井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

2/26

新玉ねぎ

生でも美味しい、白くて柔らかい新玉ねぎをスーパーで見かけるようになりました。まずはお味噌汁に入れて楽しむ。辛味がなく水みずしいのでスライスなどそのままでOK、現地の農家さんは栄養価も逃げるからと、水にさらしません。調理をする時も火入れ時間を短くするメニューが多いそうです。
玉ねぎの生食は血液サラサラ効果が高いのですが、こちらは通常の玉ねぎに軍杯が上がります。しかし、新玉ねぎは腸内環境を良くしたり、消化を助ける、食欲増進効果、疲労回復効果などが期待できます。
先日寄らせていただいた茅場町のイタリアン(ターブルドット)では、薄くスライスした玉ねぎにたっぷりのシラスとディルをのせたお料理が絶妙でした。大半の方が頼むというこのサラダはお店のスペシャリテのようです、シンプルながらとてもよく考えられた体にも良いサラダでした。
みずみずしい玉ねぎは、隙間がなく、ずっしりと重ためで球状、先端が細めのもの選びます、購入時の目安にして下さい。新玉ねぎでも匂いや辛味を感じて気になる方は、空気に触れさせて少し置いてからいただくと多少違うようです

2/25

マヌカハニー・マヌカの花

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日本では春が開花のマヌカの花。可愛らしいピンクの小花で、もう少し白っぽい花もあります。初めてマヌカハニーを食べたのはニュージーランド産のお土産でしたが、少し癖があって独特の味。高い抗菌活性力を持つそうで、胃腸を整える効能もあるので古来より薬として扱われています。殺菌力が高いので、腸の悪玉菌を減少させ、善玉菌を増やして腸内環境を良くしてくれます、結果的に免疫力も上がりますね。
花粉症にもお勧めのマヌカハニー、この時期は特に発酵食のヨーグルトと合わせたり、ドレッシングに加えたりと日常使いをして私はアレルギー緩和に役立ています。
風邪も横行していますね、口内炎や喉の痛みにも有効だそう、試してみる価値は有りそうです。

2/24

牡蠣(かき)・牡蠣ごはん・味覚障害

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風邪をこじらせ、プチ味覚障害になっている娘。亜鉛を摂取するように病院でも言われたようで、こんな時頭に浮かぶのは牡蠣です。牡蠣は味覚障害を緩和し、舌をえんびんにし、亜鉛と鉄分も多く含むので貧血予防や免疫力を高める手伝いをします。相乗効果のある食材との組み合わせで調理します。高野豆腐と牡蠣のお鍋や、チーズたっぷりのグラタン、牡蠣のオムレツなど。
牡蠣は「酒毒を消す」とも言われており、お酒をたしなむ時にもお勧めの食材。剥きたての冷たい牡蠣にレモンをギュッと絞るだけでも最高ですが、タバスコもふって下さい。全体がしまって美味しいのと、殺菌効果や生臭さを消す作用もあります。その他、燻製やオイル漬けなども美味。酒、みりん、醤油を煮立て牡蠣をさっと煮て取り出し、その煮汁でお米と春豆を炊く。炊き上がりに牡蠣をもどして少し蒸らしたら、柚子を削る。牡蠣の旨味と香りを堪能できる炊き込みごはんです。
取材させていただいた厚岸漁師さんの手の上の牡蠣はプックリプリプリ、安心もついてくるから嬉しい。
余談ですがヨーロッパでは、牡蠣には(秘められた恋)という隠れた意味があり絵画によく登場したそうです。

2/23

旅先・お弁当・駅弁・湖北のおはなし

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唐草模様の包みをほどき、竹スダレの木箱のお弁当箱を開けてみると、思わず笑みがこぼれるほどの温もり感。
お献立には、お嫁さんやお孫さんの為におばあちゃんがお弁当を作ってそっと持たせてくれたストーリーが書いてありました、お弁当の名前は「湖北のおはなし」です。
中身はこんな風です。鴨を粒胡椒でローストしたもの、胡麻をまぶしたかしわの鍬焼き、永源寺の修行僧には欠かせないと言うこんにゃくは田舎煮で柔らかい、大豆と川エビの煮もの、卵焼き、ネギと揚げのぬた、十五夜の小芋、梅干しに山牛蒡と赤蕪漬け、もっちりした山菜ごはんの下には桜の葉が敷いてあり、ほんのりと香ります。サイコロの箱に入ったお口直しの飴まで優しい。
東京から福井出張の折、乗り換えの米原駅のホーム真ん中で井筒屋さんを見つけました。聞けば100年を超える老舗だそう。滋賀県と旧近江国北東部の湖北地方名産品を詰めた温もりのあるお弁当、雪景色の車窓とリンクしてなんとも風情があり、良い旅になりました。次は「琵琶湖の鮎氷魚と一夜干し」を楽しみたい

2/22

クロワッサン・発酵バター

クロワッサン

クロワッサンはフランス語で三日月の意味、その形が名前の由来です。本場フランスでは三日月と菱形の2種類があり、パン屋さんで売られるバターで作られているものと、スーパーなどで売られるマーガリンのものがあります。好きなクロワッサンは外側はさっくりと焼けているけれど、中はふんわりときめ細かくしっとり感がある記事、スルスルとほどけるようで、濃厚なバターの香りがフワーと立つもの。ハラハラと落ちる外側の香ばしい部分をなるべく落とさないようにそうっと食べます。贅沢に作られたクロワッサンとたっぷりのカフェオレやミルクティーと合わせると幸福感もいっぱいです。クロワッサンが上手に焼けたら嬉しいですね。
ヨーロッパで発祥した発酵バターは、クリームを乳酸菌によって発酵させたコクのある風味が特徴、若々しい肌を保つビタミンAも豊富です。
日本では非発酵が主流のバター、美味しいパンがある時や特別なお菓子を作る時は発酵バターに手が伸びます。

2/21

ハチノス・トリッパ・もつ煮込み・コラーゲン

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牛にはいくつの胃があるでしょうか?答えは4つです。では、その順番は解りますか?牛の胃のお話しです。
まず第1胃は植物繊維を分解する役割のミノと呼ばれる部分、第2胃は食べたものを食堂まで押し戻す役割のハチの巣、第3胃は他胃に食べ物が入る時の量を調節する機能があるセンマイ、第4胃は胃液の分泌など消化器の役割をするギアラです。どれも焼肉屋さんでホルモンとして耳にする言葉ですが、ハチの巣はイタリア、中国でもよく食されます。
トリッパの下処理ですが、表面をよく洗って1度茹でこぼし、黒い部分があれば取り除く。再度きれいな水から茹でますがこの時、香草やネギ、生姜などを入れて煮ます。最後に水でしっかり洗ってから調理すると臭みがとれて柔らかい。写真は赤味噌とザラメ、薬味で煮込んだ煮込みでこんにゃく入りです。残り少なくなったらごはんにのせてプチ丼にし、とろみのでた濃厚なタレを絡めていただきます。トリッパ料理はお酒も進むし、肌も綺麗になります。

2/20

新わかめ・めかぶ・ごま油・便秘改善

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春先だけに出回る生の和布蕪(めかぶ)はわかめの茎部分。めかぶに含まれるフコイダンという成分は免疫機能を上げ胃の粘膜を保護し、豊富なヨウドは発がん抑制効果があるそうです。わかめと思いっきりたくさんの針生姜を入れたごま油炒めにはまっています。しっかり水気をふき、胡麻油とたっぷりの針生姜と赤唐辛子をちぎったものと炒めて、最後にジュっと醤油で味付けするだけなのですが、ごま油の油分でコーティングされたわかめの食感が滑らかで美味しく、いくらでも食べれてしまいます。ごま油には腸の乾燥を改善させ、皮膚を潤す効能があります(繊維たっぷりのわかめと合わせると乾燥便秘に得によく効きます)。
我が家ではさっと茹でるだけの(旬わかめのしゃぶしゃぶ)も毎年楽しい行事となっています。生姜は外的要因を抑える効能が期待できるので、花粉症予防にも良いかもしれません。

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うど

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山の息吹のようなうどを食べると胸が清々します、高血圧を防ぐカリウムも豊富。
神経痛や関節炎など、中医学ではこれを「痺症・ひしょう」と言い、寒邪、湿邪、風邪の3つの邪気(病気の元)から来ると考えられています。うどにはこの3つの邪気を取り去る効能があるとされていますよ。
ホイルで包んで焼くと、皮もスルリとむけて究極に香りが立ち、トロリとした食感が美味。皮を剥いてぶつ切りにし、酢味噌でいただくのも良い相性。氷水に酢少々を入れた冷水に5分漬けたら水気をきってスライス、粗塩とオリーブオイル、柑橘果汁のサラダにするのもおすすめです。泡もいいし、白ワインとうどの香りの相性は抜群ですよ。里山のうどは良い香り、購入する時は産毛が濃いものを選びましょう。

2/17

菌・春の椎茸(しいたけ)・薬膳

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きのこは秋のイメージがありますが、春の椎茸も美味。中医学では気や血の流れを良くするとされています。きのこは麹(こうじ)と同じ菌類の仲間で「子実体」と呼ばれる菌そのもの、効能が高くて旨味が強く低カロリー、調理しやすいのも嬉しいですね。豊富に含まれるβグルカンは免疫力を上げ、生活習慣病や抗ガン作用が期待できます。丸々太った肉厚椎茸を道の駅で買いました、ヒダの部分を上むきにおいて粗塩をふってシンプルに焼く、じくの部分からさいて口にほうばると厚みのある部分はコリコリとして、ちょっとアワビのような食感と風味です。ザルに広げて風通しのよい場所で1日くらい干すと冷蔵庫で5、6日持ち、日光に当ててカラカラに乾くまで干すとビタミンDたっぷりの干し椎茸になります。調理する時は低温で加熱し、きのこを数種類合わせると旨味がグンと上がります。

2/16

氷魚・ひうお・鮎稚魚・鮎

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鮎の稚魚のひうお。生きている時は、キラキラと輝く透明感でキレイ、氷のように透き通っているのが由来で氷魚(ひうお)と呼ばれます。2、3月頃は、しらすより大きく育ち、食べ応えがあるのでかき揚げやフリットにも最適、鮎の旨味がちゃんと感じられて最高です。佃煮や卵とじなどにも向いていますし、潰したニンニクと赤唐辛子、オリーブオイル、塩胡椒で煮た(ひうおのアヒージョ)もバケットを添えて楽しみたい。
琵琶湖周辺の駅売店などでも釜揚げなどが販売されており、鯉の甘露煮と小エビの佃煮もお土産に購入しました。
漁の解禁日は毎年12月1日で、生きたままの活鮎は養殖用などの鮎苗となり、全国の川河に放流されるそうです。その後、食用の鮎漁に移行します。お料理を堪能しながら、こんなに沢山一口で食べて良いのか?と脳裏をかすめるのですが、余剰分として販売されているので大丈夫なのだそうです。カルシウムが豊富、酢の物にすると吸収をサポートします。5月頃になると魚らしくなって小鮎と呼ばれる鮎になります、新緑の頃も待ちどうしいですね。