井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

10/12

炊き込みごはん

大型台風が来ると予想され、外は豪雨です。こんな時は懐中電灯やガスボンべをすぐ使える場所に出して置くと安心ですね。そして、食卓には少し味が濃いめの炊き込みごはんを私は作っておきます。これだけでも満足できますし、防腐効果も高くおにぎりにしておいても。今日は冷蔵庫にあった大根を千六本に切って生姜の細切りと豚肉をごま油で炒め、醤油と味醂で味つけして焼き込みました。しっかり味の卵焼きや野菜と海藻のお味噌汁も作りおき、後は梅干しやぬか漬などで充分です。ぬか漬は乳酸菌やギャバがたっぷり、梅干しは疲れをとり、お腹の調子も整えます。昔ながらの保存食はいつでも心強い味方です。

10/11

鰹(かつお)・貧血予防

血合いの多い魚は、血を補う効果が期待でき、脳を活性化させます。豊富な鉄分、不飽和脂肪酸、ビタミンB群など血液の循環を良くし、特に血合いの部分は貧血予防に有効です。
かつおのサクを購入し、皮目を炙って切り分けて器に盛り、たっぷりの細ねぎ、薬味を添えてポン酢でいただく土佐の郷土料理は皮ごとの栄養価も摂取でき◎。皮なしのサクなら全体に、にんにくの切り口をこすりつけ、塩、胡椒をふり、よく熱したフライパン(ノンオイル)で表面を転がしてこんがり焼くとお肉のような食感、マヨネーズも合いますから育ち盛りにも喜ばれます。お刺身ではおろした生姜やにんにく、少しゆるく練った辛子をたっぷりそえます、美味しく食べられる上に殺菌、防腐効果があります。私のオススメはおろし玉ねぎを醤油麹に加えて寝かせた玉ねぎ醤油ダレ、ぜひお試し下さい。それから水にさらしたオニオンスライスをしき、塩こうじ、胡椒、オリーブオイルを混ぜたソースでカルパッチョ風もおすすめ、手軽で相乗効果のある組み合わせです。

10/10

落花生・らっかせい・ピーナッツ・ジーマミー豆腐

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立派な掘り立ての落花生を千葉の農家さんにいただきました。ピーナッツは南米原産の豆科です。茹でたての皮を剥くと真っ白で、柔らかく土の香りがほんのりします。すっきりしたミルキーさも感じられて、沖縄の秘密のレストランで食べたジーマミー(地豆)豆腐を想い出しました。あまりに美味しくて作り方を教わりましたよ。まず水1カップとピーナッツ200gをミキサーに入れ滑らかにし、ザルに布やキッチンペーパーを敷いて濾す(絞りかすはクッキーや卯の花などに)。小鍋に水1カップ、くず7〜80g、きび砂糖小さじ1〜2、粗塩小さじ半を入れ混ぜる。中火にかけ豆乳を加えて木べらで混ぜながらプルンとなるまでよくよく練ります。出来立てを器に入れ、わさびと生醤油でいただく、もっちりして滋味深いお味です。生姜ポン酢やみたらしあんでも美味。生薬では血を止める、肺を補うとされています。タンパク質、ビタミン、ミネラルが豊富、バランスの良い油分は血管を強くするそうです。カロリーがあるので1日15〜20粒くらいをめどにされると良いですね。

10/8

秋の薬膳・秋果実の潤いコンポート

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自然のサイクルは偉大です。人間の体調に合わせるべく、四季の食物が先手を打つように流動していく。秋のこの季節は体の内も外も乾燥のケアが大切になってきます。肺や呼吸器を潤すと水分がより良く体に巡るので、肌もキレイになります。今が旬の梨、イチジク、柿などの呼吸器系の状態を整える果物や、氷砂糖を使ったコンポートはお勧めのデザートです。柿は体を冷やしますし、肌寒くなってきたので体を温めて気のめぐりも良くするシナモンや八角などのスパイスと合わせます。作り方ですが、果物は皮をむき、食べやすい大きさに切ります。鍋に500ccの水、白ワイン50cc、氷砂糖150〜200g、八角、シナモン、カルダモンなど好みのスパイスを適宜加え中火煮る。氷砂糖が溶けたら、梨を加えて10分ほど弱火で煮て、柿とイチジクを加えてさらに10分ほど煮て冷やします。好みで蜂蜜やほんの少しの柑橘をしぼっても美味。日々の食を何となく口にするのではなく、食材の持つさまざまな効能を実感しながら、心と体が潤うメニューを心がけると免疫力もアップします。

10/6

パテ・ド・カンパーニュ ・ナツメグ

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赤ワインが美味しい季節になってきました、休日に簡単パテなどいかがでしょうか。豚ひき肉300g、塩小さじ2、挽き胡椒、ナツメグ各適宜を加え粘りがでるまで混ぜる。ひき肉と同量の鶏レバーをペーストにする。刻んだきのこ3個、玉ねぎ半個、にんにく1かけ分をオイル大さじ1で炒め、生クリームかミルクを150CC加えて水分を飛ばすように煮詰める。赤ワインかラム酒を大さじ2ほど入れ、全部よく混ぜて型に流し、ローリエを置く。ホイルで覆い、湯を張った160度のオーブンで1時間ほど焼き、粗熱がとれたらラップをして、冷蔵庫で一晩寝かせる。生胡椒を荒く刻む、ラム酒を加えるなど、どこかパンチをきかせるといい。私はナツメグが大好き、薬効が高く、古くから治療にも使用されてきたほど、体を温め、調整作用、デトックス効果があります、甘い香りなのにスパイシーなコントラストがなんとも素敵、削りたてをたっぷり加えます

10/5

林檎(りんご)・アップルバター

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胃腸の働きを整え、不安感やあせりを和らげるりんご。香りがよくリラックスするので私は枕元に置くことも。喉の渇きをいやし、体の余分な熱をとる、りんごに多く含まれる水溶性ペクチンは皮に多いので皮付きでいただきましょう。紅玉が出回り始めたら、可愛らしいピンク色のさっぱりしたバタージャムをぜひ作ってみて下さい。作り方は簡単、あれば厚手の鍋(酸に強いなべ)に洗った紅玉2個分を皮付きのまま薄くスライスし、無農薬レモン1個分の果汁とハチミツ大さじ5となじませる。レモンの皮も加えてふたをし、時々混ぜて弱火に10分ほどかけて冷ます。ラップをかけずに600Wのレンジで30秒加熱したバター100gをボウルに入れ、レモンの皮をぬいて冷ましたりんご煮と混ぜる。ハンドミサキーにかけてなめらかにしてもいいですね、お肉のソースに加えてもよいものです。それからりんごを皮付きのまま薄くスライスして、甘酢につけると「りんごのガリ」ができます。
最近カービングに凝っていて写真は私の先生の作品、素敵すぎてため息がでます。

10/4

薩摩芋(さつまいも)・さつま芋・焼き芋・スイートポテト

食物繊維たっぷりのさつま芋はビタミンCが豊富。薬膳では胃腸を元気にする野菜とされています。地方に行くと、形、甘み、旨み、食感、色味もさまざまで楽しい。体調をくずしたり、食欲が低下した時などにもつま芋はお勧めです。お粥に入れても良いもので、甘みとトロみが弱った体に優しく作用します。そのままオーブンで焼いてホクホクの焼き芋にしても美味ですが、一手間かけたスイートポテトのご紹介です、さつま芋5本はたわしでこすり洗いし、濡れたままアルミホイルに1個ずつ包んで竹串がスッと入るまで190度で1時間前後焼く。熱いうちに皮から中身を鍋に出して木べらなどでつぶすように混ぜ、甘さをみてきび砂糖を50g、生クリームかミルクを様子をみながら60〜100ccほど加え、塩ひとつまみで味を整える(ミルクならコクを足す為にバターや卵黄を加えても)。形を整えて表面に卵液を塗り、さらに同じ温度で15分ほど焼き色がつくまで焼いてベークドスイートポテトに。熱々のアップルパイやスイートポテトには、濃厚なアイスクリーム、シナモンがよく合います。

10/2

チーズ・ブルーチーズ・発酵食

チーズ・ヨーグルトはミルクより消化吸収がよく、肌や腸を潤す効果があり便通も促します。血を補い皮膚や粘膜の乾燥をふせいで、肌を保護する効果があるので今の季節は率先していただきたいですね。眠りが浅く多夢(たむ・多く夢を見る)の方にもよいとされる、タンパク質やビタミンB2が豊富です。サラダやパスタ、ピザなどは簡単調理なので日常的にお勧め。子実体のキノコ数種類と歯ごたえのある玄米、菌たっぷりのブルーチーズのリゾットなどは、腸が喜ぶ相乗効果がたくさんあります、おもてなしにも良いですね。ブルチーズに含まれる青カビの風味はピリッとしているものあり、食べ慣れると癖になります。ヨーロッパでは昔からりんごやくるみなど、フルーツやナッツを合わせて手軽に親しまれています。コクもあり、塩気が強いので、ハチミツをかけたりフルーツと合わせて口中で甘味と塩味を調和させて楽しみます、今なら無花果もいいですね。フランスのロックフォールは羊乳で作られ、イタリアのゴルゴンゾーラ、イギリス原産のスティルトンは牛乳で作られています。

9/30

葡萄・ぶどう・美容サラダ

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世界中でみると約80%の葡萄の生産量はワイン原料になりますが、日本で栽培される葡萄の約90%は食用です。大きく分けると黒、赤、緑の3種、形や大きさ、色など様々です。最近では種無しで皮ごと食べられる葡萄の品種改良が盛んです。葡萄の皮には栄養があり、強い甘みは皮と実の間にあるので丸ごと口に出来るのは嬉しい限りですね。葡萄糖の名からも解るように体内でエネルギーに素早く変換されるので疲労回復に効き、脳も活性化し集中力を高めます。よく洗って冷やした葡萄のみずみずしさはパソコン作業の合間のおやつにもピッタリ、リフレッシュします。薬膳では、赤い皮の葡萄に貧血改善の効果があると言われていますよ。ポリフェノールの一種、アントシアニンには活性酵素を除去し、眼精疲労を改善するなど様々な効能が期待できます。ボウルの上で皮ごと食べられる葡萄を手で割き、酢橘やレモンの果汁、粗塩、オリーブオイル、葉野菜やトマトを混ぜたサラダは美しく体を潤します。

9/28

パースニップ・砂糖人参(さとうにんじん)・白人参

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まだ少し日本では知名度の低い野菜ですが、抗酸化作用・抗がん作用が高く薬効のあるパースニップはセリ科です。古代ギリシャでは薬草とされてきたにんじんのような根菜です。加熱すると甘みがまします、皮がむけない程度に下茹でして、メイプルシロップを数回かけながらオーブンでローストしたものは、肉の付け合わせにピッタリ。ドイツでは塩漬けの魚と一緒に食べるそうです。マッシュやポタージュなどにするとエレガントな風味が際立ちますよ。北海道のパースニップをイギリスの友人に食べさせたら、日本にもこんなに美味しいパースニップがあるんだぁと歓喜わまってしみじみと懐かしそうでした。