井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

季節の食材を知って、毎日の食生活を豊かに。
食べて元気になれる、栄養豊富な旬の食材を日替わりでご紹介します。

2018年 4月の記事

4/26

発酵調味料・酢・薬膳酢・ちらしずし

知人の個展最終日で打ち上げがあり、ちらしずしを作りました。炊きたてのごはんに薬膳酢(酢・昆布・枸杞の実)をかけながらしゃもじで混ぜる。干ししいたけと人参を甘辛く炊き、去年作った実山椒の塩漬けともに酢飯をにまぜる。あとはたっぷりの錦糸卵を散らして出来上がり。疲れると肝臓が酸を求めるので、すっぱいものが食べたくなります。果実酢に多く含まれるクエン酸は、食べものがエネルギーに変わるときに役立つ成分。栄養バランスもよいちらしずしは身体への吸収もよく、細胞を元気にします。

4/25

北海道・アスパラ・天婦羅

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お日様に向かってスクスク育った北海道のアスパラは、太くてみずみずしく美味しそうです!いきなりですが、やっぱりアスパラは軽い衣の天婦羅にしたい。揚げたてを口に含むと濃縮した青い香りが鼻を抜け、水分が滴る感じは初夏の醍醐味です。どんな調理法でも美味しいけれど、揚げるという調理法以上に旨味を閉じ込める技はない。揚げ物は油で揚げていますが、食材の水分と香りを逃さない調理法の為、その点では蒸しものに近い。テクニックを食すと言っても過言ではないので、食材、温度、時間の総合判断をしないといけないので、真剣勝負です。
もう一つ好きな食べ方がアスパラの昆布締め。アスパラの歯ごたえを少し残すように茹でるのがコツです。昆布のヨードがキーンと冷えたスパークリングや白ワインと季節の風に、とてもよく合うと思うのです。
特に先の方に多く含まれるアミノ酸のアスパラギン酸は美肌効果が期待できます。

4/11

アップルミント・ミントの花

遅目の春から初夏にかけてスクスクと育つハーブ。ハーブガーデンのミントの花は清々しいアイスパープルで、今が満開です。今日は摘みたてのミントミルクゼリーのご紹介。牛乳に千切ったミントを入れ数分間煮出し、はちみつを溶かして甘みをほんのりつける。後は肌を潤すゼラチンをいれて、粗熱が取れたら冷蔵庫で冷やしてフルフルに仕上げたら出来上がり。なんとも心安らぐ香りがしますね。
ハウス栽培のものは色も香りも優しく、露地物は香りが強く色も濃いので好みで使い分けます。

4/9

卵・たまご・たまごかけごはん

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卵は質のよい栄養食で、ビタミンCや繊維を含む食材を添えればバランスのよい食事になります。
私の好きな卵は、山里の養鶏場で作られていてエサにもこだわりがあります。休耕田を上手に使って健康な土を作り、飼料用のお米を作ってカニ殼や魚粉などをまぜて鶏の餌にするそう。山の中を自由に走り回って、きれいな小川の水を気ままにのむ鶏たちはとても健康で、栄養価の高い良質のたんぱく質を含んだ卵を生んでくれます。
好きなたま卵かけごはんの食べ方は、まず炊きたてのごはんに醤油をたらし黄身と白身をわけて落とし、わさびと鰹ぶしを添えて甘みを感じる白身からいただきます。

4/6

清明(せいめい)・晴明祭

清明とは字のごとく「この春の季節全てのものは、清らかで活気にあふれていて明るい」が由来。中国ではお墓参りや掃除し、先祖を大切にする日。日本では、沖縄県首里地方で「御清明(ウシーミー)」または「清明(シーミー)祭」と呼ばれ、古くから受け継がれている風習があります。沖縄のお墓は広めで、独特の囲み方。その造りを不思議に思っていたら「シーミーの時は、お墓の敷地内に親戚一同が集まって、ご馳走を沢山持ってピクニックのように宴会するサ~!」と、仲良しのおばぁから聞きました。皆でお墓の掃除をしてお参りし、そしてご先祖様と一緒にご馳走を食べる。何とも何とも素敵な風習ではありませんか。そしてお墓参り用に販売されているテイクアウトお重の中身はとっても愛らしいのです。

4/3

蜂蜜・はちみつ・ハニー・咳止め

薬膳ではちみつは、甘味をつける他に呼吸器を潤し、咳を止め、痰をとる効果があるとされます。また、乾燥タイプの便通をよくします。
腹痛、滋養強壮にも良いとされ、丸薬を作る時に球場に成形する為に結合材として使うこともあります。
蜂蜜は約1万年前からヨーロッパを中心に栄養源として、また免疫力を高める、殺菌する、お腹の調子を整えるなどの薬としても用いられてきました。はちみつはビタミンの他、カルシウム、鉄分、ポリフェノール、酵素、オリゴ糖が含まれるバランスのよい栄養食。できれば、加熱処理のされていない天然の蜂蜜を選んで下さい。咳が止まらない時の自然食ケアとして、小さく切った大根をはちみつで漬けたもの、すりおろした蓮根とはちみつを混ぜたものがお勧めです(1歳未満のお子さんには蜂蜜を与えないように注意して下さい)。

4/2

うどの酢みそ和え・神経痛・関節痛

随分と暖かくなってきましたが、日によって体の痛む場所が変わったり、体が冷えると痛みが増し、温めると緩和する方は、この季節でも特に服装などにも気をつけて身体を冷やさないようにし、服装に気をつけて。
負担がかからない程度に軽く運動をしたり、入浴をして血液の循環をよくするのもお勧めです。食材は身体を温める生姜やねぎ、にんにく、ニラ、よもぎなどを食べるように心がけるといいですよ。神経痛や関節炎などは、中医学では「痺症・ひしょう」と言い、寒邪、湿邪、風邪の3つの邪気(病気の元)から来ると考えられています。
薬膳で、うどにはこの3つの邪気を取り去る効能があるとされています。歯触りのいいうどの酢味噌和えは良い相乗効果が得られます(ウド、酢、味噌の効能)。他に私が好きな食し方は、うどを皮つきのままホイルで包み、魚焼きグリルで焼くと、甘みが増します。皮がスルリとむけて香りが際立ちます。