井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

季節の食材を知って、毎日の食生活を豊かに。
食べて元気になれる、栄養豊富な旬の食材を日替わりでご紹介します。

2020年 5月の記事

5/29

鯵・あじ・アジ

魚・アジ・鯵・あじ

鯵は味がよいのでその名がついたと言う由来があります。日本人の食卓には欠かせない魚ですね、年中美味しい鯵ですが産地によってメドレーで旬があり、真鯵、むろ鯵、め鯵、しま鯵などが一般的で、青魚の中でも旨味成分が強い。記憶力向上や老化防止などの効果があるDHA、骨粗症やイライラを抑えるカルシウムが豊富。鯵でなめろうを作る時、臭みを消すためにみょうが、しそ、生姜などを入れますが、細かく刻んだピーマンも加えると味を邪魔せず臭みを消すのでお勧めです。
鯵といえば思い出すのが九州でいただいだ、元は漁師さんのまかない飯(りゅうきゅう)。鯵、さば、ぶりなど地魚の細切れを漬けにし、ごまとたっぷりの薬味を混ぜた郷土料理。即席で作るなら、濃縮タイプのめんつゆにすりごま、おろし生姜かわさびを合わせ、香りの良い柑橘を少し絞る。良い香り。冷蔵庫で30分〜1時間ほどマリネし熱々のご飯にのせます。刻んだしそ、みょうがなど添えるとさらに美味。今日のような熱い日にぴったりです。
ちなみに鯵は目がキレイに澄んでいてエラが赤く、背中に丸みがあるものが鮮度よく脂のりがいいようです。購入時の目安にして下さい。

5/27

パクチー・香菜・かめむし草・コリアンダー

パクチー・かめむし草・コリアンダー・パクチー・香菜

気温が上がってくると、無性にパクチーが食べたくなります。(英名はコリアンダー、和名はカメムシ草)。パクチーは消化を助ける働きがあるので、我が家では胃が疲れた時に食すお粥のトッピングにしばしば登場します。そのお供はみそずけ生姜、ちょうど出回っている新生姜を皮ごとポリ袋に入れ、味噌にみりんを少し混ぜたものを生姜に覆うように馴染ませて冷蔵庫に入れておく。おかゆに刻んだみそ漬け生姜、あれば醤油をからめたピータンを添え、たっぷりのパクチーを散らすと美味しい。パクチーの根は捨てずに活用し、香りが強いので叩いてお米と炊き込んだり、スープ等に加えるとよい風味。
パクチーはベランダ栽培でも健やかに育ちます。思い立った時に食べたいので、せっせと水やりしています。柔らかい摘みたての柔らかいパクチーは格別で、白い可憐な花をお料理に添えるのも密かな楽しみです。
パクチはー抗酸化作用が高いビタミン類が豊富で、美容効果が高いのが特徴。独特の香りが気の巡りをよくするように私は感じます。

5/24

油ぞうめん・油うどん・奄美大島(あまみおおしま)・きびなご

煮干しやじゃこの出汁を使って作る油ぞうめん。奄美でとれる今が旬のきびなごのいりこを使って、郷土料理の油ぞうめんを使うのがポイントです。作り方は、フライパンにたっぷりのきびなごを入れて乾煎りし、ひたひたくらいの水を加えて煮立て出汁をとります(自己流で今日は梅干しも一緒に煮ました)。酒と少しだけ甘みのある奄美のヤマア醤油、天然粗塩、油少々で味をつけ、フル(にんにくの香りのする葉)と、島唐辛子を刻んで加えます。奄美大島の西古見で、加商店のお母さん(早苗さん)からヒガシフーズの平うどん(乾麺)を頂いたので(作り方も教わった)、素麺の代わりにかために茹でて水気をきり、出汁に加えて煮含める。地元の人は入れないようですが、一緒にプリプリのもずくをたっぷり加えるとフワッとツルンと喉越しよくて美味しかった。出汁をとるのに使った煮干しやじゃこは柔らかくなるので、麺と一緒に食べられますよ。旨味もカルシウムもたっぷりで、簡単でとてもよい調理法と思います。
奄美大島の海や自然は色濃く美味しいし、素朴でステキです。またいつか出かけたい島の一つ。

5/21

新蓮根(しんれんこん)・レンコン

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日中は汗ばむ時もありますが、夜はまだ少し肌寒く、体調管理が難しい時期。ちょっと喉の調子が悪いなど体調の変化を感じても、薬を飲むほどではないなぁなんて時はありませんか? そんな時は民間療法で昔から薬効が伝えられているれんこんの出番。新れんこんは市場などで、5月ごろから熊本産、徳島産、茨城産の順で店頭に並びます。
真っ白で、切り口をみると水がしたたるような水々しさがあり、シャキシャキした爽快感が何とも心地よい。きんぴらやサラダなどにうってつけですが、喉のケアには皮ごとすりおろして椀物などにしていただきましょう。小鍋に1人分約150ccの水と大さじ2のすりおろしたれんこん(皮ごとすりおろす)を入れてひと煮立ちさせるととろみが付き、透明感がでます。醤油少々で味付けし、おぼろ昆布などを加えると喉の不調に効く椀物になります。まるでお粥のような優しいとろみがあるので、小さいお子さんやご年配の方も食べやすいですよ。
れんこんの特有の粘りは胃腸を保護します。造血のビタミンと呼ばれるビタミンB6も含むので、貧血の予防にもよいそうです。れんこんを料理する時は、酸化して黒くなるので鉄製での調理はさけましょう。

5/20

春キャベツ・乳酸キャベツ・快腸美肌・発酵食

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柔らかな春キャベツが出回っています。
乳酸キャベツは、シュークルートやザワークラウトと同じ発酵キャベツの漬物で、井澤家の呼び名です。
基本材料はキャベツ、粗塩、きび砂糖の3つ。細切りキャベツ(1個)1Kg、塩小さじ4〜5、きび砂糖小さじ2を馴染ませ、重石をして常温で2、3日たったら清潔な保存容器に入れて冷蔵庫へ。お好みで唐辛子や粒こしょう、カルダモン、キャラウエイやクミンなどのスパイスなどを加えてもよいですね。
発酵食は単体で口にするより食物繊維を足すことにより、腸を整えやすくなります。乳酸キャベツは発酵食でありながら、食物繊維、ビタミン類なども豊富。一つでまかなえる優れたお漬け物で、一番シンプルな発酵食だと思います。簡単なのでぜひ手作りしてみて下さい。毎日食べると、自分の体が変わるのが実感できます。

5/19

新じゃが芋・じゃが芋・美肌

水分量が多くみずみずしい新じゃが芋。栄養は皮の近くに有ります。新じゃが芋は皮も薄く柔らかいので、炒め物や煮物などぜひまるごと調理してください。一番のお勧めの食べ方は、シンプルな粉ふき芋。皮をタワシで擦り洗いしたじゃが芋を、水から入れて低めの温度(60度)でゆっくり塩茹でします。じゃがい芋の澱粉が酵素によって分解され、甘みが増します。火が通ったら余分な湯を捨てて水分を飛ばし、皮がパンと弾けるように粉ふき状態にすると、じゃが芋のホクホクとした食感を味わえます。
もう一つお勧めの食べ方です。新じゃが芋をごくごく細切りにして水に放し、さっと茹でて冷水で〆るとシャキシャキ食感に。薄い麺つゆ程度の浸地につけたりや酢の物にしていただく和風の食べ方もいいですし、オリーブオイルと柑橘のドレッシングや、中華風の辛味ダレなど気分で楽しみます。
新じゃが芋は、普通のジャガ芋よりビタミンCが豊富です。ビタミンcはコラーゲンの生成にかかわるのでコラーゲンと多い食材と一緒に調理すると美肌効果がアップします

5/16

玉蜀黍・トウモロコシ・コーン

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トウモロコシは世界三大穀物の一つ。日本では夏が旬ですが、地域によって多少異なります。
暑い沖縄では、今が旬のトウモロコシ。糖度が高くて生でも食べられ、みずみずしく口に含めばその甘さにビックリします。
剥きたて削ぎたてをサラダ、天ぷら、ピクルスにと、下処理なしで堪能したほうが醍醐味を味わえます。トウモロコシや枝豆は鮮度が命。手元に来たら直ぐに調理して、この美味しさを損なわないようにします。茹でる時は、ひげ根と一緒に加熱しましょう。煮物やスープ、炊き込みごはんにする時は、芯も加えて調理すると更に美味しさが増します。
トウモロコシは繊維が豊富で腸整作用も抜群。葉酸やカリウムを含むみ利尿作用があるのでむくみにも有効です。韓国にはトウモロコシのひげ茶がありますね。ほんのり甘くてノンカフェインで、美容にもよいそうです。
美味しいトウモロコシの見極めポイントを農家さんに伺いました。持った時に重めで、ひげにボリュームがあって茶色くなっているものは熟していて、粒もぎっしり詰まっている長です。購入時の目安にして下さい。

5/14

大蒜(にんにく)・新にんにく・薬味

井澤由美子・食養生・健やかな食卓・発酵食・まいにち食薬養生帖・にんにく・新にんにく・薬味・たいさん・薬膳

新にんにくが出まわる頃になりました。中医学ではにんにくは、脳と五臓の機能を活性化し、腫れ物や解毒の改善、血の巡りをよくする食材とされています。風邪のひき始めで、白い鼻水が出る時は体が冷えています。そんな時は、体を温めるにんにくを食べるのがお勧めです。免疫力を高めたり、体力を回復する効果も期待できますよ。
この時期のにんにくは、香りの薬味や香辛料というより、野菜として調理したくなります。たっぷりの新にんにくを薄切りにして、小松菜や空芯菜とごま油でサッとソテーすると、シャッキリした歯触りを堪能出来ます。
にんにくを酢やオリーブオイル、にんにく、みそに丸のまま漬けると美味しく、また保存がきいて重宝します。
大蒜の字の蒜(ひる)は食用になるにんにく、ノビル、ねぎなどの古名です。ノビルと区別するために、にんにくを(おおひる)と称し、生薬名は(たいさん)。ちなみに無臭にんにくやジャンボにんにくは、本当はポロねぎ(リーキ)の仲間だそうです。

5/13

しらす・ちりめんじゃこ・小魚

しらす・じゃこ・小魚・カルシウム

カルシウムたっぷりのしらす。カルシウムの吸収を助けるビタミンDも含んでているので、骨の強化にうってつけの食材です。また、脳の神経細胞を活性化するとされるDHAも豊富です。
しらすとは、イカナゴ、ウナギ、アユ、ニシン、マイワシ、ウルメイワシなど、白や透明無色の稚魚です。マイワシやウルメイワシも流通していますが、いわゆるしらすのほとんどは、かたくちいわしの稚魚(アンチョビや煮干しなどもかたくちいわし)。しらすは釜茹でされたもの、しらす干しを更に乾燥させたものがちりめんじゃこですが、地方によって呼び名は多少異なるようです。通年出回りますが、春と秋が産卵のピーク。新鮮な生しらすが手に入ったらぜひ試していただきたいレシピがあります。バケットに、にんにくの切り口をこすりつけて、塩とオイルをふってカリカリにトーストする。生しらすをたっぷりのせ、オイルをふってほうばって下さい、ヨーロッパ風の食べ方です。
生しらすは自分で塩茹でするとふんわりと優しい口当たり。たっぷりの釜揚げしらすを具にして、炊きたてのご飯でおむすびにも最高です。しらすや小魚は、酢と合わせるとカルシウムの吸収がよくなるので、酢の物にも適しています。

5/12

新生姜・しんしょうが・ガリ・甘酢漬け

色白でみずみずしい新生姜を甘酢漬けにしておくと便利。瓶などで保存するとほんのりしたピンク色が美しい。
ガリを口にすると口中がスッキリし、食欲が湧きます。つけ汁と共に胡麻とごはんに混ぜれば簡単ちらし寿司などが直ぐにできます。抗菌作用があり、防腐効果もグンと上がるので、蒸し暑くなるこれからの季節やお弁当にもオススメです。疲労回復効果もありますよ。
新生姜の甘酢漬けの作り方です。新生姜280gは皮付きのまま使います。汚れがあればスプーンの背などで皮をこすり取ってごく薄く切ります。熱湯にさっとくぐらせてしっかり水気を絞り、甘酢(酢100cc、きび砂糖大さじ4、粗塩大さじ半強)に漬ける。消毒した密封容器に入れ、冷蔵庫で3ヶ月はゆうに持ちます。
毎年大量の新生姜の甘酢漬けを作りますが、この甘酢漬け以外に私は砂糖を入れない酢漬けも作り置きします。こちらは新生姜を少し厚めにスライスするのがポイントです。