井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

11/17

にんにく・黒にんにく・免疫力

LRG_DSC02041

黒にんにくは、白いにんにくを熟成発酵させたもの。抗酸化作用が高くなり、もともとパワーが強いにんにくがさらに高い効能になったものです。特有の強いニンニク臭が抜け、プルーンのように甘く、優しい味になり、微かな酸味がとても食べやすい。皮をむいてそのままいただきますが、スプーンでも簡単にペースト状になるくらい柔らかいので、マヨネーズやマスタード、バターとまぜてパンにぬったり、お肉などのソース、焼肉の下味つけ、醤油を使った煮物にポンと加えても。
体調を崩しそうになったり、喉に痛みを覚えた時など直ぐに口に入れてケアします。
作り方も簡単、普段使わない炊飯器などがあれば保温に設定し、皮付きにんにくを入れ、釜にあたらにように耐熱紙などをかぶせて10〜15日間入れておくだけです。体調管理は先手必勝、免疫力を上げておきましょう。

11/16

韮(ニラ・にら)・疲労回復

食欲増進、疲労回復に良いとされるニラは、最も調理しやすい野菜ですね。ニラレバやニラと豚肉炒めなどはシンプルですが、ニラのアリシン、カロテン、肉のビタミンB1などが合わさって相乗効果のある組み合わせです。ニラの効能を使った昔ながらの民間療法も沢山あります、嘔吐やゲップにお困りの方は、ニラをさっと茹でて絞ったものと、生姜をおろして絞ったものを牛乳で溶いて飲む。腰痛や肩こりには、熱燗を呑みながらニラのお浸しなどをお酒のお供にいただくなど。薬膳では、ニラには止血効果もあり、鼻血、不正出血などに良いとされています。ですが作用が強いので胃腸の弱い方、小さなお子さんは少し控えめになさって下さい、ニラはお腹のホウキと呼ばれるほど便通効果が高いので便秘気味の方には良いもの。それからお腹が弱い方は蜂蜜と併用すると下すこともあるようなので気をつけます。

11/15

発酵調味料・醤油麹(しょうゆこうじ)・生姜焼き・鷄そぼろ

DSC05172

日々のおかずに最適な醤油麹。我が家では1番登場率が高い発酵調味料なので多めに作って熟成させています。煮物や炒め物を作る時は、醤油や酒、砂糖、みりんなどを加えて調理しますが、醤油麹は、奥深い旨味と甘味があるのでお酒と合わせるだけで充分。手作りは簡単でお財布にも優しいですよ、スーパーなどで見かける200gの麹を袋の上からキズをつける様によく揉みほぐし、容器に入れて醤油450ccを加えて混ぜる。1日1回とろみが出るまで1〜2週間ほど容器をふって常温におく(発酵メーカーを使ったり、温度調節の手間をかければ一晩でOk)とろみがでたら冷蔵庫で保存する(涼しい所や時期なら常温でOK)。肉を柔らかくする作用に加え、消化吸収を良くし、腸内環境を整える麹。皮付きおろし生姜をたっぷり加え、生姜焼き用豚肉と馴染ませれば王道お惣菜の生姜焼きも美味しく簡単。お弁当にもよいそぼろは、冷たいうちからひき肉と醤油麹をまぜながら火にかけるだけ、白いごはんが止まらなくなります。

11/14

クワハーダ・cuajada・発酵食・スペイン

DSC09504

スペインの北東部で特によく食べられている発酵食のクワハーダ、バスク地方ではマミア(mamia)と呼ばれています。チーズの一種で伝統的には羊乳から作られていたようですが、今では牛乳で作られる事も多いそうです。
見た目ヨーグルトのようですが酸味は少なく、フレッシュチーズそのもの、なめらかでとてもさっぱりとしています。現地では砂糖入りと無糖が売っていますが、朝食やおやつに蜂蜜や砕いたクルミと合わせて食べられることが多いそうです。可愛らしい陶器に入った羊乳もあまりクセがなく食べやすい。私はプラムなどのフルーツとメイプルシロップと一緒にいただくのが好きで、市場で新鮮な果物を買って来てはスペイン滞在中の朝食として楽しんでいました。地産オイル、バルサミコ、塩を混ぜたクリーミーなドレッシングを作り、サラダと和えたり、魚のソテーにもよく合いました。低脂肪、低カロリーの体に優しい発酵食です。

11/13

蜂蜜(はちみつ)・honey・ハニー・咳止め 

DSC07258

薬膳で蜂蜜は呼器器を潤し、咳を止めて痰をとる効能や、乾燥タイプの便通をよくし、腹痛、滋養強壮に良いものとされています。苦い生薬と一緒に、丸剤(薬を一緒に練ってまとめる役目)にも用いられます。ヨーロッパでは約1万年前から栄養源とされており、殺菌効果、お腹の調子を整えるなどの薬としても用いられてきました。蜂蜜は良質なビタミン、ミネラル、カルシュウム、ポリフェノール、酵素、オリゴ糖、鉄分が含まれているバランスのよい栄養食。できれば、加熱処理のされていない天然の蜂蜜を選んで下さい。咳が止まらない時の自然食ケアとして、小さく切った大根を混ぜた「大根蜂蜜」、蓮根をすりおろして、絞り汁と混ぜた「蓮根はちみつ」、刻んだみかん(無農薬皮つき)と合わせる。これらは喉によく効く民間療法です。免疫力も高めるので、季節の変わり目におすすめの甘味料でもあります。私の密かな楽しみに、ブルーチーズと旬フルーツに蜂蜜をたっぷりとかけ、相性の良い同士を探がす遊びがあります、加熱しても美味。

11/10

豚肉・茹で豚

バラ肉で柔らかい茹で豚を作り、キムチや白菜漬で巻いて食べると美味しいですね。作り方も簡単です。厚手の鍋に酒50cc、山椒の実の塩漬け、皮付き生姜スライス、あればタマネギやネギのはしきれをいれます、山椒の実塩漬けは胡椒のホールでもよいでしょう。かたまり肉に塩麹か粗塩をもみ込んだもの300gと、かぶるくらいの水を入れ、厚手のキッチンペーパーをかぶせて沸騰したらコトコトと30〜40分ほど火にかけてそのまま冷ますだけです。6,7mm薄の薄切りにして、叩いた梅肉に蜂蜜を少し加えまぜたものや(マヨネーズを入れるとお子さんも好きな味)、韓国味噌、酢橘と粗塩、辛子と醤油、ごま油と粗塩などお好みで。豚肉に含まれるビタミンB群は、中々取れない疲れをサポートしてくれますし、皮膚の粘膜もケアします。めっきり寒くなった今日この頃、発酵食と合わせて免疫力も上げましょう。

11/8

小鍋・鍋・なべ・主婦の友社

securedownload-6

沢山のいろいろな種類の具材が入ったお鍋も美味しいですが、単純シンプルな(野菜とたんぱく質が1対1くらいの)常夜鍋などは素材が生きて味が濁らず、お互いを引き立てるのでそれぞれを深く味わえる醍醐味があります。甘みと香りのつよいちぢれほうれん草をさっと茹で、豚しゃぶと合わせてポン酢でいただく、塩麹をもみ込んだ手羽とトロリと甘く煮える蕪、あさりと薄切り大根は塩こぶと、酒粕とタラと里芋もはオツ、炙りうなぎとごぼうを甘辛出汁で煮た小鍋も最高、砂肝鍋は全てお酒だけで炊き、唐辛子と煮て最後にさっと芹と合わせる(次の日にはプルンプルンの煮凝りができており、これまた美味しいのです!)大人ならではの楽しみがいっぱいの小鍋仕立て、一人鍋もぜひ楽しんで下さい。「爆ラク!小鍋」主婦の友社よりポケットサイズに、ギュッと色々詰まってます!

11/7

菊花(きくか・きっか)・眼精疲労・ドライアイ

薬膳で眼精疲労に効くのは菊花。目のかすみ、ドライアイなど主に目のトラブルの解消に使用され、クコの実を加えたお茶は飲む目薬と言われる漢方薬の「紀菊治黄丸」。私はいつものお茶に菊花茶を加えてブレンドしています。酒毒緩和作用が期待できるので、中国では強いお酒をいただく時にも飲まれています。店頭で見かけ始めた日本の食養菊はまた少し効能が異なりますが、独特の風味がよいものですね。アクとエグミをとり、色を保つ為に熱湯に酢を加えてさっと茹で、冷水にとってギュッと絞って調理します。貝と甘酢と和えたり、お浸しや椀もの、お刺身のツマなど。いずれにしてもたっぷりいただいて効能を高めます。山形で食べた紫菊は「もってのほか」と言う名前、由来は御紋の花を食べるとはもってのほかだからだそうです、本名は「延命役」素敵な香りと食感です。

11/5

ドライカレー・キーマカレー

キーマカレーのキーマはひき肉の意味。インドでは宗教上の理由から豚や牛ではなく、マトンや鶏が主流。水分が多少多目で、日本のドライカレーの原型とされています。ドライカレーは明治時代に日本人のコックさんがヨーロッパ航路の客船で考案したそうです。炒め煮なのでルーは使わず、カレー粉と家にあるスパイスで短時間で調理できますね。玉ねぎをラップに包んで600wで約5分加熱し、ざっくり刻んでフライパンに入れる。ここにカレースパイス類を入れて馴染ませるように炒める。脂溶性のスパイスは油で炒めると良い香りが立って食材にからみます。後はひき肉や刻んだ旬野菜を加えて炒めるだけ。
スパイスの調合はお好みですが、クミン、チリパウダー、コリアンダー、ターメリック、シナモン等はおすすめです。スパイスは胃腸の調子を整え、代謝をよくして免疫力を高めます。上手に食卓に取り入れて風邪予防になどに役立て下さい。

11/3

蜜柑・ミカン・陳皮(ちんぴ)・風邪予防

DSC07624

寒くなると乾燥も手伝い、風邪などひきやすくなります。手洗いうがいを見直し、日頃からみかんなどビタミンCをこまめに補給しましょう。体調を悪くすると消化器や呼吸器の機能が低下し、体内バランスが崩れます。胃腸が弱ると疲れやすく、手足も冷たくなって胃が冷えやすくなることも。気になる方は、干し生姜、ナツメ、茶色いお茶の発酵茶、黒豆などを日頃から煮出してお茶にすると良いでしょう。私はここに陳皮(みかんの皮をほしたもの、七味に入っています)を足して効能を上げつつ香りも楽しんでいます。大変良い香りなので、ネットなどに包んでお風呂にも入れてリラックス。陳皮は漢方薬局やデパートなどでも売っていますが、手作りはグンと香リます、無農薬みかんの皮を洗って日当たりの良い場所でカラカラに乾かすだけ、洗濯バサミでつまんでも良いですね。
今日は文化の日ですが、農林水産省が語呂合わせから11(いい)3(み)みかんの日に制定しています。