井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

11/29

豚汁(とんじる)・健長汁・巻繊汁(けんちんじる)

乾燥するこの季節は喉や体を潤す根菜や果物が多く出回りますね、大根、蓮根などは喉にも良い野菜です。肌寒くなってくると、温かい汁ものを作りたくなります。けんちん汁と豚汁は似ていますが、作り方が違うのをご存知ですか?けんちん汁は約750年ほど前、鎌倉の(建長寺)で崩れてしまった豆腐と野菜を煮込んだのが始まりと言われる精進料理。ごま油で野菜などを炒めてから昆布や干し椎茸の出汁を使い醤油風味で仕上げます。豚汁は野菜と豚肉を鰹出汁で煮込み、味噌で仕上げたものです。ですが、いいとこどりのミックスをしてコクをだすのが美味しいので、多めに作って3日間くらい楽しみます。

11/28

発酵茶・烏龍茶・台湾茶

DSC06384

台湾茶にはまっています。台湾茶のお茶のいれ方や所作はゆったりしたムード、とてもリラックスします。いれ方一つで美味しさが変わります、しっかり楽しみたいので、台中にある台湾茶館の師匠に教わった通りに、急須や茶器を温め、茶葉によって置き時間も異なる事をしっかり把握していれるようにし、楽しんでいます。いただく時は、まず香りを楽しんでから口に含みます、同じ烏龍茶でも味わい、喉越し、香りがそれぞれ違って、蜜や花の香りがするものもあります。阿里山烏龍茶、金せん茶烏龍茶など素敵です。上質な茶葉は寒暖の差が激しい高山で収穫されますが、選ばれた茶葉は摘まれる時間も決まっていて早朝の4時〜10時頃までに行われ、ハサミも使わない手作業だそうです。
香りがあんまり良いので、茶葉を包んで黒豆の蜜煮に加えてゆっくりと煮てみたらスッキリとしてほんのり香りが残る、これが大正解!黒豆好きの私には来年の御節の目玉になりそうです。茶葉の香りは気の巡りを良くし、発酵茶は体を温めます、忙しくなる年末の休憩時にピッタリのお茶です。

11/25

蓮根・れんこん・れんこん葛湯

IMG_8404

れんこんは胃腸を保護し、貧血予防や止血効果も期待できるパワーのある野菜。含まれるタンニンは咳止めにとても効果があります。咳がひどい時は、小鍋に水150Ccと葛小さじ1半を混ぜる。皮ごとすったれんこん大さじ1半を茶こしでこし入れ、火にかけて透明感が出るまで木べらでかき混ぜる。このれんこん葛湯は昔からの日本の民間療法、さらにはちみつを入れると飲みやすくなり、抗菌作用で効き目が上がります。
調理する時は、縦に切るのがお勧めだと蓮根博士に伺った事があり、我が家では実践しています。蓮根はビタミンCや食物繊維が多く、葉や花弁も薬用にされます。青葉を器にしいてお料理を盛ると清清しく、乾燥させた葉は食材やおこわを包むんで蒸し料理に使用して、香りよく仕上げるなど葉も多目的です。花も美しく薬効も高く、独特の食感が良い蓮根はステキですね、京都和久傳さんのフルフルの蓮根和菓子も素晴らしい。

11/24

鴨肉(かもにく)・昆布酢・鴨そば汁

鴨肉は体液を潤し乾燥を防ぎ腎機能を高めると言われています、疲れやすい人や虚弱体質の人にお勧めです。今日は柔らかくさっぱりした一品をご紹介します。かも塊肉に軽く塩と粗挽き胡椒をもみこむ。皮目からフライパンに入れてじっくり脂を引き出すようにこんがり焼き目をつけ(7割りしっかり焼くイメージ)返して両面焼きます。小鍋に濃いめの出汁、醤油、みりん、昆布酢を入れ煮立てめんつゆ程度の味付けにする。焼いた鴨肉を丸まま入れ2、3分煮たら火を止める。そのまま置いて余熱で火を通し、肉がロゼ色になったところで6、7㎜にそぎ切りにする。付け合せは芹や茹でた黒もやしがぴったり、たっぷりかもに添えて煮汁をかける。好みで溶き辛子を添えてどうぞ。かもの美味しい脂が馴染んだ漬け汁は、蕎麦やうどんにも最適です。

11/23

勤労感謝の日・新嘗祭・五穀豊穣・サーモンの押し寿司

_72A7275

今日はサーモンの五穀押し寿司を作ります。木型を水で洗った後、酢飯に混ぜた酢を全体にぬるとキュと味がしまる。半ずりごまと刻んだゆず皮を混ぜた酢飯を詰めて、サーモンを隙間なく並べてしっかりと押し、輪ゴムやひもで結んでしばらくおくと綺麗に切れて味も落ちつきます。木型がなければお弁当箱にラップをしき、詰める順序を逆にして押せば同じようにできますよ。
幼少の頃は勤労感謝の日生まれがあまり好きではなかったのですが、今は瑞穂の国である日本の最も大切な神事であった歴史を知って嬉しく思い、この仕事についている自分自信が幸せに感じるようになりました。私の仕事は人の知(血)になることを身につけ、お伝えしていくことだと思っています。小人精進致します、いつもご覧くださり有難うございます。

11/22

白菜(はくさい)・オレンジ白菜

写真 7

白菜は95%が水分、ミネラルのビタミンC、マグネシウム、カルシウムを含み、食物繊維たっぷりの冬の代表野菜。たっぷりいただきましょう、フライパンを中火にかけてごま油大さじ1をなじませ、豚バラ肉100gを炒めてとり出す。生姜みじん切り大さじ1、ネギ薄切り5cm分、豆板醤と甜麺醤各小さじ1を入れ香りがでるまで炒めたら、白菜2枚分をざく切りにし、芯の部分から炒める。脂がまわったら豚肉を戻して酒。醤油、きび砂糖少々で味を整える。柔らかく煮込むと胃腸薬の効能も期待できます、熱を加えると芯の部分はとろりとして甘さも増します。写真は小洒落たオレンジ白菜、栄養価もちょっぴり高くサラダなど生食にも向いています。下茹でして重ね、クルクルと海苔巻きのように丸めて輪切りにしてからお鍋や煮物に入れると鍋中が華やかになりるので、これからの季節に活躍します。

11/21

親蟹(おやがに)・香箱蟹(こうばこがに)・母蟹(ははがに)・勢子蟹(せこがに)

DSC09364

日の出を観ながらの早朝フライトで鳥取空港に到着し、早々市場へ。お目当は旬の親蟹、濃厚な内子やみそ、外子ががたっぷりです。地方によって呼び名が変わり、香箱蟹、セコ蟹、セイコ蟹とも呼ばれます。今年の解禁日は11月6日で、年末までの2ヶ月間だけ水揚げされます。地元のお母さんは、ポンポンとお味噌汁に入れる、贅沢ですね。絶品の炊き込みごはんの作り方を教わりました・鍋に蟹が浸るくらいの水、酒、醤油、みりん、生姜を入れて出汁をとり、蟹から中身を取り出す。粗熱が取れたら、洗ったお米に蟹出汁を注ぎ普通に炊く。炊き上がりに内子、みそ、ほぐし身を加え混ぜる、脳天直撃の美味しさです。
蟹のタウリンはコレステロールを抑制し、殻に含まれるキチン・キトサンは免疫力を高める効能があります。食べ過ぎると体を冷やす傾向が蟹にはあるようです、生姜や酢といただくなどしましょう。

11/20

滑子(なめこ)・きのこ・お味噌汁・発酵食

写真

深山に入り天然のなめこ摘みを毎年楽しみにしています。なめこは菌床栽培とブナ・トチなどの広葉樹の倒れ木などで育てられる原木栽培があります。天然物はゼラチンがまとわりついているような、ぬめり感が多く魅力的、一つ一つがプックリとしています。胃壁を保護するので二日酔いの朝などのお味噌汁にも最適。きのこにはBグルカンが豊富、腸内環境をよくし、免疫力を強化する作用を高めます。旨味が強いのでなめこだけで出汁が充分でますし、力強いなめこはしばらく煮てもしぼみません。朝1杯のお味噌汁は1日の「毒消し」と言われるほど体に良いもの、目覚めに温かいものをいただくと血液循環が高まって1日を気持ちよくスタートできます、特になめこのお味噌汁は元気になる気がします。
きのこ狩り名人宅で、なめことイノシシ肉の炒め物をご馳走になりました。塩、胡椒炒めのシンプルな調理ですが、旨味と滑りが上手に絡まってインパクトが有り、なめこも炒め物に出来ると初めて知った晩御飯でした。

11/19

アボカド

少し冷たいアボカドを食べやすくカットし、ライムをたっぷりしぼって美味しい粗塩をつけていただく。単純ですが1番好きな食べ方です、アボカド畑の農家のお父さん(ニュージーランド人)に教わりました。その他に半分に割って種を取り、卵を落として焦げ目がつくまでトーストすると、実はトロリとし、卵は半熟で絶妙です。醤油とわさびを少々、一緒に焼いたパンでですくっていただきます。アボガトに少々のレモン果汁をかけて色止めし、白味噌と混ぜてペーストディップにしたり、ごま油、少々のニンニク、塩、胡椒でアボガトナムルにしてもオツです。
アボカドを購入する時は皮が黒くてハリがあるものを。森のバターと形容されるアボカドは抗酸化作用のビタミンEが豊富、悪玉コレストロールを減少させる、女性が好きなアボカドは女性の強い味方なのです。

11/18

無花果(いちじく)・蒸しいちじく

古代ローマでは「不老不死の果実」とされていたいちじく。いちじくは和食でも繊細な白和えなどいろんな食べ方がありますが、是非一度お試しいただきたい一品をご紹介します。完熟いちじくが手に入ったら皮をむいて器に入れて蒸し、粗熱をとって冷蔵庫で(蒸し汁ごと)冷やしておきます。次にタレを作ります、先に指で砕いたカシューナッツ3、4個を乾煎りし、香りが出たら胡麻大さじ1を一緒に煎ります。熱いうちにすり鉢ですって、メイプルシロップ、醤油各大さじ2、酢少々で伸ばしながら好みの味に整えて、さらによくすり混ぜます、これを冷やしたいちじくに適宜かけます。香ばしい香りとトロリとした甘みがいちじくに絡まってなんとも美味、冷たいこともポイントです。ビールよりスパークリングか白ワイン、日本酒がよく合います。繊維が豊富ないちじくと胡麻を合わせるとグンと便通効果が上がります。いちじくは体の余分な熱をとり、喉の腫れをおさえます。更年期の女性によい効能もたくん、母乳の出もよくすると言われています。