井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

季節の食材を知って、毎日の食生活を豊かに。
食べて元気になれる、栄養豊富な旬の食材を日替わりでご紹介します。

2023年 1月の記事

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ほうれん草・貧血予防・冬野菜・ポパイスープ

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旬のほうれん草は葉が肉厚になり、甘味も増しますね。鉄分が多いので、昔から貧血などに良いとされている冬の代表野菜です。ほうれん草が食べたくなったら実際に血が足りないのかも。積極的にいただいて養生して下さい。ビタミンCやカロテンも多く、風邪や動脈硬化予防にも最適、五臓の働きも助けます。良質の油と一緒にとると、カロテンの体への吸収率が高まりますよ。

茹でるよりレンジ加熱だとビタミンCの損失が少なくすみますが、茎から茹でておかあげ(ザルに上げる)にするのが美味しいですね。おすすめレシピはナムル。加熱したほうれん草の水気を絞り、ピーナッツ油やごま油、塩、こしょう、おろしにんにく各少々で和える。

高齢の父へのスープには、ほうれん草を茹でた後にペーストにしてスープにします。ささみを塩麹漬けにして、一緒にミキサーにかけ、温めたチキンスープに落とすだけ。ふわふわと浮きだしたら出来上がり「ほうれん草とささみのスープ」は豆腐やハンペンよりも柔らかです。

ほうれん草は早めに使いきりたいですが、保存する時は新聞紙などで包んでポリ袋に入れ、立てて野菜室に入れます。

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素麺・煮麺・小豆島・旅先ごはん

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小豆島に来ました。大の素麺好きの私としては、工場見学も生素麺を食すのも楽しみです。素麺の原料は冷麦などと同じ小麦粉で、麺の太さで呼び名が変わります。1、3mm以下が素麺、1、3〜1、7mmまでが冷麦、それを超えるとうどんとなりますが、手作業の手延べ素麺は1、7mm未満なら素麺あるいは冷麦とどちらで呼んでもよいそうです。

手延べ素麺の製造工程に、油返しと呼ばれる作業があります。これは麺の表面に少量の油を振りながら細く細く伸ばしていく作業。麺同士のくっ付きを抑えるだけでなく、コシも風味も品質も保つ役割をします。小豆島には有名なごま油屋さん(かどや製油さん)がありますが、元々はこの素麺作りの為に生まれたもの。ごぼうや玉ねぎを薄切りにし、同じごま油でカラッと香ばしく揚げた揚げ野菜と、甘辛い鶏そぼろをたっぷりと添えた温麺は井澤家定番、トマトベースもよく合います。

クイックですが本格的なそうめんつゆの作り方です。小鍋に水2カップ、昆布1切れ、鰹節一掴みを入れる。沸騰直前で中弱火にし、醤油50cc、本みりん大さじ2半を入れコトコト10分ほど弱火で煮て、茹でた素麺にはります。寒い日の食べやすい煮麺(にゅうめん)は格別、おろし生姜とねぎををたっぷり添えて。小豆島には貴重な木桶醤油屋さんも数件あって、忙しいのです。

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大寒・酒粕・発酵食・二十四節気

一年で一番寒いとされる大寒を迎えました。寒さ厳しいこの季節にいただく粕汁は、体にしみ入るように美味しく感じます。大人になってお酒をたしなむようになり、さらに好きになった発酵食の酒粕ですが、今が旬の大根、かぶ、にんじん、サケやブリのアラなどがとてもよく合います。私は白味噌、山椒、生姜を加えて一緒にグツグツ煮た粕汁が好きですが、風味はお好みです、今だからこそのこっくりした温もりのある旨さがあります。
酒粕はお米、米麹、水で発酵させて漉した液体が日本酒、しぼりかすが酒粕です(発酵が終わったもろみを絞ったものが酒粕ですが、アルコール度数もビールほどあります)。このしぼりかすの酒粕ですが、アミノ酸、食物繊維、レジスタントプロテイン、ビタミン、酵母も豊富なので、非常に栄養価が高い発酵食品と言えます。「酒粕メンテナンス」をすると、肌や腸が潤いますよ。ショートブレイクには、酒粕とコーヒー、砂糖をポッたりとするまで煮詰めた酒粕コーヒーもお勧めです。

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冷え改善・風邪予防・長葱・葱白(そうはく)

長葱・冷え・井澤由美子・食養生・おしゃれレシピ・簡単レシピ・薬膳・素敵な50代・冷え改善・健康レシピ

ねぎが美味しい季節ですね、ねぎの白い部分は葱白(そうはく)という生薬で、体を温める薬効が高く、咳や痰、喉や関節の痛みなどの症状にも有効です。炎症をおさえて痛みや熱を取りのぞく効果があるとされ、焼いて喉に巻くなどの民間療法が昔から日本に伝わっていますね。

ねぎは辛味のある野菜ですが、加熱調理をすると柔らかくなり、甘みが出て食べやすくなります。寒邪(かんじゃ)から身を守理、風邪の特効薬でもあるので、寒い日に沢山いただきたいですね。肩こりや冷えがひどい時は、ねぎに血のめぐりをさらに良くするビタミンB1を含む食材を合わせて相乗効果を狙いましょう。ビタミンb1を含む食材は、豚肉やラムなどです。

朝方、足先が冷たくて目が覚めてしまう事がありませんか?そんな時は斜め薄切りにしたねぎをたっぷりと用意し、豚肉の薄切りとしゃぶしゃぶなどにすると体を芯から温める手伝いをします。にんにくやもみじおろし(大根おろしと赤唐辛子)、山椒、胡椒などの辛味成分を薬味として加えるとさらに効果が高くなりなます。翌朝がいつもと違ったら、食養生ができている証拠です。

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苺・strawberry

井澤由美子・薬膳:漢方・喉の渇き・苺・いちご・イチゴ・肌養生・風邪予防

冬から出回る苺ですが旬は春。苺はビタミンCが非常に豊富、肌養生や風邪予防にも良く、コラーゲンの生成にも役立ちます。喉の渇きを和らげ、体にこもった余分な熱を下げたい時にもお勧めの果物です。5粒程度食べると1日分のビタミンが得られるそうです。

できるだけヘタが緑でピンと張り、実に傷がないものを購入します。ヘタを落とすと切り口からビタミンCが流出するので、洗う時はヘタつきのままでさっと洗うようにしましょう。
毎年作るいちごのビネガーシロップは姪っ子達にも大人気。清潔なビンに、ヘタを取った苺+砂糖(氷砂糖)+リンゴ酢を同量入れ、玉にビンごとふって1週間寝かせるだけ。適量をカップに入れ、ミルクを加えると少し固まって、ヨーグルトのような食感になります。
いちごに含まれるアントシアニンは、乳製品の脂質と結び付くと吸収率が高まります。子供の頃はお砂糖と牛乳が私の中でも名コンビでした、昔ながらの組み合わせにはちゃんと意味があるのですね。

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人参・肌養生・眼精疲労・活血

食養生・薬膳・漢方・食薬ごはん・まいにち食薬養生帖・人参・にんじん・キャロットラペ・ドライアイ

にんじんは鼻や喉の粘膜を健康に保つビタミンAも豊富な野菜。
旬の人参はみずみずしく甘さもあって良い香りがします、生でいただくと栄養を丸ごといただけますよ。キャロットラペの作り方です。皮付きの人参をタワシでこすり洗いし、千切りにします。レモンやオレンジのしぼりたての果汁、オリーブオイル、粗塩をふって人参の栄養を効果的に体に摂取。にんじんの酵素、ビタミンC、カロテン、繊維がたっぷりなサラダです。

カラダの声を聴いて、体調をケアする他の野菜やスパイスを加えても良いですね。スライスオニオンならカラダを温めますし、搾りたての果汁は甘みや香り、色も冴える美しい一品になり、肌養生になります。

花粉症が気になる方はぜひヨーグルトと合わせて。薬膳での人参は、日々取り入れると血と津液を作る手助けをする頼もしい野菜とされています。

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山芋・長芋・自然薯・山薬・滋養強壮

井澤由美子・食養生・薬膳・漢方・山芋・長芋・芋・さんやく・山薬・とろろ・滋養・元気

薬膳では、山薬と書いて、“ さんやく ” と読みます。山芋や長芋は、身体への効能がとても高い自然食であり、文字通りお薬とも言えるパワーフードです。体調が悪い時や季節の変わり目に、積極的に食して体を労わります。
沖縄には、内地とは少し違った山芋があるのをご存知ですか? 知名度は低いのですが、沖縄人(ウチナンチュー)の長寿をしっかり支えてきました。亜熱帯地方で栽培されるもので、ゴツゴツとして大きさも形も一般的な山芋とは違います。とても強い粘りを持ち、おろして天麩羅にするのにも、つなぎがなくてもそのまま揚げる事が出来ます。

山芋は腎機能を高めるとされ、滋養強壮、疲労回復に効果が期待できます。疲労を感じた時にいち番取り入れたくなる頼もしい助っ人野菜です。おろしてお味噌汁に入れていただくとスッと胃に収まります。

おろす、温める調理法もポイント、日本の免疫力でもあるお味噌と合わせて、体調を崩しやすいこの時期にしっかりと養生し、冬の寒さを元気に乗り越えます。

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謹賀新年・お正月・御節・七草粥

お節句料理・osechi・御節・手作り御節・井澤由美子・料理家・お正月・節句料理・食養生・まいにち食薬養生帖・伊達巻・黒豆・

新年おめでとう御座います。関東のお正月は晴天が続き、美しい青空が晴れ晴れとした日々でした。気持ちも新たに、今年も小人精進で暮らしを楽しみながら様々なことにチャレンジして行きたいと思っております。どうぞ宜しくお願い申し上げます。皆様にとって、本年も良い年となります様に。

新年の御節は楽しまれましたか?今年のお正月は重箱より、カジュアルに皿盛りワンプレート形式で楽しんだご家庭が多かった様に思います。実際に私が関わった御節料理案件も皿盛りなどの表現要望が多く、和洋折衷の取り合わせでした。沢山の御節も販売され、ミックスして頂いた方が大半だったかもしれませんね。

年末からの暴飲暴食気味の疲れた内臓をここらで休ませてあげたいと思います。早々にスーパーなどでは七草粥がお目見えしていますね。七草とは、せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな(蕪)、すずしろ。無病息災を願って食べる日本の伝統食です。お米から炊くと美味しく一味違いますよ。365日「まいにち食薬養生帖」の351ページ・1月7日に七草に入れるすずしろ(清白・大根)などの調理法なども書しています。ゆっくりといただいて、五臓六腑を養生してあげたいと思います。