井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

季節の食材を知って、毎日の食生活を豊かに。
食べて元気になれる、栄養豊富な旬の食材を日替わりでご紹介します。

2022年 4月の記事

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アスパラガス・オランダうど・食養生

食養生のススメ・薬膳・まいにち食薬養生帳・井澤由美子・アスパラ・昆布締め・グリーンアスパラ

お日様に向かってスクスク育つアスパラ。アスパラはどんな調理法でも美味しいのですが、旨味を一番楽しめるのは軽い衣の天婦羅。揚げたてを口に含むと濃縮した青い香りが鼻を抜け、水分が滴る感じはまさに初夏の醍醐味です。揚げるという調理法以上に旨味を閉じ込める技はないかも知れません。揚げ物は油で揚げていますが、実は蒸し料理。テクニックを食すと言っても過言ではないので、真剣勝負です。油と合わせると、アスパラのカロテンも効率よく摂取できますね。

その他、歯ごたえを残した塩茹でのアスパラに、旬のミントやパセリを加えた自家製のグリーンマヨネーズも見た目と共になんとも爽やか。それから塩茹でアスパラは昆布締めもオツです、昆布のヨードがよく冷えた白ワインやこの季節の新緑にとても良く合います。

薬膳でのアスパラは(清熱滋養)といって、元気をつけながら体の余分な熱を取る。また、利尿作用があり、血圧の上昇も抑える効能があるとされています。

アスパラには健康効果の高い抗酸化作用、血管を丈夫にして血流をよくするビタミンPのルチン、疲労回復や美肌効果が期待できるアミノ酸のアスパラギン酸などが豊富。穂先の方に栄養が多く含まれています。

 

4/17

クローブ・丁香・丁子・スパイス

生薬・クローブ・スパイス・丁子・丁香

温かいお茶が好きで朝から晩まで口にしていますが、カフェインなども含まれるので玉にはお休みして胃をケアする日を作ります。
白湯を作るのと同じように、水を入れたやかんのフタを開けて15分ほどプクプクと湯を沸かします。この時クローブも数粒一緒に入れて煮出し、蜂蜜を入れたカップに注ぎます。それをゆっくりいただくと、バニラのような甘い香りと、スパイシーな風味が立ち昇って心地よく、心身が緩んでくるのがわかります。
クローブは漢方では丁香と呼ばれる生薬で、体を温める効能があり、胃や脾、腎が冷えて痛いときにも有効なスパイスとして知られています。西洋ではクローブと呼ばれ、肉の塊に刺した煮込み料理やシチュー、カレーにも欠かせません。オレンジとの相性がよく、デザートやお菓子にも使われる他、オレンジに刺して乾燥させ、香りのポプリとしても親しまれています。
ネパールの民間療法では歯痛止めに使われたり、インドネシアではタバコの香付けに使われたり、虫除けスプレーに配合されたり、日本ではタンスに入れて虫除けとされていました。クローブは世界中でいろいろな用途に利用されている頼もしいスパイスなのです。

4/13

フレーク・シリアル・朝食

いちご・ドライストロベリー・フレーク・コーンフレーク

フレークは穀物(小麦・大麦・オーツ麦・トウモロコシ・米・玄米)を平らに押して加工したもので、ミネラル・ビタミン・繊維が多くとてもヘルシー。同世代の皆さんも初めて口にされたフレークはケロッグ社のコーンフレークだと思いますが、19世紀末に栄養食として生まれました。今では香ばしい色々なフレークが普及され浸透されていますね、グラノーラなどバリエーシォンも豊富です。フルーツやヨーグルトを添えると、バランスのよい朝食が手軽に出来るのも嬉しい、1日の必要なエネルギーを摂取できます。
保存容器に味噌を入れ豆乳を溶き、玄米フレークを加え混ぜて一晩寝かせると、しっとりした栄養豊富な離乳食や介護食になります、胃腸が弱っている時、歯の具合が悪い時などもお勧めです。
今日は旬の苺でドライストロベリーを作ったので、コーンフレークにトッピングしてミルクとシンプルに楽しみます。
イチゴの栄養素は乳製品と一緒に食べるとアップします、香りも良いので朝から爽快です。

4/11

卵・玉子料理・温サラダ・春の養生

目玉焼き・卵・タマゴ焼き・玉子・薬膳・春の養生・滋養・精神安定・温サラダ・井澤由美子・食養生

今日は半熟の目玉焼きを作って温サラダに。店先に出回り始めたアスパラとブロッコリー、胸肉のしっとりチキン、雑穀パンをクルトンにしてサラダボウルに入れる。目玉焼きは、少し多めの油でゆっくりと弱火で焼くと白身はカリカリ、黄身はちょうど良い半熟に。後はサラダに乗せて、ドレッシングと胡椒をかけ、割りほぐしながら全体を混ぜる。コクが出て塩気のある目玉焼きがとても良い仕事をします。良質なタンパク質の卵、胸肉、ブロッコリー、アスパラは筋力トレーニング前後にとてもお勧めのコンビですし、簡単でバランスが良いので朝食やランチにもピッタリです。

先日、NHKあさイチさんでご紹介した卵料理も、パッと作れてホッとする味わいの2品。一つは出汁いらずでご飯が進むフルフルの卵豆腐。もう一つはフレンチトーストで浸さないタイプ。温めたミルクに香りつけのシトラスの皮、甜菜糖を入れ、パンを加えてさっと煮る。卵をくぐらせてバターでこんがり焼けば、どんなに硬いパンでも5分です。朝ごはんや休日ブランチにもお勧めの和風と洋風でした。

卵は昔から滋養があるとされ、薬膳では血液を補い、体を潤す効果があるといわれています。幸せホルモンを作るトリプトファンも含まれていて、バナナやミルク、豆乳などにも豊富、合わせると相乗効果が期待出来ます。日々口にするもので少しでも安心効果(安らか)を得たい。それにはやはり手作りの料理が良いようです。

 

 

4/8

花わさび・山葵・花山葵の酢漬け

井澤由美子・抗菌作用・食養生・ヒーリングフード・薬膳・花わさび・三杯酢・レシピ・春野菜・山菜

旬の花わさび、白い小花が可憐ですね。清らかな清流に流れるわさび畑には、白や黄色の蝶が舞っていました。山葵は花のつぼみや葉もたべれます、爽やかでピリッと美味しい酢漬けの作り方を農家さんに教わりました。

350g程のわさびの葉や茎はよく洗い、2、3cmのざく切りにしてボウルに入れます。粗塩適宜を全体にふってしんなりするまで塩もみします、よく揉むと細胞が壊れて山葵の辛味や香りが立ちます、このまま少し置きます。この間に清潔な密封容器に調味料を合わせます(昆布酢か酢150cc、きび砂糖80g、醤油小さじ2)。塩もみした花わさびをざっと水で洗って、ギュッと絞って漬けます。冷蔵庫で1日ほど寝かせると美味、3日くらいそのままの風味が楽しめます。私はここに、少し甘みのある旬の柑橘を絞り、酸味を和らげて香りをプラスします。

抗菌作用の高い山葵は解毒作用もあります、花や葉は、歯ざわりもあって爽やか、辛味がクセになります。

4/6

春野菜・セロリ・薬膳・食養生

・まいにち食薬養生帖・セロリ・オランダ三つ葉・食薬

もともと薬草だったセロリの香り成分には、春先に起こりやすいストレスを軽減する効果が期待できると言われています。キャベツと同じように、ビタミンuも含まれているので、胃の粘膜を修復する手助けもします。特に栄養価が高い葉は、刻むなどしてぜひ調理して下さい。カリウムも豊富、血圧が気になる方にお勧めの野菜です。
セロリのフレッシュサラダの作り方です。セロリの筋を取ったら新玉ねぎと薄切りにして、冷水でパリッとさせ器に盛ります。出回る柑橘類と塩麹、胡椒とオリーブオイルを小瓶などに合わせてシェイクし、乳化させます。美肌効果もあるこのドレッシングを好きなだけかけて出来上がりです。
春には酸味が大事なので、酢や梅干しも良いですが、少々の甘味でケアする必要もあります。今出回っている柑橘類をたっぷり使いましょう。柑橘の香り、酸味、甘味とセロリを合わせると、気の巡りを良くする相乗効果が増し、自律神経を整える手伝いをします

4/4

そら豆・蚕豆・発酵調味料

まいにち食薬養生帖・健康・薬膳・豆板醤・薬味・蚕豆・空豆・天豆・がん豆・一寸豆・お多福豆・豆

日本では、蚕豆・天豆・一寸豆・お多福豆・がん豆など色々な可愛らしい呼び名があるそら豆。世界で最も古い農作物の一つだそうです。
中国調味料の豆板醤が最初に作られた時は、唐辛子は入っていなかったようで、現在では辛いものが流通し、唐辛子と麹を空豆に加えて熟成させています。

簡単なそら豆醬の作り方です。ソラマメを蒸したら、すり鉢に入れて塩麹とほんの少しのごま油を加えて滑らかなペーストにします。タレやソースとして美味、えびやホタテと合わせてペーストにし、型で冷やすと美しい一皿に。
空豆は、タンパク質、ビタミンB1,B2が豊富です。疲労回復によく、胃腸機能を高め、余分な水分を排出する効能が期待できます。
鮮度が落ちやすいので、さや付きを購入して調理する直前にさやから出しましょう。新鮮なものは皮も柔らか、栄養価も高くそのまま食べられます。
サヤに数カ所穴をあけて、酒蒸しにしたり、熱したグリルや炭で皮が黒くなるまで焼くと、蒸し焼き状態になってふっくらとします(穴を開ける場所ですが、豆の無いくびれた部分を狙って刺して下さい)大人になってから良さがわかったそら豆、見かけるとついつい手が伸びます。

4/2

ホタルイカ

蛍烏賊・ホタルイカ・旬食材・食養生・健康

3月から5月頃が旬のほたるいかは、日本海側の水揚げが多いようです。特に産卵期の為に、岸に近づいて来るふくよかな富山県産は美味しくて有名ですね。酢みそを添えても、しょうが醤油でいただいても美味。セミドライに干してあぶったり、沖漬けも捨てがたいのですが、濃厚なワタが溶け出たアヒージョもまた格別で、バケットをついついお代わりしてしまいます。店先では、産地で茹でられたものを多く見かけますが、透き通った生の美しいほたるいかを見かけることもあります。生ものは、寄生虫などの関係で冷凍後のものか、内臓を取り除くように書いてあります、よく読んで調理して下さい。口あたりが気になる方は、目と口の部分をピンセットなどで取り除き、さらに気になる方は軟骨も引き抜いて下さい。茹でるなら1分前後塩茹でしてから気になる部分を取り除いても。
きちんと下処理されたほたるいかなら自家製沖漬けも楽しめます。ほぼ同量の酒、醤油、本みりんを煮立て冷まし(味醂が気持ち多くても)冷蔵庫で半日以上漬け込みます。沖漬けにして冷凍する方法もあります、店頭で処理を確認して楽しんで下さい。
タウリンやビタミンEが豊富なほたるいか、肝機能が低下しやすいこの季節の症状をケアしてくれるようです、お酒のアテにも最適です