井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

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イングリッシュマフイン・発酵バター・乳酸菌

最近、イギリスの朝食によく出てくる丸いイングリッシュマフィンにハマっています。カリカリっと香ばしくトーストされた匂いがキッチンに広がると、パンを焼くだけなのに幸福感がいっぱい。発酵バターと目についた果物をきび砂糖とレモンなどで煮るのですが(今は柑橘や苺が出回っていますね)温かいジャムを添えるのがまたよくて。甘い香りにも癒される、セロトニン(脳内幸せ伝達物資)をたくさん分泌してくれます。神経を休めるたっぷりのカモミールミルクティーやカフェオレも一緒にぜひ、マフィンはナイフで切らずに半分の高さにフォークでさして一週し、手で割ったものをこんがりトーストしてみて下さい、表面がサクサクして美味しく感じますよ。発酵バターはクリームに乳酸菌を加えて発酵させたもの。普通のバターより少し高価ですが、芳醇な香りや栄養分、満足感も普通のものより高いのです。

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しらす・ちりめんじゃこ

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カルシウムたっぷりのしらすは、体の吸収に必要なビタミンDも含まれているので骨を強化し、DHAで脳神経を活発にする効果が期待できます。しらすとはイカナゴ、ウナギ、アユ、ニシン、マイワシ、ウルメイワシなど、白色や透明の稚魚の総称。マイワシやウルメイワシも流通していますが、いわゆるしらすのほとんどは、かたくちいわしの稚魚(アンチョビや煮干しなどもかたくちいわし)。しらすは釜茹でされたもの、しらす干しを更に乾燥させたものがちりめんじゃこですが、地方によって呼び名は多少異なるようです。通年出回りますが、春と秋が産卵のピーク。新鮮な生しらすが手に入ったらぜひ試していただきたいレシピがあります。バケットに、にんにくの切り口をこすりつけて塩とオイルをふってカリカリにトーストする。生しらすをたっぷりのせ、オイルをふってほうばって下さい。釜揚げは銀シャリごはんにのせるだけでも美味、お弁当や具としてこれでもかと詰めたおむすびはシンプルイズベスト。酢と合わせるとカルシウムの吸収がよくなりますよ、旬の山椒の実と炊いたものは季節の醍醐味、楽しみが広がります。

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レモングラス・ハーブ

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レモングラスを育てています、虫よけにもなるんですよ。アロマテラピーやアーユルヴェーダ(インド伝承医学)にも使用され、アジアのお料理(スープやカレー、炒め物、煮物等)に欠かせません。香りに含まれるレモンに似た香りのシトラールはリフレッシュ効果がとても高く、元気ややる気、集中力を高める効能があり胃腸の調子も整えます、レモングラスの葉の部分はよくお茶にしますね。毎年の大人のBBQ会ではレモングラスの根を軸にしたつくねが大人気。暑い日にぴったりなレモングラスの串焼きは絶対のお勧めです。お肉が焼けたらレモングラスを引き抜いて、くるりと葉野菜で巻いて甘酸っぱいタレをつけて豪快にかぶりつくのです。根の部分は専門店やデパート、ネットなどで購入できます。

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アロエ

アロエの語源は苦いと言う意味の(アロッホ)アラビア語から来ています。昔からの民間療法で火傷や蜂刺され、胃腸薬などに使用されてきました。医者いらずと言われるアロエは古代エジプトの壁画にも書かれており、当時から薬として珍重されていたようです。これからの季節、海辺や山で日焼けした肌にも有効、火照りを沈めるのはもちろん、くすみ改善や保湿効果もあるそう。実際に炎天下の奄美大島で日焼けしすぎてしまった時、宿の方が庭のアロエを下さり、切り口を塗った私と家族は見事に鎮静しました(念の為、酷過ぎる火傷や肌の弱いは気をつけて下さい)。便秘改善効果もあるのでヨーグルトと適宜合わせて食べやすくしたものは理にかなっています。アロエは乾燥につよく、日当たりのよい場所なら手間いらずで育ちます。

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タイカレー・グリーンカレー

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暑くなってくると食べたくなるカレー。グリンカレーのペーストは、油で炒めて香りをだしてから水とココナッツクリームを入れて煮ると美味しくなります。後は冷蔵庫にある材料を適当に放り込んで煮汁が濃厚になるように半量近くまで煮詰めるだけ。今回はパウダータイプのココナッツを水で溶かしたもの、鶏のひき肉と刻んだ青唐辛子、マッシュルーム、セロリ、レモングラス、厚揚げを入れました、後はナンプラーや醤油、きび砂糖でごはんに合いそうな味に整えるだけ、レモングラスの香りのシトラールはリフレッシュ効果が高いだけでなく、天然の抗菌剤と言われるほど抗菌作用が高いそう。疲労時にも効果的、香り成分で気の巡りがよくなります。

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太巻き寿司・飾り寿司・デコ寿司

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千葉県の郷土料理でもある太巻きの飾りずし。
古くから冠婚葬祭やおもてなし時のご馳走として、家庭の中で作られ、伝承されてきた巻きものです。海山に囲まれ、食材が豊富、米処でもある地域で少しずつ進化し、季節の美しい絵柄などが楽しく生まれています。千葉県の道の駅に行くといろいろな巻物を見かけますよ、大概午前中に売り切れてしまうので早めに到着します。漬物やチーズなど色々入っていますし、卵巻きなどは特にボリュームがあります。冷めたお米に酢を加えた酢飯は、血糖値を緩やかに上げます気になる方は意識されてください。
日本の押し寿司や握り寿司、巻き寿司どれもストーリーがあって心躍ります、今日は太巻き祭りずしの参考書を片手に、桃の花と蝶々を巻いてみました。天然の色素で作るグラデーション、楽しいですね。

5/22

行者にんにく・アイヌネギ・ヒトビロ・キトピロ

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行者にんにくは山菜。花が咲いて食べ頃になるまで5〜7年ほどの長い期間がかかります。にんにく、ニラ、玉ねぎと同じユリ科のネギ属多年草、北海道天然ものは3月〜6月頃が旬となり希少な特産品です。アイヌの人達は春に採集し、乾燥させて保存することもあるそう。アイヌ料理の「オハウ」鮭や鹿、野菜と煮たスープ)にも入っていました。
今まで食感を残すように茹でて、食べやすく切って醤油に漬けていましたが、新鮮なうちにそのまま食べやすく切って漬ける山菜名人の方法に切り替えました、炊きたてのごはんに卵黄とのせていただくのが定番だそうです、美味しそうですね。アリシンを多く含み、抗菌作用が高いので元気になります。

5/21

山芋・長芋・山薬

今日は朝から雨降り、少し気温が低く感じられますね。二十四節気(季節の気候や自然の境目、変化を表したもの)のこの頃は、走りの梅雨とも言われ、麦の穂が成長するなど、穀物や植物が天地に伸びる小満(しょうまん)です。少し肌寒いこんな日は温かい椀ものと簡単で滋養のあるものを食したい。ちょうど昨日、道の駅で購入したみずみずしい春大根と山芋があるので、大根たっぷりの豚汁と、とろろごはんにします。山芋には、血糖値を下げる効能があるので糖尿病や成人病予防に特にお勧め。ぬめりが滋養強壮効果を高めるので、おろしてとろろ汁にするとより身体に吸収されやすくなります、味噌や梅と溶くとお味も効果も上がります。薬膳で山芋は山の薬とかいて山薬と飛ばれるほど。身体がちょっと疲れた時、胃の調子が悪い時、元気になりたい時にもとろろはおすすめ。温かい具沢山の汁ものと合わせていただくとホッとします。

5/20

白きくらげ・木耳・美肌スープ

白きくらげは、貴婦人の美容食と言われるほど肌を潤す食材。下処理として、とろみがでるまで約1時間半ほどたっぷりの湯で下茹でします。コラーゲンと旨味の素となる骨つき鶏とさらに煮込むと最強のツヤ肌スープになりますよ、体を温めたり滋養のあるものをプラスしましょう。生姜のスライス、松の実、クコの実、ナツメ、新玉ねぎなどを加えてゆっくり煮込み、薄味に仕上げます。器によそい粗塩を添え、好みで黒胡椒や山椒の粉をふって全体を引き締める。下茹でした白きくらげは甘味にも良いものです。杏仁粉と氷砂糖、ライスミルク(アーモンドミルク、生クリーム)のデザートは温かくても冷やしてもおすすめのデザートです。

5/19

賀茂茄子・かもなす

丸い大型でずっしりと重みがある賀茂茄子は、京の伝統野菜の一つで栽培にとても手間がかかります。別名は大芹川といって、主産地が芹川だったことからの由来だそう。京都では味噌田楽・しぎ焼きなどにされることが多いですが、油との相性もとても良くさっと揚げてから調理すると色もきれい。ステーキ風に肉厚に切ってシンプルに焼くと賀茂茄子ならではの食べ応えと共に、クリーミーでトロリとした舌触りを堪能できます。ナスニンのポリフェノールは抗酸化力が高く、活性酵素を抑えてくれる効能が期待できます。