井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

季節の食材を知って、毎日の食生活を豊かに。
食べて元気になれる、栄養豊富な旬の食材を日替わりでご紹介します。

2019年 6月の記事

6/30

発酵食・鰹節(かつおぶし)・おかか焼き飯

鰹節にはグレードがあり、4回以上良質のカビ付け工程を繰り返して天日干ししたものが本枯鰹節になります。お出汁は澄んでいても旨みが深い。鰹節は生鰹の水分を徹底的にぬいて乾燥させ、栄養分を凝縮させて保存性を高めたもの。ビタミン類、カリウム、ミネラルなどと、体内では合成できない必須アミノさん9種類の全てと、ストレスに良い物質のトリプトファンを含む。ギャバ(脳をリラックスさせる)が豊富な、ぬか付けと合わせれば、リラックスする効果がより高くなります、昔から食されている当たり前の日本の食卓風景ですね。おかか焼き飯美味しいですよ、炒めたごはんにすりごま、ミツバ、おかかをたっぷり加え炒め、塩、ナンプラー、醤油で味付けする。休日の焼き飯です。

6/29

八丁味噌・豆味噌

大豆と塩のみで作られる豆味噌。長期熟成させるので硬めで赤黒い色をしており、愛知県岡崎市が有名です。江戸時代に徳川家康発祥の地である岡崎城から西へ八丁離れた味噌蔵で作られていたので、八丁味噌と呼ばれています。戦国時代には小さく丸めたものを、陣中食として腰袋に入れて携帯していたそう。三河地方では沿岸の吉良の塩と、矢作大豆が手に入りやすかったので豆味噌になりました。味噌煮込料理などは三河味醂と調理されますね、コクがあるので鯖の味噌煮などにも適しています。栄養価が高く皮膚の再生力も期待できる豆味噌。油焼きしたなすの赤だし味噌汁は我が家の夏の鉄板です。

6/26

ヨーグルト・冷製スープ・発酵食

ヨーグルトの本場、ブルガリアの冷たいヨーグルトスープ・タラトル。風邪をひいたり、体調が悪い時にもヨーグルトを食べる風習のあるブルガリア。手作りも当たり前で、日常的にたっぷり料理に使います。きゅうり1本分の皮をところどころ剥いて粗みじん切りにし、オイル大さじ1、おろしにんにく、クミン、レモン果汁各少々とヨーグルト2カップを加え混ぜ、牛乳や水1カップくらいで飲みやすく伸ばし、塩、胡椒で味を整えます。冷蔵庫で冷やして器によそい、オイルをさらにひと垂らし。柔らかいディルを添えるとより本場風になります。
ヨーグルトは発酵食ですが、グッと腸に効かすには野菜の食物繊維、ビタミン、良質のオイルと共に摂取することが大切です。お腹に効くスープ、旬の野菜や好みのスパイスを加えてもいいですね。

6/25

梅(うめ)ビネガーシロップ

写真 2

庭の南高梅です、完熟して落ちそうなものを100円ショップで買ってきた虫網で捕獲?しました。洗ってザルに置くのですが、甘酸っぱい香りがキッチン中に充満します。あんまり香りがいいので、部屋に持ち込んで枕元に置いて寝たりして(1日だけですけどね、杏やりんごでもついつい)。今日は梅のビネガーシロップ=梅1kgは傷があるものは除き、3時間ほど水につけてアク抜きをし、ヘタを竹串などで取って水気をしっかり拭いて下処理。消毒した保存瓶に氷砂糖500gの半量を入れ、梅を入れてりんご酢をかぶるくらいに注ぎ、残りの氷砂糖を散らす(酢から梅が出ないようにラップをかぶせる。甘みはお好みで足す)1週間位は1日に1回やさしくふる、完熟梅なので1,2週間位い寝かせると出来上がりです。ソーダやミルク割り、香りのよい酢の物やお料理に最適、素麵つゆに少し加えても。疲れがパッと消えます。

6/24

蓴菜・純菜・じゅんさい

和食屋さんに行くと厚いゼラチン質に覆われたプリプリのじゅん菜に出会える季節。じゅん菜は、澄んだ淡水の池や沼に生える水草の若い芽で、スイレンと同じように水面に浮かんでいます。暖かい陽気になっても山から流れ込む水は冷たく、過酷な作業です。小ぶりで膜が厚い良質なじゅん菜が食卓に上がるのは年に数回。購入した後は、ボウルに流水を細めに落としながら優しく洗いザルにとります(下処理は商品によって異なる場合があるので表示をご覧くださいね)。熱々の和出汁のお椀や、器ごと冷やした酢の物などにして、涼やかな風貌も楽しみます。野菜や魚の冷やし鉢に餡にして落としてもいい。秋田県が有名なじゅん菜、日本全国の畑に多く出向いていますが、水系はわさび止まり。来年こそは木桶船に乗ってじゅん菜を採ってみたいと思っています。みずみずしいじゅん菜は食物繊維が豊富、ツルンとした喉越しと見た目のクリアな清涼感に癒されます。

6/23

枇杷(びわ)

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枇杷は実を食べるだけでなく、葉もその高い薬効から日本、インド、中国で昔から民間難病治療などに使われてきました。実より薬効の高い葉は血液を浄化し、炎症を抑える効果があるそうで、お灸と共に使われることもあります。自然食品店などでも購入できます。粒が大きめで完熟している枇杷の果肉は、繊細な香りとさらりとした上品な甘み。肉厚の食べ頃のものはみずみずしく、皮もスーッと剥きやすい。コンポートなども良いですが高貴な香りを吸い込みながら、まずは冷やした完熟をそのままいただくのが正解。今年は皮と種を取り、ブランデーと氷砂糖に漬けて枇杷種を作りました。

6/21

メロン

メロンは本当は果菜(野菜)の定義。しかし、市場や栄養学上の分類では果実、果物として取り扱われます(苺やスイカも同じです)。一般的にメロンは糖度が高い果物というイメージですが、カリウムが特に多く塩分が気になる高血圧やむくみの気になる方にはオススメです。メロンのビシソワーズはよい組み合わせ、配合がよければとても美味しいジャガイモのスープになります。ワインのお供としては生ハムメロンが定着していますが、メロンの熟し加減でこその美味しさ。旬のメロンをポンと割って種を取り、ビンごと凍らせたトロリと冷たいジンでジンメロンもアダルトでいいし、ソーダにアイスを乗せて本物メロンクリームソーダも楽しい。オススメはキリッと冷やしたメロン、少し辛味のあるオリーブオイル、摘みたてバジルを散らしたバジルメロン!

6/17

朝活・甘酒バナナスムージー    

スムージーの中でスタッフに1番人気なのは、やっぱり甘酒スムージー。どなたが飲まれても美味しく感じるのと、デイリーに作れ、お腹にしっかり効能があり、エネルギーチャージが速やかに出来る。色々な材料を揃える必要もなく、氷も入れないので薄まらず美味しい。バナナが甘酒をさらに飲みやすくします。発酵食であるブドウ糖とビタミン豊富な甘酒、バナナの水溶性と不溶性の植物繊維と合わせると善玉菌を増やし腸がさらに元気になります。お子さんや高齢者の方にもお勧めですよ。バナナを輪切りにして冷凍し、甘酒とミキサーにかけるだけ(氷代わりに冷凍カットバナナを浮かべるだけでも)、仕上げにふるシナモンは香りとともに、活血(かっけつ)作用があり、身体を温める効能が期待できます。

6/15

パン・天然酵母

毎年訪れる蘭島(小樽)の岬のてっぺんにあるAiguse Vives(エグ・ヴィヴ)さん。お店に入ると香ばしい香りと凛とした空気がただよう、パンに力があるからでしょうか。
良質な水と天然酵母で作られたどっしりとした重いパン達は噛むとどれも味わい深く力強い。上質なチョコレート、フルーツ、ナッツなどがを使った素敵な大人菓子も焼いている。バターが香るクロワッサンに関しては、口溶けがよくてビックリする。本物のクロワッサンはただサクサクしているだけではないと言った、ジョエル・ロブションさんのコメントを想いだした。料理はお皿の中に自分がでる、パンも作った人に似ると思う。私は、こちらのパンのファンです。

6/12

ニューサマーオレンジ・日向夏(ひゅうがなつ)・柑橘

レモンイエローのビタミンカラー、日向夏は高知県、宮崎県、静岡県などで生産される柑橘類の一つ。穏やかな酸味が食べやすく、爽やかな香りが心地いい。特徴は、りんごを剥くように外側の黄色い皮だけを剥いて、白皮(アルベド)部分と実を一緒に食せること。1㎝位の輪切りにしたり、真ん中に集まっている種をよけて、斜めそぎ切りにしても。旅先の農家のお父さんは塩一つまみをふりかけて食べるのが最高!と言ってましたが、こんなに鮮やかな黄色で、食べやすい柑橘類は大人になってから口に出来るようになりました。みずみずしさと柚子のような香り、果肉のジューシーさに感動します。地方によって、土佐小夏、小夏みかん、ニューサマーオレンジと呼ばれることも。クエン酸を含み、体内の酸性物質を減少させて疲れをとります。