井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

季節の食材を知って、毎日の食生活を豊かに。
食べて元気になれる、栄養豊富な旬の食材を日替わりでご紹介します。

2022年 3月の記事

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筍・食養生

井澤由美子・食養生・山菜・春野菜・筍・たけの子・竹の子・山菜

茹でたての筍がスーパーなどでも売っています。季節のたけの子と木の芽の相性や、香ばしく醤油で焼かれた香りには日本人のDNAも手伝うのか、太刀打ち出来ませんね。
たけの子はなんと言っても繊維が豊富、体の老廃物を排出し、コレストロールの吸収を抑え、脳を活性化させる効果が期待できます。竹皮には防腐効果や殺菌作用ががあるので、昔はおむすびなどお弁当を包んで腐敗を防いでいました。
地中に埋まっていた掘り立ての筍のお刺身は、旬の息吹を感じられ、食べてもアクをあまり感じません。時間が経つとアク抜きが必要になります、購入したら直ぐに下処理してしまいましょう。大きめの鍋にたっぷりの水を入れ、米ぬか1カップ(または重曹大さじ1、あるいは米のとぎ汁)、赤唐辛子2本を加えて中火にかける。筍の皮を数枚むき、穂先を斜めに4、5cm落とし、剥きやすいように縦に浅く切り込みを入れます。落し蓋や厚手のキッチンペーパーをかぶせて中弱火で(大きさによる)1〜2時間程下茹でし、後は穂先は縦斬りにするなど食べやすく切って調理します。
一瞬で大きくなるたけの子、エネルギーと共に色々な調理法で楽しみながらいただきます。

3/30

牡蠣・カキの炊き込みご飯

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見るからに美味しそうなぷっくりとした牡蠣。牡蠣は味覚障害を緩和する手伝いをするそうで、亜鉛と鉄分を多く含むので貧血予防や不眠にもお勧め、栄養豊富です。
牡蠣は「酒毒を消す」とも言われており、お酒のお供にも。生食なら、剥きたての冷たい牡蠣にレモンをギュッとしぼり、ぜひタバスコ少々ふって下さい。全体がしまって美味しいのと、殺菌効果や生臭さを消す作用もあります(タバスコは牡蠣の為に作られた説もありますね)。
牡蠣の旨味と香りをたっぷり堪能できる炊き込みごはんは、酒、醤油、本みりんを煮立て牡蠣をさっと煮て、一度取り出します。旨味のでた煮汁に水を足し、お米と炊きます。炊き上がったら牡蠣をもどして少し蒸らします。さっくりと混ぜて器によそい、柚子の皮を削るか、山椒の葉を散らせば至福の時が来ます

3/29

はまぐり・蛤・食養生

温泉の露天風呂では、いつも思わぬ情報が得られるから侮れない。千葉県・九十九里の漁師さんの奥さんが言うには、「はまぐりは、冬は小さくて夏は固くなる。3月終わりか4月初めくらいが一番良いだしが出て、柔らかくておいしいよ!」と教えてくれます。地域によって多少異なる旬ですが、旨味が凝縮したはまぐりを食べたくなりました。
いつもは酒蒸しやお椀、煮はまや焼きはまいただきますが、ベトナブ風もお勧めです。はまぐり、酒、パイナップルの薄切り、レモングラスをフライパンに入れてふたをして蒸し焼きにし、貝が開いた順に取り出す。シンプルながらも旬のうまみと、爽やかな香りがクセになります。キリッと冷やした泡や、白ワインが相性ば抜群。

はまぐりは旨みが強いだけでなく、カルシウム、亜鉛、マグネシウム、鉄分、アスパラギン酸などが含まれており、疲労回復にも効果的です。

3/28

蓬・よもぎ餅・和ハーブ・薬草・yomogi

井澤由美子・デトックス・まいにち食薬養生帖・蓬・よもぎ・春草・薬草・yomogi 山菜・和ハーブ

新芽のよもぎを見かけるとついつい手にとってしまいます。やわらかいよもぎは風味も優しい、緑茶に加えていただくとその香りと効能で脳がシャキッとします。

野草は春の息吹、香りが豊かで繊維が豊富(食べ慣れない方は、ほどほどの量で楽しみます)。苦味は、虫から身を守るためのアルカノイドに由来する成分で、デトックス効果が高いそうです。香りは気の巡りもよくするので、ストレス緩和にも良く、リフレッシュできます。汗ばむ日も出て来ました、緑茶に柔らかなよもぎを浮かべると、穏やかな良い香りと成分で頭がスッキりします。

春ならではの滋養がいっぱいのよもぎ餅は格別、作り方です。よもぎはよく洗って汚れを取り除き、硬い部分があれば落とします。大きめの鍋に湯を沸かしてよもぎと重曹少々を入れて茹で、冷水にとる。後は水気をしっかり絞ってハンドミキサーにかけるか、包丁で細かく刻めば下ごしらえは完了。もち米と合わせた、つきたての柔らかいよもぎ餅を香ばしく焼く。お醤油はひと垂らし、苦味のような緑香が口いっぱいに広まって元気がでます。

よもぎには炎症作用や止血作用もあるので、傷や虫さされには葉をもんで貼るとよいそう、お風呂に入れる風習も昔からありますね。邪気を払い、神経痛や肌荒れにも効果がありお灸にも使用されています。婦人病にもよいので韓国のよもぎ蒸しなどは有名ですね。

よもぎはアイヌ語でカムイノヤ「神の草」と呼ばれ、さまざまな料理にも使われています。フランスではエルブロワイヤル「王の草」、中国では「医草」と呼ばれ、薬膳では血をきれいにするとされており、世界中でその効能が認められています。

 

3/24

カモミール・カモミールミルクティー・ハーブ・安眠

安眠・カモミール・ハーブ・薬草・安眠・生薬

目覚め時やお休み前にハーブティーの中でも特におすすめのカモミールティー。林檎を思わせる香りや鎮静作用でリラックし、安眠効果も得られるようです。

新生活が始まって何かと緊張感が多いフレッシャーズのみなさんの生活も、元気が出るようにそっと後押ししてくれますよ。カモミールは、マサーハーブ(お母さんのハーブ)と呼ばれるほど安らぎ効果の高い薬草で、古代からその鎮静作用や健脾(食欲不振など、胃に優しく作用する)に効果があるとされています。

大きく分けるとジャーマンカモミールとローマンカモミールがあり、今丁度ハーブティーに向いているジャーマンカモミールの旬です。心身をリラックスさせる効果があることで有名なカモミール、手に入ればフレッシュカモミールティーも楽しんでみて下さい。

日中にいただく、ふんわりと優しいカモミールミルクティーの作り方です。小鍋にお湯をブクブクとしっかり沸かし、紅茶の茶葉とカモミールの茶葉を入れて煮出します。もしあれば、濃いめのミルク(低温殺菌処理牛乳など)を入れ、沸騰直前で火を止めて茶こしを通してカップに注ぎます。好みで生クリームと砂糖(甜菜糖や贅沢ですが和三盆もお勧め)で、好きな甘さに調整します。ハチミツやメープルシロップを使っても美味。

電子レンジで作るときは、耐熱カップに紅茶のティーバッグ、カモミールのティーバッグ、吹きこぼれないくらいの水を入れて加熱します。カップごと温まりますし、オフィスなどでも手軽にお楽しめますね。

3/23

ニラ・旬野菜・食養生

井澤由美子・デトックス・腸活・お腹スッキリ・ニラ・旬野菜・食養生・滋養強壮

春の柔らかそうなニラが出回っています。食欲増進、疲労回復に良いとされるニラは、最も調理しやすい野菜ですね。ニラレバやニラと豚肉炒めなどはシンプルですが、ニラのアリシン、カロテン、肉のビタミンB1などが合わさって相乗効果のある組み合わせです。

ニラの効能を使った昔ながらの民間療法も沢山あります、嘔吐やゲップにお困りの方は、ニラをさっと茹でて絞ったものと、生姜をおろして絞ったものを牛乳で溶いて飲む。腰痛や肩こりには、熱燗を呑みながらニラのお浸しなどをお酒のお供にいただくなど。薬膳では、ニラには止血効果もあり、鼻血、不正出血などに良いとされています。ですが作用が強いので胃腸の弱い方、小さなお子さんは少し控えめになさって下さい。

ニラはお腹のホウキと呼ばれるほど便通効果が高いので便秘気味の方には良いもの。それからお腹が弱い方は蜂蜜と併用すると下すこともあるようなので気をつけます。

3/22

あさり・あさりのお味噌汁・春の食養生

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昨日は春分でした。日が長くなり初めて日中は温かい日が増えてきましたね、早咲きの桜は満開です。
スーパーで大粒のアサリが出回っています。身がぷっくりした旬のアサリは、旨みと栄養価がたっぷり。殻にはカルシウムなどのミネラルが豊富、ぜひ殻付きを調理するようにして下さい。加熱する最初に「少々」の酢を入れると吸収をよくします(少量なら酸味は飛びます)。
砂抜きは、バットにあさりを広げて塩水程度の塩水(水500cc塩大さじ1)をかぶる程度に入れ、新聞紙などを置いて暗くし(海の中と似た状態)半日置きます。時間がない時は50度位の湯に3分ほど浸すと良いそうです。その後、水気を切ってポリ袋に入れ、酒少々を加えて上から揉んで汚れをスッキリ落とします。お味噌汁は、鍋に水とアサリ(好みで昆布一切れ)を入れ中強火にかけます。煮立ってきたらアクをすくい味噌を溶き入れ、口が開いた順にアサリを椀に盛り、熱々のお味噌汁を注ぎます。
アサリのタウリンは肝機能を高めることが知られていますが、春は肝機能をケアすることが大切なので理にかなっています。味噌の沢山の機能性成分、メラノイジンと合わさり疲労回復効果や健康効果が倍増します。しみじみ美味しいあさりの椀物、たっぷり堪能したい春です。

3/20

乳酸キャベツ・発酵食・ザワークラウト・春野菜

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柔らかな春キャベツが出回っています。
乳酸キャベツは、シュークルートやザワークラウトと同じ発酵キャベツの漬物で、井澤家の呼び名です。
基本材料はキャベツ、粗塩、きび砂糖の3つ。ボウルに細切りキャベツ1Kg(巻きのゆるい春きゃべつなら約1個〜1個半)、塩小さじ4、きび砂糖小さじ2を手でよく馴染ませしんなりしたら、密封袋などに入れてしっかり重石をする。常温で2、3日たったら、清潔な保存容器に入れて冷蔵庫へ。お好みで粒胡椒、花椒、クローブ、キャラウエイなどのスパイス類や唐辛子、ローリエ加えても、私はたっぷりの山椒の実の塩漬けや針生姜を加えた和風も好きで、体調によってスパイスの効能と風味を変えています。
発酵食は単体で口にしても腸には効きにくく、食物繊維を足すことで整えやすくなります。乳酸キャベツは発酵食でありながら、食物繊維、ビタミン類などと、乳酸菌が豊富。一つで賄える優れたお漬け物で、一番シンプルな発酵食だと思います。
簡単なのでぜひ手作りしてみて下さい。毎日食べると、自分の体が変わるのが実感できますよ。上質なオイルを少し垂らすとさらに腸へのアプローチが高まります。

3/18

煮干し・にぼ酢・酢・食養生

にぼ酢・煮干し・旨味調味料・カルシウム・養生・手作り調味料・食養生・

煮干しは字のごとく、煮てから干すので煮干しです。当たり前の事ですが、煮干しを作ってみるまではその事実に赴きませんでした笑。

新鮮なカタクチイワシが手に入ったら水で洗う。粗塩(3〜3,5%の海水程度の塩分)を入れてグラグラ沸騰させたら強火の湯で3分ほど茹でます。手早く水気を拭いたらザルや網に広げて3〜4日風通しの良いところで干す(水気を拭いた後、扇風機などで半日ほど乾燥させ、ある程度の水気を飛ばすと実は失敗が少なく、余力があれば夜は冷蔵庫保存で)。

煮干しを使ったお勧めの簡単旨味調味料も春のイライラにとてもよく、疲労も回復するのでご紹介します。1カップの米酢や黒酢に好みの量の煮干しを漬けるだけ。30分ほどで煮干しは柔らかくなります。酢に煮干しを漬けると旨味が出て、酸味が押さえられるので、料理に使いやすいのです。ハラワタなどの苦味も感じません(煮干しの生臭みが気になる方は、ラップをせずにレンジに2分ほどかけてみて下さい)。

酢に漬けた「にぼ酢」は、そのままおやつに最適です。すり胡麻と合わせて胡麻和えに、片栗粉をはたいてサクッと揚げてフリットなどにしてもいいもので、言わなければ誰も元が煮干しだったとは気がつきません。合わせる食材や調理法で更に健康的に美味しくいただけます。

一番の利点は煮干し自身がやわらかくなり、小さなお子様や年配の方まで難なくいただけること。酢の酢酸と煮干しのカルシウムが合わさると「酢酸カルシウム」になり、単体で食べるよりグンと体への吸収率がアップします。育ち盛りの骨や歯を作る手伝いをしたり、骨粗しょう症の予防にもなりますね。カルシウムを含む「にぼ酢」は春の疲労も回復させ、料理を美味しくします。

(この「にぼ酢」は、2017年NHK「きょうの料理」で昆布酢・薬膳酢と共に滋養のある旨味酢としてご紹介させていただいたものです。)

 

 

3/15

蓬・よもぎ・デトックス

よもぎ・山菜・ハーブ・野草・デデトックスス

沖縄で、デトック効果が高いと評判のよもぎ(フーチバー)と月桃の蒸し風呂に入ったことがあります。北海道のお気に入りの宿では、温泉に薬草風呂としてよもぎが入っています。

よもぎはアイヌ語でカムイノヤ「神の草」と呼ばれ、さまざまな料理にも使われています。フランスではエルブロワイヤル「王の草」、中国では「医草」と呼ばれ、薬膳では血をきれいにするとされており、韓国ではよもぎ蒸しが有名、日本ではお灸にも使用され、世界中でその効能が認められています。

娘が小学生の頃、ある時担任の先生がクラスの皆んなを連れて近くの土手によもぎ摘みに連れて行ってくれたそう。雑草とよもぎの区別がつくようになった嬉しさや、よもぎ餅を友達と作って食べた想い出は宝物かも知れません。高い薬効の話と手摘みをして食すという根の深いところまで知らしめた授業は、娘にとって心に残る素晴らしい食育だったようです。今でも通りすがりによもぎを見かけると懐かしそうにしています。

よもぎは、利尿作用や体に溜まった老廃物をデトックスする力があります。造血作用があり、代謝を高める効能も期待できるので、特に婦人病などにお勧めの野草です。