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立春大吉・東風解凍・除災招福
豆まきをした翌朝は立春です。旧暦のお正月にあたる春の始まりとされる日で、暦の上ではこの日から春になります。雪やみぞれが降ったりと一年でもっとも寒い頃でもありますが、庭の梅の蕾はふっくらとし、早咲きのものは既に満開です。寒さ厳しい中にも日射しものびて春の気配がします。古来は1年の始まりとも考えられていた立春に、除災招福 (じょさいしょうふく)を祈る。新たな目標を持ってスタートする日にも相応しい日で、今年の恵方は西南西です。
立春大吉にいただく食材は、邪気を払うと言われる立春豆腐や小豆、縁起の良い黒豆大福や、春の味覚の菜の花、蕗、白魚、鰆など。井澤家ではお豆腐は生姜塩で頂き、菜の花は辛子浸し、春魚の鰆は西京焼き、蕗は山椒を加えたほろ苦い蕗味噌、お椀は蛤や海藻、お赤飯に南天〔難を逃れる〕も添えます。
夜は立春絞りを少々。節分の夜からもろみを一晩中搾り、すぐに瓶詰めをして2月4日に出荷される原酒です。微妙な調整、完璧な管理が必要だそうで、蔵人さん始め、酒屋さんは夜中から徹夜での作業となります。日本酒の清さが心を清々とさせますし、祝い日にぴったり。アミノ酸が含まれているので肌にもよく、血行の巡りも良くする。胃を労るように、和らぎ水(やわらぎみず)と飲むことも心がけながら立春を楽しみます。