井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

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大根(だいこん)・胃もたれ・発酵食

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今日は冷たい雨降り、厚切り大根の煮物やおでんなどいかがですか?少し厚めに皮を剥いて、下茹でしてから煮ると余分なアクや雑味が消えます。煮物に適しているのは真ん中の部分、柔らかく旨味があります。上の方はビタミンが多くシャキシャキしているのでサラダなどに良いですね、下の方は酵素が特に多く辛味があるのでおろしに向いています。大根おろしは胃もたれによいものですが、興奮状態を押さえたり、ストレスを感じだ時に気持ちを落ち着かせる効果も期待できます。葉にはビタミンC、カリウムがたっぷり、よく洗ってみじん切りにして塩もみしていただきます。胡麻油やオリーブオイルで炒めると、抗酸化作用のカロテンの吸収率がアップ。沢庵などを漬けるとき、葉付きのまま干しますが、乾いた葉っぱは食べる以外にも活用できます。大根葉(干葉・ひば)を、お風呂に入れ体を温める民間療法があります。今号の3分クッキングの表紙は、大根と牛肉の醤油麹煮込みで発酵食特集です。宜しかったらご覧ください。

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わかめ・海藻

わかめは「若女」と書かれることもあるほど、美容によく若返りの食材とされてきた海藻でもあります。旬の茎の部分のめかぶも、もうそろそろ出回ってきますね、カルシウムやカリウムなどのミネラル分も多く、骨を丈夫にします。海藻に含まれる独特のぬめりは食物繊維のフコイダンとアルギン酸によるもので、血中コレストロールを下げる働きがあります。薬膳では女性のおりものに効果があると言われています。繊維が豊富で便通作用もあり、よう素が髪も綺麗にします、日々食したいものですね。酢の物やお味噌汁はシンプルな調理法ですが、栄養分が身体へ吸収されやすい組み合わせです。加熱時間はできるだけ短めにします。新鮮なワカメは、柔くなめらかでとても美味しいので、ぜひワカメのしゃぶしゃぶで楽しんで下さい。

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酒粕・発酵食・干しイカ

毎月出張している鳥取県で、酒粕と烏賊を合わせた白菜の漬物をご馳走になりました。いかはスルメイカを干したものを戻して使っており、白菜と酒粕に干しいかの絶妙な旨味が加わわったオツな保存食。酒粕は漬け込み調理をすると素材を柔らかくします。熟成期間の長い練り酒粕が芳醇な香りがし、甘みがあるので使いやすいですね。この香りの元の酵母菌はいろいろなビタミンを含み、菌体そのものに美容効果が期待される成分です。
今年の酒粕をいただいたので、みそとみりんを溶いて干し烏賊を漬けてみました、熱燗が進んで困る感じです(笑)。もどしたスルメイカを少し大きめに切って衣をつけて天婦羅やフライにしたら楽しい一皿に。酒粕はもとより、干したスルメイカを見直した日になりました。酒粕はコラーゲンUPが期待でき、体を温める効能もあります、日常的に食べたいですね。

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中国山椒・麻婆豆腐・冷え

本格的な真っ茶色の麻婆豆腐が出てくると嬉しくなります。中国山椒(花椒)がたっぷりと入って、辛いと言うより舌がビリビリ痺れるくらいの容赦ない大人の四川麻婆豆腐。材料があまり無い中で山椒、豆豉、辣油、豆腐、牛肉などで150年前ほど前に四川省に住む陳さんという料理上手な女性が作ったのが始まりだとか。日本には昭和25年頃に、日本人向けに改良して広めたのが陳健民さん、有名ですね。牛肉は体力を回復させて抵抗力を上げ、豆腐は身体を潤し、にんにく、生姜、ねぎ、唐辛子は血行を促進させるので、寒い季節に良いですね。豆腐の下処理ですが、2cm位に食べやすく切り、塩少々を加えた湯でゆらりと下茹でします。厚手のキッチンペーパーに包んで600Wのレンジに2、3分かけるだけでも良いでしょう。中国山椒の青山椒(タンジャオ)は赤くなる前のもの、特徴的な爽やかな香りと辛味があり、赤い山椒(ホワジャオ)は痺れるような辛さがあります。私はブレンドして使うこともあります

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うどん・卵とじうどん

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寒いに日には特に美味しく感じる熱々の麺類。今日は殊の外冷えるので、おろし生姜をたっぷり添えて卵とじのおうどんに。鰹昆布出汁を温めて、醤油やみりんで味付けし、水で溶いた葛(片栗粉)で濃いめの色ととろみをつけます、これをべっ甲あんと言います。うどんの大部分はデンプンの炭水化物です、胃に収まっている時間が短く、消化されやすい。出汁や加えた素材の栄養を丸ごと摂取できるので、バランンスが良い食事になります。
卵ですが、鍋のうどんに溶いてそのまま加えても良いですが、別の小鍋に少々の出汁を温め、溶いた卵を流すとふんわり。器に盛ったうどんにのせると美しい仕上がりになります。あんで閉じると料理が冷めにくくなる利点もありますね。卵は体に吸収されやすいタンパク質、生姜と葛は生薬でもあります、血行を良くし体を温めます

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葛・くず・漢方

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血行を良くする葛湯。ゆずやレモンの柑橘の香りを加えるとさらに美味しく、気の巡りを良くします。生姜やシナモンを加えても温め効果が上がり、とろんとした飲み心地に神経が休まりホッとします。抗菌作用のあるハチミツを加えるなど、体調によって組み合わせて楽しんでもいいですね。葛きり、葛餅など独特の食感も楽しい葛は、マメ科のツル植物性で、根から採取されるデンプンが本葛粉となります。奈良県の本葛造りを見学してきました。本葛粉のお値段が少しよいのは、葛の効能が高いからですが、極寒の頃に掘り起こして下処理し、何度も何度も水にさらし、乾燥させるするなど、とても手間がかかるからです。くずの根は葛根湯ですね、風邪による症状で後頭部下の首の痛みや重さが気になることがありますが、軽減する効能があるそうです。葛あんかけのお料理は美味しい上に、冷めにくいので寒い季節にとてもお勧めです。

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にしん漬け・漬けもの・発酵食品

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北海道の知人宅のにしん漬けは麹が多め、お味噌汁と同じようにそれぞれの家庭の味付けがあるそうです。市場で見かけたものすごく大きなキャベツは「札幌大球」といって普通のきゃべつより5倍くらい大きい。収穫までに半年かかるそうで、歯ごたえはあるけれど甘くて柔らかいのが特徴です。にしん漬けは、このキャベツと蕪や大根、人参、みがきにしん、麹、唐辛子、塩を使って作られる郷土料理で、寝かせるだけ味が馴染んで美味しくなります。大人になって初めて食しましたが、奥深い味わいでしみじみ美味しい贅沢な発酵食品です。塩麹として近年は商品化もされていますが昔はなかったはずで、麹と塩と地産地消の食材で手間隙かけた味わいが脈々と受け継がれ、その土地の文化を感じられる素晴らしい漬物です。

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小豆・小豆粥・小正月・薬膳

15日の小正月「こしょうがつ)の朝、豊作や健やかな1年を願って小豆粥を朝いただく風習がありますね。
今日は鏡餅のお下がりで焼き餅ぜんざいを作ります。指で潰れるくらいに柔らかく下ゆでした豆に、きび砂糖や甜菜糖を豆と同量加えて、隠し味に粗塩少々でよい塩梅にします。鏡開きで開いた(割った)お餅を(水に浸してふやかし、トースターに入れる)香ばしく焼いて浮かべます。小豆には解毒作用があり、体内の余分な水分を排出するなど、デトックス効果が高いのです、利尿作用はむくみ解消にも効果が期待できます。最近では蒸し小豆などの調理済みのものも販売されているので、思い立ったら直ぐに調理できます。サポニンも含む小豆、甘味だけでなくサラダやスープ、煮込み料理などにも入れて日常的にいただきます

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生姜(しょうが)・干し生姜・冷え

足元の冷たさが気なり、生姜に手が伸びます。体をさっと温めるショウガオールとジンゲロンの効果は高く、慢性的な冷えも和らげます。少し濃いめのあんかけに、たっぷりのおろし生姜をのせたうどんや湯豆腐は消化もよく夜食にもピッタリ。子供が受験生の頃、お腹を満たし過ぎずに免疫力をつけたくて生姜をよく活用しました。少し多いかなと思うくらいの細切り生姜を炒め物や炊き込みごはん、スープ等に加えるのですが、バターやオイル、肉類を加えると脂や加熱で辛味も和らいで子供でも食べやすくなります、生姜オールは100℃以上で加熱すると増加します、覚えておきたいですね。ホットミルクにおろし生姜、ターメリック、ナツメグ、蜂蜜を加えたラテも集中力を高めながら美味しくいただけます。
干し生姜は胃にも優しく、芯から体を温める効能が期待できます。保存が効くのも良いところ、皮付のまま生姜を薄切りにしてザルに広げてカラカラになるまで干すだけ、乾燥剤と密封保存します。香りも良い生姜は気の巡りもよくするので、普段のお茶やお味噌汁などにも気軽に加えてリラックスします

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冷凍餅・お餅入りスンドゥブ・スンドゥブチゲ

今日はお正月の冷凍餅で旨辛チゲを作ります。お餅が濃厚な煮汁と半熟の卵が絡まった美味しいお鍋です。寒い日や疲れた時、風邪気味の時にカンフル剤のようによく効くアツアツのスンドゥブチゲ。食欲を増加させ、免疫力もつけてくれる食材の組み合わせで疲れもとれます。スンドゥブは韓国の柔らかいお豆腐、日本ではおぼろ豆腐が近いのですが、そこに野菜や貝類、肉などとお鍋で煮込んだ韓国の定番家庭料理。作り方です・鍋にごま油、にんにく、豆板醤を入れ熱し、刻んだネギ、白菜、豚バラ肉を炒める。材料がかぶる位のいりこ出汁と、味噌、醤油、みりん、あさりを入れ、スプーンで大きくすくった豆腐とお正月に余った冷凍餅(耐熱容器に冷凍餅とひたるくらいの水を入れ1〜1分半レンジ加熱)を加えて2、3分煮る。火を止めて生卵を落とし、好みでコチュジャン(味噌と砂糖でも)、お好みで唐辛子粉適宜を加えて下さい。