井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

9/28

棗(なつめ)・大棗(たいそう)・ナツメ・薬膳・漢方

ナツメ・棗・大棗・漢方・薬膳・生薬

ナツメは9月〜10月頃に実る小粒の実で、色つく前は青りんごのようなかたさと風味がし、赤く完熟すればしっとり甘くなります。
中国ではナツメを日常的に食べいるそうで、1日3個のなつめを食べれば元気でいられると言われることから、秋に実る庭のナツメをポプュラーに楽しむそうです。
ナツメは昔から珍重される五果の一つ(季・杏・栗・桃・棗)で、効能が高いので葛根湯にも入っています。乾燥させたものは、大棗(たいそう)と呼ばれ、中医学では頻繁に使われる生薬です。
気を補い、血流を増やし、精神を安定させる効能があると言われています。
ナツメ茶を作る時にはそのまま加えるより、半分にちぎって煮出しましょう。クコと合わせると効果も高まりふんわり甘い、紅茶と合わせても美味です。その他には、スープ(参鶏湯にも入っていますね)や煮物、ナツメ酒、ジャムなど多用で、薄切りにしてカラカラに干したものも私は作ります。
毎年里山に出向き、ちょうどよい熟し加減のナツメを見極めて手摘みし、蒸して乾燥させ保存するまでの工程を楽しんでいましたが、今年はいつもご一緒してくださる農家さんに送って頂きました。

9/26

大豆・テンペ・発酵食

インドネシアが発祥の大豆製品のテンペ、落花生バージョンもあるそうです。テンペ菌は、クモノスカビの一種で、発酵したテンペは白い菌糸に覆われています。大豆を茹でて、バナナの葉などに包んで発酵させたものが市場で売られています。現地では食べやすい大きさに切って、味を含ませて揚げ物にしたり、煮物や炒め物に使用。ベジタリアンや欧米ではお肉の代わりに調理されていますね。
テンペは全くクセがないので、どんな料理にも使いやすい。醤油麹の煮物や炒め物も美味しいですし、から揚げのように醤油とおろし生姜、にんにくで下味をつけ、片栗粉をまぶして揚げ焼きしたお惣菜はお弁当にもお勧めです。普段の大豆のように気軽に使えば良いので、旬野菜のキュウリ、トマト、ゴーヤなど好みの野菜をざく切りにして、塩麹、胡椒、レモン果汁、オリーブオイルで馴染ませ、手でくずしたテンペを加えたサラダなどは簡単でお腹にも効く一品です。大豆製品は女性に特にお勧めの健康食、日本の味噌と納豆、そしてテンペは世界中で注目されている発酵食品です

9/24

きのこ・椎茸(しいたけ)・免疫力

きのこ・椎茸・しいたけ・免疫力

これから益々美味しくなるきのこ類、共通してもつ成分にはB-グルカンと呼ばれる食物繊維の一種があります。このグルカンには、細胞を活性化させて効果的に免疫力をアップさせる効能が知られています。
このグルカンプラス、きのこのもつ効能はそれぞれに違いがあります。椎茸は生で調理しても栄養価はありますが、干すと骨を強化するビタミンDの栄養素が増えます(含まれるエルゴステリンが日光にあたるとビタミンDに変わる)。お天気の良い時に1時間ほど干すだけなので手軽にできますね、コリコリとして旨味が凝縮、作ったらなるべく早く調理していただくと効果大。
市販の椎茸は水で洗わなくて大丈夫です、石付きだけ落として汚れがあったら優しく拭き取るだけで充分です。生の椎茸を炭火やグリルでシンプルに焼く時は、軸を上にして焼くと旨味を逃しません。塩を振って焼くと、笠の中に水分が出てきます、焼けてきた合図の一つです。
きのこは数種類合わせるとそれぞれの旨味や食感が重なりあって、美味しさが増します。高温すぎない温度で、なるべく短時間で調理して香りや歯ごたえも楽しんで下さい。

9/21

バナナ・栄養補給

バナナ・栄養俸給

日常のクイック栄養補給食としても人気のバナナ、よく食べられる果物として常に上位です。ビタミンやカリウム、色々な糖類も含むのでスポーツ時や疲れている時などに食べると素早いエネルギー源に。足がつってしまった時にもお勧めだそうで、ジムに携帯する人も多いようです。
水溶性の食物繊維が豊富なので、便通を促し便秘改善に効果があります。その他、精神安定効果のあるセロトニンはうつなどに効果があるとされていますが、バナナにも含まれています。ミルクや卵にも含まれるので、バナナ+ミルク+卵の「バナナミルクセーキ」など休日にいただいて、リラックスするのもいいですね。
バナナを購入する時は、皮に傷が少なく濃いめの色を選びます、美味しい食べごろはシュガースポット(黒い斑点)が出てきた時です。熟したバナナを少し温めて食べるとさらに甘みが立って美味しく感じますが、栄養価を損なわない程度に加熱します。

9/19

杏仁(きょうにん・あんにん)・杏仁豆腐・台湾・薬膳

台湾・杏仁豆腐・薬膳・杏仁

乾燥が気になる季節になってきました、喉の不調も多くなります。
杏子の種の中にある仁が杏仁です、咳をしずめる効能があり、温かいドリンクにすると香りも良くホッとします。
豆乳に氷砂糖と市販の杏仁粉を加えまぜて温めます。戻した薏苡仁(ヨクイニン・はと麦)や小豆を柔らかく煮たものと合わせてもいいですね、体の余分な湿をとり毒素を排出する効果も期待できます。私の好きな台湾の杏仁豆腐屋さんは、保温された手作りのやわらかなお豆腐を薄くすくって器に入れ、暖かい杏仁風味の豆乳を注いでくれる。細めの揚げパンを浸していただくのですが、甘味はうっすらで朝食にもぴったり。地元の人ばかりで賑わう小さな市場(栄楽市場)前の杏仁豆腐屋さん、台湾に行くと必ず寄るお店です。

9/18

落花生・ピーナッツ・ジーマミー豆腐作り方

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落花生・ピーナッツは南米原産の豆科です。立派な掘り立てを千葉の農家さんにいただきました、洗って40分ほど茹でた皮を剥くと雪のように真っ白でした、土の香りがほんのり漂います。
口にするとコクがあってミルキー感が感じられますが、後味はすっきりしています。沖縄の秘密のレストランで食べたジーマミー(地豆)豆腐を想い出しました。あまりに美味しくて作り方を教わりましたよ。まず水1カップとピーナッツ200gをミキサーに入れ滑らかにし、ザルに布やキッチンペーパーを敷いて濾す(絞りかすはクッキーや卯の花などに)。小鍋に水1カップ、くず7〜80g、きび砂糖小さじ1〜2、粗塩小さじ半を入れ混ぜる。中火にかけこした豆乳を加えて木べらで混ぜながらプルンとなるまでよくよく練ります。出来立てを器に入れ、わさびと生醤油でいただく、もっちりして滋味深いお味です。生姜ポン酢やみたらしあんでも美味。生薬では血を止める、肺を補うとされています。タンパク質、ビタミン、ミネラルが豊富、バランスの良い油分は血管を強くするそうです。カロリーがあるので1日15〜20粒くらいをめどにされると良いですね。

9/17

栗(くり)・栗ごはん・薬膳

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腎の機能を助ける栗は、実は美容食でもあります。もち米をひとつかみ加えたお米と栗を合わせると脾胃の働きを助け、元気になる効果が上がります。毎年、旬になると頑張って皮をむいて作る栗ご飯。米2号に対し、調味料は酒大さじ2と塩小さじ半、薄口醤油小さじ半にほんの少しの米油を加えただけのシンプルなものです(その方が栗の香りと甘みが引き立つ)、皮むき苦労のかいあって、本当に美味しく炊きあがってくれます(栗を剥いたあと、栗が浸るくらいの水、塩と砂糖少々を加えてうっすら下味をつけてから加えると和食屋さんのお味に)。渋皮に含まれるタンニンには抗酸化作用があるので、皮を少しつけて炊いてもよいでしょう。1年に1度くらいはと血糖値が気になる父に皮付きの栗料理をせっせとつくります。栗は、密封袋に入れて冷蔵庫で数日間置くと甘くなります

9/16

梨・なし・のどの不快・薬膳・漢方

梨・なし・秋の果物・棗・蒸し梨・喉の不快・薬膳

みずみずしいずっしりとした梨が出回っています。庭の果樹も梨、青りんご、酢橘、青いミカン、青いレミンなどが実り、秋の気配です。梨は、のどの不快な症状を緩和する果物とされ、乾燥を防ぎ空咳を抑えます。出にくい痰をだし、炎症を抑える効能もあるそう。酒毒を解消するので呑んだ後にも良しとされ、カリウムも含むので、余分な塩分を排出する効果も期待できます。
透き通った優しい甘みと水分がたっぷり、スポーツ後の水分補給や熱が出た時などにもお勧めです。
梨、れんこん、だいこんなどは、のどに効能があり、だいこんは角切りにして蜂蜜に漬ける民間療法は有名ですね。 ナツメヤスパイスを使った薬膳料理の蒸し梨はお勧めで、半分に切って皮ごと蒸すだけです。少し余ったら、氷砂糖、シナモンや八角、赤ワインを加えて美しいコンポートにしてもいいですね。なしを保存する時はヘタを下にし、新聞紙などで包んで冷蔵庫や冷暗所で保存すると傷みにくくなります。

9/14

たまり醤油・醤油・発酵調味料

たまり醤油・醤油・発酵調味料

凝縮された旨味のたまり醤油は、とても魅力的です。普段のお惣菜では、使いやすく香ばしい香りの濃口醤油ですが、ここぞという時にはたまり醤油が登場します。色が濃いのに醤油の中でも塩分が低いのもいいですね
濃口醤油の原型はたまり醤油ですが、1番の違いは主原料。濃口醤油は小麦と大豆、たまりは旨味の元となる大豆がほとんどです。水に浸した大豆を、蒸して味噌玉を作ります。表面に麹菌をまぶしてムロに入れると、数日で麹菌が成長して自分で発熱してくるので、室内の温度調節をし、熱を逃がすように手でほぐすなどの工程があります。ここまでの良い温度状態の管理で良品になるかが決まるそうです。この後、木桶に入れ食塩水を加えて重石をのせる。底のたまりを下から上に循環させる工程を繰り返した後、3年間熟成させます。掘り出して布に入れ、圧搾してやっと完成です。愛知県武豊町には昔ながらの木桶で作る志し高い蔵が密集していて、蔵に入るとそれぞれ違う香りがします(写真は桶に乗せた重石の石)。
地元ではお刺身や照り焼き、お煎餅になくてはならない調味料。霜降りしたマグロの漬けタレに、麻婆豆腐や焼き飯、デミグラスソースにもひとたらしするとグーンと美味しさが増します。
醤油の油と言う字ですが、油は使っていませんね、醤から出るとろみの意味合いからきたそうです。

9/13

米油・こめ油・クレープ

米油・こめ油・クレープの作り方・クレープ

米油は100%お米を原料にした植物性の油、ビタミンEが豊富です。人気の鶏肉の唐揚げや春巻きを揚げる時は、米油は特にお勧めです。高温に強いのと、含まれる成分で揚げ物がカラリと揚がります。酸化しにくいので持ちがよく、キッチンに嫌な匂いが立ち込めないので油酔いしないのも嬉しい利点です。
サラリと軽い性質は、お菓子作りにも大活躍します。今日は、思い立ったらすぐに作れるクレープを焼きました、とても簡単です。ボウルに卵1個を溶き混ぜ、小麦粉と牛乳を各1カップ、塩ひとつまみ、甜菜糖(砂糖)大盛り大さじ1、米油大さじ1をよく混ぜます。後は、米油を馴染ませたフライパンを熱して、1度濡れ布巾の上で冷ましてから中弱火にかけて、生地を薄く広げて焼くだけです、大体4枚分の出来上がりです。(この生地は30分〜1晩冷蔵庫で寝かせると、また美味しくなります。好みで米粉を加えても)
湯煎にかけたチョコレート、シュガーバター、ジャムやコンポートの甘いオヤツや、生地がしっかりしているのでハムや卵、チーズとブリトー風にしても美味しくいただけます。