井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

11/12

(糠)ぬか・鰯の糠床炊き・発酵食

梅と酢で炊いたイワシの煮付けはさっぱり。骨まで食ベれるのでカルシュウムも難なく摂取できます。今日はご飯が進むこってりしたイワシ煮のご紹介です。
鮮度のよいイワシの頭と内臓をとったものを6〜8匹用意し、酢水を熱してさっと下茹でします。鍋に半割りに切ったネギ(青い部分など)を入れ、水1カップ、酒、醤油各70cc、みりん大さじ3、メイプルシロップ(きび砂糖)大さじ1、皮付き薄切り生姜とイワシの頭側を左にして置き、落しフタ(厚手のキッチンペーパーや穴をあけたアルミホイルでも)をする。煮汁が半量になるまでフツフツさせながら気持ち強火で炊く(ここ臭みが出ないポイント)。5分ほどに煮たら糠床を大さじ2〜3ほど加え、全体がからむまでさらに煮込んで出来上がり。
栄養価の高い青魚は脳を活性化させるDHAがたっぷり、日常的にいただきましょう。

11/11

青いレモン・みかん・ゆず・すだち・陳皮(ちんぴ)

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小さな小さな裏庭には、みかん、ゆず、黄色いすだち、青いレモンが鈴なりになっていて、毎年とても楽しみです。その年によって実のつける量がそれぞれ違っていて、昨年はレモンが立派に育ちましたし、今年はいままでにない大きな大きなみかん(梅も)がなりました。もぎたての香りは素晴らしく、とてもリフレッシュします。撮影時に葉付きのすだちやリンゴなどを添えると、写真がイキイキ!黄色く実る前のみかんは外側が緑だけれど、カットすると鮮やかな蜜柑色、コントラストもきれいです、よい酸味なのでポン酢に加えたり、秋刀魚にかけても良いものです。柑橘類は胃の働きを良くし、豊富なビタミンCが疲れをとり、風邪予防などに有効です、コラーゲンを摂取したい時もビタミンCと一緒に摂取することが大事。薬膳では皮を干したものを陳皮(ちんぴ)と言い、気血の巡りをよくする生薬とされ珍重されていますよ、ザルいっぱいに皮を干して保存します。大根おろしに陳皮と唐辛子と和えると、彩りや香りがよくなり、効能も高まるのでお勧めです。

11/10

烏賊(いか)・鳥賊骨

薬膳では烏賊の甲は(鳥賊骨・うぞくこつ)と言い、主に月経異常、胃腸症に使用されます。タウリンが多い烏賊は血中コレストロールの増加を抑え、動脈硬化の予防も期待できます。肝機能を改善するのでお酒のアテにもよいものですが、昔よく見かけた烏賊徳利(いかとっくり)などは、味だけではなくちゃんと理由があったのですね。日本人は世界でも有数の烏賊好き、さまざまな料理に使われていますが、低エネルギーでタンパク質が豊富、昔から血を養うと言われ貧血にも良いとされてきました。もしもイカの足などが余ったら、つくねやハンバーグに細く刻んで加えると食感よく美味しくなります。

11/9

ししゃも・柳葉魚・骨粗症予防

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「柳の葉っぱ」を神様が、魚にしものが「ししゃも」とアイヌ伝説にあります、北海道の珍味ですね。日本の固有種は本ししゃもですが、輸入物はカラフトししゃもで通年多く出回っているものです。国産は美しい白目の銀色と繊細な形なので見分けがつきやすい。生干しで売られている事が多いので、軽く炙るだけで頭から骨まで食べられ、カルシュウムを多く摂取できます、フリットや天婦羅など美味しいですね、酢に漬けるとカルシウムが摂取しやすくなるので南蛮漬けなども勧めです。ししゃもにはマグネシュウムや亜鉛も多く、高血圧や骨粗症予防に最適。お腹がパンとはっているものは卵がしっかり入っていますよ。私はメスが好きですが、漁師のお父さんは味が濃いオスしか食べないそう。購入する時はツヤがあり、身がしまっているものを選びます。国産の旬のししゃもは、良い香りで焼いてもふんわり。北海道白糠付の、目の前の海からそよぐ潮風で丁寧に天火干しされたししゃもはピカピカ、塩加減も素晴らしいのでした。

11/8

じゃが芋・肉じゃが

肌寒さを感じるようになると、ほっこりした甘辛い肉じゃがが脳裏をよぎります。じゃが芋4個は4、5等分に切って水に5分放してザルに上げる。玉ねぎ1個は1㎝幅のくし切り、生姜半かけは細切り、鍋を中火にかけごま油大さじ1で生姜と牛細肉250gを炒めて取り出す。同じ鍋で切った野菜をよく炒め、水1カップ、きび砂糖大さじ2、醤油大さじ1を入れて厚手のキッチンペーパーをかぶせフタをして10分煮る。煮汁が半量になったら醤油大さじ2、肉を戻し入れまぜ、時々鍋を揺すりながら10分煮て出来上がり。じゃが芋のビタミンCはデンプンに守られているので、熱に強く調理に向いています。カリウムも豊富、塩分が気になる方は特におすすめの野菜です。じゃがいもの芽のソラニンは有毒なので、ある時はしっかり取り除きましょう。

11/7

親蟹(おやがに)・香箱蟹(こうばこがに)・母蟹(ははがに)・勢子蟹(せこがに)

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日の出を観ながらの早朝フライトで鳥取空港に到着し、早々市場へ。お目当は旬の親蟹、濃厚な内子やみそ、外子ががたっぷりです。地方によって呼び名が変わり、香箱蟹、セコ蟹、セイコ蟹とも呼ばれます。今年の解禁日は11月6日で、年末までの2ヶ月間だけ水揚げされます。地元のお母さんは、ポンポンとお味噌汁に入れる、贅沢ですね。絶品の炊き込みごはんの作り方を教わりました・鍋に蟹が浸るくらいの水、酒、醤油、みりん、生姜を入れて出汁をとり、蟹から中身を取り出す。粗熱が取れたら、洗ったお米に蟹出汁を注ぎ普通に炊く。炊き上がりに内子、みそ、ほぐし身を加え混ぜる、脳天直撃の美味しさです。
蟹のタウリンはコレステロールを抑制し、殻に含まれるキチン・キトサンは免疫力を高める効能があります。食べ過ぎると体を冷やす傾向が蟹にはあります、生姜や酢といただくなどしましょう。

11/6

里芋(さといも)・煮っころがし・胃腸の改善

見るからに柔らかそうな里芋が出回っています。色々な調理法がありますが、オーブンで皮ごと焼くとスルリと剥けますよ。ねっとりとした甘辛い里芋の煮っころがしは、これからの季節の醍醐味ですね。掘り立ての里芋はたわしやスポンジなどでこするだけでツルリと皮がむけるので調理が楽。鍋を熱し、ごま油大さじ1をなじませて里芋を炒め、出汁2カップ、酒50cc、きび砂糖大さじ2を加えて厚手のキッチンペーパーの落しぶたをし、10分ほど中弱火で煮る。醤油大さじ2を加えてさらに8〜10分ほど煮て、最後に強火でとろりとした煮汁をからめる。余ったら、薄く衣をつけて揚げ、熱々のおだしをかけたものもまた美味です。中医学では、病気に対する抵抗力をつけ、胃腸の改善に特によいとされています。生まれつき食が細い、病後の方にもおすすめですよ。里芋の粘りは血圧やコレストロールを下げ、体内の余分な塩分を排出してむくみをとります。

11/5

牡蠣(かき)・カキフライの作り方

牡蠣が美味しい季節になってきましたね。腎の働きを高める牡蠣は亜鉛を多く含み、肌や髪の艶をよくしエイジングケアにも有効、味覚も正常に保ちます。今日は、はがれにくい洋食屋さんのサクサク衣のテクニックのご紹介。ひと手間でグンとパン粉が落ちにくくなって、サクサクに揚がります。衣を作ります、ボールに卵L玉1個、小麦粉大さじ1、水を大さじ1を加えて混ぜる(料理用語でこの衣をバッター液batterと言います粉、卵、水やミルクを混ぜた混合物の意)。後は、いつものように具材の水分をとって塩、こしょうをふり、小麦粉を全体に軽く叩いたあと、衣にくぐらせてパン粉をしっかり押し付ける。生パン粉がサクサクして私は好きですが、お好みです。

11/3

薬膳・薬膳の知恵・薬膳料理・マガジンハウスDr クロワッサン

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マガジンハウス・DRクロワッサンより新刊が発売になりました。普段の野菜や薬味で健康を整える「薬膳の知恵」。薬膳とは小難しく聞こえるかも知れませんが、身近にある食材で無理なく美味しく続けられる食事の事。食材の組み合わせを最大限に生かした「食べ合わせ」を考えることで、日々の体調をケアし、巡る季節を楽に過ごせる手助けをします。
伝統的な日本の伝統和食ほとんど薬膳です。この本は昔ながらの民間療法、現代栄養学、発酵食を交えながら考案したレシピを判りやすく、例えば「風邪のひき始めに効く」「アンチエイジング髪の悩み」「シミそばかす肌荒れに効く」「冷え低血圧」「便秘下痢お腹に効く」「花粉症・鼻炎」「高血圧動脈効果予防に効く」など11の章に分けてご紹介していますよ。
「食薬ごはん」とは食べ物の性質や効能を知り、身体に取り入れ不足を補う料理、皆さんが健やかに美しく過ごせる手助けになれば本当に幸いです。

11/2

滑子(なめこ)・きのこ・お味噌汁

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深山のなめこ摘みを毎年楽しみにしています。なめこは菌床栽培とブナ・トチなどの広葉樹の倒れ木などで育てられる原木栽培があります。
天然物はゼラチンがまとわりついているような、ぬめり感が魅力的、眼や胃の粘膜に存在する成分が豊富です。胃壁を保護するので二日酔いの朝などのお味噌汁にも最適。きのこにはBグルカンが豊富、この成分が腸内環境をよくし、免疫力を強化し、抗がん作用を高めます。旨味が強いのでなめこだけで出汁が充分でますし、炒め物などにしてもしぼみません。
朝の1杯のお味噌汁は1日の「毒消し」と言われるほど体に良いもの、目覚めに温かいものをいただくと血液循環が高まって1日を気持ちよくスタートできます。