井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

11/19

ししゃも・柳葉魚・骨粗症予防

写真

「柳の葉っぱ」からくる「ししゃも」の名前は「シュシュ・ハム」からきており、アイヌ伝説に由来しています。
シシャモは北海道の珍味、日本の固有種は本ししゃもですが、輸入物はカラフトししゃもで通年多く出回っているものです。国産は美しい白目の銀色と繊細な形なので見分けがつきやすい。生干しで売られている事が多いので、軽く炙るだけで頭から骨まで食べられ、カルシュウムを多く摂取できます、フリットや天婦羅など美味しいですね、酢に漬けるとカルシウムが摂取しやすくなるので南蛮漬けなども勧めです。ししゃもにはマグネシウムや亜鉛も多く、高血圧や骨粗症予防に最適。
お腹がパンとはっているものは卵がしっかり入っています。私はメスが好きですが、漁師のお父さんは味が濃いオスしか食べないそう。購入する時はツヤがあり、身がしまっているものを選びます。国産の旬のししゃもは、良い香りで焼いてもふんわり。北海道白糠付の、目の前の海からそよぐ潮風で丁寧に天火干しされたししゃもはピカピカ、塩加減も素晴らしいのでした。

11/18

烏賊(いか)/イカ

イカ・烏賊・お刺身・薬膳

タウリンが豊富ないかは肝機能を向上させるのでお酒の肴にもぴったり。
血を養うので、貧血や月経過多の改善にも有効とされてます。漢方ではいかの甲は胃腸病などの治療に使用されるそうです。
地中海周辺や日本ではよく食される烏賊ですが、食用としない国も多くあります。ワタもオツですし、お刺身でも干しても、煮ても焼いても揚げても美味しいのに(悪魔の海産物)と国によって呼ばれて敬遠されることも。
青森や北海道の一部の地域では、朝烏賊と言って鮮度の良いとりたてのいかを細切りにしてご飯の上におろし生姜とのせ、醤油をかけて食べられていますし、写真の透き通っている綺麗な烏賊は真烏賊で島根県でいただいたお刺身感動しました。いかのタウリンは生かさっと火を通す程度に調理するとその効能を失いません。

11/17

発酵調味料・醤油麹(しょうゆこうじ)・生姜焼き・鷄そぼろ

DSC05172

日々のおかずに最適な醤油麹。我が家では1番登場率が高い発酵調味料なので多めに作って熟成させています。煮物や炒め物を作る時は、醤油や酒、砂糖、みりんなどを加えて調理しますが、醤油麹は、奥深い旨味と甘味があるのでお酒と合わせるだけで充分。手作りは簡単でお財布にも優しいですよ、スーパーなどで見かける200gの麹を袋の上からキズをつける様によく揉みほぐし、容器に入れて醤油450ccを加えて混ぜる。1日1回とろみが出るまで1〜2週間ほど容器をふって常温におく(発酵メーカーを使ったり、温度調節の手間をかければ一晩でOk)とろみがでたら冷蔵庫で保存する(涼しい所や時期なら常温でOK)。肉を柔らかくする作用に加え、消化吸収を良くし、腸内環境を整える麹。皮付きおろし生姜をたっぷり加え、生姜焼き用豚肉と馴染ませれば王道お惣菜の生姜焼きも美味しく簡単。お弁当にもよいそぼろは、冷たいうちからひき肉と醤油麹をまぜながら火にかけるだけ、白いごはんが止まらなくなります。

11/16

蜂蜜(はちみつ)・honey・ハニー・咳止め 

DSC07258

薬膳で蜂蜜は呼器器を潤し、咳を止めて痰をとる効能や、乾燥タイプの便通をよくし、腹痛、滋養強壮に良いものとされています。苦い生薬と一緒に、丸剤(薬を一緒に練ってまとめる役目)にも用いられます。ヨーロッパでは約1万年前から栄養源とされており、殺菌効果、お腹の調子を整えるなどの薬としても用いられてきました。蜂蜜は良質なビタミン、ミネラル、カルシュウム、ポリフェノール、酵素、オリゴ糖、鉄分が含まれているバランスのよい栄養食。できれば、加熱処理のされていない天然の蜂蜜を選んで下さい。咳が止まらない時の自然食ケアとして、小さく切った大根を混ぜた「大根蜂蜜」、蓮根をすりおろして、絞り汁と混ぜた「蓮根はちみつ」、刻んだみかん(無農薬皮つき)と合わせる。これらは喉によく効く民間療法です。免疫力も高めるので、季節の変わり目におすすめの甘味料でもあります。私の密かな楽しみに、ブルーチーズと旬フルーツに蜂蜜をたっぷりとかけ、相性の良い同士を探がす遊びがあります、加熱しても美味。(1歳未満のお子さんには、蜂蜜を与えないように注意します)

11/15

滑子(なめこ)・きのこ・お味噌汁・発酵食

きのこ・なめこ・ナメコ

深山に入り天然のなめこ摘みを毎年楽しみにしています。なめこは菌床栽培とブナ・トチなどの広葉樹の倒れ木などで育てられる原木栽培があります。天然物はゼラチンがまとわりついているような、ぬめり感が多く魅力的、一つ一つがプックリとしています。胃壁を保護するので二日酔いの朝などのお味噌汁にも最適。きのこにはBグルカンが豊富、腸内環境をよくし、免疫力を強化する作用を高めます。旨味が強いのでなめこだけで出汁が充分でますし、力強いなめこはしばらく煮てもしぼみません。朝1杯のお味噌汁は1日の「毒消し」と言われるほど体に良いもの、目覚めに温かいものをいただくと血液循環が高まって1日を気持ちよくスタートできます、特になめこのお味噌汁は元気になる気がします。
きのこ狩り名人宅で、なめことイノシシ肉の炒め物をご馳走になりました。塩、胡椒炒めのシンプルな調理ですが、旨味と滑りが上手に絡まってインパクトが有り、なめこも炒め物に出来ると初めて知った晩御飯でした。

11/13

親蟹(おやがに)・香箱蟹(こうばこがに)・母蟹(ははがに)・勢子蟹(せこがに)

親がに・香箱蟹・母蟹・カニ

日の出を観ながらの早朝フライトで鳥取空港に到着し、早々市場へ。お目当は旬の親蟹、濃厚な内子やみそ、外子ががたっぷりです。地方によって呼び名が変わり、香箱蟹、セコ蟹、セイコ蟹とも呼ばれます。今年の解禁日は11月6日で、年末までの2ヶ月間だけ水揚げされます。地元のお母さんは、ポンポンとお味噌汁に入れる、贅沢ですね。絶品の蟹炊き込みごはんの作り方を教わりました。鍋に蟹が浸るくらいの水、酒、醤油、みりん、生姜を入れて出汁をとり、蟹から中身を取り出す。粗熱が取れたら、洗ったお米に蟹出汁を注ぎ普通に炊く。炊き上がりに内子、みそ、ほぐし身を加え混ぜる、脳天直撃の美味しさです。
蟹のタウリンはコレステロールを抑制し、殻に含まれるキチン・キトサンは免疫力を高める効能があります。食べ過ぎると体を冷やす傾向が蟹にはあるようです、生姜や酢といただくなどしましょう。

11/12

平柿・柿・かき

柿・かき・干し柿・漢方・薬膳

種無しの平たい柿が近年のお気に入りです。タネがないので、完熟したものはスプーンですくって食べやすいし、スライスして乾燥させる時もカットを気にせず切れるのもいい。皮が薄く、オレンジ色が柿の中でも鮮やかです。
1個の柿には1日に必要なビタミンCが含まれているそうで、風邪予防にいいですね。アルコールを分解する成分もあり、こちらは木で完熟したものがお勧めです。漢方・薬膳では、体の余分な熱をとり、喉の渇きを止め、葉やヘタは生薬です、
好きな食べ方に、完熟柿にスダチやカボス果汁をたっぷり振りかけて一晩冷蔵庫でマリネする一皿があります。柿のカロテンに柑橘果汁のビタミンCを足すと酸味が甘さを引き立てさらに美味しく疲労回復効果も上がります。
酒粕でほんのりマリネした生ハムで巻くとお酒に合わせる前菜にもピッタリ。柿の中身をくりぬいて器とし、中身といくらを和えて柚子を散らし、美しく盛りつけた柿といくらの小鉢は秋の味覚、一瞬の出会いものを楽しみます。
干し柿になるとビタミンAや食物繊維が倍増し、甘みも凝縮します。

11/11

Hanako「免疫力アップBOOK」薬膳酢

漢方・薬膳・マガジンハウス・hanako免疫力アップBook・薬膳酢・発酵食・酢

本日発売のマガジンハウスHanako Wellness 「免疫力アップBook」。
スプーン1杯で体がよみがえる!と表紙にもコメントを頂きましたが、本当に体と心を癒す美味しい薬膳酢です。材料は世界最古の発酵調味の酢、旨味やカルシウムの昆布、薬膳のプリンセスと呼ばれる効能の高いクコの3つ。内脂肪を減らし、疲労回復効果を担い、昆布のカルシウムが加わって骨を強くし、枸杞の美容効果が加わって、ついでに眼精疲労なども緩和します。何より旨味と甘味で料理にもつかいやすく便利、常温で保存出来るので気軽です。
薬膳・漢方がまずくて苦かったイメージは過去のこと。日々続けられる美味しくて体に優しい食卓が本来の薬膳です。毎日口にする食事なのだから、より良い知識をちょっぴり取り入れて美味しくいただけば、健やかな未来にも役立ち、料理も楽しくなります。
この本では色んな角度から免疫力を上げる情報がアプローチされていて、ストレッチや、質の良い睡眠、人気のお茶と台湾茶のお取り寄せ情報なども掲載。台湾茶でリラックスするお茶の時間にハマっています、良い香りで気分も穏やかになります。

11/9

発酵茶・烏龍茶・台湾茶

DSC06384

台湾茶にはまっています。台湾茶のお茶のいれ方や所作はゆったりしたムード、茶館では男性同士でも昼間からお茶を楽しんでいます。
いれ方一つで美味しさが変わるので、台中にある台湾茶館の師匠に教わった通りに進行させまます。まず、急須や茶器を温め、茶葉によって置き時間が異なる事をしっかり把握しておきます。いただく時は、まず香りを楽しんでから口に含んで甘やかな余韻まで堪能します。同じ烏龍茶でも味わい、喉越し、香りがそれぞれ違って、蜜や花の香りがするものもあります。阿里山烏龍茶、金せん茶烏龍茶など素敵です。上質な茶葉は寒暖の差が激しい高山で収穫されますが、選ばれた茶葉は摘まれる時間も決まっていて早朝の4時〜10時頃までに行われ、ハサミも使わない手作業だそうです。
香りがあんまり良いので、茶葉を包んで黒豆の蜜煮に加えてゆっくりと煮てみたらスッキリとしてほんのり香りが残る、これが大正解。黒豆好きの私には来年の御節の目玉になりそうです。茶葉の香りは気の巡りを良くし、発酵茶は体を温めます、これからの季節にもピッタリのお茶です。

11/7

薬膳・棗・大棗・なつめ・ナツメ

ナツメ・棗・生薬・薬膳・漢方・養血

肌寒くなってきましたね。秋は実りの季節、ナツメもたわわに実っています。ナツメは血と気を補い、貧血や美容にもよい滋養強壮食、中医学では生薬です。写真のナツメは山奥のキレイな空気と水の流れる米どころで手摘み収穫し蒸したものでこの後干します。今日は手軽に作れる体に優しいナツメ茶の作り方のご紹介です。小鍋に刻んだナツメを入れてゆっくりコトコト8〜10分ほど煮だす(効能を高めたい方は当帰や黄耆を加えてもよいでしょう、当帰補血湯は当帰と黄耆を合わせたもの)。そこに、養血安心効果のあるクコや龍眼肉を好みで加えて甘みと薬効をプラスしてしもいいですね。原稿とにらめっこする時、私はここに菊花を加えて眼精疲労をケアしています。
乾燥ナツメは乾燥剤と一緒に空き瓶などに入れて保存すれば長期保存できます、氷砂糖とリカーやブランデーに漬けたり、コンポートもお勧めです。