井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

6/16

鮎・小鮎(こあゆ)

魚の中で鮎が一番好きです。
先日お土産にいただいた琵琶湖の小鮎の串刺しは、4、5㎝の小さなアユ。炙ってあり、辛子酢味噌が添えられていました。
生きているうちの鮎はお刺身にできます、見目涼やかでなかなか風情があるもの。
赤味噌に甘みを加えて滑らかに練ったものに内蔵の「うるか」を加えた「うるか味噌」は、ほんのりとした苦味が生きて、揚げナスとの相性は天下逸品。ご飯が何倍でも食べたくなります、新橋「鮎正」さんで毎年楽しみにいただくスペシャリテです。
津和野にある本店の丸々太った子持ち鮎も、初夏の鮎とはまた一味違い美味。
鮎は川によって、香りや苦味が違うように思います。
ビタミンEを多く含むあゆは、老化予防に効果があります。

6/15

薏苡仁(よくいにん)・はと麦・薬膳

昔からイボを取る生薬として有名な薏苡仁。体にある余分なものを排出する効果が期待でき、美白効果もあるそうで、化粧品などの原料にもなっています。
薏苡仁はご飯と炊き込んだり、煮物にいれたり様々な料理に使えますが、粒感や味が気になる方は、薏苡仁の粉末を購入するとよいでしょう。白玉団子に混ぜて団子を作り、スープやぜんざいに入れると食べやすくなって美味しいものです。

6/14

アスパラ・クミン・肌荒れ

アスパラには疲労回復を助けるアスパラギン酸やビタミンB群が豊富。高い抗酸化作でお肌を守る効能もあります。βカロチンは油と一緒に摂取すると身体に吸収されやすくなるので、炒め物やサラダがお勧め。アスパラとオクラの豚バラ炒めのクミン風味は少し暑くなってきたこの季節にピッタリの一皿。クミンはミイラの防腐剤になるほどの防腐効果があるそうですよ、胃腸薬としても知られ、腸内ガスの排出などを促します。アスパラ、オクラの繊維は便通作用を促すので、相乗効果のある組み合わせです。

6/13

赤しそ・赤しそジュース

DSC05550

キレイな色の元気がでる旬のジュースです。色が濃いめの赤しそ(2袋)を選んだら、葉だけを摘んでボールにはった水でよく洗い、ザルに上げる。鍋に約1ℓの湯を沸かし、5〜8分茹でる。ザルにしそを上げてギュッとしぼり、エキスをしぼりきる。きび砂糖は半カップ〜好みの量を入れてとかし、酢50cc(レモン果汁)を加える。一瞬で色鮮やかになりますよ。冷めたら清潔な瓶などに入れ、冷蔵庫で保存する。しそ、赤しそは夏の疲れを癒やします。殺菌効果が高く、胃液の分泌をよくし、消化を助ける効能や美肌効果が期待できます。

6/12

イングリッシュマフイン・発酵バター・乳酸菌

最近、イギリスの朝食によく出てくる丸いイングリッシュマフィンにハマっています。カリカリっと香ばしくトーストされた匂いがキッチンに広がると、パンを焼くだけなのに幸福感がいっぱい。発酵バターと目についた果物をきび砂糖とレモンなどで煮るのですが(今は杏や梅が出回っていますね)温かいジャムを添えるのがまたよくて。甘い香りにも癒されてセロトニン(脳内幸せ伝達物資)をたくさん分泌してくれます。神経を休めるたっぷりのカモミールミルクティーやカフェオレも一緒にぜひ、マフィンはナイフで切らずに半分の高さにフォークでさして一週し、手で割ったものをこんがりトーストしてみて下さい、表面がサクサクして美味しく感じますよ。発酵バターはクリームに乳酸菌を加えて発酵させたもの。普通のバターより少し高価ですが、芳醇な香りや栄養分、満足感も普通のものより高いのです。

6/11

雨季のお弁当心得・湿(水滞)

しとしと降る雨、私は嫌いではありません。むしろ心地よい音や若緑葉がぬれた様子、満開の紫陽花など心和みます。でも、湿気が多いのは何かと難点が多い。お弁当なども傷みやすくなるので、煮物や茹で野菜などにはすりごま、おかか、のりなどを使って汁気を無くす。味つけを心持ち濃いめに、抗菌作用のあるレモンや酢、生姜を多用する。梅干しやワサビ、カラシ、唐辛子、マスタード、カレー粉、豆板醤、挽き胡椒、柚子胡椒、ガリなどフル活用する。しっかり冷ましたごはんには、ゆかりや塩昆布、梅干しなど日の丸ではなく、全体に散らすこと。前の日のお惣菜を詰める時は再加熱し、新たに調味料をからめるなど。身体にも湿(しつ)が貯まるので、重だるかったり、むくみ、頭痛が生じたり食欲がないなどの症状が現れます。利尿作用がある小豆、スイカ、メロン、きゅうり、とうもろこし、トマト等の夏野菜や、辛味香辛料の生姜やねぎ、よい香りで気が巡るハーブや柑橘類、シナモン、それからハトムギ茶や緑茶をいただくようにし、余分な水分を体から排出するように心がけると楽に過ごせる手助けになります。

6/9

梅仕事・ホット梅ジャムvol・3

写真

まだ青い梅でも、置いてあるだけで部屋中良い香りが漂います、ステキな梅アロマ、追熟させる時はベッドサイドに置くと良い夢みれそうな気がします。梅酒や梅干しを作る時に傷がついていたり、少々の痛みがあるものを集めてきび砂糖やグラニュー糖と煮てジャムにします。完熟梅を30分水に浸し、竹串でヘタを取る。ほうろう鍋(あれば)で水から弱火で1度茹でこぼし、後は砂糖を梅と同量加えてこまめにアクを取りながら(私は横着して厚手のキッチンペーパーを2、3回ほど替えるが、かぶせるだけ。はがすとアクがとれるから)煮るだけ。種は捨てないで保存します、この種をまだ温かい内に口に放り込めるのは作り手の特権、甘酸っぱくて何とも美味。煮物などに、ポンと入れると風味が立って粋な一皿になります。私の好きな食べ方ですが、まだ熱いジャムをカリッとバタートースしたパンにたっぷりぬる、バターもポイント!幸せです。

6/8

山椒(さんしょう)

写真

店先に花山椒、山椒の実、小梅、青梅、らっきょうが並び始め、とってもワクワクしています。ウカウカしていると、時期を逃してしまうので早起きして保存食作りに勤しむ。山椒醤油と山椒オイルを手始めに作りますが、この時期だけの淀みのない鮮烈な青い香りと辛味を逃さず、ギュッと詰める為に毎年試行錯誤を楽しんで繰り返しています。シンプルで思いもよらぬ食べ方を発見できた時は特に嬉しい。山椒は消化不良や胃腸の調子を整え、身体の冷えに効果があります。
何よりその高貴な香りに胸がスッとする。

6/7

鰯(いわし)・ディル

いわしは脳を活性化させるDHAが豊富な上に、皮膚や粘膜を守るビタミン B2も多いので肌をうるおす効果があります。全体がピンと張ってツヤがあり、目が澄んでいるいわしを見かけたら、その日の内に調理する。火が通りやすくクセがないので何でもパッと作れます。小麦粉を全体にはたいてごま油でフライパン焼きにし、甘辛くめんつゆ味で蒲焼にする、甘酢に薄切り玉ねぎと漬けてマリネすれば血液サラサラ効果が倍増する。オイルがしたたるこんがりいわしをバケットに挟むポルトガル風は、焼き汁もぜひ。サーモンの付け合わせによく登場するディルは魚のハーブと呼ばれ、ちょうど今が旬。消化をよくし胃腸を整え、口臭予防にも役立つ古来から珍重されてきた薬草(ハーブ)です。

6/6

梅仕事・昔ながらの梅干し

DSC05430

梅干しは防腐作用が高いのでこの季節のお弁当にかかせませんね、お米に入れて炊いても良いもの、疲れをとるクエン酸も頼もしい。梅干しを作ると生まれる白梅酢を手塩の代わりにして握ったお結びは、自分で作った調味料だからか、いつもより心華やぎます。ふくよかな香り高い梅は料理にも使いやすいので、私は大きめの完熟梅(緑色や硬さがある時は、真っ黄色になるまで常温で追熟させる)を購入します。500gで大体10〜13個、30分水に漬け水気をしっかりふき、竹串でヘタを取る。リカーや臭いのないアルコール大さじ1で密封袋の中をさっと消毒し、捨てる(袋中ふかなくてOK)。後は70〜90gの粗塩と梅を入れ、袋の上から馴染ませる。同量の重しをして2日間1日1回上下を返し、20日間そのままおく。冷暗所か冷蔵庫で保存し、梅雨があけたらザルに広げて好みの状態に2〜5日間天日に干す(好みで白梅酢に戻す)。梅干しを見ると唾液がでますね、消化力を高めるのでおかゆに添えるのです。味だけではない日本の素晴らしい知恵、梅干しは下痢や便秘にも効能があります。