井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

季節の食材を知って、毎日の食生活を豊かに。
食べて元気になれる、栄養豊富な旬の食材を日替わりでご紹介します。

2020年 2月の記事

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ふきのとう・蕗の薹

蕗の薹・ふきのとう・井澤由美子・食養生・食薬ごはん・山菜・デトックス・薬膳・

春の訪れを最初に告げるふきのとうは、日本原産の山菜。春先のスキー場で見つけては、母へのお土産にしていたのが懐かしい。ふきのとうを手に入れたら、とにかく早く調理して香りと水分が逃げないうちにいただきたい。摘みたてをてんぷらにすると香りがグンと開きますよ、葉を広げるようにして薄い衣に潜らせてサッと揚げると花のようになって可愛らしい。白身魚のすり身と混ぜてお椀に落としたしんじょうは、春の訪れを感じさせてくれます。みそと砂糖を合わせたほろ苦いふきみそは、ごはんのお供や、田楽、和え物など何にでも合うので毎年沢山作りおきます。
春の山菜の苦みは、冬に溜まった老廃物や毒素を排出するなどデトックス効果が高いので、積極的にいただきたい食材。

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和菓子・京菓子

生活の中に和菓子や餅文化が寝付いている京都。季節や行事に合わせて作られる研ぎ澄まされた職人技が詰まったお菓子は雅なかぎり。街並みに溶け込む木型屋さんの軒先を通るとを、美しい和菓子の型にワクワクします。1月は花びら餅、2月は椿餅、3月は引千切、4月は桜餅、5月は柏餅、6月は水無月、7月はあんころ餅、8月は水ようかん、9月は月見団子、10月は栗鹿の子、11月は亥の子餅、12月は雪餅と続きます。
京都に行くたびに顔を出すお茶屋さんに寄って、手にした和菓子に合わせて厳選してもらい、お土産にする。菓子とお茶がピタリと合って至福の時間がゆっくり流れます

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酒粕(さけかす)・美肌効果

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醸造過程でもろみから酒を絞った後に残るのが、酒粕。食物繊維が多く、糖質やたんぱく質も含む非常に栄養価が高い発酵食品です。酒粕に含まれる話題のレジスタントプロテインは、血中コレステロールを減らす働きがあります。食物繊維と同様に整腸作用も促します。
皮膚や粘膜を補うビタミンB2も多く含まれるので、美肌効果が高いのも嬉しいですね。糖尿病、高血圧、便秘解消にも有効です。酒粕には板粕、バラ粕、練り粕などがありますが、熟成させた旨みのある練り粕は、柔らかくて調理しやすい。板粕ならみりんと合わせて600Wのレンジに40秒ほどかけると、さらに柔らかくな理、甘味もついて漬け床に丁度良い具合になります。酵素の働きも高まります。
別冊きょうの料理NHK「シニアの元気 ・菌の力でおいしいレシピ」に酒粕のことやレシピものっています。

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キムチ・ポッサムキムチ・発酵食

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韓国は世界の中でも有数の発酵食大国。キムチを朝、昼、夜といただくからだそうですが、当然キムチを作る量もとても多く、家族、ご近所総出で手作りします。キムチ用の冷蔵庫も各家庭に常備されているのが当たり前の文化。私もキムチ好きですが、中でもポッサムキムチが特に好み。栗やナツメ、松の実、アミの他に、カキ、タコなどの海鮮類なども入るので、辛いばかりではなく旨味と甘みが複雑に重なりあって、コクがありとても美味しいと思います。
ポッサムとは包むと言う意味だそうで、外側の葉で具を包み2〜3週間ほど寝かせます。贅沢な材料で作られるので、王様のキムチとも呼ばれるそう。
ちなみに韓国の白菜は葉の厚さや形が違って、日本の白菜よりやや小さめ。贅沢な具材もおさまりやすく、形良く仕上がります。日本の白菜で作る場合は小ぶりのものを選ぶといいですね。

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花粉症・根菜・デトックス

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辛い花粉症にお悩みの方も多いですよね。アレルギー症状は免疫が関係しているので、腸内環境をととのえる食べ物が有効です。たとえば、食物繊維が豊富な根菜類(大根、にんじん、れんこん、ごぼう)に、同じく腸によい発酵食品のみそを組み合わせた煮物などを食べるとよいですよ。同じ理由で、茹で根菜のヨーグルトサラダなどもお勧め。このコンビは特に夜の食事にいただくようにするのがポイント。腸の動きが活性化するのが22時~翌2時頃なので、夜食べてよい菌を腸に送ります。
ちなみにれんこんは喉、鼻の症状に効き目がありますよ。
2〜3月の花粉症の時期は、ネトルやミントのハーブティーがお勧めです。鼻がグズグズして苦しい時は、タオルを熱湯で絞って鼻にあてると少し楽になります。

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ブロッコリー

ブロッコリーは野生のキャベツを品種改良したもので、さらに突然変異を経て、改良されたものがカリフラワーです。胃腸を元気にする効能が期待でき、免疫力を高める野菜としてイタリアなどでも古くから栽培されてきました。栄養面では、カロテンやビタミンE、C、鉄分、繊維が豊富。抗酸化作用が強く疲労回復を助けます。茎も皮をむいて食べやすく切って、使いましょう。ビタミンCは水に溶けやすいので、茹でる時はなるべく短い時間がベター。特に水をあまり使わない蒸し料理などお勧め(レンジ調理でも)しっとりと柔らかく美味しくいただけます。

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レモン・乾燥レモン・デトックスウオーター

薬膳・食養生・リラックス・デトックス・国産レモン・マイヤーレモン・レモン塩・ドライレモン

我が家のベランダ菜園のレモンは、今年も元気に実りました。レモン塩、レモンシロップの他に、乾燥レモンも作ります。粗塩で表面をこすり洗いし、ごく薄切りの輪切りにして、干して乾燥させるだけ。低温のオーブンでも良いですし、ドライフルーツ用の乾燥機だとより簡単です。乾燥後は、空き瓶などに入れてお菓子や海苔についてくる乾燥剤を一緒に入れて保存。料理やお菓子、飲み物に1枚入れるだけで表情が変わり香りも立ちます。スポーツをする時に数枚持って出かけ、水に入れてフレーバーウオーターしても。粗塩や甘味を少し加えるとスポーツドリンク風になります。私は紅茶にポンと入れて、爽やかな香りで気の巡りを良くします。気分がリフレッシュし、皮ごとたべられるので疲労も回復します。デスクやキッチンに置いておくと、鮮やかなビタミンカラーで元気になります。

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鰤・ぶり・嫁ぶり

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脂がのった寒ぶりは、こたえられない美味しさです。ぶりは出世魚で、関東では成長順にわかし・いなだ・わらさ・ぶりと呼ばれ、30㎝くらいのいなだまでは私も釣った事があります。ちなみに関西では、つばす・はまち・めじろ・ぶりと呼び名が変わります。さばいてから少し寝かせても美味しいので、お刺身でも2、3日は楽しめます。先日、氷見から届いた10キロのぶりと格闘しました。お刺身やしゃぶしゃぶで、カマの部分は塩をキツめにふって炭火でパリッと焼き、大根おろしと柚子果汁でいただきました。血合い部分は、醤油とみりん、柚子スライス2、3枚を合わせたタレに漬けました。
ぶりは血液をサラサラにするはDHAが豊富。脳細胞内にDHAが増えると記憶力の向上やアルツハイマー予防になると言われています。
熊本には「嫁ぶり」なる文化があります、結婚して迎える初めてのお正月に、婿方からお嫁さんの実家にぶりを送る風習があるのです。「大切なお嬢様を頂いて有難うございました」と言うご挨拶なのだそうです。なんともステキですね。

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ピスタチオ・バクラブァ・BAKLABA

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バクラヴァは、透けるように薄く伸ばした生地を何層にも重ねてさらに伸ばし、さっくりと焼いたトルコのお菓子。焼きたてにレモンの風味をふんわりつけたシロップを染み込ませるのですが、とても甘くインパクトがあります。生地作りのお手伝いをしましたよ。家庭で作るには、少し手間がかかるので、冷凍のパートフィロを使います。耐熱容器にシート1枚をしき、溶かしバター、シート、バターの順に7枚重ねた後、砕いたピスタチをx全体にたっぷり散らしたら、また7枚同じ要領で重ねて14の層にします。一口大に切り、200度のオーブンで30〜40分焼く。裏をみて、こんがり焼けていれば出来上がり。小鍋に水とメープルシロップ、櫛形に切ったレモン4分の1個を煮立て、好みの甘さに調節したものを全体にハケで馴染ませます。ポイントは、パイは焼き立てで、そしてロップが熱々であること。熱いうちにしみ込ませると、味の馴染みが良くなります。トルコ料理では、鮮やかなピスタチオはお肉のマリネやソースにも使われています。ピスタチにはオレイン酸が含まれ、悪玉コレストロールを減少させる効能が期待できます。

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節分・恵方巻き

井澤由美子・養生ごはん・美人・二十四節気・恵方巻き・節分・立春・海苔巻き・太巻き・食養生

2020年の節分は2月3日の月曜日、恵方は西南西です。恵方とは「歳徳神」と呼ばれる縁起の良い神様がいらっしゃる方向。今年は、十千(じっかん)の庚(かのえ)と十二支の子(ね)を合わせた(庚・子)の方角で,毎年変わります。今年も酢飯屋さんの太巻きを、恵方に向いて皆で頂きます。
節分は季節の節目に邪気を払う風習が中国から伝わり、立春、立夏、立秋、立冬の4つに区切られていて、各季節の始まりの前日を示すようです。
豆まきは、鬼は外(邪気を払い)・福は内(幸運を呼び込む)と声を立てて厄除けをする風習ですが、大人ばかりの我が家では、心ばかりに楽しんだ後、豆おこわにして楽しみます。米2合は洗って30分浸水させ、ザルに上げます。鍋に洗った米、酒大さじ2、粗塩小さじ1、米油少々を加えてひと混ぜし、昆布一切れ、豆まきの炒り大豆を半カップほど入れて普通に炊きます。少し豆が余る場合は、糠床に入れて余分な水分を吸わせます。ふっくら戻った糠漬けの豆は美味しくいただきます。大豆は血液をサラサにし、体脂肪の減少、便秘改善にも役立ちます。