井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

季節の食材を知って、毎日の食生活を豊かに。
食べて元気になれる、栄養豊富な旬の食材を日替わりでご紹介します。

2020年 6月の記事

6/13

丁子(ちょうじ)・丁香(ちょうこう)・クローブ・スパイス

生薬・クローブ・スパイス・丁子・丁香

お茶が好きで、毎日リラックスしたい時にいただきます。朝から晩まで飲むので、玉には胃を温めながらお休みします。
白湯を作るのと同じように、やかんのフタを開けて15分ほど湯を沸かします。この時クローブも一緒に入れて煮出し、蜂蜜を入れたカップに注ぎます。それをゆっくりいただくとバニラのような香りや刺激的なスパイシーな風味に、張り詰めた気が緩んでくるのがわかります。
クローブは漢方では丁香と呼ばれる生薬で、体を温める効能があり、胃や脾、腎が冷えて痛いときにも有効なスパイスとして知られています。西洋ではクローブと呼ばれ、肉の塊に刺した煮込み料理やシチュー、カレーにも欠かせません。オレンジとの相性がよく、デザートやお菓子にも使われる他、オレンジに刺して乾燥させ、香りのポプリとしても親しまれています。
ちなみにクローブは、ネパールの民間療法では歯痛止めに使われたり、インドネシアではタバコの香付けに使われたりに、虫除けスプレーに配合されたりと世界中でいろいろな用途に利用されています。

6/12

蘇陽・赤しそジュース

紫蘇ジュース・赤紫蘇・紫蘇・美肌ジュース

キレイな色の元気がでる旬のジュースです。色が濃いめの赤しそ(2袋)を選び、葉だけを摘んで水を張ったボウルに入れてよく洗い、ザルに上げます。鍋に約1リットルの湯を沸かし赤しそを加えて5〜8分茹でる。鍋からしそだけをザルにとりギュッとしぼり、エキスを全て鍋の中にしぼります。甜菜糖(またはきび砂糖)は半カップ〜好みの量を入れてとかし、酢50cc(またはレモン果汁)を加える。一瞬で色鮮やかになる嬉しい瞬間です。ますよ、冷めたら清潔な瓶などに入れ、冷蔵庫で保存します。
赤しそは殺菌効果が高く、色素成分であるポリフェノールには高い抗酸化作用があります。香り成分は胃液の分泌をよくし、消化を助けます。美しく健康にも良い赤しそジュースはこの時期だけのお楽しみです

6/11

日本テレビスッキリ・ヨーグルトキムチのふるふるスープ・発酵食・免疫力

体がよろこぶお漬け物・発酵食・乳酸菌・キムチ・ヨーグルト・サワーキムチ・免疫力

日本テレビスッキリさんでご紹介した免疫力を上げる発酵食レシピはキムチとヨーグルトを和えたサワーキムチのご紹介でした。キムチの辛味がマイルドになり食べやいキムチになります、混ぜたら、ひと晩冷蔵庫で寝かせるとより馴染んで美味しくなりますよ。
植物性タンパク質の豆乳に、発酵調味料をふんだんに使用して免疫力アップ効果を高めています。発酵食は日々幅広く色々な種類を食べる事が大切ですが、私は特に季節の野菜で漬けた乳酸菌たっぷりの糠漬けやキムチ、水キムチを作っていただくようにしています。作り方も難しくなく、安心安全な乳酸菌がたっぷり摂取できるからです。発酵食は食物繊維とビタミンなどと一緒に食べて効果が高まりますが、野菜の持っている豊富な繊維やビタミンなどが丸っといただけるのでお漬物は理想的な発酵食なのです。
含まれるギャバの成分には、リラックス効果が高く安眠のお手伝いをします、私は晩御飯に漬物を添えるようにしています。
「スッキリ」でご紹介したレシピは、沢山の方が直ぐに作って下さって、コメントも沢山頂きありがとうごいます。ご紹介したレシピは、下段のニュース内やインスタにも掲載しております(番組内では2人分でしたが、こちらでは1人分のレシピです)。

6/10

パッションフルーツ・果物時計草(くだものとけいそう)

井澤由美子・与論島・美肌・美容・パッションフルーツ・果物時計草・リリコイ

果物時計草はパッションフルーツの別名で、花が時計草に似ているからだそう。ハワイではリリコイと呼ばれ、定番のフルーツ。台湾では百香果(パイシャンコウ)、百の香りの果物という意味の名がついています。爽やかで甘酸っぱく、奥底に魅惑的な香りがひそんでいて、化粧品やアロマテラピーなどにも用いられています。切った時のビジュアルもフォトジェニックですね。
農家さんは両手で挟むように圧をかけてパンッと器用に割ります。飛び散らないか少し不安になりましたが自分で試してみて大丈夫でした!
パッションフルーツには、肝機能を高める効能の他、美白効果や新陳代謝を活発にする働きを高めます。旬のピークは6月〜8月頃で、果肉はすっぱいイメージがありますが、皮にしわが寄ってしっかり完熟したものは酸味が抑えられて甘い。酸味が立ったものは、ソースやドレッシングにするのがお勧め。生クリームとの相性もよく、他のフルーツでは作れない魅惑的な味が生まれます。
写真はパッションフルーツ農園にて。まだ青く、実垂れ下がる感じがカーテンみたいで可愛い。

6/8

二条大麦・ビール麦・大粒大麦・ビール・四季彩キッチン

大粒大麦・ビール・二条大麦・ビール麦・クラフトビール

フジテレビ・四季彩キッチン 
汗ばむ季節、キーンと冷えたビールが美味しくなってきましたね。番組では『二条大麦』の特集で、ビールに合うおつまみも紹介致します。個人的に香りがよく風味のあるビールが好きです、近年では国内でもクラフトビールを含め様々な種類が生産され、缶や瓶も可愛らしくネーミングも個性的で楽しい。ビールの主原料は麦芽とホップ。麦芽は大麦から作られますが、大きく二条大麦と六条大麦の二つに分けられます。二条大麦は穀粒が二列で並び、粒が大きいので大粒大麦、六条大麦は小粒大麦と呼ばれます。
栃木県では二条大麦、六条大麦、小麦の3種類が栽培され、全国でも有数の生産地。小山市では、青々とした田んぼと金色の麦畑が、パッチワークのような模様を描いている風景も見られるそう。風に揺らぐ麦畑の麦秋(ばくしゅう)、コントラストの美しい情景が目に浮かびます。四季彩キッチンはJAグループ提供の、日本の農業の「いま」をプレゼンテーションする番組で、進行役は林修先生です。

6/7

ホワイトアスパラガス

ヨーロッパでは4月下旬~6月が旬のホワイトアスパラガス。日本でも同じ時期に元気な国産品を見かけるようになりました。みずみずしく、滑らかな食感はまさに初夏を食べているようです。ホワイトアスパラはグリーンアスパラと同じ品種ですが、太陽の光が当たらないように育てます。
栄養価はグリーンアスパラの方が豊富です。ホワイトアスパラは口当たりや風味が良く、栽培に手間がかかる作為、値段は少し高めです。
ほんの少しの塩気を帯びた、茹でただけのシンプルなホワイトアスパラガスにフォークを入れる時は緊張します。一番好きな食べ方ですが、一切のごまかしが利かない究極の調理です。下ごしらえはグリーンアスパラと同じように根元で無理なくポキっと手で折れるところから、上の部分をいただきます。茹でる時は皮を剥いた後も一緒に茹でます。レモン果汁を少し落とすといいですね。
ドイツでは、白アスパラはシュパーゲルと呼ばれとても人気です。収穫時期は4月中旬から6月24日までと決まっているそう。いつか産地のヴァルベック村のレストランで、アルザスワインを片手に思いきり堪能したい願望があります。

6/6

アスパラガス・グリーンアスパラ

食養生のススメ・薬膳・まいにち食薬養生帳・井澤由美子・アスパラ・昆布締め・グリーンアスパラ

アスパラには疲労回復効果のあるアミノ酸の一種「アスパラギン酸」が豊富。野菜の中でも免疫力を高める効果が高く、特に穂先の方に含まれるルチンはビタミンCと共に血管を丈夫にし、血流をよくします。
アスパラはヨーロッパやロシアなど冷涼地で育ちやすく、日本では以前は北海道産が主流でしたが、近年では他の地域でも美味しいアスパラが育ちます。我が家にはいろいろな農園からアスパラが届きます。産地が一緒でも農家さんによって味わいが違いますよ。ワインのテロワール(土壌、その土地の気候)と一緒ですね。土に近いアスパラの下の方の皮を剥いて、生のまま口にしてみるとそれがよくわかります。
アスパラは根元でポキっと折れるところがあり、そこより上を調理します。保存する時は、湿らせたキッチンパーパーに包み、密封袋に入れて穂先を上にし、立てて野菜室へ。
アスパラはシンプルに塩茹でも美味しいですが、昆布で挟んで数時間寝かせると、なんとも粋な昆布締めになります。

6/4

青梅(うめ)・梅仕事・梅甘露煮

青梅・うめ・梅・食養生・12ヶ月の手仕事・季節の手仕事・井澤由美子・二十四節気・食薬・まいにち食薬養生帖・小梅

庭にポトリポトリと落ちる青梅。梅仕事の手始めは、すぐにいただける甘露煮を作ります。傷がついてない梅を選んでよく洗い、竹串の先でヘタを取って、できるだけ小さく数箇所穴をあける。ホーロー鍋に梅を入れてかぶるくらいの水を加えて5〜10分ほど煮ます。この時火加減は必ず極弱火で(強いと皮が弾けてしまう)。水をかえて氷砂糖を加え、厚手のキッチンペーパーをかぶせ、弱火でさらに10〜15分ほど煮て冷まします。梅を取り出して清潔な保存容器に入れ、煮汁を半量まで煮詰めて注ぐ。甘酸っぱい香りがキッチンに広がって、梅仕事の幸福なひと時が今年もまた始まりました。毎年もたらされる自然の恵みに感謝しながら過ごすひと時です。
薬膳では氷砂糖は肺を潤す効果が期待でき、梅は唾液の分泌を活発にしたり疲労回復を助ける働きがあります。甘露煮のシロップは炭酸や冷水で割っていただくと汗がひき、心身が癒されます。
後少ししたら南高梅が色付きそうです。こちらは黄色くなってから虫あみでそっと手繰り寄せて追熟させてから梅干しにします。
傷がついてないものを選んでよく洗い、ヘタを竹串の先で取って、できるだけ小さく数箇所穴をあける。

6/3

空豆・蚕豆・そら豆・天豆・一寸豆・お多福豆・がん豆・豆板醤

まいにち食薬養生帖・健康・薬膳・豆板醤・薬味・蚕豆・空豆・天豆・がん豆・一寸豆・お多福豆・豆

日本ではいろいろな呼び名が可愛らしいそら豆は、世界で最も古い農作物の一つだそうです。中国の調味料の豆板醤が作られた当初は、唐辛子は入っていませんでした。現在では、空豆に唐辛子と麹を加えて熟成させ作る辛いものが主流です。ちょっとヒラメいて旬のそら豆を使ったて、味料を作ってみました。ソラ豆を蒸し、すり鉢に入れて塩麹とほんの少しのごま油を加えて滑らかなペーストにします。えびやほたてのムースと合わせて型に流して固めれば、色鮮やかな一品になります。
そら豆は、たんぱく質、ビタミンB1、B2が豊富で、疲労回復にや胃腸機能を高める効果が期待できます。また、利尿作用があり、余分な水分を排出してくれるのも嬉しいですね。
そら豆は鮮度が落ちやすいので、さや付きを購入して調理する直前にさやから出しましょう。新鮮なものは皮も柔らか、栄養や食物繊維があります。
さやごと調理してもいいですよ。数カ所穴をあけて、さやごと酒蒸しにしたり、グリルや炭でさやが黒くなるまで焼くとふっくらと蒸し焼き状態になります。穴を開ける場所は、豆のないくびれた部分を狙って刺して下さい。大人になってから良さがわかったそら豆、見かけるとついつい手が伸びます。

6/2

フジテレビ「四季彩キッチン」葉生姜

食養生・体温め・井澤由美子・中医学・料理教室・生姜・葉生姜・新生姜・旬野菜

「葉しょうが」は柔らかく筋がないのにシャキシャキとした食感が魅力的です。旬は5月から8月頃まで、みずみずしく清涼感のある爽やかな香りが際立って、辛味が何とも心地良い野菜です。葉生姜や生姜の辛味成分には食欲増進効果があり、胃もたれした時などにもおすすめ。薬膳では吐き気止めにも効果があるとされ「生姜は百邪を防衛する」と、漢方の古書にも書いてあるほど、薬効が高い生薬です。生は殺菌力が高く、加熱すると体の芯から温める効果が生まれます。
葉生姜は柔らかいのでそのままみそやマヨネーズで食べても。スパイスと黒糖で煮詰めたジンジャーシロップや甘酢漬けにすると美日持ちもします。
番組でご紹介したつくねは、葉生姜の消化を促進する成分が、肉の油っこさを軽減し、肉の脂で生姜の辛味がやわらいで食べやすくなっています。焼き鳥屋さんに期間限定であったらつい頼んでしまうような大人好みつくね。番組進行役の林修先生は、「こりゃ美味いよっ!」とおっしゃっていました。。
レシピをご紹介します

●葉生姜つくね
 材料(約10本分)
鶏ひき肉     200〜250g
卵        1個
おろし玉葱    大さじ2
塩、胡椒     各少々
タレ(醤油・酒・水各大さじ1・みりん大さじ2)
ごま油      小さじ2
作り方
1、葉生姜の葉をフライパンに入る長さに切り、3本を手で折って離しておく。
2、ボウルにひき肉と塩、こしょうを入れてよく混ぜる。水気をきったおろし玉ねぎ大さじ2、卵白1個分を入れてよく混ぜる。1の葉生姜の先端4、5cmを芯にして、ひき肉だねを包むようにして形を整える。
3、フライパンにごま油を熱し、2を入れて中火で全体に焦げ目をつけるように焼く。フタをして火が通るまで中弱火にして2分ほど蒸し焼きにし、タレの材料を混ぜて、鍋肌から加えてからめる。器に盛理、卵黄を添える