆

千葉に畑をお借りして色々な野菜を栽培しています、5月から空豆も最盛期。見てくれは、お店で販売されているような美しさはないのですが、剥くと青々としてぷっくりとした大きな実が飛び出してきて、フンと豆の香りが鼻をかすめます。採りたての空豆を熱湯に入れ、塩梅よく茹でるわけですが、皮が柔らかいのでそのまま食べた方が美味しい、下ごしらえの皮に入れる切り込みも必要がない程です。空豆ってこんなに美味しいものだったのかとつくづく思いながら、仕事終わりの夕暮れに冷えたワインとつまんで楽しんでいます。少し厚めにスライスした発酵バターと、パン屋さんのバケット、少々の粗塩とペンチで割った胡椒を添えて。
空豆にはビタミン、タンパク質、カリウムが豊富、豆の中でも栄養価が高く疲労回復効果があります、お酒のお供としても最適です。
フジTV・四季彩キッチンでもご紹介した「空豆の素揚げ」は、皮に切り込みを入れて、ある程度温めた中温から揚げるのがポイント。油の中で皮から実が勝手に脱皮するので、手間いらず。鮮やかになって浮いてきた実から先に取り出し、皮は茶色く揚がったら引き上げます、此方もカリカリして実に良いつまみ、全体に軽く粗塩をふって下さい。お酒を提供するお店では空豆を(天豆)と書いてある事があります、心意気も粋なようで嬉しくなり、ついついお願いしてしまいます。

6/19

シラス・しらす・しらす干し・ちりめん

シラス・しらす・しらす干し・ちりめん

しらす好きです。早朝の海辺に行って、しらす漁があったらとってもラッキー!天候やその年によってまちまちなのは桜海老漁も一緒です。鮮度が命の生シラス、透き通った体でピチピチ飛び跳ねて元気。この鮮度の為に、漁が終わると全速力で浜に戻る漁師さん達です。とれたての生しらすを釜茹でしたものが釜茹でしらす、そこから数時間干したものがしらす干し、長く天火干ししたものがちりめんと言われています。しらすの産地では、シラスをパスタやピザ、トーストにのせるなど、日常の食卓に羨ましいほどたっぷり登場しています。
これ以上入れたら握れないかもと思うくらいのしらすを入れたお結びや、炊きたてご飯に贅沢にのせていただくしらす丼は至福です。お弁当にも香り高い青海苔と、手作りの赤紫蘇塩をアクセントにしてたっぷりと。月並みですが、きゅうりやワカメの酢の物とも好相性、酢と合わせるとしらすのカルシウムがよりよく摂取できます。

6/18

与論島・壺酢・さとうきび酢

DSC06003

与論島のさとうきび酢を初めて口にした時は、そのコクにハッとして今でも鮮明に覚えています。島には黒糖がどこにでも売っており、きび酢に溶かすと奥深いパンチのある甘酢がすぐに作れる環境です。朝市で初めて見た赤瓜(あかうり・モーウィ)は胡瓜の仲間だそうで、食べ方を農家のお母さんに教わりました。煮ても炒めてもいいが、生でもよいようなので皮をむいて薄切りにし、島の粗塩で軽くもんで即席の甘酢に漬けてみました。半日ほど冷蔵庫で冷やした赤うりの甘酢漬けは、パリパリとした食感が独特で美味しい、疲れがスーと抜けていく甘酢漬けです。
90歳を過ぎたおばぁが「島の人はきび酢でお刺身をたべる〜」と教えてくれました。酢は腐敗防止効果が高いので南島では当然かも知れません、暑さでバテそうな体にもクエン酸が良く効きます。
島と共に発展してきた発酵調味料のきび酢。のんびりした畑に壺酢が行儀よく並んでいます、冬にきび砂糖を収穫して仕込むそうです。

6/17

梅仕事・昔ながらの梅干し・梅

梅・梅干し・梅しごと・南高梅

梅干しは防腐作用が高いのでこの季節のお弁当にかかせませんね、お米に入れて炊いても良いもの、疲れをとるクエン酸も頼もしい。梅干しを作ると生まれる白梅酢を手塩の代わりにして握ったお結びは、自分で作った調味料だからか、いつもより心華やぎます。ふくよかな香り高い梅は料理にも使いやすいので、私は大きめの完熟梅(緑色や硬さがある時は、真っ黄色になるまで常温で追熟させる)を購入します。500gで大体10〜13個、30分水に漬け水気をしっかりふき、竹串でヘタを取る。リカーや臭いのないアルコール大さじ1で密封袋の中をさっと消毒し、捨てる(袋中ふかなくてOK)。後は70〜90gの粗塩と梅を入れ、袋の上から馴染ませる。同量の重しをして2日間1日1回上下を返し、20日間そのままおく。冷暗所か冷蔵庫で保存し、梅雨があけたらザルに広げて好みの状態に2〜5日間天日に干す(好みで白梅酢に戻す)。梅干しを見ると唾液がでますね、消化力を高めるのでおかゆに添えるのです。味だけではない日本の素晴らしい知恵、梅干しは下痢や便秘にも効能があります。