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季節の養生コラム:冬12月「柚子・柑橘の食養生」
柑橘の香りで「気」を巡らせ、一年を労わる。
冬の気配が深まると、恋しくなるのが柚子の香りです。 わが家の小さな裏庭では、毎年みかん、ゆず、すだち、レモンが実を結びます。その年によって実付きはさまざまで、昨年はみかんが大きく育ち、一昨年はレモンが豊作でした。そして今年は、小ぶりの花柚子がたわわに実り、爽やかな香りで心をリフレッシュさせてくれています。
自然の色彩がくれる元気
料理の撮影の際、葉付きのすだちや柚子を一房添えるだけで、その一皿にパッと生命力が宿ります。小粒のみかんをカットすれば、皮の薄さと鮮やかな蜜柑色のコントラストが目に美しく、自然が持つ色彩の力に元気をもらいます。ちなみに果汁は絞りたてを使うと体への効能が高まります。
効率よく体に取り入れる知恵
柑橘に豊富なビタミンCは、疲労回復や風邪予防に欠かせません。また、コラーゲンの吸収を助ける働きもあるため、美肌を保ちたい時や、体を内側から整えたい時にも積極的に取り入れたいものです。
「干すだけ」でできる自家製の生薬
薬膳では、みかんの皮を干したものを「橘皮(きっぴ)」、さらに寝かせたものを「陳皮(ちんぴ)」と呼び、気血の巡りをよくする生薬として重宝されています。私は、柚子の皮でも同じように「自家製の陳皮」を作ります。
作り方はとても簡単。ザルに皮を広げて、カラカラになるまで干すだけです。
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お茶やスープに: ひとかけ入れるだけで、香りのアクセントに。
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お風呂(柚子湯)に: だしパックに詰めて湯船に浮かべれば、ふわりと立つ香りが張り詰めた気持ちを優しく解きほぐしてくれます。
一年を乗り切った自分へのご褒美
胃腸にも優しい柚子は、冬の食養生の強い味方です。 忙しい年末、一年を走り抜けたご自身の体を、ぜひ旬の香りで労ってあげてください。
爽やかに「気」を巡らせながら、皆さまがお健やかに新年を迎えられますようお祈り申し上げます。どうぞ、良いお年をお迎えください。



