井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

9/26

シナモン・桂枝(けいし)・肉桂(にっけい)・ブレンドティー

シナモンはスリランカ、インド南部が原産地。日本では高知県や和歌山県の温かい南部での暖地で春に収穫されます。薬膳では、冷えをとり五臓を活性化させるとされており、関節痛などの痛みや、血のめぐりが悪くなるこれからの季節には欠かせない生薬。瘀血(おけつ)の方にもお勧めです、体を温める作用は生姜以上とされていますよ。香りが良いのでりラックスしたい時のお茶にもピッタリです、シナモンをポキツと折った半本と丁子(クローブ)2個・クコのみ10粒、オーガニック乾燥バラ茶と紅茶適宜を合わせてブレンドティに。シナモンはアップルパイなどのお菓子に欠かせませんが、醤油味の煮込みに入れたり、私は白ワインビネガーやお酢にスティックごと漬けてシナモンビネガーとして素敵な香りと効能をお料理でも楽しんでいます。

9/25

生棗・棗(なつめ)・大棗(たいそう)・薬膳

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ナツメはこの季節の9月〜10月頃に山になる実で、かじると青りんごのようなかたさと風味がします。中国では日常的に食べられており、1日3個のなつめを食べれば元気でいられると言われるほどで、乾燥させたもの以外に秋に実った庭のなつめをポプュラーに楽しむそう。
日本では水と空気がキレイな温暖の差がある山里で見かけます。なつめは薬膳ではとても頻繁に使われる生薬で、気を補い、血流を増やし、胃腸を丈夫にし精神を安定させる効能があると言われています。なつめを乾燥させたものは大棗(たいそう)と呼ばれます。
ちょうど良い熟し加減のナツメを手摘みし、蒸して乾燥させて保存しています。お茶やスープ、煮物の他、リカーに漬けてナツメ酒、甘く煮詰めてジャムにするなど楽しんでいます。韓国料理店では滋養強壮の効果を上げるので、参鶏湯(さむげたん)などに入っていますね。

9/24

お月見だんご・十五夜・十六夜(いざよい)

毎年変わる中秋の名月、今年のお月見は9月24日の本日です。お団子の作り方です、ボールに上新粉300g、湯1カップ強を入れて箸で混ぜる、手で耳たぶくらいのなめらかさになり、ツヤがでるまでよくこねる。棒状にのばし、食べやすい大きさに切る。丸めて、沸騰した湯で2、3分茹で、浮いてきたら取り出して冷水で〆る。水気をとったら、好みの味付けに。ちなみに十五夜の後の月を十六夜の月(いざよい)と言いますが、なにか色っぽく惹かれる言葉です。夜が明けても、まだ西の空にゆっくり残っているので有明の月とも。色々な所でお祭りやほろ酔いシンポジウムなどが楽しそうに開催されていますよ。今年はお月見だんごとお酒をいただきながら愛でてみてはいかがでしょう?親しくなりたい人と円満にいく事を願って。

9/23

蓮根・れんこん・れんこん葛湯

れんこんは胃腸を保護し、貧血予防や止血効果も期待できるパワーのある野菜。含まれるタンニンは咳止めにとても効果があります。咳がひどい時は、小鍋に水150Ccと葛小さじ1半を混ぜる。皮ごとすったれんこん大さじ1半を茶こしでこし入れ、火にかけて透明感が出るまでかき混ぜる。(れんこん葛湯)は昔からの民間療法です、はちみつを入れるとさらに効き目が上がり飲みやすい。ビタミンCや食物繊維が多く、葉や花弁も薬用にします。
青葉を器にしいてお料理を盛ると清清しく、乾燥させた葉は食材やおこわを包むんで蒸し料理に使用し、香りよく仕上げるなど多様です。

9/22

滑子(なめこ)・きのこ・お味噌汁

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深山のなめこ摘みを毎年楽しみにしています。なめこは菌床栽培とブナ・トチなどの広葉樹の倒れ木などで育てられる原木栽培があります。
天然物はゼラチンがまとわりついているような、ぬめり感が魅力的、眼や胃の粘膜に存在する成分が豊富です。胃壁を保護するので二日酔いの朝などのお味噌汁にも最適。きのこにはBグルカンが豊富、この成分が腸内環境をよくし、免疫力を強化し、抗がん作用を高めます。旨味が強いのでなめこだけで出汁が充分でますし、炒め物などにしてもしぼみません。
朝の1杯のお味噌汁は1日の「毒消し」と言われるほど体に良いもの、目覚めに温かいものをいただくと血液循環が高まって1日を気持ちよくスタートできます。

9/21

ナシゴレン・(焼き飯)・発酵調味料

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nasi(ナシ)は米・goreng[(ゴレン)炒める・揚げるの意味。冷蔵庫に何にもない日は、残りのごはんで少し辛くしてバリ風焼き飯など・作り方(2人分)=長ネギ3分の1本、にんにく半かけ、赤唐辛子半本分、豚バラ肉(シーフード・ソーセージ・もひき肉なんでもよい)100gは、各粗みじん切りにする。フライパンを中火で熱し、油大さじ1をなじませてにんにくと肉を炒める。ネギとごはん2杯分を加えて脂がまわったらナンプラー大さじ半、ガラムマサラ(カレー粉)、醤油各小さじ半、塩3つまみ、ケチャップ大さじ半を馴染ませて味を整えお皿に盛る。本場インドネシアの地元人で賑わう、ワルンのナシゴレンはものすごくシンプル。でも、じつはとても強い火力で作られており、大きい中華鍋で炒められているから油っこくなくパラパラ、調味料も4、5回にわけて加え味を整えている。地元に長く愛されるお店はどこの国に行っても、美味しく食してもらいたい意気込みから真面目に作られていることが多い。インドネシアに行ったらじゃらんじゃらん(お散歩)しながら、良さげなワルンを見つけてぜひ食して下さい。

9/20

てんさい糖・天然甘味料

食材の天然の甘みを生かすように日々の調理を意識すると、体や脳が慣れてあまり甘いお菓子をとらなくなってきます。糖を取りすぎると糖毒性と言って、健康と美容を害することも。(何でもとりすぎはよくありません)
自然の甘みに慣れると素材そのものの味がことさら心地よく脳が感じるようになります。
甘みがどうしても欲しい時は、てんさい糖を使います。北海道のてんさいが原料ですが、血糖値が緩やかに上がるので体に優しく、含まれるオリゴ糖や水溶性食物繊維イヌリンは腸内環境をよくします、ミネラルもたっぷり。

9/19

エゴマ・えごま・荏胡麻

シソの葉に似ているエゴマはシソ科、エゴマ油は近年特に人気です。大変な作業に加え、デリケートな油なので値段は少々しますが、それだけ良い効能があります。豊富に含まれるオメガ3脂肪酸、aリノレン酸が体や脳、肌を健康に保ちます。上質なものを購入し、かけるあえるなどの調理法でシンプルにカラダに摂取しましょう。余談ですが、エゴマ油は乾性油なので防水性、油髪や番傘に使われていたとか。小さな丸い粒は香ばしく、ゴマのように色々な調理に使えます。乾煎りしてすり鉢ですって、和えごろもに加えたり、焼き物の表面につけてカリカリとしたコントラストをつけても美味しいもの。
エゴマが採取される産地では、昔から郷土料理や民間療法などにも多様されて来ました。
葉は醤油漬けにしたり、キムチにして炊きたてのごはんにくるりと包んでほうばると最高ですね。

9/18

菌の力・発酵食・味噌・麹・ヨーグルト・きのこ

菌・発酵食には、美味しさと体が喜ぶ仕組みがきちんとあります。複雑な甘みや旨み、香りの元は何処からくるのでしょう?例えば甘酒のナチュラルな甘みは、微生物が10種類ほどの甘み成分をつくり奥深くなります。美味しさだけではなく、保存性を高めたり、栄養価の相乗効果も上げます。
菌・発酵食は約6割のカラダの免疫力を作る腸の細胞を活性化し、アレルギー症状などを抑え、思考さえもポジティブに。そうすると色々なハッピーにつながるという思いから3年前に出版した本を今日は読み返してみました。本日も発酵食と薬膳の知恵を合わせたレシピ撮影。これから乾燥する季節になってきます、免疫力をナチュラルな菌の力と旬の食材で育てましょう。

9/17

栗(くり)・栗ごはん・薬膳

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腎の機能を助ける栗は、美容食でもあります。お米と栗を合わせると脾の働きを助けるので元気になる相乗効果が生まれますよ、米2合に好みでもち米をひとつかみ加えてもいいですね。毎年旬の頃は頑張って皮をむいて作る栗ご飯。調味料は酒大さじ2と塩小さじ半、薄口醤油小さじ半にほんの少しの米油を加えただけのシンプルなものですが(その方が栗の香りと甘みが引き立つから)、皮むき苦労のかいあって、栗パワーで本当に美味しく炊きあがってくれます(栗を剥いたあと、塩と砂糖少々でさっと煮てから加えると和食屋さんのお味に)。渋皮に含まれるタンニンには抗酸化作用があるので、皮を少しつけて炊いてもよいでしょう。抗がん作用や老化防止に有効、1年に1度くらいはと血糖値が気になる父に皮付きの栗料理をせっせとつくる、栗は下焦(糖尿病)にもよいのです。