井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

季節の食材を知って、毎日の食生活を豊かに。
食べて元気になれる、栄養豊富な旬の食材を日替わりでご紹介します。

2018年 6月の記事

6/29

梅干し・赤しそ・便秘・下痢

梅・梅仕事・梅干し・うめ・民間療法

お天気がいいですね、日中は暑くなりそうです。晴れが続く予報だから今日は梅干し日和。天日干し作業にいつでも入れるように、ここ二十日ほど寝かせてある梅があります。毎年、赤しそを入れた赤梅バージョンと白梅バージョンを20日を用意。
ザルいっぱいに広げて天日干しにする作業が楽しいのです。日に数回返して皮をつまんで干し加減をみながら天候や梅の大きさによって2〜5日間干します。天日干しが終わったら、梅酢の瓶に戻して漬けます。ふっくらとして香り良く仕上がった梅干しは、料理にも大活躍します。
具は入れず、梅干しだけを加えたシンプルな茶碗蒸しは温かくても冷やしても美味しい。卵液に塩気が広がって、梅干しのクエン酸がゆっくりと疲れをほぐしてくれます。病中病後にもおすすめですね。
日本のおかゆに梅干しが添えられているのは、味付けだけが目的ではありません。梅干しを食べると唾液の分泌が良くなり、消化を促進するからです。便秘や下痢などにもよく、昔ながらの梅干しは薬としても重宝されてきたのです

6/25

夏の薬膳・ズッキーニ

ごく身近な食材からでも、薬膳の効能を得ることが出来ます。今日は相須(そうす・同じ薬効をもつ食材の組み合わせで効果を上げる)の一皿、茄子とズッキーニのあぶら味噌炒めをご紹介。なすは輪切りにして軽く塩もみする(こうすると油を吸いすぎない)、ズッキーニも輪切りにする。フライパンを中火にかけ、ごま油を馴染ませたら豚こま肉を色が変わるまで炒め、切った野菜を加える。しんなりしたら野菜がきび砂糖、油味噌、酒を混ぜて加え、全体にからめながら炒める。刻んだしそやすりごまで風味をつける、日持ちもするので常備菜にも◎。健康の為には食品添加物を多く使う食品、漂白や精製してある穀類できるだけ避けることが大事です。食物繊維が豊富な旬の野菜や果物、海藻、玄米、豆類などを食すようにしましょう。

6/24

さや大根・大根の実

さや大根・大根の実

さや大根は、花が終わった後に出来る実の部分で、今時期だけのお楽しみ。
ルッコラなどのアブラナ科系のものは同じようにさやに種ができます、口にするとルッコラのような風味がします。畑でポンと口に入れたさや大根は、柔らかくて少し辛味があって大根の味がほんのり。さやはそのまま生でつまんだり、サラダなどにして堪能できます。スープに浮かべたり、さっと茹でたり炒めてもいいですね。気の巡りがよくなるパクチーやフェンネルも小さな花をつけている6月、さや大根をあしらうとふんわりとお皿の上が華やぎます。

6/16

鮎・小鮎(こあゆ)

魚の中で鮎が一番好きです。
先日、お土産にいただいた琵琶湖の小鮎の串刺しは、4、5㎝の小さな鮎をを調理したもの。炙ってあり、辛子酢味噌が添えられていました。
生きているうちなら鮎はお刺身でもいただきます。氷をはった器に青紅葉をあしらい、美しく盛られた鮎は涼やかで風流、初夏を感じます。
赤味噌に甘みを加えて滑らかに練ったものに内蔵(うるか)を加えた「うるか味噌」は、ほんのりとした苦味が生きて、揚げなすとの相性は天下逸品。ご飯が何杯でも食べたくなります。これらは新橋「鮎正」さんで毎年楽しみにいただくスペシャリテです。
津和野にある本店の丸々太った子持ち鮎も、初夏の鮎とはまた一味違い美味。
鮎は川によって、香りや苦味が違うように思います。ビタミンEを多く含むあゆは、老化予防に効果があるそうです。

6/15

薏苡仁(よくいにん)・ハトムギ・薬膳

昔からイボを取る生薬として有名な薏苡仁。薏苡仁はハトムギで、体にある余分なもの老(老廃物)を排出すしたり、美白効果も期待できるそうで、化粧品などの原料にもなっています。
薏苡仁は、飯と炊き込んだり、煮物に入れたり様々な料理に使えます。粒感や味が気になる方は、薏苡仁の粉末を購入するとよいでしょう。白玉団子に混ぜて団子を作り、スープやぜんざいに入れると食べやすくなって美味しいものです。

6/14

アスパラ・クミン・肌荒れ

アスパラには疲労回復を助けるアスパラギン酸やビタミンB群が豊富。ビタミンC,E、βカロテンを含み、高い抗酸化作用でお肌を守る効能も期待できます。βカロテンは油と一緒に摂取すると身体に吸収されやすくなるので、炒め物やドレッシングを使うサラダがお勧め。アスパラとオクラの豚バラ炒めのクミン風味は少し暑くなってきたこの季節にぴったりの一皿。クミンは防腐効果があり、古代エジプトではミイラにする時に使われていたそう。また、漢方では胃腸薬としても知られ、腸内ガスの排出などを促します。アスパラ、オクラの繊維は便通作用を促すので、胃腸を整える相乗効果のある組み合わせです。食感のコントラストも楽しめますよ。

6/9

梅仕事・ホット梅ジャムvol・3

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まだ青い梅でも、置いてあるだけで部屋中良い香りが漂います。追熟させる時はベッドサイドに置くと、素敵な梅アロマで良い夢がみられそうな気がします。梅酒や梅干しを作る時に傷があるものをはじき、それらを集めてジャムにします。
完熟梅を30分水に浸し、竹串でヘタを取る。ほうろう鍋(あれば)に水と梅を弱火にかけ、手を入れて熱すぎない温度でゆで、これをもう一度繰り返す。梅を鍋に戻し、梅と同量の砂糖を加えてこまめにアクを取りながら弱火で煮るだけ。厚手のキッチンペーパーをかぶせて煮ると、ペーパーがアクを吸着してくれるので、便利ですよ。煮崩れて現れた種は、ぜひ捨てないで保存して。まだ温かい内に口に放り込めるのは作り手の特権。甘酸っぱくて何とも美味。果肉が少し残る種を煮物に入れると、風味が立って粋な一皿になります。私の好きな梅ジャムの食べ方は、ジャムがまだ熱いうちに、カリッとトースしたパンにバターと一緒にたっぷりのせる!梅の甘酸っぱさと香り、バターの芳醇な塩気とコクがベストマリアージュです

6/7

鰯(いわし)・ディル

いわしは脳を活性化させるDHAが豊富な上に、皮膚や粘膜を守るビタミン B2も多いので肌をうるおす効果があります。
いわしは全体がピンと張ってツヤがあり、目が澄んでいるものが新鮮です。必ずその日の内に調理しましょう。火が通りやすいので短時間で調理でき、色々な味付けや調理法で楽しめます。いわしを玉ねぎと甘酢でマリネすれば血液サラサラ効果たっぷりの一品に。マリネには魚と相性の良いハーブのディルを千切って合わせるのもお勧め。
ディルはちょうど今が旬で胃腸を整え口臭予防にも役立つと古来から珍重されてきた薬草です。

6/5

梅・梅遊び(うめあそび)

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梅仕事をする時に水に梅を漬けてアク抜きをします。水をはった容器に梅をポトンと落としたとたん、梅の周りに銀色の膜が覆います。毎年観ているのに、写真を撮らずにいられないくらいキレイです。
青梅は梅酒の他に甘露煮にし、もう少し暑くなったらかき氷のトッピングにして楽しみます。かき氷は粋(すい)か青梅のシロップ(甘露煮の煮汁)でしょう。私は大量に青梅を仕込むので、花を生けるのに使うけんざんで梅の表面に穴をあけます。一気に作業が進めので、便利ですよ(けんざんは梅専用にしています)。

6/3

梅・梅仕事 ・梅酒の作り方

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梅仕事の季節です。大きくなった実がポトンポトンと庭の地面に落ちる音が聞こえると、梅仕事はじめの合図。落ちた実は洗って、水に半日浸して竹串でヘタをとり、清潔な保存瓶に、水気を拭いた梅を入、氷砂糖500gを上から加え、焼酎1,8ℓ(またはブランデー)を注ぐ。時々瓶ごとゆすって氷砂糖を溶かす、2〜3ヶ月くらいしたら香りよい梅酒ができます(1年置くと熟成され、さらにこなれた風味に)梅酒はとてもリラックスする香りで、アペリティフ(食前酒)レモンを浮かべたソーダ割りなどもいいですよ。梅の実は酢豚など、甘みと酸味が必要なお料理に使うと絶妙な一皿に。