井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

季節の食材を知って、毎日の食生活を豊かに。
食べて元気になれる、栄養豊富な旬の食材を日替わりでご紹介します。

2023年 9月の記事

9/25

白木耳・美容食・美肌食・秋の食養生

井澤由美子・食養生・貴婦人の美容食・美肌・美容食・白木耳・美容食・美肌・薬膳

朝夕はだいぶ涼しくなり、道行くとイチョウの木に銀杏がたわわです、秋ですね。
肌の乾燥が気になり始めるのもこの頃。肺も潤す美容食として人気の白きくらげは、料理やデザートに大活躍します。私のお勧めの下処理は、たっぷりの湯でとろみがでるまで約1時間半ほどの下茹で。ふるふると柔らかく、木耳の効能を高めます。多めに茹でて小分け冷凍すればいつでも楽しめますよ。

咳や痰を抑える杏仁とミルクや生クリームと合わせたデザートはおもてなしにも。レモンシロップと合わせてスッキリとした仕上がりにすると、酸味と甘みの組み合わせなのでこの季節には特に養生になります。

その他、肌に良いスープとして、コラーゲンと旨味の素となる骨つき鶏(塩麹をもみこむ)と一緒にさらに煮込むと、最強のツヤ肌に。生成を助けるビタミンCの多いじゃがいもやカリフラワーを加えるとより効果的です。その際、体を温め滋養のあるものもプラス。生姜のスライス、松の実、クコの実、ナツメ、玉ねぎや長ねぎなどを加えてゆっくり煮込み、薄味に仕上げます。胃腸を整え、冷えも改善する丁子(クローブ)をアクセントに加えても良いでしょう。器によそい粗塩を添え、好みで黒こしょうや山椒をふって全体を引き締めると美味。

9/12

みょうが・甘酢つけ・疲労回復

美肌・疲労回復・茗荷、秋茗荷、秋の味覚、井澤由美子、食養生・

秋みょうが美味しい季節ですね。よく見ると色味が少し違いますよ、みずみずしく小ぶりのサイズを目にしたら、早々天つゆや香り塩を仕込みます。薄く衣をつけた揚げたてのみょうがを一口でほうばると、香りが鼻を抜け、しゃきしゃきとした食感が何とも心地よいものです。初秋の醍醐味ですね、暑い日ならおそうめんの付け合せにも最適です。

みょうがの香り成分には発汗作用があるので血行を良くします、消化もよくする効能も期待できます。茗荷は色も美しいので、何かとお料理のアクセントになりますね。3〜4月頃が旬の茗荷竹は若い頃の茎で、天麩羅に美味。7月ごろの早(わせ)茗荷は比較的小ぶりで、八月に入ると赤く丸みを帯び、9月に入るとさらにみずみずしく香りの良い秋みょうがもお目見えします。茗荷をスライサーでたっぷり削り、冷水にさっと放す。薄切りにした新蓮根と合わせる妙は、香りや食感が大変に美味しい組み合わせになります。

まだ暑いので甘酢もいいですね。みょうがと蓮根をさっと茹で、熱い内に甘酢に漬ければ鮮やかに発色し、日持ちするピクルスになります。これを刻んでご飯に混ぜれば即席のお寿司がすぐに作れます。この甘酢に焼き鮭やじゃこをくぐらせてご飯に混ぜると、さっぱりとした旨味で、食欲がない日にも箸が進みます。

夏の暑さがまだ少し残るが秋の気配がする頃には夏後の疲労が出やすい時期。甘みを少し加えた酸味は津液を潤し、香りを含めた効能が疲労回復を潤す手助けをします。

9/9

9月9日 五節句 重腸の節句

菊の節句・重陽・井澤由美子・大人のひな祭り・食養生・日本の行事・慣わし

昔から季節の境目を節句としていますが、今日は奇数節句の5節句の一つ「重陽の節句」(ちょうようのせっく)です。雛祭りや端午の節句子供の日より、目立たぬ節句ですが、邪気を払うと言われており、菊の節句でもあります。菊の時期と少しずれているので廃れてしまったようですが、大人の雛祭りとも呼ばれ、菊の着せ綿で肌を磨くと若返りに良いとされたり、健康長寿を願って菊酒や菊茶を楽しむ風習も有ります。菊は汚れを払う花とされていることからも頷けますね。薬膳での菊は眼精疲労をケアする生薬とされ、クコを加えた菊茶は飲む目薬とも言われ、ドライアイにも有効です。

重陽の節句には菊の他に、栗のお菓子や栗ご飯などもいただくようで、少し早いですが此方も一緒に楽しみたいと思います。

9/3

イカ・イカ刺し・鳥賊骨

イカ・烏賊・お刺身・薬膳・疲労回復・美人・かわいい・

お刺身、パスタ、煮物、フライなど幅広く調理出来る食べやすいイカ。日本人は世界でも有数のイカ好きです。漢方では烏賊の甲は鳥賊骨(うぞくこつ)と言う生薬で、月経異常や胃腸薬などにも使用されます。低エネルギーでたんぱく質を多く含み、豊富なタウリンは、中性脂肪や血中コレステロールの増加を抑えます。タウリンを効果的に摂取したい場合は、生食かさっと火を通す程度にします。

先日の出張で、イカ刺しを堪能しました。鮮度の良いイカを朝食べる風習があるようで細切りになったイカがホテルの朝食や定食屋さんで気軽に食べる事ができます。夜に行った居酒屋さんでは、生きているイカをさばいてくれます。コリコリとした身や新鮮な内臓、足などはまだ動いていましたがフライにして下さいました。そのほかにウニや貝類、北海道ならではの魚や珍味はどれも厳選素材、お酒が進む一夜となりました。

イカや白身の刺身には醤油を使わずに美味しい粗塩をパラリとふって、甘みを引き出す食べ方も私は好きです。9月に入り、庭の酢橘がちょうど良い大きさになってきました。キュッと絞って酸味と香りをまとった塩イカは絶品です。もしもイカの足が余ったら刻んでハンバーグに入れてみて下さい、食感よく美味しくなります。もしもスーパーなどで肉厚のイカを見かけたら、餅米を詰めてふっくらもっちりのイカ飯をぜひ!

 

9/2

オクラ・島オクラ

オクラ・おくら・夏野菜・井澤由美子・料理家・発酵食・健康ごはん

以前旅した与論島の農家のお母さんに、オクラは生で刻んで食すと教えていただいて以来、オクラの表情を見て調理法を変えています。島のオクラをよく見ると産毛が無くてツルリとしています。一般に関東に出回るオクラより、旬に出回る沖縄、鹿児島のオクラは大きいのに柔らかく、生食にも向いているようです。角オクラ、丸オクラ、八丈オクラ、白オクラ、赤オクラ、ヘルシエなど、形や色の違いなど様々。平城グリーンや島の唄・ダビテ・レディーフィンガーなど、特徴を表した名前も楽しげです。オクラは塩でもんで、熱湯で(中の種が出ないくらい)少し長めに茹でると、強い粘りと甘みが引き出されて美味です。塩茹でしただけのシンプル調理がベスト、粗塩とオリーブオイルやおろし生姜、わさび醤油などでシンプルに堪能します。

オクラはカロテンやカルシウム、食物繊維を多く含み、疲労回復・滋養強壮も期待できるので夏の疲れが重なるこの時期に特に良いですね。粘り気のある野菜はそのまま炭火やグリルで香ばしく焼くのもお勧めです。そういえば、島根県の道の駅で買った黄色いオクラの花を酢の物にし、角寿司(島根県の郷土料理)を作った事を思い出しました。オクラの黄色い花にも粘りがありました。。