井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

季節の食材を知って、毎日の食生活を豊かに。
食べて元気になれる、栄養豊富な旬の食材を日替わりでご紹介します。

2020年 8月の記事

8/17

にんにく・黒にんにく・免疫力

井澤由美子・発酵食・黒にんにく・免疫力・黒にんいくの作り方

黒にんにくは、白いにんにくを熟成発酵させたもの。抗酸化作用が高くなり、もともとパワーが強いにんにくが更に高い効能に。特有の強いニンニク臭が抜け、プルーンのように甘く、優しい風味で微かな酸味がとても食べやすい。皮をむいてそのままいただきますが、スプーンでも簡単にペースト状になるくらい柔らかいので、マヨネーズやマスタード、バターとまぜてパンにぬったり、お肉などのソース、焼肉の下味つけ、醤油を使った煮物にポンと加えても。
夏バテや体調を崩しそうになったり、喉に痛みを覚えた時など直ぐに口に入れてケアします。
作り方も簡単、普段使わない炊飯器などがあれば保温に設定し、皮付きにんにくを入れ、釜にあたらにように耐熱紙などをかぶせて10〜15日間入れておくだけです(過熱するとニンニク臭がするので、倉庫や物置きなどだとよいですね)。体調管理は先手必勝、免疫力を上げておきます。

8/15

西瓜(すいか)・スイカジュース

スイカ・スイカジュース・西瓜

幼少の頃から一番好きな果物はスイカ。暑い日には特に食べたくなる夏の風物詩です。ヘタの回りがへこんでおり、縞模様がくっきりしているものが美味しいそうです。
昔は1個買いが普通でしたから、八百屋さんに食べ頃を選んでもらって、その所作も楽しんでいました。お客様がみえると食べやすいよう、カットを色々工夫しています。
スイカはしゃりしゃりとした食感で水分が多く、身体を潤してくれますね。リコピンやカロテンが豊富で、利尿作用もあるのでむくみ改善にもいい。白い部分は薬効があるので浅漬けや糠漬けなどにします。
スイカが余ったら、梅干しの果肉と合わせて攪拌してジュースにしたり、生クリームと一緒にパンに挟んでフルーツサンドにしたりして楽しみます

8/14

盆団子・おだんご

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昔からお盆にはお団子を作ってご先祖様にお供えする風習がありますね。島根県の邑南町で「盆団子」をいただきました。お月見は白いお団子で、お盆にはきな粉をまぶしたお団子を作るそうです。ご相伴にあずかりました、しっかりしたもち米粉が印象的でとても美味しかった。
作り方を教わりました。ボウルに米粉150g、もち米粉150gを合わせる。熱湯を少しずつ加えて箸で混ぜながら耳たぶくらいのかたさにし、団子状丸める。たっぷりの湯を沸かして茹で、浮き上がってきたらザルにとり水気をきる。きな粉と砂糖を合わせ、粗塩少々を加えてお団子とからめて完成。
もち米はたんぱく質、ビタミン類、マグネシウム、亜鉛、食物繊維を含み、体を元気にします、夏バテ対策にも良いものです。

8/13

かき氷・氷

かき氷・氷

数年前に行った与論島の食事処のみさき。店頭に「頭が痛くならないかき氷」と書いてある。キーンとするような痛みが出ないという意味ですよね? 半信半疑で食べてみるとホントに痛くならない! ふんわりとして、口にいれてもスッと溶けるので冷た過ぎない。冷たいものを食べると脳が危険を感じてシグナルを出すのですが(これがキーンと感じる痛み)きっと優しい口当たりなので、脳がびっくりしないのでしょうね。
生姜を濃厚な香りよいシロップにした、生姜練乳をたっぷりかけたかき氷。何気ないけれど、島のお母さんの愛がいっぱいです。台湾で、おやつに冷やしたトマトをいただいた時、添えられていた黒糖と生姜を混ぜ合わせたものを想い出しました。トマトは身体の余分な熱をとる効能があるのですが、冷やし過ぎないようにとの配慮からでしょう。
食は身体も作るけれど、心の優しさも育んでくれますね。

8/11

ホップ・西洋唐花草(セイヨウカナハナソウ)・ハーブ・ビール

ハーブ・ホップ・ビール・ハーブ・セイヨウカラハナソウ

この時期に楽しみなホップは、花期がちょうど今頃(8月〜9月)です。数年前、奈良県の曽爾(そに)村のホップ畑に出かけました。摘みたてのホップをひともみして浮かべた地ビールと、おつまみにホップのフリットをいただきました。贅沢ですね、ホップのス〜っとする香りと冷たいビールの喉越しがなんとも爽やかで、ストレスも洗い流してくれるようです。ホップの成分はビールの香りと苦味を作り、泡持ちをよくして濁りを取り除くなどの作用があるそうです。西洋ではハーブとしても古い歴史があり、神経を鎮める効果があるので、睡眠薬としても愛用されてきました。北海道の広大な畑にお邪魔したことが有ります。ホップのつるは見上げるほどの高さで、カーテンのように風にそよそよとゆれて香り、とても心地よかった。
最近よく口にするクラフトビール、麦芽配合によってコクやフレーバーが変わる。好みの香りとキレがよいビールに出会うと嬉しくなって、おつまみも香りに合わせて楽しみます。

8/9

青唐辛子・青ゆずこしょう・青柚子

青柚子・柚子胡椒・しそこしょう・ガスパチョ・食養生・食薬ごはん・井澤由美子・美肌・秘湯回復・薬味・NHK

青唐辛子青ゆずとが出回る季節。青唐辛子はピリっとしますが、まだ穏やかな青々とした辛味が心地いい。シンプルにグルルした肉やシーフード、穴子の白焼き、冷や汁、そうめん、冷奴など何にでもよく合います。青唐辛子と青柚子を組み合わせて仕込む「青柚子胡椒」を作ってみました。青唐辛子4〜5本は縦半分に切って、種をこそげ粗みじん切りにして、すり鉢に入れる。青ゆずの皮だけを1個分すりおろし、種をのぞいて果汁を加え塩を混ぜる。塩加減は好みで調整種てください(小さじ1くらいから味を見ながら)塩分が少ない場合は、冷凍保存がお勧めです。
青ゆずこしょうで作るおもてなしにも良い美しいガスパチョの作りかたです。作りたての青柚子胡椒少々をボウルに入れ、きゅうり1本、しそ4、5枚、パンひとかけ、オリーブオイル小さじ2を加えてハンドミキサーで攪拌する(様子をみて水分を足す)と、完成。好みで酢少々を加えても。青唐辛子、ゆずは消化を促進し、香りで気の巡りを良くして暑苦しさを緩和します。

8/8

紫玉葱(むらさきたまねぎ)・玉ねぎ

紫玉ねぎ・食養生・たまねぎ

血液をサラサラにする玉ねぎ。国内の玉ねぎの生産量は大根、キャベツに続き第3位です。最近は紫の玉ねぎも入手しやすくなりましたね。
紫の色素はアントシアニンで、ポリフェノールの一種。これは葡萄、クランベリー、ブルーベリー、プルーン、ナス、小豆、赤しそ、黒豆などに含まれているものと同じです。
植物が紫外線から身を守るため作る成分で抗酸化力が強く、高血圧や眼精疲労に効果的。紫玉ねぎは辛味や刺激が少ないのでさっと水に放して、生のままサラダやツマにしても。赤しそや茗荷のように酢に漬けるとより鮮やかに発色します。皮付きのまま縦半分に切って塩とオリーブオイルをかけてオーブンで焼いても甘みが増して美味しいです。お皿に置くだけで様になる。大小様々の紫玉ねぎ、アダルトな紫色にうっとりします。

8/6

うまみ昆布酢・昆布酢・酢・す・発酵調味料・疲労回復

まいにち食薬養生超・疲労回復・昆布酢・発酵調味料・酢・疲労回復

昆布酢は美味しいだけでなく、疲れやストレス解消をサポートしてくれる調味料でもあります。暑さ厳しいこの時期は、酸味が心地よく、疲れを軽減するのでぜひ!
私は醤油代わりに白身のお刺身につけたり、納豆にまぜたり、なすや菊花、茗荷の色止めに使ったりします。炒め物や煮物の仕上げに加えると、酸味が飛んでギュッと味がしまり、脂っこい肉料理をさっぱりさせるなど、幅広く活用出来ます。2017年に昆布酢の本を出版させて頂きましたが、作りおくと本当に便利なのです。
保存瓶に昆布を入れ、お酢を加えておくだけ。上質な昆布をたっぷり使うと、旨味が格段に増した昆布酢になります。また、酢の酢酸と昆布のカルシウムが結びついてできる酢酸カルシウムは、骨粗しょう症の予防に効果があり健康面でも理想的です。
心も体も癒すお酢は、世界最古の発酵調味料とも言われ、体に嬉しい健康効果が沢山あります。ダイエットにもお酢は強力な助っ人。内臓脂肪を減少させたり、胃液の分泌を促し、腸の蠕動運動を促進させる働きも期待できます。消化器の負担にならないように、1日に大さじ1半までを目安にしましょう。

8/5

ピーマン・赤ピーマン・夏野菜

食養生・井澤由美子・ピーマン・夏野菜・赤ピーマン・きょうの料理・

夏の緑黄色野菜の王様、ピーマン。唐辛子を意味するフランス語のピマンが語源だそうです。ビタミンCとカロテンが豊富で、皮膚を健やかに保ち、疲労回復を助けます。紫外線などのダメージが気になるこの季節には、特に食べたい野菜ですね。ピーマンのビタミンCは加熱しても壊れにくい特徴があり、たんぱく質と合わせるとコラーゲンの生成に役立ち、肌を潤す手助けをします。豊富なカロテンは油と調理すると体への吸収率が高まりますよ。
旬のピーマンはフレッシュで香りも良いですね。我が家のベランダ菜園でもたわわに実ります。たねやヘタも食べられ、特にヘタの部分がクシュっとして美味しいんですよ。手でギュッと押しつぶして丸ごと調理、ヘラで押しつけながらごま油で焼いて、酒、醤油、みりんで落としブタをして煮込む「ピーマンの丸煮」や、おみそ汁、バーベキューなどいろいろな料理に展開できます。ちなみに、少し苦味のある緑のピーマンを時間をかけて完熟させたものが赤ピーマンで、甘みがましてビタミン類やカロテンの含有量が高くなります。
本日NHK「きょうの料理」8月号では、鯵のなめろうに薬味代わりに加え、同じくP29ではガーリック炒めにたっぷり使用しています

8/4

きゅうり・胡瓜・お漬け物

食養生・井澤由美子・まいにち食薬養生帖・糠漬け・胡瓜・きゅうり・キュウリ・食養生・薬膳・夏野菜

昨日花が咲いたと思ったら、直ぐに大きくなっているきゅうり。成分は約80%以上が水分で、カロリーが低く、夏にふさわしい薬効を持っています。身体の余分な熱を冷まし、喉の渇きを止め、利尿作用が高い。鎮静作用や美白効果もあるので、日焼けや火傷の時はきゅうりでパックをして、ほてりを鎮める民間療法も伝わっていますね。この時期、ベランダに実るきゅうりでせっせと作るのは、ぬか漬け。2日半漬けてから水で洗って半分に切り、冷蔵庫で冷やして置く。ポリポリとかじると疲れがスッと抜けます。
長野県の農家のおばあちゃんに教わったポリパリ食感のきゅうり漬けもよく作ります。醤油、酢、みりん(砂糖)、赤唐辛子を火にかけて漬け汁を作り、きゅうりを入れて煮る。コツはきゅうりを入れて煮立ったら火からおろし、鍋ごと氷水につけて冷やす。これを4〜5回繰り返す。食感も美味しさのひとつです。長野県では漬物は、お茶請けに登場させるもの。もちろんごはんのお供やお酒のアテにも最適で、暑い日には特に美味しく感じます。
詳しい作り方は「体がよろこぶお漬け物(誠文堂新光社)」に掲載しています。宜しかったらご覧ください。