井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

季節の食材を知って、毎日の食生活を豊かに。
食べて元気になれる、栄養豊富な旬の食材を日替わりでご紹介します。

2015年 7月の記事

7/30

大蒜(にんにく)・フレンチローズ

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畑のお手伝いをしてフレンチローズと言うにんにくのお土産にいただきました。束ねて切りそろえ、キッチンに吊るそうと思っています(写真は乾燥した後のにんにく)。このにんにくの品種はスペインからフランス、イタリアまでの地中海に面する地域で作られていて、特にフランス南西部の名産品だそう。アイユ・ドウトンヌ・ロートレックとも呼ばれ、画家のロートレックの名にちなんでいます。外側の皮をむいてみました。思わずワッと言うほど可愛いピンク色が表れて、これにはテンション上がります、庭の唐辛子を摘みに行って、まずはアーリオ(にんにく)・オリオ(オリーブオイル)・ペペロンチーノ(唐辛子)に。風味などすべてに品があって「フレンチローズ」の名前にピッタリです!保存状態が良ければ12月まで芽がでないそうです。

7/29

小麦・麦畑(こむぎ・むぎばたけ)

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海辺の真ん前の市場や料理店、宿に鮮度のよい魚介を期待するのと同じように、小麦畑の前で焼かれるパンやお菓子にもワクワクする。作り手の顔がすぐ目の前に見える道産小麦100%のその付加価値にテンションが上がります。製粉されてパンやお菓子、麺類の原料になる小麦粉は、タンパク質やグルテンの質や量、粉粒子の大きさにより薄力粉、中力粉、準強力粉、強力粉に分かれる。炭水化物が主成分でビタミンB1も多く、神経を安定させる作用や脳の働きを活発にするなどの効能が。麦芽や、ごはんで言えば玄米にあたる全粒粉は栄養価がさらに高い。香りよく、ずっと飽きずに食べられるパン。十勝帯広に広がる刈り入れ前の小麦畑。少し日が傾いた夕暮れ時は、金色の麦がそよいでキラキラしていました。

7/27

牛乳(ミルク)・WILD MILK

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大きな声で話しかけてみたら、みんなでのそりと寄ってきた。自由に広々とした牧場でそれぞれがゆったり過ごしている。夏真っ盛りの北海道、青々とした草をたっぷり食す牛達。食べる草によって、牛乳の色と風味が変わるそう。フタの裏に、生クリームがつくほど濃くて甘味がある。香りがプンとして、喉を通りすぎるなめらかなミルクは、濃厚だけれど品がよく、なぜかスッキリしている。ゴクゴク飲める少し小さめのビンに入った冷たいこのミルクは、毎日飲みたいくらい上質だった。

7/25

鶏の唐揚げ・半身揚げ

とりの唐揚げ・唐揚げ・チキン

鶏好きで唐揚げが大好きです。普段リクエストが多いのは塩唐揚げか、醤油ベースのスタンダーな味。塩唐揚げはレモン塩のエッセンスを馴染ませて揚げます。醤油唐揚げはおろし生姜、潰しにんにく、みりんをほんの少し加えてもみ込んだものです。下味をつけたら小麦粉をもみこみ、揚げるすんぜんに片栗粉をたっぷりとまぶします(レモン塩の皮にも片栗粉をまぶして揚げるとよい箸休めになります)。カラリと揚げるポイントは、色ついてから箸やトングで2、3回空気に触れさせる事。
骨つき鶏の半身に、調味料を2日間くらいしっかり馴染ませて一晩干したもの(ラップなしで冷蔵庫に置く)をじっくり揚げてもパリッとジューシーに揚がります。小樽に来たら、いつもテイクアウトするナルトさんの熱々の半身揚げは、唐揚げ好きにお勧めですよ。

7/20

木苺(きいちご・ラズベリー)・ハスカップ・カラント

木苺・キイチゴ

フランス語ではフランボワーズと呼ばれる木いちごはバラ科です。可愛らしい見た目と鮮かな色、甘酸っぱさがフランスのお菓子やソースには欠かせませんね。少し酸味のある小粒の木いちごや、カラントなどが通りすがりの山中の道の駅などで売っている北海道。東京では外国産のものを撮影などで使用するコトが多いのですが、国産はあんまり見かけないので嬉しい。くどくなくてフレッシュでいいなぁと思います。上質のカヴァやシャンパーニュに浮かべて、直ぐに旅先での素敵なミニ宴会。ビタミンCたっぷり、女子力もアップしますよ〜

7/17

鱈場蟹(タラバガニ)

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食べ応えのあるタラバガニは、カニと言いますが実はヤドカリの一種。太い足は8本、大きいものは足を広げると1メートル以上にもなるものもあるとか。北海道沿岸、オホーツク海、日本海、ベーリング海などに分布している。タラバガニはタラ漁の網に入って来るカニ、つまり鱈(タラ)のとれる場に居るカニなので、タラバガニと言うんですって!知らなかったです。小樽のタクシーの運転手さんから伺いました。亜鉛やビタミンB群、タウリンも含まれています。高タンパク低カロリーダイエットにも向いているかもですね。

7/11

たこ飯・蛸・タコ

大好きな本があります。高田郁さんの『みおつくし料理帖』心許りの「蛸飯」は、江戸時代の小料理屋のお話です。物語が自宅周辺なので地理がよく判って特別面白い。粋な言葉や料理が沢山ちりばめられ、スルスルと読めてしまいます。最終巻末付録にのっていた蛸飯は干し蛸を使っていました。読んでいて食べたくなったので、私なりのアレンジで作ってみましたよ。作り方です①米2カップを洗って水に30分つけ、ザルに上げて鍋か炊飯器に入れる。②生タコの足150g(茹でタコでも)を塩揉みして滑りを取り、薄いそぎ切りにして小鍋に入れ、酒、みりん、薄口醤油各大さじ2とさっと煮てそのまま冷ます。③②の煮汁と水を合わせて2カップにし、①のお米に山椒の実の塩漬けや細切り生姜大さじ1を入れて一混ぜする。焼き上がりにタコをさっくりあえて5分蒸らしたら出来上がりです。
愛媛県、香川県、岡山県など瀬戸内海岸地域ではタコ漁が多く、タコ飯が郷土料理にもなっています。東京駅などの駅弁屋さんを覗くと、タコ壺モチーフの陶器に入ったベストセラー「ひっぱりダコ飯」なども見かけ、その遊び心にワクっとします

7/8

水羊羹(みずようかん)

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羊羹(ようかん)は羊(ひつじ)の羹(あつもの)と書きます。もともとは中国の羊のスープ(冷めると煮こごり状になる)。肉食ができない僧侶の為に、小豆や葛などに精進料理として中身がかわったものが原型です。砂糖や寒天を加えて固形化したものが、時代をへて人気のお菓子となりました。
水ようかんは一般的なようかんより、水の配合が多いのでツルんとしていて喉越しがいい。暑い季節にしっかり冷やしたようかんをいただくのは至福の時、疲れもとれます。進物にもかかせないお菓子ですね、眼にも涼やかな竹に入ったものや、ギリギリの口どけのものまでいろいろ。どちらにしても夏のイメージですが、福井県では丁稚(でっち)ようかんとも言い真冬に食するそう、きっと暖かい部屋でこたつに入っていただくのですね!

7/7

素麺(そうめん)

今日は七夕ですね、「笹の節句」「星祭り」とも呼ばれています。意外に知られていませんが、七夕の日の食事はそうめん。これは千年も前からの行事食で、暑い夏に冷たいそうめんを食べ、無病息災を願う風習でもあるそうです。天の川や織姫の糸なども彷彿させますね。ルーツは「索餅」(さくべい)という中国の小麦粉で出来た繊細なお菓子。日本には奈良時代に伝えられ、索餅がそうめんに変化しました。氷水でしっかり〆るのが、ツルツルしこしこした歯触りのよいそうめんに仕上げるコツ。赤味噌で作った甘酸っぱい酢味噌でいただいてもオツですよ。まだ肌寒い七夕の夜は、ほっとする温かい煮麺(にゅうめん)でも。

7/3

ハトムギ(薏苡仁)

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ハトムギは漢方では薏苡仁(ヨクイニン)と呼ばれ、実の殻を除いたものです。身体の余分な異物を排出する効果があり、イボが取れることで有名(妊婦さんは禁忌ですよ)。美白作用もあるので化粧品などにも使用されています。少しクセのある味がしますが、水につけておいてお米と一緒に炊いたり、スープや煮物に入れたりすれば、そんなに気になりません。セロリや玉ねぎなどお家にある野菜を刻んでオリーブオイルでゆっくり炒め、ハトムギや大豆を加えてチキンスープで味付けした毒出しスープは朝食におすすめ。朝は不要なものを排出し、体を整える浄化の時間帯だとか、お部屋を軽く整理整頓してもいいですね。バタバタしてなかなか難しいですが、心と身体の毒出しをいつも出来たらいいなと思っています。