井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

11/25

韮(ニラ・にら)・疲労回復

食欲増進、疲労回復に良いとされるニラは、最も調理しやすい野菜ですね。ニラレバやニラと豚肉炒めなどはシンプルですが、ニラのアリシン、カロテン、肉のビタミンB1などが合わさって相乗効果のある組み合わせです。ニラの効能を使った昔ながらの民間療法も沢山あります、嘔吐やゲップにお困りの方は、ニラをさっと茹でて絞ったものと、生姜をおろして絞ったものを牛乳で溶いて飲む。腰痛や肩こりには、熱燗を呑みながらニラのお浸しなどをお酒のお供にいただくなど。薬膳では、ニラには止血効果もあり、鼻血、不正出血などに良いとされています。ですが作用が強いので胃腸の弱い方、小さなお子さんは少し控えめになさって下さい、ニラはお腹のホウキと呼ばれるほど便通効果が高いので便秘気味の方には良いもの。それからお腹が弱い方は蜂蜜と併用すると下すこともあるようなので気をつけます。

11/24

クワハーダ・cuajada・発酵食・スペイン・発酵食

クワハーダ・発酵食・スペイン

スペインの北東部で特によく食べられている発酵食のクワハーダ、バスク地方ではマミア(mamia)と呼ばれています。チーズの一種で伝統的には羊乳から作られていたようですが、今では牛乳で作られる事も多いそうです。
見た目ヨーグルトのようですが酸味は少なく、フレッシュチーズそのもの、なめらかでとてもさっぱりとしています。現地では砂糖入りと無糖が売っていますが、朝食やおやつに蜂蜜や砕いたクルミと合わせて食べられることが多いそうです。可愛らしい陶器に入った羊乳もあまりクセがなく食べやすい。私はプラムなどのフルーツとメイプルシロップと一緒にいただくのが好きで、市場で新鮮な果物を買って来てはスペイン滞在中の朝食として楽しんでいました。地産オイル、バルサミコ、塩を混ぜたクリーミーなドレッシングを作り、サラダと和えたり、魚のソテーにもよく合いました。低脂肪、低カロリーの体に優しい発酵食です。

11/23

勤労感謝の日・新嘗祭・五穀豊穣

新嘗祭・五穀豊穣・新米・勤労感謝の日

今日は勤労感謝の日です。国民の祝日ですが「勤労をたつとび、生産を祝い、国民が互いに感謝し合う日」として、昭和23年に設定されました。元々は国の祭日で、天皇が自らも食す新嘗祭(にいなめさい)という五穀豊穣(ごこくほうじょう)のお祝いがルーツをと言われています。作物の収穫を感謝する日です。改めて今年の全ての収穫と、目の前にある秋の実りや新米に感謝していただきたいと思います。
実は、私は勤労感謝の日生まれです。瑞穂の国である日本の最も大切な神事であった歴史を初めて勉強した時、この日に生まれた事を嬉しく思いました。また、自分自身が食の仕事に関われた人生についても幸せに感じています。
私の仕事は食の知(血)になることを身につけ、皆様にお伝えしていくことだと思っております。小人精進致します、身を引き締めてまた1年頑張りたいと思いますので、どうぞ宜しくお願い致します。いつもご覧くださり有難う御座います。

11/21

柚子(ゆず)・花柚子(はなゆず)・獅子柚子(ししゆず)

柚子・ゆず・ユズ・種無しゆず

ゆずは、奈良時代前後に中国から日本に渡来されたとされ、現在は約5割が高知県で栽培されています。香り高い本柚子はみかん科ですが、鳥取県の朝市で購入した大きなゆずは獅子柚子(鬼柚子)といい、文旦の仲間だそう。
井澤家の庭に鈴なりなっているのは小ぶりの花柚子、使い切りサイズが便利です。吸い物や蒸し物に少々、フワッと香る清々しさ、フランス人の友人も目がありません。
ギュッと絞った果汁は旬の柿、林檎、洋梨などにさっとふると、さわやかな香りをまとわせながら果物の甘みを引き立てます。香りで気の巡りもよくなり、酸味で疲労も回復させます。皮にもビタミンCが豊富なので、余す事なくいただきます。
柚子味噌の作り方ですが、細切りにして茹で、氷水で色止めします。小鍋に味噌とみりん、きび砂糖を適宜入れ中火で練って甘味噌を作り、茹でた柚子を加え混ぜます。脂ののった旬魚に塗るなど、芳しい香りで冬の味覚がさらに底上げされます。写真の小ぶりの柚子は邑南町道の駅で購入した種無し品種、下ごしらえに時間がかからず果汁がたっぷりです。

11/20

蜜柑・ミカン・陳皮(ちんぴ)・風邪予防

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寒くなると乾燥も手伝い、風邪などひきやすくなります。手洗いうがいを見直し、日頃からみかんなどビタミンCをこまめに補給しましょう。体調を悪くすると消化器や呼吸器の機能が低下し、体内バランスが崩れます。胃腸が弱ると疲れやすく、手足も冷たくなって胃が冷えやすくなることも。気になる方は、干し生姜、ナツメ、茶色いお茶の発酵茶、黒豆などを日頃から煮出してお茶にすると良いですね。
私はここに陳皮(みかんの皮をほしたもの、七味に入っています)を足して香りも楽しんでいます。大変良い香りなので、ネットなどに包んでお風呂にも入れてリラックス。手作りはグンと香リます、無農薬みかんの皮を洗って日当たりの良い場所でカラカラに乾かすだけ、洗濯バサミでつまんでも良いですね。

11/19

ししゃも・柳葉魚・骨粗症予防

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「柳の葉っぱ」からくる「ししゃも」の名前は「シュシュ・ハム」からきており、アイヌ伝説に由来しています。
シシャモは北海道の珍味、日本の固有種は本ししゃもですが、輸入物はカラフトししゃもで通年多く出回っているものです。国産は美しい白目の銀色と繊細な形なので見分けがつきやすい。生干しで売られている事が多いので、軽く炙るだけで頭から骨まで食べられ、カルシュウムを多く摂取できます、フリットや天婦羅など美味しいですね、酢に漬けるとカルシウムが摂取しやすくなるので南蛮漬けなども勧めです。ししゃもにはマグネシウムや亜鉛も多く、高血圧や骨粗症予防に最適。
お腹がパンとはっているものは卵がしっかり入っています。私はメスが好きですが、漁師のお父さんは味が濃いオスしか食べないそう。購入する時はツヤがあり、身がしまっているものを選びます。国産の旬のししゃもは、良い香りで焼いてもふんわり。北海道白糠付の、目の前の海からそよぐ潮風で丁寧に天火干しされたししゃもはピカピカ、塩加減も素晴らしいのでした。

11/18

烏賊(いか)/イカ

イカ・烏賊・お刺身・薬膳

タウリンが豊富ないかは肝機能を向上させるのでお酒の肴にもぴったり。
血を養うので、貧血や月経過多の改善にも有効とされてます。漢方ではいかの甲は胃腸病などの治療に使用されるそうです。
地中海周辺や日本ではよく食される烏賊ですが、食用としない国も多くあります。ワタもオツですし、お刺身でも干しても、煮ても焼いても揚げても美味しいのに(悪魔の海産物)と国によって呼ばれて敬遠されることも。
青森や北海道の一部の地域では、朝烏賊と言って鮮度の良いとりたてのいかを細切りにしてご飯の上におろし生姜とのせ、醤油をかけて食べられていますし、写真の透き通っている綺麗な烏賊は真烏賊で島根県でいただいたお刺身感動しました。いかのタウリンは生かさっと火を通す程度に調理するとその効能を失いません。

11/17

発酵調味料・醤油麹(しょうゆこうじ)・生姜焼き・鷄そぼろ

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日々のおかずに最適な醤油麹。我が家では1番登場率が高い発酵調味料なので多めに作って熟成させています。煮物や炒め物を作る時は、醤油や酒、砂糖、みりんなどを加えて調理しますが、醤油麹は、奥深い旨味と甘味があるのでお酒と合わせるだけで充分。手作りは簡単でお財布にも優しいですよ、スーパーなどで見かける200gの麹を袋の上からキズをつける様によく揉みほぐし、容器に入れて醤油450ccを加えて混ぜる。1日1回とろみが出るまで1〜2週間ほど容器をふって常温におく(発酵メーカーを使ったり、温度調節の手間をかければ一晩でOk)とろみがでたら冷蔵庫で保存する(涼しい所や時期なら常温でOK)。肉を柔らかくする作用に加え、消化吸収を良くし、腸内環境を整える麹。皮付きおろし生姜をたっぷり加え、生姜焼き用豚肉と馴染ませれば王道お惣菜の生姜焼きも美味しく簡単。お弁当にもよいそぼろは、冷たいうちからひき肉と醤油麹をまぜながら火にかけるだけ、白いごはんが止まらなくなります。

11/16

蜂蜜(はちみつ)・honey・ハニー・咳止め 

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薬膳で蜂蜜は呼器器を潤し、咳を止めて痰をとる効能や、乾燥タイプの便通をよくし、腹痛、滋養強壮に良いものとされています。苦い生薬と一緒に、丸剤(薬を一緒に練ってまとめる役目)にも用いられます。ヨーロッパでは約1万年前から栄養源とされており、殺菌効果、お腹の調子を整えるなどの薬としても用いられてきました。蜂蜜は良質なビタミン、ミネラル、カルシュウム、ポリフェノール、酵素、オリゴ糖、鉄分が含まれているバランスのよい栄養食。できれば、加熱処理のされていない天然の蜂蜜を選んで下さい。咳が止まらない時の自然食ケアとして、小さく切った大根を混ぜた「大根蜂蜜」、蓮根をすりおろして、絞り汁と混ぜた「蓮根はちみつ」、刻んだみかん(無農薬皮つき)と合わせる。これらは喉によく効く民間療法です。免疫力も高めるので、季節の変わり目におすすめの甘味料でもあります。私の密かな楽しみに、ブルーチーズと旬フルーツに蜂蜜をたっぷりとかけ、相性の良い同士を探がす遊びがあります、加熱しても美味。

11/15

滑子(なめこ)・きのこ・お味噌汁・発酵食

きのこ・なめこ・ナメコ

深山に入り天然のなめこ摘みを毎年楽しみにしています。なめこは菌床栽培とブナ・トチなどの広葉樹の倒れ木などで育てられる原木栽培があります。天然物はゼラチンがまとわりついているような、ぬめり感が多く魅力的、一つ一つがプックリとしています。胃壁を保護するので二日酔いの朝などのお味噌汁にも最適。きのこにはBグルカンが豊富、腸内環境をよくし、免疫力を強化する作用を高めます。旨味が強いのでなめこだけで出汁が充分でますし、力強いなめこはしばらく煮てもしぼみません。朝1杯のお味噌汁は1日の「毒消し」と言われるほど体に良いもの、目覚めに温かいものをいただくと血液循環が高まって1日を気持ちよくスタートできます、特になめこのお味噌汁は元気になる気がします。
きのこ狩り名人宅で、なめことイノシシ肉の炒め物をご馳走になりました。塩、胡椒炒めのシンプルな調理ですが、旨味と滑りが上手に絡まってインパクトが有り、なめこも炒め物に出来ると初めて知った晩御飯でした。