井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

季節の食材を知って、毎日の食生活を豊かに。
食べて元気になれる、栄養豊富な旬の食材を日替わりでご紹介します。

2022年 5月の記事

5/11

しらす・雑魚・かたくちいわし

しらす・じゃこ・お弁当・旬

カルシウムたっぷりのしらす、旬ですね。骨を強くし、DHAで脳神経を活発にする効果が期待できます。
しらすとは、イカナゴ、ウナギ、アユ、ニシン、マイワシ、ウルメイワシなど、白や透明無色の稚魚。マイワシやウルメイワシも流通していますが、いわゆるしらすのほとんどは、かたくちいわしの稚魚です。
しらすは釜茹でされたもの、それから更に乾燥させたものがちりめんじゃこですが、地方によって呼び名は多少異なるようです。通年出回りますが、春と秋が産卵のピーク。

新鮮な生しらすが手に入ったらぜひ試していただきたいレシピがあります。バケットに、にんにくの切り口をこすりつけて塩とオイルをふってカリカリにトーストする。生しらすをたっぷりのせ、オイルをふってほうばって下さい、ヨーロッパ風の食べ方で、冷えたワインとピッタリ。
しらすや小魚は、酢と合わせるとカルシウムの吸収がよくなるので、酢の物にもぜひ加えて下さい。
旬の山椒と炊いたちりめんじゃこは保存が聞きますし、おもたせにするといつも大変喜ばれます

5/10

玉蜀黍・トウモロコシ・コーン

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トウモロコシは世界三大穀物の一つ。日本では夏が旬ですが、地域によって多少異なります。暑い沖縄では、今が旬のトウモロコシ。糖度が高くて生でも食べられ、みずみずしく口に含めばその甘さにビックリします。

剥きたて削ぎたてをサラダ、天ぷら、ピクルスにと、下処理なしで堪能したほうが醍醐味を味わえます。トウモロコシや枝豆は鮮度が命。手元に来たら直ぐに調理して、この美味しさを損なわないようにします。茹でる時は、ひげ根と一緒に加熱しましょう。煮物やスープ、炊き込みごはんにする時は、芯も加えて調理すると更に美味しさが増します。

トウモロコシは繊維が豊富で腸整作用も抜群。葉酸やカリウムを含むみ利尿作用があるのでむくみにも有効です。韓国にはトウモロコシのひげ茶がありますね。ほんのり甘くてノンカフェインで、美容にもよいそうです。

美味しいトウモロコシの見極めポイントを農家さんに伺いました。持った時に重めで、ひげにボリュームがあって茶色くなっているものは熟していて、粒もぎっしり詰まっている長です。購入時の目安にして下さい。

5/9

朝蕎麦・そば・高血圧・美と健康

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今日は朝蕎麦です。たっぷりの大根おろしとわさびや納豆を添え、湯を沸かしている間に卵焼きを作ります。

蕎麦に含まれるルチンは血管を修復して、血液の流れをよくすることは周知の通り。抗酸化作用もあるので、アンチエイジングにもお薦めなヘルシーな食材です。ルチンはビタミンCと一緒にいただくとよりよい効果をもたらしますよ、おろし立ての大根は味も栄養面での相乗効果も高くなります。

私は蕎麦の方にわさびを少々のせ、ツユにひたす派です。朝からキリッとしたお蕎麦をいただくと背筋が伸びる感じがし、沢山の蕎麦の効能が頭をかすめるので、心身共に食養生。栄養は茹で湯に流れているので、忘れずにいただきます。

そば畑を持ち、ご自分でひかれる島根県のおそば屋さんからひきたてのそば粉をいただきました。大好きな蕎麦がきの作り方を教わって来ましたよ。鍋がきの手法です。鍋にそば粉30g、美味しい水250ccを加えて木べらでよく混ぜてから、火にかける。混ぜながら練って、ある程度とろみが出てきたら弱火でつやが出るまでまぜる。ポイントは一生懸命にかき混ぜること。冷めるともう少し固まります。
お椀に練りたての蕎麦がきを入れ、おろし山葵や生姜、ねぎなどでも上等ですが、昆布出汁を張り、はまぐりと酒少々を加えた熱々の出汁を注ぐとおもてなし椀にもなります(あれば木の芽など散らして)。
蕎麦のポリフェノールが血圧を下げるのは有名ですね、疲れている時にもおそばはお勧めです。

5/8

「昆布酢」「薬膳昆布酢」酢・vinegar・ダイエット

ダイエット・vinegar・健康・昆布酢・薬膳昆布酢・大豆昆布酢・昆布・酢・漬けおき

ダイエットを始めるなら春が一番適しているかも知れません。冬の間は体が必要な栄養や脂などを無理に落とすようなことは控えます。これから少しずつ健康的にトライしていきましょう。

私たちの食卓の中心にはいつも「ごはん」があります。加齢と共に太りやすくなったり、体型を意識したりして、エネルギー源である炭水化物(ごはん)を抜いた経験はありませんか? 食べたら太る!! イメージ意識の強いごはんをダイエットに適したものに変えるポイントは「ごはんを冷えた状態でいただくこと」「内臓脂肪を軽減させる酢を加えること」。

冷めたご飯は消化のスピードが遅くなるため「難消化性澱粉」、食後の血糖値の上昇が緩やかになります。ご飯に酢を混ぜた酢飯はダイエットに最適と言うわけです。加えて酢と昆布を合わせると出来る、酢酸カルシウムという成分は骨粗しょう予防に、また昆布のフコイダンや食物繊維は免疫力を高めるので、アレルギーなどの改善にも効果が期待できます。

気温が上がるとお弁当など腐敗が心配になりますが、酢飯にすれば安心です。骨つきの魚や肉を煮る時などに酢を使うと、臭みが取れ、肉離れが良くなり、骨からでたカルシウムも難なく摂取出来ます。

以前出版した「昆布酢ごはんダイエット」(宝島社)では、難消化性でんぷんで太らない、相乗効果があって気軽に作れるレシピ60品をご紹介しています。酢には疲労回復効果もあります、普段から意識してとり入れてみて下さい。

5/6

新にんにく・大蒜・初夏の食養生

井澤由美子・食養生・健やかな食卓・発酵食・まいにち食薬養生帖・にんにく・新にんにく・薬味・たいさん・薬膳

新にんにくが出まわる頃は、そら豆の旬でもあります。山椒の実や梅、らっきょう、新生姜も出始めて、手仕事が大忙しの5月。
新にんにくは生ごと醤油や味噌、オイルに漬けたり、中国風に酢漬けにしたりとひねとは違う軽やかなにんにくの風味を楽しみます。
この時期のにんにくは、香りの薬味や香辛料と言うより、しっかり野菜として調理したくなります。たっぷり薄切りにして、小松菜や空芯菜とごま油でサッとソテーすると、新にんにくのシャッキリした歯触りを堪能出来ます。
中医学でにんにくは、脳や五臓の働きを活発にし、解毒効果や活血作用(血の巡りをよくする)がある食材とされています。身体を温めるので、冷えて白い鼻水が出る時などの風邪のひき始めや、免疫力を高めたい時、体力を取り戻したい時などに効果が期待できます。

大蒜の字の蒜(ひる)は食用になるにんにく、ノビル、ネギなどの古名です。ノビルと区別するために、にんにくを(おおひる)と称し、生薬名は(たいさん)。ちなみに無臭にんにくやジャンボにんにくは、本当はポロ葱(リーキ)の仲間だそうです。

5/5

柏餅・こどもの日・端午の節句・立夏

柏餅・節句・子供の日・まいにち食薬養生帖・食養生・二十四節気

今日は子供の日。端午の節句で、菖蒲の日とも呼ばれます。二十四節気では立夏(夏の気配がする頃)。菖蒲やよもぎを湯に入れてその香気で邪気を払い、無病息災を願う。菖蒲は尚武にかけていて、勇ましく健やかな男の子の成長を祈願する日です。今朝は数年ぶりに菖蒲とよもぎを浮かべて朝風呂を。爽やかなお天気も手伝って清々しい。菖蒲とよもぎには血行をよくし、神経を沈静する効果が期待出来ます。

道ゆく和菓子さんやスーパーでは柏餅も売っています。きちんと作られたものは餅が二つ折りになって、兜の形をしています。かしわの葉は新芽が出るまで古い葉が落ちないので、「家系が絶えない」「子孫繁栄」と縁起をかついでおり、昔の武家社会では特に珍重されていたそうです。かしわ餅の餅は上新粉を練ったもので、江戸時代の生まれ。一方、中国伝来の粽(ちまき)(茅巻)は、もち米やうるち米などで作った餅を茅(ちがや)などの葉で巻いて井草で縛っています。餅に良い香りがうつり、乾燥を防ぐ効果や手を汚さないなどの利点もあります。かしわ餅の中身は小豆餡が主流ですが、白餡に甘い白みそ(西京味噌)を混ぜた白みそ餡も外せません。

5/4

クレス・クレソン・オランダガラシ・ウオータークレス・水田芹

クレソン・つくね鍋・オランダガラシ・野菜・西洋芹

柔らかい摘みたてのクレソンはとても可愛らしく清らかな感じが伝わります、どんな風にいただきましょうか。
まずは繊細な風味を味わいたいのでそのままサラダにして。
クレソンを口に運ぶと爽やかな辛さを感じるのですが、これは大根やわさびに含まれているのと同じ成分のシニグリン、胃がすっきりします。消化を助けたり、胃もたれの改善、食欲を増進させる作用があります。
クレソンは、カロテンを含み抗菌作用があり、老化やがん細胞を抑制し、血もきれいにする効能が期待できるそうです。
さっと茹でて軽く昆布締めにしても大人風味で良いもの。デトックスジュースや、新じゃが芋と合わせて温かいポタージュスープもいいですね。鶏と酒で旨味をたっぷりひき出したお鍋に入れ、しゃぶしゃぶにするのもオツ。硬い茎の部分は肉などのスープに加えると臭み消しになり、消化も助けます。
微かな苦味がさわやか、みずみずしい食感を少し残してたっぷりといただきたい野菜ですね。薬膳ではイライラや喉に詰まるような感覚を取り除く野菜とされています。

5/2

こごみ・クサソテツ・山菜・5月の食養生

おひたし・こごみ・山菜・初夏・旬の味・食養生

今朝のJ-WAVE 東京モーニングでは「美と健康」がお題でした。ナビゲーターは別所哲也さん、新書の「まいにち食薬養生帖」から、5月の食養生や腸活についてのお話しもさせて頂きました。旬の食材を食卓に取り入れる事は、体や心が元気になる要素や意味があります、私は楽しんで食卓に取り入れています。

山菜が美味しい季節。ワラビやゼンマイの仲間のこごみはアクや苦味がほとんどないので、下処理が楽です。ボウルに水を張って優しく汚れを落としたら、食感を残すように塩を入れた熱湯でサッと茹でる(色止めをしたい時は冷水で冷やします)。鰹節と醤油で、マヨネーズとにんにくを混ぜたアイオリでサラダ風にするのもお勧めです。天麩羅の場合は茹でずに揚げます。

私は下処理した後、濃いめの出汁にたっぷり浸しておきます。先ずけや冷やし蕎麦に添えれば、食卓に風情がでます。白和えや胡桃和えも美味しいし、卵とじもお勧め。それから、外国の友人が必ず喜ぶお持たせにはピクルスを。パプリカ、キュウリ、ラディシユ、うずら卵などを入れた彩野菜にこごみを忍ばせておくと、渦巻き状のそのコケティッシュなルックスに目を丸くします。ついでに名前由来の、人が屈み込む(かがみこむ)様子から転じてついた経緯にも興味を持ち、この様子がいつも面白いのです。

山菜には独特の香りや風味、食感があります。旬は短し、いずれも手にしたら早めに処理をする事が美味しくいただけるポイントです。

山の息吹の様な山菜類は、大概デトックス効果が高く、ビタミン、葉酸、繊維、カリウムが豊富です。