井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

季節の食材を知って、毎日の食生活を豊かに。
食べて元気になれる、栄養豊富な旬の食材を日替わりでご紹介します。

2019年 9月の記事

9/30

葡萄・ぶどう・美容サラダ

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世界中でみると約80%の葡萄の生産量はワイン原料になりますが、日本で栽培される葡萄の約90%は食用です。大きく分けると黒、赤、緑の3種、形や大きさ、色など様々です。最近では種無しで皮ごと食べられる葡萄の品種改良が盛んです。葡萄の皮には栄養があり、強い甘みは皮と実の間にあるので丸ごと口に出来るのは嬉しい限りですね。葡萄糖の名からも解るように体内でエネルギーに素早く変換されるので疲労回復に効き、脳も活性化し集中力を高めます。よく洗って冷やした葡萄のみずみずしさはパソコン作業の合間のおやつにもピッタリ、リフレッシュします。薬膳では、赤い皮の葡萄に貧血改善の効果があると言われていますよ。ポリフェノールの一種、アントシアニンには活性酵素を除去し、眼精疲労を改善するなど様々な効能が期待できます。ボウルの上で皮ごと食べられる葡萄を手で割き、酢橘やレモンの果汁、粗塩、オリーブオイル、葉野菜やトマトを混ぜたサラダは美しく体を潤します。

9/28

パースニップ・砂糖人参(さとうにんじん)・白人参

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まだ少し日本では知名度の低い野菜ですが、抗酸化作用・抗がん作用が高く薬効のあるパースニップはセリ科です。古代ギリシャでは薬草とされてきたにんじんのような根菜です。加熱すると甘みがまします、皮がむけない程度に下茹でして、メイプルシロップを数回かけながらオーブンでローストしたものは、肉の付け合わせにピッタリ。ドイツでは塩漬けの魚と一緒に食べるそうです。マッシュやポタージュなどにするとエレガントな風味が際立ちますよ。北海道のパースニップをイギリスの友人に食べさせたら、日本にもこんなに美味しいパースニップがあるんだぁと歓喜わまってしみじみと懐かしそうでした。

9/27

蕎麦・新蕎麦(しんそば)

ちょうど水道橋と神保町の中間くらいの裏の方に、こんな所にお店があるのかな?とウロウロ探した蕎麦やさんがあります。季節や時期によってメドレーで香りが練りこんだ蕎麦があり、これが絶品。桜の季節には桜の葉の塩漬けが、ピリッと香る山椒が、蜜柑もそのうちお目見えする。おもちゃのような匂いの香辛料や色を練りこむのではなく、手間暇をかけて本物を使っています。蕎麦本来の香りも楽しみたいので2種盛りをいつもお願いしています。
高血圧、動脈硬化予防に最適なルチンやポリフェノール、肝臓にたまる脂肪をふせぐビタミンB群がお蕎麦は豊富です。蕎麦は茹で汁にも栄養が流れています、江戸時代の蕎麦屋さんは薬なども売っていて、蕎麦湯で流し込んだとか、名案ですね。中医学では気逆(きぎゃく)を下ろし、消化不良やお腹の張りを改善すると言われている蕎麦、食後に胃もたれしないのは当然です。

9/25

棗(なつめ)・大棗(たいそう)・薬膳・漢方

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ナツメはこの季節の9月〜10月頃に山になる実で、かじると青りんごのようなかたさと風味がします。中国では日常的に食べられており、1日3個のなつめを食べれば元気でいられると言われるほどで、秋に実った庭のなつめをポプュラーに楽しむそうです。ナツメは珍重される五果の一つ(季・杏・栗・桃・棗)ですし、葛根湯にも入っています。
ほんのり甘く食べやすいなつめを乾燥させたものは、大棗(たいそう)と呼ばれ、薬膳では頻繁に使われる生薬です。
気を補い、血流を増やし、精神を安定させる効能があると言われています。ナツメを半分にいくつかちぎり、クコと煮出したナツメ茶はふんわり甘く、紅茶と合わせても美味。その他、スープ(参鶏湯にも入っていますね)や煮物に入れて煮込む、ナツメ酒にする、ジャム、お菓子にするなど多用できます。日本では温暖の差がある山里で見かけます。私は毎年里山に出向き、ちょうどよい熟し加減のナツメを見極めて手摘みし、蒸して乾燥させ保存しています。キレイな空気と山水で育つ立派なナツメの木の幼木を数年前に少し分けていただいたきました。頼りなかった細枝が、今年は実をいくつもつける程に成長し、嬉しさひとしおです。

9/22

秋鮭(あきざけ)・秋味(あきあじ)・秋の肌食養生

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産卵直前の川に上がる前の秋味、メスのお腹を裂くとすじこが出てきます。おろして切り身にし、2つに割った頭は一晩塩漬けにし、酒粕、白味噌、秋田味噌を加えて三平汁風にすると美味しい、大根、にんじん、ごぼう、生姜など根野菜をたっぷり入れます。鮭に多く含まれるアスタキサンチンは抗酸化力が高く、体を温め、肩こりや、眼精疲労、体の疲労感を回復するそう。シワやシミが薄くなるなど女性に特に嬉しい食材でもあるのです。ナマ食は控え、冷凍してからルイベなどにすると安心ですね。北海道に行くと珍味の「メフン」(鮭の腎臓の塩辛で、半年から1年くらい塩付けにしたもの)があります。日本酒のお供に最高ですが、塩辛のパスタがあるように「メフンのパスタ」なるものもあったりして面白い。

9/21

米・新米(しんまい)・奥出雲仁多米

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新米の季節になりましたね。毎年日本のお米は世界一だと、お茶碗の中にピカリと光る銀しゃりをみて深く思います。炊き立ての良い香りが鼻に抜けて甘みが口中に広がる幸せ。好きなお米の一つに奥出雲の「仁多米」があるのですが、もちもちとした食感が特徴です。山間が広がる畑の中の田植えは楽しく、稲刈りもできるだけ参加します。お楽しみのご褒美はお結びです。お米が育った新鮮な水で炊かれていて、東京ではマネのできない贅沢さです。新米の季節はほぼ毎日炊きたてを楽しむのですが、湯気の立つごはんにおろしたての山葵でいただく卵かけごはん、ジュワッとごはんに溶けるバター醤油ごはん、黒胡麻と海苔を佃煮風に炊いたものなど気分によってシンプルに楽しんでいます。お米を食べると体力気力ともパワーが出ますが、人の脾胃にもっとも優しいのもお米です。

9/20

落葉キノコ・ハナイグチ

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東京ではあまり見かけない落葉きのこは、から松の木の下にありました。北海道、美瑛での出会いです。表面はぬめりがあって、裏を見ると鮮やかな黄色で水分が多い感じがします。地元の方々に大変人気のあるキノコで、見つけると皆さん楽しそうに採集しています。下処理として、濃いめの塩水にしばらく漬けて汚れや虫を取るそうです。お味噌汁や鍋にいれたり、さっと湯がいて大根おろしのみぞれ和え、醤油漬けなどにして楽しむそう。肉厚なきのこなので、炒め物や揚げ物にしても美味しそうです。採集して日にちが立つと溶けてくるので早めに調理します。キノコはカロリーが低く、食物繊維が豊富、秋にたっぷり堪能したい味覚ですね。

9/19

里芋(さといも)・煮っころがし

見るからに柔らかそうな里芋が出回っています。色々な調理法がありますが、200度くらいのオーブンで20〜30分ほど焼くと、皮ごとスルリと剥けます。粘りのある野菜は焼くだけで十分美味しく、熱々をシンプルにオリーブオイルと塩で堪能してみて下さい。ねっとりとした甘辛い里芋の煮っころがしは、これからの季節の醍醐味ですね。掘り立ての里芋はたわしやスポンジなどでこするだけでツルリと皮がむけるので調理が楽。鍋を熱し、ごま油大さじ1をなじませて里芋を炒め、出汁2カップ、酒50cc、きび砂糖大さじ2を加えて厚手のキッチンペーパーの落しぶたをし、10分ほど中弱火で煮る。醤油大さじ2を加えてさらに8〜10分ほど煮て、最後に強火でとろりとした煮汁をからめる。余ったら、薄く衣をつけて揚げ、熱々のおだしをかけたものもまた美味。中医学では、病気に対する抵抗力をつけ、胃腸の改善に特によいとされています。食が細い方や、病後の方にもおすすめです。里芋の粘りは粘膜を保護し、消化、吸収を高めるなど風邪予防にも有効な野菜です。

9/17

黒キクラゲ・木耳

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キクラゲはキノコの一種で黒色と白色の2種があります。薬膳で黒きくらげは老化防止、エイジングケアに役立つとされ、昔から不老長寿の食材とされてきました。繊維も豊富なので便秘解消にも良いもの。最近では国産の生黒きくらげが出回り、手軽に購入出来るようになりました。ぷるぷるとしているけれど、コリコリとした独特の食感がなんとも楽しい。下処理として白い部分の石づき取り、熱湯で(表示通り、もしくは30秒ほど)さっと茹で食べやすく切ります。茹で黒キクラゲは生姜醤油や酢の物、マヨネーズと和える、春雨中華サラダに入れる、オムレツに加えるなどシンプルに楽しみます。その他、お噌汁やスープ、鍋物に入れる(私はおでんに加えるのが好き)など加熱調理するものは、下ゆでなしでも大丈夫です。豚肉に生姜を加えてごま油炒めする、八宝菜に加えるなど食感が生きます。キクラゲには鉄分なども豊富、タンパク質やビタミンCと摂取すると良いですね。

9/16

じゃが芋・パンケーキ・ポテトパンケーキ

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じやが芋はカリウムが豊富、体内の余分なナトリウムを排出するので、血圧が気になる方にもお勧めです。日持ちする野菜ですが、出来るだけ冷暗所に保存し、芽がでたら必ず取り除きましょう。料理やおやつに大活躍のじゃが芋です、多めに蒸したり茹でたりして、少しとりおいておくと便利。ゆっくり水から塩茹でし、柔らかくなったら湯を捨てて、水分を飛ばします。鍋の中でじゃが芋が乾いてくると皮に切れ目が入るのですが、剥きやすくなり、ほっこり美味しくなります。オムレツに加える、お味噌汁に入れる、サラダにするなど自由自在、今日は小麦粉と卵、チーズと加え混ぜてボリュームのあるパンケーキにしました。ベーコンや、ハム、ツナ、コンビーフなどを加えてもいいですね。メイプルシロップやはちみつ、バターなどは塩気のあるパンケーキにもよく合います。じゃが芋のビタミンCは熱に強いので調理に向いています、手羽先などと一緒に煮ると鶏肉のコラーゲンが体に摂取されやすくなります。