井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

8/11

ホップ・西洋唐花草(セイヨウカナハナソウ)・ハーブ・ビール

ハーブ・ホップ・ビール・ハーブ・セイヨウカラハナソウ

この時期に楽しみなホップ、花期がちょうど今頃(8月〜9月)です。数年前、奈良県の曽爾(そに)村のホップ畑に出かけました。摘みたてのホップをひともみして浮かべた地ビールと、おつまみにホップのフリットをいただきました、贅沢ですね。ホップのス〜ツとする香りと冷たいビールの喉越しがなんとも爽やか、ストレスも洗い流してくれるようです。このホップの成分は、ビールの香りと苦味を作り、泡持ちをよくして濁りを取りのぞくなどの作用があるそうです。西洋ではハーブとしても古い歴史があり、神経を鎮める効果があるので、精神を安定させ、睡眠薬としても愛用されてきました。北海道でも広大な畑にお邪魔しました。見上げる高さのホップのツルが、カーテンのように風にそよそよとゆれて香り、とても心地よかった。
最近特に口にするクラフトビール、麦芽のブレンド配合で、豊かなコクやフレーバーが変わる。好みの香りとキレがよいビールに出会うと嬉しくなって、おつまみも香りに合わせて楽しみます。

8/9

青唐辛子・青柚子胡椒

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青ゆずと青唐辛子が出回る季節。青唐辛子のピリっとはしますが、まだ穏やかな青々とした辛味が心地いい。シンプルに調理した肉やシーフードのグリル、穴子の白焼き、冷や汁、そうめん、奴など何にでもよく合います。作りやすい分量です。4、5本分の青唐辛子の種をこそげ、粗みじん切りにし、すり鉢に入れる。青ゆずの青い皮だけを1個分摩り下ろし、種を抜いて果汁も加える。好みの量の塩加減をしてすり混ぜる(余った時、塩分が少ない場合は冷蔵か冷凍保存する)。作りたて少々をボウルに入れ、キュウリ1本、シソ4、5枚、ひとかけらのパン、オリーブオイル小さじ2を加えて攪拌する(様子をみて水分を足す)美しい緑色のガスパチョになります、好みで酢少々を加えても。
青唐辛子、柚子、シソは消化を促進し、香りで気の巡りを良くして暑苦しさを涼やかに緩和します。

8/8

紫玉葱(むらさきたまねぎ)・玉ねぎ

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血液をサラサラにする玉ねぎ。国内の生産量は第3位で大根、キャベツに続きます。紫色の玉ねぎの色はアントシアニンで、ポリフェノールの1種の天然色素。これは葡萄、クランベリー、ブルーベリー、プルーン、ナス、小豆、赤しそ、黒豆などに含まれているものと同じです。
植物が紫外線から身を守る為に作る成分で、抗酸化力が強く高血圧や眼精疲労に効果的。紫玉ねぎは、辛味や刺激が少ないのでさっと水に放して、サラダやツマにしても。赤しそや茗荷のように酢に漬けるとより鮮やかに発色します。皮ごと縦半分に切って塩とオリーブオイルをかけてオーブンで焼くだけで甘みが増して美味しいし、お皿に置くだけで様になる。大小様々の紫玉ねぎ、アダルトな紫色にうっとりします。

8/6

うまみ昆布酢・昆布酢・お酢・発酵調味料・疲労回復

昆布酢・発酵調味料・酢・疲労回復

昆布酢は美味しいだけでなく、疲れやストレス解消をサポートしてくれる調味料でもあります。暑さ厳しいこの時期は、酸味が心地よく感じて疲れを軽減するのでぜひ!
お醤油代わりに白身のお刺身につける、納豆にまぜる、ナスや菊、茗荷の色止めに、炒め物や煮物の仕上げに加えると、酸味が飛んでギュッと味がしまる、脂っこい肉料理をさっぱり柔らかくするなど、幅広く活用出来ます。2017年に昆布酢本を出版させて頂きましたが、作りおくと本当に便利なのです。
保存瓶に昆布を入れ、お酢を加えておくだけ。上質な昆布をたっぷり使うと、旨味もエクストラ、うまみ昆布酢になります。酢の酢酸と昆布のカルシウムが結びついてできる酢酸カルシウムは、骨粗しょうの予防に効果があります。
心も体もいやすお酢は、世界最古の発酵調味料とも言われ、体に嬉しい健康効果が沢山あります。ダイエットにもお酢は強力な助っ人、内脂肪を減少させ、腸の蠕動運動も促進させる効能も有ります。酢をそのままいただく時は、1日に大さじ1半までとしましょう。

8/5

ピーマン・赤ピーマン・夏野菜

ピーマン・夏野菜・赤ピーマン・きょうの料理・

夏の緑黄色野菜の王様ピーマン。唐辛子を意味するフランス語のピマンが語源だそうです。ビタミンCとカロテンが豊富で、皮膚を健やかに保ち、疲労回復を担います。紫外線などのダメージが気になるこの季節には、特に食べたい野菜ですね。ピーマンのビタミンCは加熱しても壊れにくい特徴があり、コラーゲン豊富なたんぱく質と合わせると生成に役立つので、肌を潤す手助けをします。豊富なカロテンは油と調理すると体への吸収率が高まりますよ。
旬のピーマンはフレッシュで若々しく香りも良いですね、ベランダ菜園でもタワワに実ります。タネやヘタ部分も食べられるし、ヘタの部分がクシュっとして美味しいんですよ。手でギュッと押しつぶして丸ごと調理、ヘラで押しつけながらごま油で焼いて、酒、醤油、みりんで落としブタをして煮込む「ピーマンの丸煮」や、お味噌汁、バーベキューなどいろいろな料理に展開できます。ちなみに、少し苦味のある緑のピーマンを時間をかけて完熟させたものが赤ピーマンですが、甘みがましてビタミン類やカロテンの含有量が高くなります。
本日NHk(きょうの料理)では、鯵のなめろうに薬味代わりに、8月号のテキストP29ではガーリック炒めにたっぷり使用しています

8/4

きゅうり・胡瓜・お漬け物

胡瓜・きゅうり・キュウリ・夏野菜

昨日花が咲いたと思ったら、直ぐに大きくなっている胡瓜。成分は約80%以上が水分、カロリーが低く、夏にふさわしい薬効を持っています。身体の予防な熱を冷まし、喉の渇きを止め、利尿作用が高い。鎮静作用や美白効果もあるので、日焼けや火傷などの時はきゅうりでパックをしてほてりを鎮める民間療法も伝わっていますね。この時期、ベランダに実る胡瓜でせっせと作るのは、まずはぬか漬け。2日半漬けてから水で洗って半分に切り、冷蔵庫で冷やして置く。ポリポリとかじると疲れがスッと抜けます。
長野県の農家のおばあちゃんに教わったポリパリ食感のきゅうり漬けは、醤油、酢、みりんか砂糖、赤唐辛子を火にかけて漬け汁を作ってきゅうりを入れて煮る、食感も美味しさのひとつです。長野県での漬物は、お茶請けに登場させるもの、もちろんごはんのお供やお酒のアテにも最適で、暑い日には特に美味しく感じます。
詳しい作り方は「体がよろこぶお漬け物」に掲載しています、宜しかったらご覧ください。

8/3

トマトの麻婆豆腐・トマト・美肌レシピ

美肌レシピ・トマト・夏野菜・トマトの麻婆豆腐

暑い時はトマトの酸味や辛いものが美味しく感じますね、ベランダ菜園のトマトも唐辛子も完熟しています。刺激的なものが食べたくなったので、今日はトマトの麻婆豆腐を作ります。加える唐辛子も夏野菜、含まれるカプサイシンが発汗作用をもたらし、ダイエットにもよい一品です。ポイントの絹ごし豆腐1丁300gはさいの目に切り、80度位でゆっくり温めておく。フライパンにごま油、ひき肉かこま肉100gを入れ脂がでたら、豆板醤大さじ1を加え、刻み香味野菜適宜(ねぎ、生姜、にんにく)を炒める。酒、醤油、オイスターソース各大さじ1、甜麺醤少々を馴染ませたら、水150CC、鶏がらスープの素大さじ1、水溶き片栗粉を混ぜながら加える。とろみが出たら豆腐とトマトを加え数分間煮て、好みで山椒やラー油を加え煮立てたら出来上がり。
トマトは食欲増進効果も期待できる夏野菜、赤い成分のリコピンと豚肉のB1、にんにく、生姜で美肌や疲労回復も効果的に上がります

8/2

土用の丑の日・うなぎ・鰻

うな茶・うなぎ・鰻・土用の丑の日・unagi

2020年の夏の土用の丑の日(どようのうしのひ)は2回あり、本日は2回目の土用の丑の日にあたります。
土用とは陰陽五行説と暦を合わせたもので、春夏秋冬の季節が始まる18日間の期間を指し、今日は立秋前の土用です。
今年は長雨で8月に入ってやっと梅雨明けしましたね、夏バテしないように滋養をつけたいものです。うなぎは食べると確かに元気になりますが、心理的イメージもあって、心も元気になる気がします。
薬味として山椒が昔から添えてあるのは何より美味しいからと香りの為ですが、胸焼けしない効能からです。
うなぎはビタミンAが豊富、皮膚や粘膜、ドライアイや疲れ目などの改善に効果が期待出来ます。
スーパーなどで購入した時は、フライパンに入れて酒少々を全体にふってフタをして蒸し焼きにすると、臭みが取れてふっくらします。シメには、たっぷりのおろしたて山葵を添え、冷たい緑茶を注いだうな茶もこれまたオツ。

7/31

雨季のお弁当・湿(水滞)

お弁当・雨季のお弁当・べんとう

しとしと降る雨。私は嫌いではありませんが、湿気が多いのは何かと難点ですね。お弁当なども傷みやすくなるので、煮物や茹で野菜などにはすりごま、おかか、のりなどを使って汁気を無くす。味つけを心持ち濃いめに、抗菌作用のあるレモンや酢、生姜を多用する。梅干しやワサビ、カラシ、唐辛子、マスタード、カレー粉、豆板醤、挽き胡椒、柚子胡椒、ガリなどをフル活用する。しっかり冷ましたごはんには、しそふりかけや塩昆布、梅干しなどを全体に散らしましょう。前の日のお惣菜を詰める時は再加熱し、新たに調味料をからめるなどするといいですね。写真のお弁当は鮭南蛮酢、菊花酢物、味の濃い江戸風卵焼きがおかず、梅干しと昆布で炊き込んだ梅干しごはん弁当です。
身体にも湿(しつ)が貯まりやすい方は、重だるかったり、むくみ、頭痛が生じたり食欲がないなどの症状が現れる事も。
薬膳ではそんな時、利尿作用がある小豆、スイカ、きゅうり、とうもろこし、トマト等の夏野菜や、辛味香辛料の生姜やねぎ、よい香りで気が巡るハーブや柑橘類、シナモン、それからハトムギ茶や緑茶をいただくようにお勧めします。
余分な水分を体から排出するように心がけると、雨季を楽に過ごせる手助けになります。

7/30

海胆・雲丹・うに・ウニ・天売島(てうりとう)

ウニ・雲丹・天売島・北海道

ウニの種類は大きく分けて、ムラサキウニ、アカウニ、バフンウニなどがあり、約2500年前から食べられているそう。ウニ、このわた、からすみは日本三代珍味と呼ばれることも。
ある年の北海道天売島でたっぷり堪能した鮮やかなウニ。コクのある甘いウニを贅沢にスプーンですくっていただいた後は、宿のお父さん(栄丸の漁師さん)おすすめの焼きウニにする。合わせるのは、日本酒をツブ貝に入れた出汁の効いた熱燗で至福の時。
食も景色も素晴らしいこの島は、青くて広い空と小道に広がるアニメラピュタに出てくるような草花、目の前を通り過ぎる雲、コバルトブルーの透き通った海など感動ばかりの島でした。
ウニの好きな食べ方に、おろしたての山葵と醤油を混ぜ、ウニの粒をつぶし過ぎないように混ぜて温かいご飯にのせる。もち米にすると、もっちりとしたご飯とねっとりしたウニがよく絡んで美味しさこの上ない。蕎麦つゆに鶉の卵と山葵、たっぷりのウニで溶いた「ウニツユ」でいただく冷たい蕎麦も、夏の大人食の愉しみです。
ウニには葉酸やビタミンAなどが豊富、粘膜を保護する作用や、眼精疲労改善にも良い効果が期待出来ます。