井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

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七夕・そうめん・薬味・夏の食養生

薬味・新生姜・食養生・夏至・まいにち食薬養生帖・食薬・健康・初夏の食べもの・夏至の食べもの

意外と知られていませんが、七夕の食事はそうめん。天の川や織姫の糸を彷彿させますね。暑い夏に涼やかな冷たい素麺を食べて無病息災を願うという風習は、平安時代の書物に記録があるそうです。

素麺は氷水でしっかり締めることが大事。ツルツルの喉越しの良さがストレスを緩和するでしょう。梅干しを漬けた方はぜひ、濃いめの出汁に白梅酢を加えてみてください。クエン酸が元気を引き出します。赤味噌と甘酢で練った酢味噌ダレ、出汁しょうゆに酢橘とゼラチンを加えたポン酢ジュレなどいつもと違った食べ方をするのも楽しいですね。具は出汁に浸した梅肉、蒸し鶏、茹で野菜、甘辛く煮付けた油揚げ、薄焼き卵の細切りにしたものなどをお好みで。薬味はねぎ、みょうが、しょうが、わさび、にんにく、しそ、みつば、ごまなど、それぞれ薬効があるのでたっぷり添えて下さい。食欲不振や夏バテなどを改善する手助けもします。小粋な七夕そうめんパーティー、見た目涼しげで子供達も盛り上がります。

7月7日「そうめん」まいにち食薬養生帖・149ページより

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ヨーグルト・タラトル・冷製スープ  発酵食・夏バテ

夏野菜・夏バテ・食養生・ビタミン・まいにち食薬養生帖・タラトり・冷やしスープ・ヨーグルト・ブルガリア・井澤由美子

ヨーグルトの本場、ブルガリアの冷たいヨーグルスープ・タラトル。風邪をひいた時や、体調が悪い時にもヨーグルトを食べる習慣のあるブルガリア。日本の味噌の様にこだわりのある方は手作りも当たり前で、日常的にたっぷり料理に使います。

冷んやりタラトルの作り方です。きゅうり1本分の皮をところどころ剥いて粗みじん切りにし、オリーブオイル大さじ1、おろしにんにく、クミン、レモン果汁各少々とヨーグルト2カップを加え混ぜ、牛乳や水1カップくらいで飲みやすく伸ばして塩、胡椒で味を整えます。冷蔵庫で冷やして器によそい、オイルをさらにひと垂らし。柔らかいディルを添えるとより本場風になります。

ヨーグルトは発酵食ですが、更に腸に効かすには食物繊維+ビタミン+良質のオイルと共に摂取すること。そのほか、クミン、ナツメグ、クローブなどの生薬でもある胃腸を整えるスパイスを加えても良いですね。体を涼しくするきゅうり、元気をつけるにんにく、疲労を回復するレモンの効果で夏バテ気味の食欲減退を補佐します

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一汁三菜・まごわやさしい・シニアの元気

食養生・一汁三菜・まごはやさしい・井澤由美子・食薬ごはん・まいにち食薬養生帖・健康・卵焼き・薬膳・山薬

週末の朝ごはんやお昼には一汁三菜が多い。だいたい作り置きや余った食材のリメイクを少しずつお皿にのせて楽しんでいます。今日は、3cmほど残っていた長芋をおろして卵焼きに加えました。昆布出汁、味醂、醤油を混ぜて焼けば滋養があり、しっとりとした食感の卵焼きになります。冷凍してあった玄米餅米の筍おこわと、キャベツのはし切れを蒸し器におく。キャベツの芯まで甘く柔らかになります、梅干しとおかかを和えたお浸しにして消化よく。今日は少し暑かったので、海藻の昆布酢漬けにきゅうりを加えて。作り置きの糠つけ沢庵と辛味の効きすぎてしまったわさび漬も添えました。干し椎茸のお味噌汁には新玉ねぎと黒すりごまをたっぷり入れてカルシウムuP。気づくと(まごはやさしい)献立になっていました。

山芋・長芋類は山の薬と書いて山薬(さんやく)と呼ばれるほど元気になる効能が高い野菜です。食物繊維もあるので、もともと良質なたんぱく質の卵と合わせると大変滋養が高くなります。薬膳と栄養学の観点からは、トリプトファンを含む卵と腎機能を高める山芋の組み合わせで 安眠効果が期待できます。

まごはやさしいを毎日少しずつ取り入れていくのはバランスの良い食卓の目安になりますね。「ま→豆(大豆類)、ご→ごま(すりごまが良い)、わ→わかめ(海藻類)、や→(野菜類)、さ→魚、し→しいたけ(きのこ類)、い→いも(芋類)」特にシニアの元気にはお勧めです、日々実践して美味しく楽しく召し上がって下さい。

6/23

杏・あんず・杏仁・美肌

杏・杏仁・あんず・食養生・薬膳・食薬ごはん・漢方

ほんのり甘い香りに気づいて見上げると、杏の実がたわわ。杏のやわらかな色合いを目にすると幸福感が生まれます。完熟杏は香りよく果肉も食べやすい、旬が短いので見かけるたびに堪能します。子供の頃によく食べたクレープは、生クリームやチョコバナナではなく、甘酸っぱいあんずジャムを薄く塗ったものでした。温かいジャムは、杏の香りが際立って子供心に本当に美味しく感じたものです。
杏は、ドライフルーツにしてもいいもの。半分に割って種を取り、低温のオーブンか果物乾燥機でセミドライにします。これを、黄色いパプリカとオリーブオイルで蒸し焼きにして冷ませば、お互いの良いところがきわだった鮮やかな冷製サラダになります。

杏はカロテンが非常に豊富で、粘膜をうるおす効能があり、通便作用もあります。種の中身(仁)は漢方薬の原料、杏仁 (きょうにん)。有名な杏仁豆腐の素ですね(生の種では食べられません)。
白きくらげは肺を潤す食材と言われていますが、氷砂糖と1時間半ほどゆっくり煮てトロトロにし、そこへ杏仁の粉を加えると咳や痰を切り、美肌に導く美味しいデザートになります。冷たくても温かくてもおすすめです。気分でレモン風味でさっぱりさせるか、生クリームで滑らかなコクを出すか、毎回悩ましいのです

6/22

砂肝・コンフィー・山椒の実

砂肝・コンフィー・食養生・美味しい・山椒

砂肝の下処理は面倒だと敬遠されがちですが、今日ご紹介するコンフィー(油煮)は日持ちもして簡単。砂肝(350g)の硬く白く盛り上がった部分からそぎ切りにして3、4等分にする。ポリ袋に入れて粗塩大さじ2をまぶして袋の上から全体をもんで一晩冷蔵庫におく。ザルにあけてざっと流水で洗い、水気をきって厚手の小鍋に入れ、旬の山椒の実とオリーブオイルをたっぷりかける(山椒は赤唐辛子でも)。厚手のキッチンペーパーをかぶせてフタをし、極弱火で15分煮てそのまま冷ます。清潔な密封容器に入れ、冷蔵庫で一晩ねかせると旨味たっぷりの煮汁がジュレ状になって砂肝にまとわりついています。砂肝を柔らかく美味しくしてくれるのは一晩の時間と、塩だけ、ワインが止まらなくなります。

砂肝はカロリーが低く、タンパク質が豊富。鉄や亜鉛、ビタミン、葉酸なども含まれているので女性に特にお勧めです。お手頃価格で楽しめる砂肝ですが、水と酒で炊いて、鶏鍋などのベースにすると、とても良い出汁が出ます。鮮度の良い砂肝を見かけたら、ぜひお試しを。

6/21

夏至(げし)・二十四節気・初夏の料理・食養生

薬味・新生姜・食養生・夏至・まいにち食薬養生帖・食薬・健康・初夏の食べもの・夏至の食べもの

今日は夏至(げし)です。二十四節気の一つで、昼間が最も長く、夜が最も短い日として知られています。冬至と比較すると4時間以上の差があるそうで、ちなみに冬至に食す良しとされる食材は「ん」が付くものとされています。かぼちゃ(なんきん)・だいこん・にんじん・れんこん・きんかん・ぎんなん・みかんなど。どれも滋養があり、カロテンなどビタミン類が豊富、薬膳的にも咳止め効果や胃腸に優しい効能もあり、風邪予防にも適切です。

夏至に良いとされる食材は、いちじく田楽(愛知)・水無月(京都和菓子)焼き鯖(福井)・小麦餅(奈良・和歌山)・うどん(香川)・とうがん・たこ・実さんしょう・あずき・新生姜・みょうがなど地域によって違います。作業の大変な田植えや農作業を労う、不老長寿、豊作祈願など様々です。夏至の期間は6月21日から7月7日の七夕頃まで、北半球では昼間の時間が長く、それぞれの国や地域での祝う文化や風習があってとても楽しげです。

この頃によく作るもの。旬のいちじくの皮を剥いて耐熱容器に入れ、レモン果汁をかけて蒸すとうっすらピンク色のジュースが出ます。冷たく冷やすと美味、井澤家の定番おやつです。たこはタウリンが豊富、セロリや生姜のおろし酢と合わせると雨季の疲労回復にお勧めの一品に、みょうがは縦半分に切って焼き田楽にする、お酒のアテにもピッタリです。

6/20

らっきょう・韮白・手仕事・免疫力

まいにち食薬養生帖・疲労回復・らっきょう・ラッキョウ・甘酢漬け・漬物・きび酢

らっきょうは中国原産で中薬学では韮白(がいはく)と言う名の生薬、日本では畑の薬と言われるほど豊かな効能を持っています。行気薬(気の巡りをよくする)でもあり、野菜の中でもトップクラスの水溶性食物繊維を含みます。腸内の便を吸収するので、便秘解消に薬効があります。
ネギ類なので匂いがありますが(硫化アリル)、血行を良くし、血液をサラサラにします。購入時は丸みを帯び、あまり芽が出ていない新しいものを選んで下さい。

甘酢漬けの作り方です。らっきょう1㎏は茎と根元ギリギリの部分を切り、ボールに入れて流水で薄皮を取るようにこすり洗いする(剥きにくい時は、包丁で切った部分から引っ張るようにします、傷んでいるものがあれば除くか、包丁で剥く)塩大さじ2でもんで20分ほど置き、ざっと水で流す。熱湯で8〜10秒茹でてそのままザルに広げて冷まし、消毒した保存容器に入れ、種を取った赤唐辛子2本と昆布一切れを加えます。小鍋に水160cc、グラニュー糖か氷砂糖(ハチミツやきび砂糖でも)250g入れて溶かし、酢350ccをまぜて冷ましてらっきょうの入った瓶に注ぐ、2週間後から食べられます。
大事なのは芽が成長するので購入したらその日に仕込むこと、後は時間が美味しくしてくれます。

6/18

カモミール・カミツレ・マザーハーブ・ハーブ・安眠

綺麗・花畑・体に優しい・安眠・ストレス・鎮静作用・カモミール・カミツレ・ハーブ・マザーハーブ・井澤由美子

絵本の中で、ピーターラビットのお母さんが、具合が優れないピーターにカモミルーティーを飲ませていた件があります。目覚め時やお休み前のハーブティーとして、おすすめのカモミール。林檎を思わせる香りや鎮静作用でリラックし、安眠を促す作用が期待できます。

雨季に入り、寒暖の差も激しく心身の体調が不安定になる時。カモミールは別名、マサーハーブ(お母さんのハーブ)と呼ばれるほど安らぎ効果の高い薬草です。ヨーロッパなどでは、古代からその鎮静作用や健脾(食欲不振など、胃に優しく作用する)に効果があるとされ、民間療法でもとてもポピュラーです。

大きく分けるとジャーマンカモミールとローマンカモミールがあり、ハーブティーに向いているジャーマンカモミールは春から今が旬(写真は空気の綺麗な里山、長野県のオーガニックカモミール畑)。心身をリラックスさせる効果があることで有名なカモミール、手に入ればフレッシュカモミールティーをぜひ楽しんで下さい。

ふんわりと優しいカモミールミルクティーの作り方です。小鍋にお湯をブクブクとしっかり沸かし、紅茶の茶葉とカモミールを入れて煮出します。もしあれば、濃いめのミルクを入れ、沸騰直前で火を止めて茶こしを通してカップに注ぎます。好みで生クリームと甜菜糖や和三盆などで、好きな甘さに調整します。ハチミツやメープルシロップを使っても美味。

電子レンジで作るときは、耐熱カップに紅茶のティーバッグ、カモミールのティーバッグ、吹きこぼれないくらいの水を入れて加熱します。カップごと温まりますし、オフィスなどでも手軽に楽しめます。

6/17

青梅・青梅シロップ・梅のカリカリ漬け梅仕事・疲労回復

青梅・井澤由美子・梅シロップ・疲労回復

庭にポトリポトリと落ちる青梅。手始めの一つに、すぐにいただけるシロップ漬けがあります。傷がついてない梅を選んでよく洗い、2時間水に浸してなり口をとる。密封袋に塩と入れてよく揉み、30分おきます。ヘラなどを押し当て半分に割って氷砂糖になじませるだけで。実はカリカリで、お茶請けにも最適ですよ、詳しい作り方は本日のj-wave start linenにてご覧になれます。

甘露煮の作り方をご紹介します。ホーローなどの鍋に竹串で穴を数カ所開けた梅を入れ、かぶるくらいの水を加えて5〜10分ほど煮ます。この時、火加減は必ず極弱火で(強いと皮が弾けてしまう)。水をかえて氷砂糖を加え、厚手のキッチンペーパーをかぶせ、弱火でさらに10〜15分ほど煮て冷まします。梅を取り出して清潔な保存容器に入れ、煮汁を半量まで煮詰めて注ぐ。甘酸っぱい香りがキッチンに広がって、梅仕事の幸福なひと時が今年もまた始まりました。毎年もたらされる自然の恵みに感謝しながら過ごすひと時です。

薬膳では氷砂糖は肺を潤す効果が期待でき、梅は唾液の分泌を活発にしたり疲労回復を助ける働きがあります。甘露煮のシロップは炭酸や冷水で割っていただくと汗がひき、心身が癒されます。

後少ししたら南高梅が色付きそうです。こちらは黄色くなってから虫あみでそっと手繰り寄せて追熟させてから梅干しにします。

6/15

発酵食・糠漬け・漬物・青梅・実山椒

発酵食・漬物・糠つけ・青梅・実山椒・梅雨の食養生・食薬ごはん・井澤由美子・薬膳・漢方

糠漬けつくりは発酵しやすいこの季節の気温がおすすめです、本格的な梅干し作業の前に楽しまれてはいかがでしょう。

精米したての生糠(ぬか)500gを用意します。鍋に水2カップ強の水と粗塩60〜70gを入れ溶かし冷ます、ホーローなどの密封容器にぬかを入れ、冷ました塩水を少ずつ柔らかく(ぬかどこらしく)なるまで加えてよく手で馴染ませる。赤唐辛子2本、角切り昆布3㎝角2枚、生姜、粉辛子、干し椎茸などを適宜好みで加え混ぜる。捨て漬け野菜を毎日変えて5、6日して熟れたらきゅうり等、軽く塩もみしてから本漬けします。朝晩かき混ぜるのが理想ですが、最低でも1日1回は混ぜる、容器のフチについたぬかはキレイにふきとり、表面は平らにならして保存するとカビが生えにくくなります。

そして、旬の生実山椒と青梅をポンと加えるのがこの時期ならではの醍醐味。風味が良くなって防腐作用が上がります、ぜひお試し下さい。管理が難しい時は発酵してから冷蔵庫保存します。乳酸菌やギャバがたっぷりの糠漬け、免疫力を上げイライラも防ぐ効果も期待できます。