井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

季節の食材を知って、毎日の食生活を豊かに。
食べて元気になれる、栄養豊富な旬の食材を日替わりでご紹介します。

2021年 3月の記事

3/31

台湾棗・蜜棗・なつめ・ナツメ・台湾・薬膳

薬膳・なつめ・棗・ナツメ・台湾棗・蜜棗・薬膳・果物・フルーツ・台湾

姫りんごより大きな台湾なつめは、インドナツメとも呼ばれ、渋かったインドナツメを台湾で美味しく品種改良した果物です。旬はもうそろそろ終わりですが、生なつめは梨のような甘さと爽やかさを持ち、黄緑色の皮は薄くて食べやすいのでそのままかじることも出来ます。台湾に行くとお手頃価格ですし、人気があるので店先を陣取っています。生なつめはビタミンCが豊富なので、薄切りにしてサーモンとオリーブオイルでサラダなどにするとコラーゲンの生成を促します。クリーミーなチーズとカナッペにすると白ワインやシャンパーニュによく合います。
乾燥なつめは生薬でもありますが、食薬両用です。お茶に入れたり、スープや煮物などの料理にも美味しく多用されます(丸のままでも良いですが、お茶などは刻んだり割ったりして使用します)。気血を作り滋養があるので、貧血気味な方や、疲労が気になる方には特にお勧めですが、のぼせ気味の方は控えます。

3/29

雪ノ下・ユキノシタ・虎耳草

雪の下は湿った岩場など薄暗い場所を好んで自生している常緑多年草。年間を通して育つので観賞用にも人気があり、特徴的な白い花は可憐です。
この雪ノ下と初めて出会ったのは、天婦羅屋さんでした。サクッと揚がった緑と赤の葉色が美しく、形も丸くて可愛らしい、とても印象的でした。 春先の柔らかい時期が調理しやすくて食べやすい、お刺身などに添えたり、胡麻和えなどにもするそうです。雪が積もった下でも枯れずに生息しているので「雪ノ下」と言われるそうですが、所以は色々あるようです。 生薬では虎耳草(コジソウ・葉が虎の耳の形に似ている)といい、解毒・炎症作用があるので、子供の熱冷ましに煎じて飲んだり、葉を火で炙ってはれものなどに貼るなどの民間治療薬として使われていました。

3/27

牡蠣・カキ・かきの炊き込みご飯・貧血予防

牡蠣・かき・カキ・牡蠣の炊き込みごはん

見るからに美味しそうなぷっくりとした牡蠣。牡蠣は味覚障害を緩和する手伝いをするそうで、亜鉛と鉄分を多く含むので貧血予防や不眠にもお勧め、栄養豊富です。
牡蠣は「酒毒を消す」とも言われており、お酒のお供にも。生食なら、剥きたての冷たい牡蠣にレモンをギュッとしぼり、ぜひタバスコ少々ふって下さい。全体がしまって美味しいのと、殺菌効果や生臭さを消す作用もあります(タバスコは牡蠣の為に作られた説もありますね)。
牡蠣の旨味と香りをたっぷり堪能できる炊き込みごはんは、酒、醤油、本みりんを煮立て牡蠣をさっと煮て、一度取り出します。旨味のでた煮汁に水を足し、お米と炊きます。炊き上がったら牡蠣をもどして少し蒸らします。さっくりと混ぜて器によそい、柚子の皮を削るか、山椒の葉を散らせば至福の時が来ます

3/25

海藻・細目昆布・美髪

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腎の働きを良くする海藻類は、女性特有のトラブルにも良いものです。中医学では(髪は血の余りである)とされていて、髪がきれいな人は充分に血液がまわっている証拠だそう。実際に、食から髪にツヤを与えるには海藻類、果物、野菜などのヨードやビタミン類が豊富な食材を積極的に摂取すること。そして卵や牛乳、豆類、魚、肉などの良質なタンパク質で毛髪の成長をうながすことが大切です。
海苔とひじきの佃煮など作りおくと、ご飯のお供にや和え物などに重宝します。戻したひじきと乾燥海苔(古くなってしまったものでもok)、出汁、醤油、みりんで煮詰めるだけです。
後は頭皮をマッサージしたり、ブラッシングして巡りがよくなるようにし、足の内くるぶしのくぼみにある(大けい)をマッサージすると、効能が上がり、疲れがとれる手伝いをします。
写真は小樽で食べたわかめの様な「細め昆布」、3月までしか漁ができないそうで、うすくなめらかでとても美しい昆布。生姜醤油やわさびなどのお刺身や、しゃぶしゃぶでいただきます

3/24

マーラーカオ・蒸したてオヤツ・中国カステラ

マーラーカオ・蒸し立ておやつ・中国カステラ・蒸しパン

蒸し立てふかふかのマーラーカオ作りにハマっています。今日は四角い浅めのバットで作ってみました。材料も変え、少し甘さを加減し、コクのあるアーモンドプードルを足してみます。
ボウルに卵3個、ハチミツ大さじ1、ミルク大さじ5、きび砂糖大さじ3、醤油小さじ半、ココナッツオイル大さじ2半を混ぜます。ふるったベーキングパウダー小さじ2、小麦粉100g、アーモンドプードル半カップを粉が馴染むまでさっくりと混ぜ、濡らした晒しかオーブンペーパーを敷いたバットに流して、30分ほど湯気の立つ蒸し器に入れて加熱します。程よく膨らんだ四角いマーラーカオは、蒸しパンのようでふんわり。アーモンドとココナッツの風味は大正解、滋養のある魅力的な手作りおやつです

3/23

スパイス・カレールウの作り方

カレー・スパイス・食薬

複雑な香りや辛味のカレー、香りをかぐと無性に食べたくなります。スパイスはインドからイギリスに渡って、世界中に広まりました。日本へは明治時代に伝わり、1960年代に小麦粉を加えた固形ルーが誕生したそうです。幼少の頃に父が作っていたおうちカレーは、真っ黄色でとろみが強くじゃが芋と豚肉がゴロゴロ、日本初のレトルト食品のボンカレーも、まだスパイスは控えめでした。
カレー粉はターメリック、クミン、コリアンダー、レッドチリ、カルダモン、クローブ、ナツメグ、シナモンなどの生薬とも言えるスパイス達が調合されたもの。

クイックカレールーは、フライパンに大さじ3のサラダ油かバターで大さじ3の小麦粉を弱火でダマがなくなるまで炒め、大さじ2の市販のカレー粉、あるいは好みのスパイス達を加えて馴染ませます。スパイスは脂溶性なので、油と炒めると香りが立ちます。インドの家庭では食事の度にお母さんがスパイスを感覚で調合し、素晴らしく香りの良いオリジナルのマサラを作ります。その日の気温や、家族の体調によってスパイスを変えています、まさに食べる薬の食薬ですね。

3/22

人参・にんじん・ニンジン・carrot・眼精疲労

美肌・春の美肌・養生・井澤由美子・人参・眼精疲労・ニンジン・にんじん・carrot

昨日は久しぶりの激しい雨模様でした。春の陽気で乾燥気味だった庭の草木やミントなどのハーブ達は喜んでいるようです。
しかし人には、雨が降っても目の乾燥や花粉症状のかゆみなどが気になることも。加えてパソコン作業、携帯、テレビなどの眼精疲労などもあるので改善したい。こんな時は、春人参を多く食べるようにしています。スーパーに行くとみずみずしく柔らかそうな葉付き春人参を見かけます、良い香りで甘さもあります。
人参サラダの作り方です。皮ごとの人参をタワシでこすり洗いし、千切りにします。レモンやオレンジのしぼりたて果汁、オリーブオイル、粗塩をふって馴染ませれば、酵素、ビタミンC、カロテン、繊維がたっぷりなサラダ。今なら金柑を加えても良いですね、甘み、香り、色が冴えた美しい一品になります。同じように千切りした人参を醤油と辛子で和え、粒マスタードやクミン、コリアンダーなどを油で熱して香りを写した熱々のシードオイルをかけるとエスニック風。さらに、花粉症が気になる方はヨーグルトと合わせても。人参はカロテンの王様、油類と合わせると効率よく体に摂取できます。皮膚の粘膜を潤す作用もあり、薬膳では血と津液を作り栄養不足を補うとされます。人参を購入する時は、ヘタの部分の丸が小さ目のものを選ぶと美味しいようです

3/20

アサリ・あさり・浅利・あさりの砂抜き

食薬養生超・食養生・井澤由美子・薬膳・漢方・浅利・あさり・アサリ・お味噌汁

今日は春分です。日が長くなり初めて日中は温かい日が増えてきましたね、早咲きの桜は満開です。
スーパーで大粒のアサリが出回っています。身がぷっくりした旬のアサリは、旨みと栄養価がたっぷり。殻にはカルシウムなどのミネラルが豊富、ぜひ殻付きを調理するようにして下さい。加熱する最初に「少々」の酢を入れると吸収をよくします(少量なら酸味は飛びます)。
砂抜きは、バットにあさりを広げて塩水(海水程度約水500cc塩大さじ1)をかぶる程度に入れ、新聞紙などをかぶせて暗くして(海の中と似た状態)半日置きます。時間がない時は50位の湯に3分ほど浸すと良いそうです。その後、水気を切ってポリ袋に入れ、酒少々を加えて上から揉んで汚れをスッキリ落とします。お味噌汁は、鍋に水とアサリ(好みで昆布一切れ)を入れ中強火にかけます。煮立ってきたら味噌を溶き入れ、口が開いた順にアサリを椀に盛り、熱々のお味噌汁を注ぎます。
アサリのタウリンは肝機能を高めることが知られていますが、春は肝機能をケアすることが大切なので理にかなっていますね。味噌の沢山の機能性成分、メラノイジンと合わさり疲労回復効果や健康効果が倍増します。しみじみ美味しいあさりの椀物、たっぷり堪能したい春です。

3/18

ふきのとう・蕗の薹・ふきのとう味噌

蕗の薹・ふきのとう・井澤由美子・食養生・食薬ごはん・山菜・デトックス・薬膳・

春の訪れを告げるふきのとうは日本原産の山菜、春先のスキー場で見つけては母にお土産にしていたのが懐かしい想い出です。ふきのとうを手にしたら、とにかく早く調理して香りと水分が逃げないうちにいただきましょう。摘みたてを天麩羅にすると香りがグンと開きます、葉を広げるようにして薄い衣に潜らせてサッと揚げると花のようになって可愛らしい。白身と混ぜてお椀に落としたしんじょうは、おかわりしたくなる美味しさです。ふきみそは、ごはんのお供や、田楽、和え物など何にでも合うので毎年沢山作りおきます。まず、ふきのとうを開いて水で洗い、熱湯でさっと塩茹でたら冷水に晒して水気をギュと絞ります。刻んでごま油で炒め、味噌、きび砂糖、酒を馴染ませ、隠し味にほんの少しのお醤油を。細かく切って白味噌とすれば料亭風、ほろ苦がみが美味しいふき味噌の出来上がりです。
春の山菜の苦みは、冬に溜まった体の老廃物や毒素を排出するなどデトックス効果が高いので、この時期は特に口にしたい食材。花粉症などのアレルギー症状を緩和する手伝いも期待できそうです。旬は短し、様々な春の苦味を堪能します

3/16

菜の花・菜花

菜の花・なばな・視力回復・カロテン

アブラナ科の菜の花は、キャベツやブロッッコーリーの仲間です。カロテンやビタミン類が豊富、葉酸や鉄分も多い野菜です。今日は体に吸収されやすい簡単料理法をご紹介します。茎や筋のかたい部分を落としてボールに入れ、たっぷりの水に10分ほど浸して汚れを落としてシャキッとさせる(これ大事)。フライパンに2、3等分に切った菜の花、オリーブオイル、菜種油やごま油など好みのオイルをふりかけ、粗塩を全体にふってフタをして強火にパッとかけるだけ、しんなりしたら出来上がりです。簡単シンプルですが、色鮮やかな菜の花の蒸し煮は美味しさや香りが逃げず凝縮した春の味を堪能できます。調理はパパッと!が菜の花の栄養分を逃さない大切なポイントです。写真は満開の葉の花畑から届いた写真です。青い海と菜の花畑のコントラストが映画のワンシーンのようです