井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

季節の食材を知って、毎日の食生活を豊かに。
食べて元気になれる、栄養豊富な旬の食材を日替わりでご紹介します。

2020年 1月の記事

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小豆・小豆粥・小正月・薬膳

15日の小正月(こしょうがつ)の朝、豊作や健やかな1年を願って小豆粥を朝いただく風習がありますね。
今日は鏡餅のお下がりで焼き餅ぜんざいを作ります。指で潰れるくらいに柔らかく下ゆでした豆に、きび砂糖や甜菜糖を豆と同量加えて、隠し味に粗塩少々を加えてよい塩梅にします。鏡開きで開いた(割った)お餅を(水に浸してふやかし、トースターに入れる)香ばしく焼いて浮かべます。
小豆には解毒作用があり、体内の余分な水分を排出するなど、デトックス効果が高いのです。利尿作用もあり、むくみ解消も期待できます。最近では蒸し小豆などの調理済みの商品もあるので、思い立ったら直ぐに料理に活用できます。サポニンも含む小豆は、甘味だけでなく、サラダやスープ、煮込み料理などにも入れて日常的にいただきましょう

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生姜・しょうが・干し生姜・冷え

足元の冷たさが気なり、生姜に手が伸びます。ショウガオールとジンゲロンの体温め効果は高く、慢性的な冷えを和らげます。少し濃いめのあんをかけ、たっぷりのおろし生姜をのせたうどんや湯豆腐は消化もよく夜食にもピッタリ。子供が受験生の頃、お腹を満たし過ぎずに免疫力をつけたくて生姜をよく活用しました。少し多いかなと思うくらいの量の細切り生姜を炒め物や炊き込みごはん、スープ等に加えるのですが、バターやオイル、肉類を加えると脂や加熱で辛味も和らいで子供でも食べやすくなります、生姜オールは100℃以上で加熱すると増加します、覚えておきたいですね。ホットミルクにおろし生姜、ターメリック、ナツメグ、蜂蜜を加えたジンジャーラテも集中力を高めながら美味しくいただけます。
干し生姜は胃にも優しく、芯から体を温める効能が期待できます。保存が効くのも良いところ。皮付のまま生姜を薄切りにして、ザルに広げてカラカラになるまで干すだけ。乾燥剤を入れて密封保存します。香りも良い生姜は気の巡りもよくするので、普段のお茶やおみそ汁などにも干し生姜を気軽に加えてリラックス効果が期待できます。

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ひじき・ヒジキ

ひじきは鉄分、カルシウム、食物繊維、マグネシウム、亜鉛、ビタミンなど栄養価の高い食材。たとえば、貧血や抜け毛が気になる方には、ひじきとレバー、にんじんを煮たお惣菜がおすすめ。ひじきと同様にレバーは鉄分が多く、にんじんには肌や髪を健やかに保つビタミンAがたっぷり。骨粗しょう症予防には、ひじきと玉ねぎのビネガーサラダをどうぞ。酢をベースにしたドレッシングであえれば、カルシウムが体に吸収されやすくなります。玉ねぎの血液サラサラ効果も期待できて、いいこと尽くめ。
ひじきは手軽に戻せるので、卵焼きやお味噌汁に入れるなど、こまめに食卓にとり入れてみて。中医学では黒い食材は腎機能を高めると言われており、老化防止・エイジングケアに有効です。
昔の乾燥ひじきは鉄釜で炊いていたので、鉄分が多く含まれていたようですが、いまはステンレス釜の製法が主流のため鉄分の量は少し減っています。鉄以外の栄養素も豊富で、しかも美味しいので、私のお惣菜ではひじきの登場率は高く、とても重宝しています

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冷凍餅・お餅入りスンドゥブ・スンドゥブチゲ

今日はお正月で余った冷凍しておいたお餅で旨辛チゲを作ります。お餅が濃厚な煮汁と半熟の卵が餅に絡まり、とても美味しいお鍋です。寒い日や疲れた時、風邪気味の時に、カンフル剤のようによく効くアツアツのスンドゥブチゲ。食欲を増進させ免疫力を高めてくれる食材の組み合わせで疲れもとれます。
スンドゥブは韓国の定番家庭料理で、豆腐、野菜や貝類、肉、魚などを辛味のあるスープで煮込んだものです。韓国では、やわらかい豆腐を使いますが、比較的近いおぼろ豆腐で代用できます。作り方は、鍋にごま油、おろしにんにく、豆板醤を入れ熱し、刻んだネギ、白菜、豚バラ肉を炒める。材料がかぶるくらいのいりこ出汁を加えて煮立て、味噌、醤油、みりん、あさりを入れ、スプーンで大きくすくった豆腐を加える。冷凍餅は耐熱容器に入れてかぶるくらいの水を加え、1〜1分半レンジ加熱する。お餅を鍋に加えて2、3分煮る。火を止めて生卵を落とし、好みでコチュジャンや、粉唐辛子粉適宜を加えて下さい。

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たらこ・明太子

明太子はスケソウダラの子(たらこ)を、唐辛子や昆布を加えた辛味と旨味のある調味液で漬けたもの。スケソウダラの子は韓国でミョンテ(明太)と呼ばれ、これが明太子の語源です。今日は生食用の塩漬けたらこ(甘塩たらこ)を、タレに漬けるだけのクイック明太子の作り方をご紹介します。小鍋に酒100ccと、切り昆布(または昆布を細く切ったもの)適宜を入れて弱火で煮る。アルコール分が飛んだら、鰹節ひとつかみを加える。
数分煮て、粗塩か柚子胡椒少々、あれば数種類の粉唐辛子を入れる。唐辛子を多く入れて辛くしたい場合は、砂糖やみりんも加えます。調味液が冷めたら密封袋に移し、たらこ2腹を入れてなじませ、冷蔵庫で保存する。
添加物の入っていない美味しい自家製明太子。辛さも風味も好みに調節できます。私は気分でゆずの皮や実山椒の塩漬けなども加えて楽しみます。

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蕪・かぶ・すずな・お味噌汁

かぶは七草で言う「すずな」です。江戸時代には葉を主に食していた野菜で、葉は実際に栄養価も高い。かぶは根菜類に入りますが、普段私たちが食べている白い部分は茎(胚軸)で、その下の方のチョロリと細い部分が根です。
菊花かぶは歯ざわりが良く、疲れがとれます。皮をむいたかぶの両端を挟むように箸を置きます(下まで切れないように)。縦横に切り込みを細かく入れて(ケンザンのように)30分ほど塩水に浸します。小口切りにした唐辛子、昆布一切れを入れたかぶるくらいの甘酢に、水気を絞ったかぶをつけて1時間以上冷蔵庫で寝かせます。最近、私はこの甘酢にターメリック少々を加えてほんのり黄色に仕上げて、肝機能も上げています。
癖の無いみずみずしい食感のかぶは最も漬物に向き。また、火を入れた時の柔らかいとろみも醍醐味です。甘みが立って柔らかく煮えた熱々のお味噌汁は格別なので、我が家の朝の定番です。かぶは消化不良にも良いとされ、ビタミンC、カルシウムなどが豊富です。

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薩摩芋(さつまいも)・安納芋(あんのういも)

最近人気の甘味が強い安納芋は種子島の特産品です。カットするとオレンジ色が特徴で、免疫力を向上させるβーカロテンやビタミンC、食物繊維が豊富なので風邪予防や美肌効果も抜群。安納芋には安納こがねや安納べになどの種類があり、焼くと糖度が40度前後まで上がります。一般的なさつま芋よりショ糖が多く含まれています。収穫されてから3週間前後たってから、美味しくなるのも特徴です。濡らしたキッキンペーパーに包んで、アルミホイルでしっかり包んで炭火やオーブンでじっくりゆっくり焼くとこれ以上ない甘さ。安納芋でお菓子を作る時は砂糖いらず。焼き芋の皮を除いてマッシュしてデザートグラスに盛り、ホイップクリームをのせるだけで、絶品デザートのさつま芋シャンテリーに。

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豆腐・とうふ・湯豆腐

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身体の余分な熱をとる豆腐。つるんと滑らかなお豆腐は、喉越しよく消化に良いですね。
豆腐には体の余分な熱をとる作用があるので、熱がある時にもお勧めです。柔らかく茹でた野菜を白和えにしたり、おかゆに加えるなどすると、身体が落ち着きます。良質なたんぱく質を含む豆腐は、コレストロール値を下げる効果があり、女性ホルモンに似た働きをするイソフランボンを含みます。
さて冬に美味しい湯豆腐のお話し。私は大人になって湯豆腐の奥深さを知りました。土鍋に水2カップと5cmの昆布を浸しておきます。タレは手作りのポン酢がお勧め。小鍋にみりん大さじ2、醤油60cc、酢100ccを加えて5、6分煮切り、好みの柑橘を適宜搾る。小皿に鰹節やおろし生姜、三つ葉、ねぎの小口切りなど薬味をたっぷり用意し、味の邪魔にならない程度の野菜も好みで準備します。昆布出しに豆腐を入れたらユラッとするくらいの火加減で煮て、熱々をいただきます。木綿豆腐はカルシウムが絹ごしより多いのが特徴、絹ごしは木綿よりビタミン類が、より多く含まれています。

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葱(ねぎ)・葱白(そうはく)・冷え

長葱・冷え・井澤由美子・食養生・おしゃれレシピ・簡単レシピ・薬膳・素敵な50代・冷え改善・健康レシピ

ねぎが美味しい季節ですね、ねぎの白い部分は葱白(そうはく)という生薬で、体を温める薬効が高く、咳や痰、喉や関節の痛みなどの症状にも有効です。炎症をおさえて痛みや熱を取りのぞく効果があるとされ、焼いて喉に巻くなどの民間療法が昔から日本に伝わっていますね。
ねぎは辛味のある野菜ですが、加熱調理をすると柔らかくなり、甘みが出て食べやすくなります。寒邪(かんじゃ)から身を守理、風邪の特効薬でもあるので、寒い日に沢山いただきたいですね。肩こりがひどい時は、ねぎに血のめぐりをさらに良くするビタミンB1を含む食材を合わせて相乗効果を狙いましょう。ビタミンb1を含む食材は、豚肉やラムなど。

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冬の(蜂蜜)はちみつ・はちみつレモン

井澤由美子・喉の痛み・薬膳・美容・便秘・食養生・ハチミツ・はちみつ・蜂蜜・咳止め・養生

深いオレンジ色の美しく濃厚なはちみつを鳥取の農家さんに頂きました。熊に蜂箱が襲われる年もあるそうで、貴重なはちみつを大事に口にしています。
古代から美容と健康によく、その高い殺菌効果から薬としても活用されてきたはちみつは自然治癒力を高める天然の食材です。保湿効果もあるのでリップクリーム代わりに、唇に塗るなど食べる以外の肌ケアにも◎。今の時期は喉の痛みや咳止めとしての出番も多いですね。効果を期待するならばやはり天然のはちみつがお勧めです(天然でない商品もあり注意)非加熱や低温で加熱したものを選びましょう。天然のはちみつは温度が低いと固まる事があります。そんな時は50〜60度の湯煎にかけて優しく溶かして下さい。いくつか食しているうちに好みがわかってきますよ。専門店に出向くと色や香りのc違い、産地や花の種類等を教えてくれます。
少しだけクセがありますが、マヌカハニーも大変優れた生薬ですね。ビタミンCたっぷりの国産のレモンをはちみつで漬けた(はちみつレモン)は栄養価と風味が抜群。お湯で割れば、今の季節にぴったりのホットドリンクに。(1歳未満のお子さんには、蜂蜜を与えないで下さい)