井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

季節の食材を知って、毎日の食生活を豊かに。
食べて元気になれる、栄養豊富な旬の食材を日替わりでご紹介します。

2020年 10月の記事

10/29

豆乳・大豆・ドウジャン・薬膳・漢方

ドウジャン・豆乳・大豆・薬膳・台湾朝ごはん

近所にあるお豆腐屋さんの豆乳は、とろりと粘度が高くてとても濃厚、風味が高くコクリと美味しい。普通の豆乳も少し煮詰めるとコクやとろみが増します。紅茶のアールグレイやハーブのカモミールを濃いめに煮出してハチミツを入れたソイミルクティーは、気の巡りも良くなりって胃にも優しくリラックスします。
シンプルなスープは朝食に最適、台湾の定番朝ごはんドウジャンをご紹介します。豆乳を沸騰直前まで1カップ温め、薬膳酢、醤油各大さじ1を入れた器に注ぐと酢の効果で凝固し、フルフルとしたスープになります。鰹節とねぎラー油をトッピングした和風。本場では揚げパンが添えてありますが、カリッと焼いたバタートーストもよく合います。今号のマガジンハウスHanakoさんでは薬膳酢と黒ごまを使った美肌に効かせる黒ごまドウジャンを考案してご紹介しています。
豆乳に含まれる大豆イソフラボンやサポニンは女性に嬉しい効果が豊富、植物性タンパク質は免疫力を高める手伝いもします。コレストロールが気になる方にも◎。寝つきが悪い時は豆乳を温めて、潰したバナナや甘酒、少しの焼酎と割って飲むのもお勧めです

10/28

酢・昆布酢・薬膳酢・大豆黒酢薬膳酢

ダイエット・vinegar・健康・昆布酢・薬膳昆布酢・大豆昆布酢・昆布・酢・漬けおき

ひとさじの薬膳酢には内脂肪を減らしたり、免疫力を上げる手伝いをするなどの健康効果があります。体も心も癒し、心身共に心地よい刺激を受けます。大のお酢好きです、黒酢やきび酢など様々な醸造所や畑にお邪魔してきました。自宅キッチンには、色々な種類の酢に昆布やドライフルーツが漬かっています。
この、うま味のある昆布酢を使ったレシピを2017年に一冊の本にさてせ頂きました。お酢に多めの昆布を浸しておくだけですが、酢と昆布のキレート効果で昆布のカルシウムが効率よく体に吸収され、骨を元気にする手伝いをするなど沢山の健康効果を担えます。内脂肪減、アレルギー緩和、疲労回復、殺菌作用など良いことずくめなので日常の食卓に常備しています。
18年に出版させていただいた薬膳酢本は、昆布酢に薬膳のプリンセスと呼ばれるクコや手作りの乾燥ナツメを浸した甘酢レシピです。ナチャラルな甘味と効能を引き出したもの、生薬のクコは眼精疲労にも効果が期待できます。
納豆や酢のもの、麺類や煮物の仕上げにもひと垂らし。甘味と旨味があるので酢飯も混ぜるだけの手間いらず、酢飯は腸のご馳走であり、血糖値も緩やかに上げます。大豆黒酢薬膳酢は芳醇で旨味の強い黒酢に、昆布、クコ、黒大豆を入れた抗酸化作用の高いもの。
どちらも常温保存可能な発酵調味料、元気の源です。

10/27

秋の薬膳・柿・梨・無花果のコンポート

井澤由美子・美容薬膳・食養生・漢方・薬膳・コンポート・無花果・柿・梨・喉を潤す・薬膳

自然のサイクルは偉大です。人間の体調に合わせるべく、四季の食物が先手を打つように実りの時期を迎えます。秋のこの季節は体の内も外も乾燥に対するケアが大切になってきます。肺や呼吸器を潤すと水分がより良く体に巡るので、肌もキレイになります。今が旬の梨、イチジク、柿などの呼吸器系の状態を整える果物のコンポートはお勧めのデザートです。

柿は体を冷やします。肌寒くなってきたので、体を温めて気のめぐりも良くするシナモンや八角などのスパイスと合わせます。作り方は、柿1個、梨1個、イチジク2個は皮をむき、食べやすい大きさに切ります。鍋に水500cc、白ワイン50cc、氷砂糖150〜200g、八角、シナモン、カルダモンなど好みのスパイス適宜を加えて中火で煮る。氷砂糖が溶けたら、梨を加えて10分ほど弱火で煮て、柿とイチジクを加えてさらに10分ほど煮る。粗熱が取れたら冷蔵庫で冷やす。好みで蜂蜜や柑橘をほんの少ししぼっても美味。日々の食を何となく口にするより、食材の持つさまざまな効能を実感しながら、心と体が潤うメニューを心がけると免疫力もアップし、お料理も楽しくなりますね。

10/26

きのこ・干しきのこ・お日様きのこ・干し野菜

きのこが美味しい季節ですね。きのこはきのこは子実体と呼ばれる菌そのもので、ヘルシーで旨味があり、食物繊維も栄養です。きのこの種類によってそれそれの薬効が高いので、日々の食卓に使わない手はありません。
しいたけ、えのき、エリンギ、まいたけ、しめじなど種類は様々ですが、日光に30分ほど当てるとビタミンDが増えます。ビタミンDはカルシウムの吸収を促す為、骨を丈夫にします。また、免疫機能を高まる効果も期待できます。
きのこは水で洗わず、汚れが気になる時は優しく拭き取ります。石づきを切り落とし、後はなるべく手でさいてザルなどに広げて天日干しします。しっとりした食感がお好みなら30分ほど、コリコリとした食感がお好きなら半日ほど干して下さい。残ったら冷凍しましょう、きのこ類は冷凍すると旨味が増えると言われています。

10/23

ごぼう・牛蒡・ごぼう茶

食物繊維が代名詞のごぼうは、デトックス効果が高い野菜です。大地の香りがし、シャキシャキした歯ざわりが心地よく、独特の風味が楽しめます。キンピラや筑前煮、どぜう鍋にも欠かせませんね。アクが強いので、水にさらしてから調理します(変色を防ぎたい時は酢水を使う)。ごぼうは平安時代に薬草として中国から伝わったようで、根の部分を料理して食べるのは日本だけだそうです。関東で主流の品種は東京都北区滝野川が発祥の滝野川ごぼう。千葉県で栽培される太めの大浦ごぼうや、しっとりした食感の京野菜の堀川ごぼうなど、産地や品種が違うと特色も変わります。

香ばしいごぼう茶は、ポリフェノールの一種のサポニンが豊富。健康に良い効果が期待できます。柔らかめのごぼうを選び、洗ってピーラーで薄く削る。ザルに広げ、天日で乾燥させ、仕上げに低温のオーブンか野菜乾燥機、フライパンで乾煎りするなどしてしっかり水分を飛ばします。空き瓶や缶などの乾燥剤(お菓子や海苔についている)を一緒に入れて保存します。いただく時は少し煮出せばOKです。

 

10/22

小樽・あんかけ焼きそば

・小樽・あんかけ焼きそば・B級グルメ

肌寒くなってきましたね。小樽には約60年以上の歴史があるソウルフードがあります。それはあんかけ焼そば!溢れんばかりの細めのちぢれ麺に、たっぷりの海鮮あんが絶妙にからんでいます。あんかけはとろみががあるので冷めにくく、寒さが厳しい地方には特に定着しやすい調理法です。

片栗粉のでんぷんは油脂の乳化を安定させるので、油っぽさが軽減される利点も有ります。麺を焼くときは、プロは強い火力で中華鍋を回しながら表面をカリッとさせます。家庭ではフライパンに少々の油を馴染ませ、ほぐしながら加え、時々麺を押し付けつけて中弱火でゆっくり焼くのが手軽です。きつね色のこんがりした麺にプリプリの海鮮が入った熱々のあんをかけ、紅生姜、辛子を添えるのが小樽流で、塩味と醤油味があります。

小樽に来たらお鮨やザンギもよいですが、お皿から溢れそうな熱々のあんかけ焼きそばも外せません

10/16

すだち・秋の柑橘類・気の巡り

秋の柑橘類・酢橘・青いみかん・蜜柑・柚子・レモン

日本は柑橘の種類がとても多い。今の季節には、塩焼き秋刀魚や松茸の土瓶蒸しなどにすだちは欠かせませんね。庭の柑橘類の木は私にとって宝物です、完熟もぎたての果実はフレッシュな酸味で心地よく、香りが広がると脳がパッと活性化するような感覚を覚えます。気持ちも清々しくなるので、出かける前にもいでカバンの中に忍ばせることもしばしば。

柑橘類の香りは気の巡りを良くし、食欲増進効果もあり、胃の不快感を取り除く薬味でもあります。果汁をひとしぼりするだけで、美味しさをこの上なく引き立たせます。ちなみに柑橘類はビタミンCが豊富なコラーゲンを含む食材と合わせると美肌効果が高まるので意識して合わせてみて下さい。

 

10/14

蓮根(れんこん)・蓮(はす)・薬膳

薬膳・漢方・レンコン・蓮根・れんこん・喉の不調・薬膳

蓮根は調理の仕方によって、いくらでも表情を変えることが出来る魅力的な野菜。蓮根に含まれるポリフェノールには抗酸化作用や殺菌作用があると言われていますが、この成分は皮の方に多いので、剥いてしまうのはもったいない。私はたわしでこすって洗い、調理します。香ばしさも感じられて美味しいなぁと思うのですが、皮のかたさが気になる方は包丁の背でこそげたり、薄く剥いて下さい。蓮根はすって加熱すると自然なとろみがつきます、椀ものなどや葛湯に入れると痛みや咳を鎮める効果も。スッと糸引く縦切りもお勧め。切り方や厚さによって食感が変わります。ちらし寿司やお稲荷さんには薄切りをさっと茹でて甘酢漬けにし、ごまと合わせると美味。蓮根はビタミンCも豊富、レバーなど鉄分が多い食材と合わせた煮物や炒めものなどにすると相乗効果で貧血予防にも良い一皿になります。

蓮根は収穫時は3〜4節が繋がっています(もっとも多いケースも)。第一節はコロンと丸い小さめの先方部分はシャキシャキした食感、掘り立ては生でも食べれ、梨のような風味です。長方形の部分はデンプンが多いのでとろみが多いようです、料理によって使い分けてみて下さい。

10/13

醤油麹(しょうゆこうじ)・発酵調味料・手作り調味料

醤油麹・麹・発酵食・手作り調味理療

麹は蒸した穀物や豆に麹菌という微生物を繁殖させたもの。「米麹、麦麹、豆麹」などの種類があります。しょうゆ麹はしょうゆに米麹を加えてさらに発酵させたものです。
アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼのこの三大消化酵素が独特のうまみを作り、細胞を活性化させるのでエイジングケアや疲労回復などに効果があります。砂糖やみりんを使用しなくてもまろやかに仕上がるので、ダイエットにもお勧め。作り方(市販の麹(200g)一袋を袋の上からもんで細かくし、ボールに入れてさらに手でこすり合わせるようによくすり合わせ細かくします。消毒した保存容器に入れ、醤油200〜450ccを注いで混ぜる(1対1の割合でも良いのですが、麹や醤油の濃度によって水分が足りない時があります。ある程度加えたら様子を見て好みの加減に足して下さい)常温で1〜2週間くらい1日1回ふるか混ぜるかしてトロミがでたら出来上がりです。発酵メーカーがあれば60度で一晩で出来ます。自家製の調味料は好みの味にでき、熟成期間で変わる味の変化やとろみなどを含めて育てる楽しみがありますね。
生姜焼なども醤油麹だけでパパッと美味しい、私はオールインワン調味料呼んでいます。

10/12

醤油麹(しょうゆこうじ)・発酵調味料

麹は蒸した穀物や豆に麹菌(コウジカビ)という微生物を繁殖させたもの。麴には30種類以上の酵素が含まれ、それらの酵素で分解されたさまざまな成分がうまみを作り出します。また、麹菌の発酵過程で作られるコウジ酸にはシミ、そばかす、しわ、たるみなどを抑えるアンチエイジング効果もあることがわかっています。

麴をふだんから手軽に使うには、しょうゆ麴がおすすめです。しょうゆ麹はしょうゆに麹を加えてさらに発酵させたものです。私はオールインワンの調味料と呼んでいます。作り方は、市販の麹1袋(200g)を袋の上からもんで細かくし、ボウルに移す。さらに手でこすり合わせるようによくすり合わせ(傷をつけるように)る。消毒した保存容器に入れ、醤油350〜450ccを注いで混ぜる。常温で1〜2週間おき、その間は1日1回ふるか混ぜるかして、とろみがついたらでき上がり。

砂糖やみりんを使用しなくてもまろやかな甘みがつくので、ダイエット時にもお勧め。生姜焼きやサラダチキンも柔らかく美味しくできますよ。自家製のしょうゆ麴は、熟成期間で変わる味の変化やとろみなどを含めて育てる楽しみがありますね。