井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

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生姜(しょうが)・干姜・冷え

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今日は寒いですね、こんな時は生姜に手が伸びます。体をさっと温めるショウガオールとジンゲロンの効果は高く、慢性的な冷えも和らげます。少し濃いめのあんかけにたっぷりのおろし生姜をのせて、うどんや湯豆腐にかけたものは体と神経がほっこり温まる。少し多いかなと思うくらいの細切り生姜を炒め物や炊き込みごはん、スープにしてもいいものです。干姜(かんきょう)は芯から温めることができますよ、薄切りにしてザルに広げカラカラになるまで乾燥させるだけ、乾燥剤と密封保存すればいつでも使えて重宝します。写真は海老ワンタン、海老は海産物の中でも体を冷やさないので寒時におすすめのシーフードです。

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たらこ・明太子

明太子はスケソウダラの子(たらこ)を、唐辛子や昆布で辛味と旨味を漬けたもの。韓国でミョンテ(明太)と呼ばれるスケソウダラの子、明太子の語源です。たらこは鱈の子なので明太の子、なので明太子はたらこの事を指しますが、唐辛子を加えた明太子が普及し、辛子明太子=明太子と認識されるようになりました。生食用の塩漬けたらこ(甘塩たらこ)を、タレに漬けるだけのクイック明太子の作り方をご紹介します・小鍋に酒100ccと、きり昆布(昆布)適宜を入れて弱火で昆布を煮る。アルコールが飛んだら、カツオ節ひとつかみを加えて数分煮て、粗塩か柚子胡椒少々、あれば数種類の粉唐辛子を入れ、辛子を多く入れて辛くしたい場合は、砂糖やみりんを多めに加えます。しっかり冷ましたら、密封袋にたらこ2腹を入れてなじませ冷蔵庫で保存する。
添加物の入っていない美味しい自家製明太子、辛さも風味も好みに調節できます。私はゆずの皮や山椒の実の塩漬けなども気分で加えて楽しみます。少し古くなってしまった、たらこでもいいでしょう

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吉田うどん・うどん

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小寒ですね。まだ本格的な寒さではありませんが空気が乾燥して気温が低下するので、インフルエンザなどが横行します、手洗いをこまめにして気をつけましょう。
寒い時期はうどんが特に美味しく感じられます。山梨県富士吉田市郷土料理の吉田うどん。富士山の清らかな冷水で〆られた太めのうどんは、コシが強くもちもちとして1度食べると忘れられない食感です。茹でたキャベツと馬肉を使う、自家製唐辛子の辛味が必ずお店においてあるのも特徴的。出汁はお店ごとにこだわって麺とからまってとても美味しい。どれもおすすめですが、冷たい麺を温かい肉汁につけて食べると吉田うどんらしい醍醐味を堪能できる気がします。私は「白州さんちとしんたくさん」の昔ながらが、風景も含め好きです。思いたってドライブがてらに出かけると、美しい富士が目の前に観えてそれもまた爽快

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七草粥・(ななくさがゆ)・お粥の炊き方

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明後日は、新春を祝う春の七草(セリ・ナズナ・スズナ・スズシロ・ハコベラ・ゴギョウ・ホトケノザ)で七草粥を「朝」作り、無病息災を願っていただく日です。スズナ(蕪)やスズシロ(大根)は叩き(切っても)、葉ものも食べやすく切ります。米から炊いたお粥に入れ粗塩で味を整えます。今日はお粥の粒先がひらくような食感のよいお粥の作り方をご紹介しましょう=米1合は洗ってできればザルにひろげて30分ほど乾かす。鍋にお米の10倍量の湯を沸騰させて米を入れ一混ぜだけする。再度煮立ったら米油か菜種油を小さじ半ほど加えフタをして弱火でゆっくり25分ほど炊き、切った七草を入れ5分煮て5分蒸らす。最後に粗塩2つまみで味をつける(塩を最後に加えると、さらりとした粘りのないお粥が炊ける)。七草粥は新年のおせちや祝い酒で疲れた胃を休めることも目的です。朝粥は普段の朝食にもお勧めですよ、日本では病気の時に食すように思われがちですが、胃にもたれず元気がでるので1日のスタートにふさわしい食事と言えます。

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黒豆・黒豆納豆・納豆・発酵食・醸壺

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大の黒豆好きです。今年はプロデュースする島根県の発酵レストランそばにある、空気と水がそれはキレイな畑で収穫された丹波黒豆を沢山ゲットしました。新豆は乾燥していても柔らかく、水で戻すと極大粒、お正月用に煮た豆はツヤツヤとして豆の旨みが強い、煮汁ごとスプーンですくっていただくのが好きなので、きび砂糖と少しの醤油と粗塩で味付けをし、スッキリとした仕立てにします。
それから、煮豆を作る時に一晩水につけたものを少し取り置き、これを指で難なく潰れ区るくらいまで布などに包んで蒸します。後は、市販の納豆と混ぜてメーカーにかけるだけです。日常的に発酵実験が多いので、温度管理が出来るメーカ(kamoshico)を愛用しています。麹系調味料も甘酒もヨーグルトもオリジナル発酵食も作れるのでとても重宝しますよ。
黒豆は良質のタンパク源、腎機能も上げるので老化防止に有効です。

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煮物・酒粕煮・発酵食

芳醇な香りの酒粕をたくさんいただきました。関西から届いた上品な海老芋と、年末の塩鮭の頭もあるので、今日は絵に描いたような酒粕煮を作ります。鮭の頭はざく切りにして霜降り(熱湯でサッと下茹で)し、血合いなど臭みの素となるような部分は丁寧に水で洗って落とします。太めのイチョウ切りした大根やにんじんをごま油でざっと炒め、出汁をはって下処理した海老芋と鮭、好みで生姜スライス、赤唐辛子を加え20分ほどゆっくり煮込みます。煮汁で酒粕と白味噌を適宜溶いて加え、さらにコトコトと3、40分ほど煮込む。器に盛って、仕上げに柚子の皮をふって出来上がり。酒粕には酒を作るときに働いた菌や、その生産物が多く含まれていて、酵母菌は各種のビタミンがたっぷり、体も温まりアンチエイジングに最適です。

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お餅(おもち)・お雑煮・きれい焼く方法

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お餅は古くから神仏へ捧げる神聖な食べものであり、お雑煮は備え下げたお餅を料理して旧年の収穫や出来事に感謝し、新しい年の豊作、幸運、健康、家内安全を祈る日本の伝統食です。
我が家はお餅好きなので、浅草育ちの祖母に習ったお雑煮を毎年暮れから鶏ガラと和出を合わせてたっぷり用意します(1度茹でこぼした鶏ガラ3個をネギや野菜の端切れとゆっくり煮て、和出汁と合わせて味がまとまったら酒、しょうゆ、塩、みりんで食べた後に塩辛くならないように考慮し調味します)。
お餅は大根おろし、磯部巻き、おぜんざい、しょうゆ砂糖、きなこ和三盆、納豆たらこ酢漬け、塩うに、からすみなどの珍味まで何にでも広くよく合いますね。つきたてが最高なので(機械ですが)毎年楽しんでオリジナルを作りますよ、甘えびとカニを練りこんだ紅色の宝餅、青のりとペッコリーノチーズの組み合わせなど、香ばしく焼くと最高です。
硬くなって来たお餅を上手に焼くには、表面に十文字の切り込みを浅く入れ、予熱したトースターや網に切り目を上にして焼くとプクッときれいに焼けます。お餅は余ったら1個ずつラップをしてくるんで冷凍保存、ごはんを炊くときに1枚加えるとおこわになります。お餅は母乳の出をよくすると言われています

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元旦・お正月と祝い箸

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2019年 明けまして御芽出度うございます 本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます
お正月は旧年の収穫や様々な出来事の感謝をし、総ての生命の更新を喜び祝う一年で一番おめでたい日です。
元旦朝に水引がついた中太両細の純朴の木で作られたお箸を使う意味は、片側を神様が使いもう片側を人が使うという風習が古来からあるからで「神人共食」を意味し、年神様の恩恵を預かるのです。洗って3が日か、七草、松の内(地方によって異なるのですが、門松をたてている期間1月7日まで)が終わるまで使用します。この祝い箸は末広がりの八寸(約24cm)で縁起がよく、両方の先端が細くなっていて「両口箸」とも呼ばれます。その他、丈夫で神聖な木とされる柳で作られるので柳箸と言われたり、五穀豊穣を願った米俵をイメージした俵箸と呼ばれることもあります。箸は神様の方を使わないように気をつけましょう。
歳神様に守って頂けるよう、箸袋に筆で名前を書いて願いを込めましょう
皆様にとって良い年となるようお祈り申し上げます

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御節料理・簡単なのにきちんと作れる「おせち料理」・成美堂出版

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年末から祝い肴数種種をご紹介させていただきましたが、お正月支度は「無病息災、子孫繁栄、五穀豊穣」と、この3つの願いが込められた祝い肴さえあれば立派に迎えられます。関東では「黒豆・数の子・田作り」。関西では「田作り」を「叩きごぼう」に変えて3種とします。この祝い肴があってこそ、お正月の祝い膳は本式となります、つまりこの3種類があれば立派なおせち料理になると言う訳です。後はご家族の好きなおせちなどを数種類足せばよいでしょう、お重がなくても、小皿や器、木のお弁当箱等に盛り付けても素敵ですよ。

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数の子(かずのこ)・祝い肴 おせち2

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にしんの魚卵で、二親(にしん)から多くの子供が生まれるので、二親健在、子孫繁栄の縁起物のとして食べられてきました。近年ではにしん量が減りましたが、江戸時代にはみじかな食材で値段ももっと手頃でしたので(正月は貧富の差なく同じものを食して祝う」ことを願った八代目将軍徳川吉宗によって祝い肴(さかな)の一つに加えられらとか。作り方です=バットに水カップ半、塩小さじ半を入れまぜ、塩かずのこ6、7本を5時間ほどつけて塩抜きする。白いうす皮をキッチンペーパーなどで剥き、水で洗って水気をふく。小鍋で濃いめの出汁を2カップ半とり、酒50cc,薄口しょうゆ(醤油でも)大さじ1をひと煮立ちさせ冷ましたつけ汁を密封容器に入れ、数の子を半日以上浸す。食べやすく切って器に盛り、好みで糸かつおを散らす。簡単なのにきちんと作れる「おせち料理」(成美堂出版)p18より