井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

11/13

蜂蜜(はちみつ)・honey・ハニー・咳止め 

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薬膳で蜂蜜は呼器器を潤し、咳を止めて痰をとる効能や、乾燥タイプの便通をよくし、腹痛、滋養強壮に良いものとされています。苦い生薬と一緒に、丸剤(薬を一緒に練ってまとめる役目)にも用いられます。ヨーロッパでは約1万年前から栄養源とされており、殺菌効果、お腹の調子を整えるなどの薬としても用いられてきました。蜂蜜は良質なビタミン、ミネラル、カルシュウム、ポリフェノール、酵素、オリゴ糖、鉄分が含まれているバランスのよい栄養食。できれば、加熱処理のされていない天然の蜂蜜を選んで下さい。咳が止まらない時の自然食ケアとして、小さく切った大根を混ぜた「大根蜂蜜」、蓮根をすりおろして、絞り汁と混ぜた「蓮根はちみつ」、刻んだみかん(無農薬皮つき)と合わせる。これらは喉によく効く民間療法です。免疫力も高めるので、季節の変わり目におすすめの甘味料でもあります。私の密かな楽しみに、ブルーチーズと旬フルーツに蜂蜜をたっぷりとかけ、相性の良い同士を探がす遊びがあります、加熱しても美味。

11/11

生姜(しょうが)・干し生姜・冷え

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11月に入ると足元の寒さも気になるようになり、生姜に手が伸びます。体をさっと温めるショウガオールとジンゲロンの効果は高く、慢性的な冷えも和らげます。少し濃いめのあんかけにたっぷりのおろし生姜をのせて、うどんや湯豆腐にかけたものは体と神経がほっこり温まる。私は少し多いかなと思うくらいの細切り生姜を炒め物や炊き込みごはん、スープ等に加えるのですが、バターやオイル、肉類を加えると脂や加熱で辛味も和らいで子供でも食べやすくなります。
干し生姜は胃にも優しく、芯から体を温めます。保存がきき、いつでも料理に使えまるのも良いところ。皮付きを薄切りにしてザルに広げてカラカラになるまで干すだけ、乾燥剤と密封保存します。写真は生姜たっぷり海老ワンタン、海老は海産物の中でも体を冷やさないので寒時におすすめのシーフードです。
香りも良い生姜は気の巡りもよくします、普段のお茶やお味噌汁などにも気軽に加えてリラックスします。

11/10

豚肉・茹で豚

バラ肉で柔らかい茹で豚を作り、キムチや白菜漬で巻いて食べると美味しいですね。作り方も簡単です。厚手の鍋に酒50cc、山椒の実の塩漬け、皮付き生姜スライス、あればタマネギやネギのはしきれをいれます、山椒の実塩漬けは胡椒のホールでもよいでしょう。かたまり肉に塩麹か粗塩をもみ込んだもの300gと、かぶるくらいの水を入れ、厚手のキッチンペーパーをかぶせて沸騰したらコトコトと30〜40分ほど火にかけてそのまま冷ますだけです。6,7mm薄の薄切りにして、叩いた梅肉に蜂蜜を少し加えまぜたものや(マヨネーズを入れるとお子さんも好きな味)、韓国味噌、酢橘と粗塩、辛子と醤油、ごま油と粗塩などお好みで。豚肉に含まれるビタミンB群は、中々取れない疲れをサポートしてくれますし、皮膚の粘膜もケアします。めっきり寒くなった今日この頃、発酵食と合わせて免疫力も上げましょう。

11/8

小鍋・鍋・なべ・主婦の友社

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沢山のいろいろな種類の具材が入ったお鍋も美味しいですが、単純シンプルな(野菜とたんぱく質が1対1くらいの)常夜鍋などは素材が生きて味が濁らず、お互いを引き立てるのでそれぞれを深く味わえる醍醐味があります。甘みと香りのつよいちぢれほうれん草をさっと茹で、豚しゃぶと合わせてポン酢でいただく、塩麹をもみ込んだ手羽とトロリと甘く煮える蕪、あさりと薄切り大根は塩こぶと、酒粕とタラと里芋もはオツ、炙りうなぎとごぼうを甘辛出汁で煮た小鍋も最高、砂肝鍋は全てお酒だけで炊き、唐辛子と煮て最後にさっと芹と合わせる(次の日にはプルンプルンの煮凝りができており、これまた美味しいのです!)大人ならではの楽しみがいっぱいの小鍋仕立て、一人鍋もぜひ楽しんで下さい。「爆ラク!小鍋」主婦の友社よりポケットサイズに、ギュッと色々詰まってます!

11/7

菊花(きくか・きっか)・眼精疲労・ドライアイ

薬膳で眼精疲労に効くのは菊花。目のかすみ、ドライアイなど主に目のトラブルの解消に使用され、クコの実を加えたお茶は飲む目薬と言われる漢方薬の「紀菊治黄丸」。私はいつものお茶に菊花茶を加えてブレンドしています。酒毒緩和作用が期待できるので、中国では強いお酒をいただく時にも飲まれています。店頭で見かけ始めた日本の食養菊はまた少し効能が異なりますが、独特の風味がよいものですね。アクとエグミをとり、色を保つ為に熱湯に酢を加えてさっと茹で、冷水にとってギュッと絞って調理します。貝と甘酢と和えたり、お浸しや椀もの、お刺身のツマなど。いずれにしてもたっぷりいただいて効能を高めます。山形で食べた紫菊は「もってのほか」と言う名前、由来は御紋の花を食べるとはもってのほかだからだそうです、本名は「延命役」素敵な香りと食感です。

11/7

干し大根・切り干し大根

太め、厚切り輪切り、皮だけを細切りにした大根を干して、切り干し大根を作っています。切り干し大根は干すことで水分量が減り、ギュッと甘みが増して旨味成分が凝縮して、調理法によってはパリパリとした食感も楽しめる。
生の大根よりカルシウム、鉄分、ビタミンなどの栄養価が倍増するなど利点も多く、たくさん食べれることで食物繊維も豊富に摂取できます。スルメを細かく裂いて、切り干し大根と一緒に戻してコトコト煮たり、酢の物やサラダにするとダイエット効果も高まります。ボウルにたっぷりの水を張り、切り干し大根をほぐすように洗って、水気をしっかり絞る。密封容器に入れ、酢醤油にメイプル、ごま油少々を足して浸す(水に戻さないので、栄養価が逃げない)冷蔵庫で3、4日くらい保存可能です。切り干し大根の戻し汁は、旨味があるので精進出しとしても使用できます

11/5

ドライカレー・キーマカレー

キーマカレーのキーマはひき肉の意味。インドでは宗教上の理由から豚や牛ではなく、マトンや鶏が主流。水分が多少多目で、日本のドライカレーの原型とされています。ドライカレーは明治時代に日本人のコックさんがヨーロッパ航路の客船で考案したそうです。炒め煮なのでルーは使わず、カレー粉と家にあるスパイスで短時間で調理できますね。玉ねぎをラップに包んで600wで約5分加熱し、ざっくり刻んでフライパンに入れる。ここにカレースパイス類を入れて馴染ませるように炒める。脂溶性のスパイスは油で炒めると良い香りが立って食材にからみます。後はひき肉や刻んだ旬野菜を加えて炒めるだけ。
スパイスの調合はお好みですが、クミン、チリパウダー、コリアンダー、ターメリック、シナモン等はおすすめです。スパイスは胃腸の調子を整え、代謝をよくして免疫力を高めます。上手に食卓に取り入れて風邪予防になどに役立て下さい。

11/3

蜜柑・ミカン・陳皮(ちんぴ)・風邪予防

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寒くなると乾燥も手伝い、風邪などひきやすくなります。手洗いうがいを見直し、日頃からみかんなどビタミンCをこまめに補給しましょう。体調を悪くすると消化器や呼吸器の機能が低下し、体内バランスが崩れます。胃腸が弱ると疲れやすく、手足も冷たくなって胃が冷えやすくなることも。気になる方は、干し生姜、ナツメ、茶色いお茶の発酵茶、黒豆などを日頃から煮出してお茶にすると良いでしょう。私はここに陳皮(みかんの皮をほしたもの、七味に入っています)を足して効能を上げつつ香りも楽しんでいます。大変良い香りなので、ネットなどに包んでお風呂にも入れてリラックス。陳皮は漢方薬局やデパートなどでも売っていますが、手作りはグンと香リます、無農薬みかんの皮を洗って日当たりの良い場所でカラカラに乾かすだけ、洗濯バサミでつまんでも良いですね。
今日は文化の日ですが、農林水産省が語呂合わせから11(いい)3(み)みかんの日に制定しています。

11/1

ししゃも・柳葉魚・骨粗症予防

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「柳の葉っぱ」からくる「ししゃも」の名前は「シュシュ・ハム」からきており、アイヌ伝説に由来しています。
シシャモは北海道の珍味、日本の固有種は本ししゃもですが、輸入物はカラフトししゃもで通年多く出回っているものです。国産は美しい白目の銀色と繊細な形なので見分けがつきやすい。生干しで売られている事が多いので、軽く炙るだけで頭から骨まで食べられ、カルシュウムを多く摂取できます、フリットや天婦羅など美味しいですね、酢に漬けるとカルシウムが摂取しやすくなるので南蛮漬けなども勧めです。ししゃもにはマグネシュウムや亜鉛も多く、高血圧や骨粗症予防に最適。お腹がパンとはっているものは卵がしっかり入っていますよ。私はメスが好きですが、漁師のお父さんは味が濃いオスしか食べないそう。購入する時はツヤがあり、身がしまっているものを選びます。国産の旬のししゃもは、良い香りで焼いてもふんわり。北海道白糠付の、目の前の海からそよぐ潮風で丁寧に天火干しされたししゃもはピカピカ、塩加減も素晴らしいのでした。

10/30

白木耳(シロキクラゲ)・銀耳・美肌食・美容食

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白キクラゲは肌を潤す効果が高いので薬膳では貴婦人の美容食と呼ばれています。滋養強壮作用も高く、食物繊維もとても豊富です。日本では乾燥ものが一般的ですが、生白キクラゲや耳を大きくしたような形の「銀耳」と呼ばれる形(こちらは少し高級品)の白キクラゲも栽培されていて、ネットなどで入所できます。スーパーで見かける白キクラゲはカサがあるタイプが多いですが、購入する時は、出来れば大ぶりで肉厚、色が白めのもので根元が硬くなさそうなものを選びましょう。一般的にはさっと茹でて中華のデザートなどに多く見られる白キクラゲですが、サラダや酢の物にも良いものです。しっかり滋養を摂取したい時は、たっぷりの水で1時間半くらいコトコトゆっくり煮て充分なとろみが出るまで下茹でします。肌を潤したい時は、手羽先、セロリ、生姜薄切り、黒胡椒を加えて更に煮込んだ美肌スープに。白キクラゲは肺を潤す効能も期待出来るので、杏仁粉と氷砂糖、ミルク(好みで生クリームを加える)と煮て美味しい咳止デザートにしても良いでしょう。写真は杏仁豆腐とフルフルの白キクラゲです。