井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

季節の食材を知って、毎日の食生活を豊かに。
食べて元気になれる、栄養豊富な旬の食材を日替わりでご紹介します。

2018年 12月の記事

12/29

御節料理・簡単なのにきちんと作れる「おせち料理」・成美堂出版

御節・簡単なのにきちんと作れるおせち料理・井澤由美子

年末から祝い肴数種種をご紹介させていただきましたが、お正月支度は「無病息災、子孫繁栄、五穀豊穣」と、この3つの願いが込められた祝い肴が大事です。関東では「黒豆・数の子・田作り」。関西では「田作り」を「叩きごぼう」に変えて3種とします。この祝い肴があってこそ、お正月の祝い膳は本式となります。つまりこの3種類があれば立派なおせち料理になるという訳です。後はご家族の好きなおせちを数種類足せばよいでしょう。お重がなくても、折敷や器、木のお弁当箱等に盛り付けても素敵ですよ。

12/21

ほうれん草・貧血・乾燥肌

冬の緑黄野菜の代表格、ほうれん草はポパイでお馴染み。缶詰めのほうれん草を食べると超人的パワーが生まれるポパイが主人公の漫画でした、歳がばれますね。
ほうれん草はシュウ酸があるので、さっと塩茹でしてアクを取って水に放して水気をしぼります(ラップをしてレンジ加熱でも)。根の赤い部分はマンガンが多く含まれます(マンガンはカルシウムやマグネシウムと共に、骨の形成をサポート)。ほうれん草は甘みもあり栄養価が高いので、根元の近くまで余すことなく食べて下さい。出来れば元気な有機栽培がおすすめです。
ビタミンや鉄分も多いので風邪予防や貧血にも効果的です。ほうれん草はカロテンが豊富で、肌の新陳代謝を正常に保ち、乾燥肌の予防に一役買います、カロテンは脂溶性なので、油と一緒に調理するのが正解。にんにくとバターで炒めて、ほんのり醤油と胡椒で味付けしたソテーは後をひきますね。ごま油、オリーブオイルで炒めてもOk。

12/18

美肌・酵素(こうそ)・おがくず酵素風呂

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最初にとても甘い酵素液を飲む。そして針葉樹のオガクズを発熱性微生物と発酵液により自然発熱させた6度付近の温風呂に横たわる。じわじわ蒸されるお風呂で感じた事は、いつも接している発酵食品はこれくらいの温度でゆっくり育っていくものが多いなぁということ。自身が蒸され体感したことで、親近感を深く覚えました。その後の濃厚パックで確実に肌のキメが整い、ツルツルになって、肌の色もパッと白くなっている。
力強い植物エキスで作られるその効能の高さに驚きます。体の内と外からの発酵作用を超特急で体感できる小樽の大高酵素さんさん!  酵素液の甘味がもう少〜しだけ、控えめバージョンがあったら嬉しいなぁ。

12/15

手作りビーフジャーキー・赤身肉・スパイス

出来上がりまでに数日かかりますが、簡単ビーフジャーキーを作ってみました。
ごく薄切り、薄切り、ちょっと厚切りの3つのバリエーショで切り分ける。密封袋に赤ワイン1カップ(飲み残しでOK)、醤油半カップ強、つぶしにんにく、玉ねぎの輪切り、赤唐辛子、きび砂糖大さじ1半位を入れる。スパイスはあまりがちなものを何でも入れてOK。今日はガラムマサラ、オールスパイス、ブラックペッパー各小さじ半、丁子(クローブ)、ローリエを加えて1日半マリネする。取り出してざっと洗って、脱水シートで2日おく。(冷蔵庫ならラップをしないで半日以上)。乾燥機ならそれを使ってもよし。あとは燻製器でヒッコーリーやさくらなどのチップで表示通りに燻製します。
私は中華鍋で番茶とザラメを一掴みずつホイルに包んで、簡単に燻します。煙がキッチン中充満するのが玉にきず。

12/14

味噌(みそ)・発酵食品

ウイルスが飛び交うこの季節、体調を崩さないように外からも内からもケアすることが大切です。食として強い味方は菌や発酵食ですが、中でも身近なお味噌には様々な高い効能があります。「みそは医者いらず」と昔から言いますが、コレストロールを抑える、美肌効果、がんや糖尿病の予防など良いことづくめ。
簡単なみそ漬け卵黄のご紹介。ちょっと雲丹みたいな味になって、ご飯にもお酒にも最適です。小さめのタッパーなどにみそを3㎝深さ位にひろげ、水でぬらして絞ったキッチンペーパーを上に敷く。卵の殻を押し当ててくぼみを数個作り、そこに卵黄を落とす。みそを薄くぬったキッチンペーパーを上からかぶせ(みその面を下にして)、半日〜4日置き、琥珀色になってきたら出来上がり。この卵黄みそを出汁で溶き、おろしにんにくを加えると、体力回復、風邪などに有効なおみそ汁になります。昔ながらの熟成みしそを日々いろいろな調理法で楽しんで下さい。

12/12

味噌漬け・粕漬け・発酵食

脂がのったぶりやたらなどの魚が出回っていますね。そのまま加熱しても美味ですが、酒粕やみりんを混ぜたみそに漬けると、魚の脂の旨味が溶け込んで、ご飯やお酒が止まらない美味しさになります。酒粕やみそには、ビタミン、ミネラル、繊維、アミノ酸、乳酸菌などが多く含まれるので、生活習慣病予防や腸によい働きが期待できます。日本の伝統調味料は本当に良くできており、味を染み込ませるだけでなく、巧みに水分や臭みを抜き、旨味を凝縮させ、保存効果も兼ねるなど多様な効果があります。焼く時は、焦げやすいのでみそや酒粕を拭いましょう。しっかり熱したグリルに入れ、焦がし過ぎないように焼きます(厚さがある場合はほどほど焼いたら弱火で)大根おろしを添えていただくとよいですね。

12/9

味噌・発酵食・健康おみそ汁・日本テレビ・所さんの目がテン!

日本テレビ「所さんの目がテン!」のおみそ汁を科学するテーマで監修をしました。疲労回復みそ汁について、ご質問が多かったのでレシピを書きますね。
疲労回復おみそ汁(2人分・小鍋に出汁300ccを温め、おろしにんにく半かけ分、下茹でした生黒きくらげ70g、豚バラこま切れ肉70gを入れ、みそ大さじ1を溶き入れる)黒きくらげのビタミンDと繊維、疲れが取れる豚肉のビタミンB1、これらを合わせると健康効果が高まるおみそ汁になります。元気が出るにんにくのアリシンはおろして加熱すると効率よく摂取できます。
おみそ汁が色々な具材と合うのは、みそが湯の中で細かい粒子のコロイド状態となり、強い風味の具材でも、包み込んで味をまとめてくれるからだそう。
温めた食材の栄養は煮汁に流出します。野菜を煮るとたっぷりの量をかんたんに、食べられるのも嬉しいですね。朝の目覚めにいただくと交感神経もONになって1日をスムーズにスタートできますよ。夜は疲れをとって、体を温めてくれます。昔からおみそ汁は毒消しと言われるほどで、健康効果は折り紙つき、温かいお味噌汁を毎日いただきましょう。

12/4

蜆(しじみ)・しじみの醤油漬け・二日酔い・酒解毒

昔から呑みすぎ、二日酔いにはしじみと言われていますね。しじみは肝をケアします。多量に含まれるビタミンB12、タウリンが肝機能を高めてアルコールの分解、解毒を促進します。潮汁にする場合、シジミを冷凍して使うと旨味が増します。水と酒を煮立て、凍ったまままのシジミを入れ15〜20ほどコトコト弱火で煮ると白濁して旨味が強いシジミ汁になります。宍道湖の漁師さんに教わりました
牡蠣にもシジミと同じような効能があります。薬膳では酸味のものと合わせるとさらに肝機能をケアする効能が上がるとされ、柚子を絞った酢の物なども二日酔いによく効きますよ。
柚子には気の巡りを良くする香りの作用、消化を促進し、酒毒を消す効果があるので、ダブルパワーです。肝機能がフル回転する時期到来。内臓のケアも忘れずに。

12/3

塩あそび・レモン塩(レモンソルト)のペッパーステーキ

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日本のレモンの旬は冬です。果汁たっぷりの完熟レモンを使って、香りの調味料「レモン塩」を作りおくと便利(作りやすい分量は、レモン1個に粗塩大さじ3。レモンを輪切りにして粗塩を揉み込むだけ(長期保存の場合は、塩を多めにします)。肉や魚にレモン塩を馴染ませると健康効果も上がってメリットがたくさん!  皮にはダイエット効果があり、爽やかな香りでリフレッシュします。
簡単で美味しいレモン塩風味の牛ステーキ用肉をご紹介します(ボリ袋に牛肉ステーキ肉2枚、レモン塩スライス1枚、オリーブオイルと酢少々(好みでポン酢でも)加えて半日以上マリネする。フライパンを中火で熱し、肉をこんがり焼く。お家にある野菜と一緒に焼いて下さい。好みでつぶしたてのブラックペッパーを仕上げにふっても。マリネにするとレモンや酢の効果でかたいお肉も柔らかくなり、さっぱりした仕上がりになります。もちろん豚肉や鶏肉にしても美味しいのでお好みで、防腐効果も高く、お酒にも合うので、野外やイベントに持ち寄っても。私はレモン塩以外にもいかの塩辛、桜の花の塩漬け、梅干し等と四季折々の塩遊びを楽しんでいます。

12/1

菌の力・発酵食・味噌・麹・ヨーグルト

発酵食には美味しく、体に嬉しい効能があります。発酵食の複雑な甘みや旨み、香りは何処からくるのでしょう?  例えば麹から仕込む甘酒は砂糖を加えず作りますが、微生物の働きによって10種類ほどの甘み成分(オリゴ糖)を生み出し、奥深い甘さがでます。
腸には免疫細胞の約6、7割が集中しています。発酵食はその腸の免疫細胞を活性化し、アレルギー症状などを緩和すると言われています。また、腸には神経細胞も存在し、幸福ホルモンと呼ばれるセロトニンやドーパミンといった神経伝達物質を合成することがわかっています。腸が健康になれば思考もポジティブになるのです。
本日も発酵食と薬膳の知恵を合わせた講義をさせていただきます。これから益々乾燥する季節、発酵食と旬の食材で免疫力を育てましょう。