井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

季節の食材を知って、毎日の食生活を豊かに。
食べて元気になれる、栄養豊富な旬の食材を日替わりでご紹介します。

2025年 2月の記事

2/20

けんちん汁・根菜

井澤由美子・食養生・喉の痛み・けんちん汁・巻繊汁・豚汁・煮物・芋煮

乾燥するこの季節は喉や体を潤す金柑や柑橘類梨などの果物が多く出回りますね。根菜の大根、蓮根、蕪、ごぼうなども喉に良い野菜達です。大根の蜂蜜漬け、おろしごぼう汁、蓮根の葛湯などは喉や咳のケアに良い民間療法として様々あり、昔から親しまれています。

今日はこれらの滋養がある根菜をたっぷり入れたけんちん汁の簡単な作り方です。鍋にごま油をなじませたら、食べやすく刻んだ根菜類を炒め、油が回ったら豆腐を崩し入れて炒め合わせて塩少々をふる。後は、昆布や干し椎茸の出汁を使い煮込んで醤油風味で仕上げまます。ネギや揚げを入れて風味やコクを加えてもいいですね。寒い日の汁ものは殊の外美味しく感じますし、運動不足に心当たりがある方は、繊維たっぷりの根菜類を沢山いただいて腸活しましょう。皮部分近くに香りや栄養があります、たわしで擦り洗いして出来るだけ丸ごといただくと、大地のパワーと共に血行を良くするビタミンC、E、鉄や食物繊維などを丸っと頂けます。

ちなみにけんちん汁は精進料理のすまし汁のこと。約750年ほど前に鎌倉の(建長寺)で崩れてしまった豆腐と野菜を煮込んだのが始まりと言われ、お坊さんが作った(建長寺汁)がなまったそうです。その他に、刻んだ野菜と豆腐を炒めて油揚げを使う料理から関連付けされている説もあるようです。

2/10

蕪・蕪蒸し・喉枯れ・食養生

蕪蒸し・蕪・食養生・井澤由美子・喉がれ・咳止め・民間療法・食薬・薬膳・冬野菜・体に優しい

乾燥するこの季節は喉や体を潤す金柑や柑橘類梨などの果物が多く出回りますね。根菜の蕪や大根、蓮根、ごぼうなども喉に良い野菜達です。大根の蜂蜜漬け、おろしごぼう汁、蓮根の葛湯などは喉や咳のケアに良い民間療法として様々あり、昔から親しまれてきました。

今日は大きな蕪を農家さんが送ってくれたので、胃腸にも優しい蕪蒸しに。普段はおろした蕪に卵白を加えますが、滋養をつけて欲しい両親の為に、腎を助ける山芋をすりおろして合わせます。蕪一個分をおろし、山芋適宜を混ぜて具材に乗せて蓋をして10分ほど蒸すだけ。具材は薄口醤油で柔らかく煮たおでんとゆでたほうれん草、刻んだきのこなどを刻んで加え、気張らずに。蕪の甘みと、とろんとした山芋の食感が食べやすく、たっぷりのべっこう餡をかけると体の芯から温める。見た目も真っ白な雪のようで、美しい一皿。少し大きめの器にいれ、たっぷり作って養生します。

蕪は消化を助け、胃腸も温める野菜。喉にも効果的な食べ方のおろし汁は、辛味も無いのでどなたでも口にしやすい。葉にはビタミン類や繊維もたっぷり、刻んで炒めたり塩揉みして納豆に混ぜたり、菜飯にしても美味しいですね。

 

 

2/4

立春大吉・東風解凍・除災招福 

蕗の薹・立春・東風解凍・二十四節気・健康・美容・新年・体に優しい・ふきのとう・井澤由美子・食養生・食薬ごはん・山菜・デトックス・薬膳・

豆まきをした翌朝は立春です。旧暦のお正月にあたる春の始まりとされる日で、暦の上ではこの日から春になります。雪やみぞれが降ったりと一年でもっとも寒い頃でもありますが、庭の梅の蕾はふっくらとし、早咲きのものは既に満開です。寒さ厳しい中にも日射しものびて春の気配がします。古来は1年の始まりとも考えられていた立春に、除災招福 (じょさいしょうふく)を祈る。新たな目標を持ってスタートする日にも相応しい日で、今年の恵方は西南西です。

立春大吉にいただく食材は、邪気を払うと言われる立春豆腐や小豆、縁起の良い黒豆大福や、春の味覚の菜の花、蕗、白魚、鰆など。井澤家ではお豆腐は生姜塩で頂き、菜の花は辛子浸し、春魚の鰆は西京焼き、蕗は山椒を加えたほろ苦い蕗味噌、お椀は蛤や海藻、お赤飯に南天〔難を逃れる〕も添えます。

夜は立春絞りを少々。節分の夜からもろみを一晩中搾り、すぐに瓶詰めをして2月4日に出荷される原酒です。微妙な調整、完璧な管理が必要だそうで、蔵人さん始め、酒屋さんは夜中から徹夜での作業となります。日本酒の清さが心を清々とさせますし、祝い日にぴったり。アミノ酸が含まれているので肌にもよく、血行の巡りも良くする。胃を労るように、和らぎ水(やわらぎみず)と飲むことも心がけながら立春を楽しみます。