井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

季節の食材を知って、毎日の食生活を豊かに。
食べて元気になれる、栄養豊富な旬の食材を日替わりでご紹介します。

2021年 7月の記事

7/12

トウモロコシ・玉蜀黍・とうもろこしごはん

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とうもろこしの炊き込みごはん、甘みがあって旬ならではの美味しさです。ポイントは生のとうもろこしを使うこと。とうもろこしは実を包丁でこそげる。ごはんを洗い20分水に浸してザルに上げる。鍋か炊飯器に洗った米、同量より少なめの水、酒少々、粗塩3つまみを入れて混ぜ、昆布一切れ、とうもろこしをこそげた後の芯を加えて普通に炊く。炊き上がり3〜5分前に芯をとり除き、とうもろこしの実を加えるのですが、バターでソテーしてコクを出し、醤油とからめた香ばしいとうもろこしをさっと加えて蒸らします。炊き立ても美味ですが、お弁当にもお勧めです。
暑くて水分をとりすぎた時など、胃が重くなることがありますね。薬膳では、とうもろこしは胃をスッキリとさせ、身体の余分なむくみをとるとされている野菜です。
購入する時は、ひげが茶色くなったもの、実の先に丸みがあるものを選びます。

7/9

hibiscus・ハイビスカス・花のソルベ・与論島・旅の想い出

ハイビスカス・ソルベ・花

ここのところのジメジメお天気、気分もすっきりしませんね。
今日は見るだけで元気になれる鮮やかなハイビスカスのご紹介をします。美しい色合いのハイビスカスティーは、微かな酸味を感じます。ビタミンCやクエン酸などがたっぷり、美肌効果や疲労回復に効能があります。
写真は数年前の与論島でいただいた南国情緒たっぷりのハイビスカスのソルベ。丁寧にシンプルに作られていて風味がよく出ています。お散歩途中に寄ったカフェのお母さんが、作業中のソルベの作り方を見せて下さいました。花びらを洗って煮出し、砂糖を加えたところに島みかんやレモン果汁(酸)を加えます。ハイビスカスの花の赤がよく出るまで、たっぷりと絞る。酸を加えるとパッと発色します、その様子は赤しそジュースなどの色だしと同じでした。ハイビスカスは天婦羅にも出来るそうですよ、赤い天ぷらがお皿の上にこんもり盛られている様が頭に浮かびました。島野菜のオクラやカボチャなどと一緒に揚げて、島のお塩もちょこんと添えて。

7/8

荏胡麻・エゴマ・えごまの葉

シソの葉に似ているエゴマはシソ科、エゴマ油は近年特に人気です。
大変な手作業に加え、デリケートな油なので値段は少々しますが、それだけ高い薬効があります。豊富に含まれるオメガ3脂肪酸、aリノレン酸が体や脳、肌を健康に保ちます。上質なものを購入し、かけるあえるなどの調理法で加熱せずシンプルに摂取しましょう。
小さな丸い粒は香ばしく、ゴマのように色々な調理に使えます。乾煎りしてすり鉢ですり、和えごろもに加えたり、焼き物の表面につけてカリカリとしたコントラストをつけても美味しいもの。
エゴマは防腐効果もあり、採取される産地では、昔から郷土料理や民間療法などにも多様されて来ました。
エゴマの葉は、焼肉には無くてはならない野菜です。サンチュの上に、エゴマの葉とスライスしたにんにくや唐辛子、甘辛く香ばしいお肉をのせて包んで食べると最高ですね。にんにくの醤油漬けも美味しいし、キムチにして炊きたてのごはんにくるりと巻くとご飯が止まりません。
余談ですが、エゴマ油は乾性油なので防水性、昔は油髪や番傘に使われていたそうです

7/7

みそ・手前味噌

お味噌を作るのに、空気の良い畑で枝豆と黒枝豆を育てています。味噌の原料は大豆ですが、実は収穫時期が異なるだけで、大豆と枝豆は同じものです。枝豆は、大豆が熟し切る前の青い状態で収穫したもの。大豆と同様にタンパク質、ビタミB1やB2、鉄分、繊維などを含みますが、枝豆にはアルコールの分解を促進するメチオニンと言う物資が含まれ、肝機能を高める効果が期待できます。ビールのお供に添えられるには意味があるのですね。

中医学では血の巡りをよくし、疲労回復にも効能があるとされています。女性に嬉しいイソフラボン、葉酸もあるので妊婦さんにもお勧めです。手作りの味噌は少し粒の残ったタイプ、仕込んでから夏を2回以上越したものが好きです。熟成させたお味噌は手前味噌でも感激するおいしさです

7/3

梅干し・梅仕事・梅雨のお弁当

梅干し・民間療法・梅しょう番茶

梅干しはお弁当にも大活躍。防腐作用が高いのでこの季節のお弁当にかかせませんね、日の丸にするのではなく、全体に千切って散らしましょう。お米に入れて炊いても良いものです種ごと加えて炊くと旨味がつきます。
梅干しを作ると生まれる白梅酢を手の平に塗ります。水分と塩分が手塩の代わり、にぎったお結びは米の甘みが引き立ち、香りも良いのでお結び作りが楽しくなります。
ふっくらふくよかな香り高い梅は料理にも使いやすいので、私は2日間ほど干した梅を白梅酢に戻して保存します。作り方は、大きめの完熟梅(真っ黄色になるまで追熟させる)を30分ほど水に漬け、竹串で黒いなり口を取り、水気をしっかふきます。丈夫な漬物袋に入れ梅に対して18パーセントの粗塩を入れて馴染ませる。同量の重しをして2日間1日1回上下を返し、20日間そのままおきます。冷暗所か冷蔵庫で保存し、梅雨があけたらザルに広げて好みの状態に2〜5日間天日に干します。
お粥にも梅干しを添えますが、唾液が消化力を上げるからです。下痢や便秘などお腹の調子を整える効果もあります。これらの昔ながらの民間療法は、先人の知恵の結晶ですね。