井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

季節の食材を知って、毎日の食生活を豊かに。
食べて元気になれる、栄養豊富な旬の食材を日替わりでご紹介します。

2021年 4月の記事

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セロリ・薬膳・春の不調

春野菜・セロリ・セルリ・食養生・薬膳・まいにち食薬用養生帖

もともと薬草だったセロリの香り成分には、春先に起こりやすいストレスを軽減する効果が期待できると言われています。キャベツと同じように、ビタミンuも含まれているので、胃の粘膜を修復する手助けもします。特に栄養価が高い葉は、刻むなどしてぜひ調理して下さい。カリウムも豊富、血圧が気になる方にお勧めの野菜です。
セロリのフレッシュサラダの作り方です。セロリの筋を取ったら新玉ねぎと薄切りにして、冷水でパリッとさせ器に盛ります。出回る柑橘類と塩麹、胡椒とオリーブオイルを小瓶などに合わせてシェイクし、乳化させます。美肌効果もあるこのドレッシングを好きなだけかけて出来上がりです。
春には酸味が大事なので、酢や梅干しも良いですが、少々の甘味でケアする必要もあります。今出回っている柑橘類をたっぷり使いましょう。柑橘の香り、酸味、甘味とセロリを合わせると、気の巡りを良くする相乗効果が増し、自律神経を整える手伝いをします

4/14

花わさび・わさびの花・花わさびの酢漬け

井澤由美子・抗菌作用・食養生・ヒーリングフード・薬膳・花わさび・三杯酢・レシピ・春野菜・山菜

旬の花わさび、白い小花が可憐ですね。清らかな清流に流れる畑には、蝶が舞っていました。山葵は花のつぼみや葉もたべれます、爽やかでピリッと美味しい酢漬けの作り方を農家さんに教わりました。
350g程のわさびの葉や茎はよく洗い、2、3cmのざく切りにしてボウルに入れます。粗塩適宜を全体にふってしんなりするまで塩もみします、よく揉むと細胞が壊れて山葵の辛味や香りが立ちます。そのまま置いて、この間に清潔な密封容器に調味料を合わせます(昆布酢か酢150cc、きび砂糖80g、醤油小さじ2)。塩もみした花わさびをざっと水で洗ってギュッと水気を絞る。冷蔵庫に1日置いていただきますが、3日くらい経っても美味。私はここに、少し甘みのある柑橘を絞り、春の風味を満喫します。
抗菌作用の高い山葵は解毒作用もあります、花や葉は、歯ざわりもあって爽やかな辛味がクセになります。

4/12

ナポリタン・スパゲティー・パスタ

ナポリタン・パスタ・スパゲティー

日本生まれのナポリタン、マニアの方もいらっしゃいますね。やわらかめの麺で作られるケチャップ味のスパゲティは今でも喫茶店のエース的存在、アルデンテのナポリタンに出会うこともあります。洋食屋さんやお弁当にお料理のガロニ(付け合わせ)としてケチャップ味のスパゲティが添えられていることがよくありますが、これはフランス料理からの名残です。
有り合わせの材料で楽しむお家ナポリタンは、ベーコン、ソーセージ、玉ねぎ、ピーマン、キャベツ、きのこ類などなんでもよく、冷蔵庫と相談します。ナポリタンのポイントは、もちもちとした麺にありますね。2.0前後の太めの麺をチョイスし、沸騰したお湯で表示の1分長く塩茹でしたら、湯をきりオイルを馴染ませて一晩冷蔵庫で寝かせます。2時間くらいでもいいですが、沸騰させた湯や寝かせる事によってあの食感が生まれます。具材を炒めたらフライパンの端に寄せ、空いた部分にケチャップを入れて温める事、マイルドに仕上がります。牡蠣のベーコン巻きや、牡蠣のケチャップソテーなどのお惣菜がありますから、牡蠣を入れても違和感がありません、本日は贅沢ナポリタンとなりました。
隠し味は、多めのバターと少しのオイスターソース(牡蠣が主原料の調味料)、カロリーは気にせずいただきます

4/11

ミント・フレッシュハーブティー・ミントティー

花粉症・ミント・スペアミント・ペパーミント・ミントティー・ハーブティー・ティータイム・お茶

庭のミントがスクスク育っています。中医学でミントは生薬として昔から用いられてきましたし、古代ローマなどでは入浴剤としても珍重されていました。その清涼感と殺菌作用から、アロマオイルや精油、歯磨き粉やガムの香りつけ、化粧品、虫除けなど様々なものに昔から使用されています。特にメントールの香りの強いペパーミントと、穏やかな香りのスペアミントの2種類。胃腸薬として、口臭予防として、気持ちを落ち着かせるなどの効能があります。朝起きぬけの熱いミントティーを口にすると活力が湧きますよ。ミントを水でよく洗って千切り、すり鉢やボウルなどに入れ、きび砂糖を加えてすりこぎなどで潰す。熱いお湯とポットなどに入れて蒸らせば出来上がり。花粉症にもお勧めのハーブティー、スッとする香りや風味もストレスを緩和します。

4/10

山芋・長芋・山薬・さんやく・食養生

井澤由美子・食養生・薬膳・漢方・山芋・長芋・芋・さんやく・山薬・とろろ・滋養・元気

山薬と書いて、“ さんやく ” と読みます。山芋や長芋は、身体への効能がとても高い自然食であり、文字通りお薬とも言えるパワーフードです。体調が悪い時や季節の変わり目に、積極的に食して体を労わります。
沖縄には、内地とは少し違った山芋があるのをご存知ですか? 知名度は低いのですが、沖縄人(ウチナンチュー)の長寿をしっかり支えてきました。亜熱帯地方で栽培されるもので、ゴツゴツとして大きさも形も一般的な山芋とは違います。とても強い粘りを持ち、おろして天麩羅にするのにも、つなぎがなくてもそのまま揚げる事が出来ます。
どちらの山芋も腎機能を高めるとされ、滋養強壮、疲労回復に効果が期待できます。山芋は、私が疲れた時に一番取り入れたくなる頼もしい助っ人野菜。おろしてお味噌汁に入れていただくとスッと胃に収まります。おろす、温める調理法もポイント、日本の免疫力でもあるお味噌と合わせて、しっかり養生します

4/9

白木耳・漢方・薬膳・美肌・腸活

薬膳デザート・白木耳・しろきくラゲ・美肌・美容食・漢方

白キクラゲは肌を潤す効果が高いので、薬膳では貴婦人の美容食と呼ばれています。滋養強壮作用も高く、食物繊維もとても豊富です。日本では乾燥ものが一般的ですが、生の白キクラゲ(ヒダのあるもの、耳を大きくしたような形の銀耳)も栽培されていて、ネットなどで購入できます。スーパーで見かける白キクラゲを購入する時は、出来れば大ぶりのものを選びましょう。一般的にはさっと茹でて中華のデザートなどに多く見られる白キクラゲですが、サラダや酢の物にも良いものです。美味しい食べ方ですが、たっぷりの水で1時間半くらいコトコトゆっくり煮て充分なとろみが出るまで下茹でします。肌を潤したい時は、手羽先、セロリ、生姜薄切り、黒胡椒を加えて更に煮込み、じゃが芋やカリフラワーなどのビタミンCと合わせてさらなる美肌スープに。
デザートには、杏仁粉と氷砂糖、ミルク(好みで生クリームを加える)と合わせて、咳止めを担った美味しいデザートにしても。写真はたっぷりのシロップとフルーツを合わせた体が潤うデザートです。

4/8

桜鯛・鯛・真鯛・鯛茶

春を代表する旬魚の鯛。朱色をまとって北上する桜の季節の真鯛を「桜鯛」「花見鯛」と美しい名で呼びます。鯛は海老を食べるのですが、殻に含まれるアスタキサンチンが身に影響するからだそうです。縁起の良い魚として昔から珍重される鯛ですが栄養価も高く、タウリンが豊富で低脂肪、高タンパク、低カロリー、消化吸収もよいので胃腸の弱い人やお年寄りにもお勧めです(鯛の骨には充分気をつけて)。
鯛は昆布締めなどにして塩分を入ると表面がねっとりとする魚で、それが美味しくてお鮨や散らし寿しにすることもありますが、やはりお勧めは山葵をたっぷり添えた鯛茶です。ゴマにクルミやカシューナッツ、松の実など好みで加えて乾煎りし、すり鉢でめんつゆ味程度のタレとすり混ぜる。切り身を濃厚ゴマだれにくぐらせて炊きたてのごはんと半分いただき、あとはお好みで煎茶をかけて2度楽しみます

4/7

行者にんにく・キトピロ・ヤマニンニク・アイヌネギ・山菜

まいにち食薬用養生帖・食薬・免疫力・行者にんにく・山菜・アイヌネギ・キトビロ・ヤマビル・醤油漬け・天麩羅

別名が可愛らしい行者にんにくは山菜です。種ができるまでに7年、花が咲いて食べ頃になるまで更に5〜7年ほどの長い期間がかかるそう。にんにく、ニラ、玉ねぎと同じユリ科のネギ属多年草で、北海道の天然ものは3月〜6月頃が旬となり、希少な特産品です。
アイヌの人達は春に採集し、乾燥させて保存もしていました。北海度で食べたアイヌ料理店の「オハウ」(鮭や鹿、野菜と煮たスープ)にも入っていて、滋養をつけながら魚の生臭さを緩和する効果もあるようです。
これまでの私の調理方は、さっと茹でて食べやすく切って醤油に漬けていましたが、茹でずにそのままザクザク切って漬けるだけの手法に切り替えました、山菜名人仕込みです。これを炊きたてのごはんに卵黄とのせてご馳走になったのですがとても美味しく病みつきになりました。それ以来私は、醤油に刻んだ行者にんにくと卵黄、昆布のはし切れを一緒に漬けて、炊きたてごはんのお供や、和え物に使っています。
行者にんにくは、抗菌作用が高くアリシンを多く含み、免疫力をあげますね、香りからしてとても元気が出ます。

4/6

山葵・わさび・ワサビ・丼

わさび・山葵・薬味

キラキラ光る清らかな湧き水が流れるわさび畑。蝶も飛び回り、せせらぎとと共に心安らぐ風景です。
伊豆半島は、わさびの名産地。生産に適している軟水が湧き出ています。農家さんの好きな食べ方は私と同じでした、熱々ご飯に鰹節と山葵をのせるだけのシンプルな食べ方、生卵を落とす時もあります。生山葵の擦り方です。皮の突起の部分(黒い部分もあれば)を包丁でこそげます。皮に近い部分に香りがあるので出来るだけ薄く。上の方から(茎付きだった部分)から大きな円を描くようにおろすと香りよく、口当たりのよい山葵がすれます。
海外に行くときに必ず山葵を持参します。訪れた土地のものを食べる事が何よりの楽しみなので、塩も調味料もその土地のものを頂きます。ただ、長期間の場合は小型の鮫おろし器とわさびを持っていきます。例えば、土地の新鮮な帆立のお刺身を食べる時、近隣の海の塩、上質なオリーブオイル、そこに鮫皮に切り口を当て、大きく回すようにすりおろしたわさびは最高ですし、殺菌作用も心強いのです。
数年前に、伊豆のわさび農家さんで購入したおろし金は、金属でした。おろす部分の突起が細かく、青々とした山葵はふんわりとした口当たりで滑らか、甘味も立ちます。鮫皮一辺倒でしたが、山葵の為だけに作られた道具に感動、脂身と絡まると美味な牛ステーキにも、粗塩とたっぷりのわさび添えが基本です。

4/5

漢方・薬膳・薬膳酢・豆乳・ドウジャン・トウジャン

ドウジャン・豆乳・大豆・薬膳・台湾朝ごはん

近所にあるお豆腐屋さんの豆乳は、とろりと粘度が高くてとても濃厚、風味が高くコクリと美味しい。普通の豆乳も少し煮詰めるとコクやとろみが増します。紅茶のアールグレイやハーブのカモミールを濃いめに煮出してハチミツを入れたソイミルクティーは、気の巡りも良くなりって胃にも優しくリラックスします。豆乳に含まれる大豆イソフラボンやサポニンは女性に嬉しい効果が豊富、植物性タンパク質は免疫力を高める手伝いもします。コレストロールが気になる方にも◎。寝つきが悪い時は、豆乳を温めて皮ごと焼いたバナナや甘酒、少しの焼酎と割って飲むのもお勧めです
夜食にも良い、台湾のドウジャン風をご紹介します。豆乳を沸騰直前まで1カップ温め、薬膳酢大さじ1、醤油小さじ2を入れた器に注ぐ。酢の効果で凝固し、フルフルとしたおぼろ豆腐のようなスープになります。鰹節とねぎ、ラー油をトッピングしたシンプル和風、カリッとしたバタートーストがよく合いますが、本場では調味料、桜えびやザーサイなどで、揚げパンが添えてあります。
薬膳酢はマガジンハウスHanakowellnessさん免疫力アップBOOKでも表紙にさせて頂きましたが、作り方は簡単。昆布の旨味やクコの甘みでまろやかです。この薬膳酢を使ったドウジャンや薬膳どんぶり、その他に薬膳茶、体を元気にする身近な食材達もご紹介させて頂いています、ご興味ある方はぜひご覧下さい。