井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

11/19

葱(ねぎ)・葱白(そうはく)・冷え

ねぎは冬の代表野菜。ねぎの白い部分は葱白(そうはく)と言う生薬で、体を温める薬効が高い。咳や痰、喉や関節の痛みなどの症状にも有効、炎症をおさえて痛みや熱を取りのぞく効果があります。
加熱調理をして甘みを引き出したっぷりいただいて下さい、寒邪(かんじゃ)から身を守る風邪の特効薬です。冷えが大敵な風邪のひき始めや肩こりがひどい時は、血のめぐりをさらに良くする食材と合わせた食事にしましょう。ねぎと生姜をたっぷり入れたお鍋はとても体が温まりすね。そこにラムや豚肉、えび、いわしのつみれなど相乗効果があり元気になります。サフランや辛味を加えると血のめぐりをさらに良くします。

11/18

山芋・やまいも・滋養強壮

食欲が無い時や病中病後にもよい山芋、薬膳では山の薬と書いて山薬(さんやく)といいます。山芋は胃腸の調子が悪い時やストレスからくる食欲が無い時に特にお勧めの食材。脾胃に優しいのに、滋養強壮効果に優れています。山芋は色々ありますが、特に自然薯は薬効が高い。すりおろしたとろろは滑りが出て美味しく食べやすい上、消化酵素も上がる食べ方です。お鍋や揚げ物など熱を入れた山芋料理も美味しいですが、そのまま食べて栄養効果を丸ごと摂取してください。すりおろした山芋におろした生姜かわさび、それから醤油麹を数滴落とす。黒ごまペーストや黒すりごまを加えるとさらに腎機能が上がり、元気になりますよ、受験生にもよいですね。山芋はぜひおろしたてをいただいて下さい。

11/17

パテ・ド・カンパーニュ ・ナツメグ

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赤ワインが美味しい季節ですね、休日に簡単パテなどいかがでしょうか。豚ひき肉300g、塩小さじ2、挽き胡椒、ナツメグ各適宜を加え粘りがでるまで混ぜる。ひき肉と同量の鶏レバーをペーストにする。刻んだきのこ3個、玉ねぎ半個、にんにく1かけ分をオイル大さじ1で炒め、生クリームかミルクを150CC加えて水分を飛ばすように煮詰める。赤ワインかラム酒を大さじ2ほど入れ、全部よく混ぜて型に流し、ローリエを置く。ホイルで覆い、湯を張った160度のオーブンで1時間ほど焼き、粗熱がとれたらラップをして、冷蔵庫で一晩寝かせる。生胡椒を荒く刻む、ラム酒を加えるなど、どこかパンチをきかせるといい。私はナツメグが大好き、薬効が高く、古くから治療にも使用されてきたほどです。体を温め、調整作用、デトックス効果がありますよ、甘い香りなのにスパイシーなコントラストがなんとも素敵、削りたてをたっぷり加えます

11/16

林檎(りんご)・Apple・カービング

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胃腸の働きを整え、不安感やあせりを和らげるりんご。香りがよくリラックスするので私は枕元に置くことも。喉の渇きをいやし、体の余分な熱をとる、りんごに多く含まれる水溶性ペクチンは皮に多いので皮付きでいただきましょう。紅玉が出回り始めたら、可愛らしいピンク色のさっぱりしたバタージャムをぜひ作ってみて下さい。作り方は簡単、あれば厚手の鍋(酸に強いなべ)に洗った紅玉2個分を皮付きのまま薄くスライスし、無農薬レモン1個分の果汁とハチミツ大さじ5となじませる。レモンの皮も加えてふたをし、時々混ぜて弱火に10分ほどかけて冷ます。ラップをかけずに600Wのレンジで30秒加熱したバター100gをボウルに入れ、レモンの皮をぬいて冷ましたりんご煮と混ぜる。ハンドミサキーにかけてなめらかにしてもいいですね、お肉のソースに加えてもよいものです。それからりんごを皮付きのまま薄くスライスして、甘酢につけると「りんごのガリ」ができます。
最近カービングに凝っていて写真は私の先生の作品、素敵すぎてため息がでます。

11/15

鰹(かつお)・貧血予防

血合いの多い魚は、血を補って精力を上げる効果があり、脳を活性化させます。豊富な鉄分、不飽和脂肪酸、ビタミンB群など血液の循環を良くし、特に血合いの部分は貧血予防に有効的です。かつおのサクを購入し、皮目を炙って切り分け器に盛り、たっぷりの細ねぎ、薬味を添えてポン酢でいただく土佐の郷土料理は皮ごとの栄養価も摂取でき◎。皮なしのサクなら全体に、にんにくの切り口をこすりつけ、塩、胡椒をふり、よく熱したフライパン(ノンオイル)で表面を転がしてこんがり焼くとお肉のような食感、マヨネーズも合いますから育ち盛りにも喜ばれます。お刺身ではおろした生姜やにんにく、少しゆるく練った辛子をたっぷりそえます、美味しく食べられる上に殺菌、防腐効果があります。
それから水にさらしたオニオンスライスをしき、塩こうじ、胡椒、オリーブオイルを混ぜたソースでカルパッチョ風もおすすめ、手軽で相乗効果のある組み合わせです。

11/13

白菜・白菜のホワイトシチュー

うまみたっぷりの鶏の脂で、白菜の芯を炒め、冬ならではの白菜の旨みをグーと引き出す。相性のよい白味噌でこっくりした味付けにし、とろんと葛でトロミをつけた体を芯から温めるシチューは冬の定番です。作り方も簡単・フライパンにオリーブオイルと生姜、にんにく、鶏肉を加え塩、こしょうして炒め、肉の色が変わったら白菜の芯を透き通るまでよく炒める。葉の部分も入れざっくり脂を回し、かぶるくらいの豆乳を加えてふたをして煮る。しんなりしたら白味噌と溶いた葛粉を加えまぜてトロミをつける、器に盛って好みでオリーブオイル、挽きこしょうをふる。
白菜は食物繊維がたっぷりで低カロリー、ビタミンCはりんごより多く、その他の栄養素もバランスよく含まれています。外側の葉が内側に向かって栄養を作るシステムだそう、内側はぜひサラダなど生でいただいて下さい、精進料理では「白菜・大根・豆腐」は、養生3宝と言われるほど滋養がある野菜です。

11/12

(糠)ぬか・鰯の糠床炊き・発酵食

梅と酢で炊いたイワシの煮付けはさっぱり。骨まで食ベれるのでカルシュウムも難なく摂取できます。今日はご飯が進むこってりしたイワシ煮のご紹介です。
鮮度のよいイワシの頭と内臓をとったものを6〜8匹用意し、酢水を熱してさっと下茹でします。鍋に半割りに切ったネギ(青い部分など)を入れ、水1カップ、酒、醤油各70cc、みりん大さじ3、メイプルシロップ(きび砂糖)大さじ1、皮付き薄切り生姜とイワシの頭側を左にして置き、落しフタ(厚手のキッチンペーパーや穴をあけたアルミホイルでも)をする。煮汁が半量になるまでフツフツさせながら気持ち強火で炊く(ここ臭みが出ないポイント)。5分ほどに煮たら糠床を大さじ2〜3ほど加え、全体がからむまでさらに煮込んで出来上がり。
栄養価の高い青魚は脳を活性化させるDHAがたっぷり、日常的にいただきましょう。

11/11

青いレモン・みかん・ゆず・すだち・陳皮(ちんぴ)

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小さな小さな裏庭には、みかん、ゆず、黄色いすだち、青いレモンが鈴なりになっていて、毎年とても楽しみです。その年によって実のつける量がそれぞれ違っていて、昨年はレモンが立派に育ちましたし、今年はいままでにない大きな大きなみかん(梅も)がなりました。もぎたての香りは素晴らしく、とてもリフレッシュします。撮影時に葉付きのすだちやリンゴなどを添えると、写真がイキイキ!黄色く実る前のみかんは外側が緑だけれど、カットすると鮮やかな蜜柑色、コントラストもきれいです、よい酸味なのでポン酢に加えたり、秋刀魚にかけても良いものです。柑橘類は胃の働きを良くし、豊富なビタミンCが疲れをとり、風邪予防などに有効です、コラーゲンを摂取したい時もビタミンCと一緒に摂取することが大事。薬膳では皮を干したものを陳皮(ちんぴ)と言い、気血の巡りをよくする生薬とされ珍重されていますよ、ザルいっぱいに皮を干して保存します。大根おろしに陳皮と唐辛子と和えると、彩りや香りがよくなり、効能も高まるのでお勧めです。

11/10

烏賊(いか)・鳥賊骨

薬膳では烏賊の甲は(鳥賊骨・うぞくこつ)と言い、主に月経異常、胃腸症に使用されます。タウリンが多い烏賊は血中コレストロールの増加を抑え、動脈硬化の予防も期待できます。肝機能を改善するのでお酒のアテにもよいものですが、昔よく見かけた烏賊徳利(いかとっくり)などは、味だけではなくちゃんと理由があったのですね。日本人は世界でも有数の烏賊好き、さまざまな料理に使われていますが、低エネルギーでタンパク質が豊富、昔から血を養うと言われ貧血にも良いとされてきました。もしもイカの足などが余ったら、つくねやハンバーグに細く刻んで加えると食感よく美味しくなります。

11/9

ししゃも・柳葉魚・骨粗症予防

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「柳の葉っぱ」を神様が、魚にしものが「ししゃも」とアイヌ伝説にあります、北海道の珍味ですね。日本の固有種は本ししゃもですが、輸入物はカラフトししゃもで通年多く出回っているものです。国産は美しい白目の銀色と繊細な形なので見分けがつきやすい。生干しで売られている事が多いので、軽く炙るだけで頭から骨まで食べられ、カルシュウムを多く摂取できます、フリットや天婦羅など美味しいですね、酢に漬けるとカルシウムが摂取しやすくなるので南蛮漬けなども勧めです。ししゃもにはマグネシュウムや亜鉛も多く、高血圧や骨粗症予防に最適。お腹がパンとはっているものは卵がしっかり入っていますよ。私はメスが好きですが、漁師のお父さんは味が濃いオスしか食べないそう。購入する時はツヤがあり、身がしまっているものを選びます。国産の旬のししゃもは、良い香りで焼いてもふんわり。北海道白糠付の、目の前の海からそよぐ潮風で丁寧に天火干しされたししゃもはピカピカ、塩加減も素晴らしいのでした。