井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

10/21

蜂蜜(はちみつ)・ハニー・咳止め  免疫力

薬膳で蜂蜜は呼器器を潤し、咳を止めて痰をとる効能や、乾燥タイプの便通をよくし、腹痛、滋養強壮に良いものとされています。苦い生薬と一緒に、丸剤(薬を一緒に練ってまとめる役目)にも用いられます。ヨーロッパでは約1万年前から栄養源とされており、免疫力を高める、殺菌効果、お腹の調子を整えるなどの薬としても用いられてきました。蜂蜜は良質なビタミン、ミネラル、カルシュウム、ポリフェノール、酵素、オリゴ糖、鉄分が含まれているバランスのよい栄養食。できれば、加熱処理のされていない天然の蜂蜜を選んで下さい。咳が止まらない時の自然食ケアとして、小さく切った大根と混ぜた大根蜂蜜、蓮根をすりおろして、絞り汁と混ぜた蓮根はちみつ、刻んだみかん(無農薬皮つき)と合わせるなどは、喉によく効く民間療法です。その他、甘味料として特に体調を崩しやすいこの季節にはおすすめの調味料でもあります。

10/20

牡蠣(かき)・貧血予防・牡蠣ごはん

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レバーにも引けをとらないくらいの鉄分を多く含む牡蠣。「酒毒を消す」とも言われており、お酒をたしなむ時にもお勧めです。含まれる亜鉛は味覚障害を暖和し、舌をえんびんにします。アミノ酸も多いので、肌のキメが整い血色も良くなりますよ。剥きたての冷たい牡蠣にレモンをギュッと絞るだけでも最高ですが、シャロットを刻んで白ワインビネガーに漬けたソースや、ウイスキー、タバスコをちょとふるのもいい、殺菌効果や生臭さを消す作用もあります。その他、燻製やオイル漬けなども美味しいですね。酒、みりん、醤油を煮立て牡蠣をさっと煮て取り出し、その煮汁でお米を炊く、炊き上がりに刻んだ三つ葉と牡蠣をもどして少し蒸らした牡蠣ごはんは旨みが凝縮、柚子を少しちらす。取材させていただいた厚岸漁師さんから送られてくる牡蠣は、ぷっくり美味、安心もついてくるから凄い!余談ですがヨーロッパでは、牡蠣には(秘められた恋)という隠れた意味があり絵画によく登場したそうです。

10/19

薩摩芋(さつまいも)・さつま芋・焼き芋・スイートポテト

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食物繊維たっぷりのさつま芋はビタミンCが豊富。薬膳では胃腸を元気にする野菜とされています。地方に行くと、形、甘み、旨み、食感、色味もさまざまで楽しい。体調をくずしたり、食欲が低下した時などにもつま芋はお勧めです。お粥に入れても良いもので、甘みとトロみが弱った体に優しく作用します。そのままオーブンで焼いてホクホクの焼き芋にしても美味しいですが、一手間かけたスイートポテトのご紹介です、さつま芋5本はたわしでこすり洗いし、濡れたままアルミホイルに1個ずつ包んで竹串がスッと入るまで190度で1時間前後焼く。熱いうちに皮から中身を鍋に出して木べらなどでつぶすように混ぜ、甘さをみてきび砂糖を50gくらい加える。生クリームかミルクを様子をみながら60〜100ccほど加え、塩ひとつまみで味を整える(ミルクならコクを足す為にバターや卵黄を加えても)。形を整えて表面に卵液を塗り、さらに同じ温度で15分ほど焼き色がつくまで焼いてベークドスイートポテトにしても。熱々のアップルパイやスイートポテトには、濃厚なアイスクリーム、シナモンがよく合います,
写真はラムの手創りバニラエッセンスです。

10/18

パースニップ・砂糖人参(さとうにんじん)・白人参

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まだ少し日本では知名度の低い野菜ですが、抗酸化作用・抗がん作用が高く薬効のあるパースニップはセリ科です。古代ギリシャでは薬草とされてきた、にんじんのような根菜です。加熱すると甘みがまします、皮がむけない程度に下茹でして、メイプルシロップを数回かけながらオーブンでローストしたものは、肉の付け合わせにピッタリ。ドイツでは塩つけの魚と一緒に食べるそうです。マッシュやポタージュなどにするとエレガントな風味が際立ちますよ。パースニップをイギリスの友人に食べさせたら、日本にもこんなに美味しいパースニップがあるんだぁと歓喜わまってしみじみと懐かしそうでした。

10/17

美容薬膳・柿(かき)・薬膳料理

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よく熟れた柿を見つけたらつぶしてフレッシュピュレにし、スルスルの杏仁豆腐にトッピングする、見た目も麗しい。ビタミンCや利尿作用が多い柿と美容効果はもちろん咳や痰の痛みなどを抑える杏仁と、合わせて相乗効果を上げましょう。柿は酢の物や白和えにも良いですが、シンプルにレモン果汁をたっぷり絞って冷やしたものも美味、生ハムを添えると塩気と相まって白ワインにピッタリ。アルコール分解解毒作用もあるのでさらに◎。ちなみに柿はカラダを冷やす傾向にあるので、温まるものといただいて下さい。ヘタや葉は生薬です、殺菌効果があるので、柿の葉寿司などに使われ、若葉は乾燥させてお茶にしますよ、ビタミンCが多くダイエットにも最適。ですがタンニンが多いので程ほどにいただきましょう。

10/16

生姜(しょうが)・しょうがたっぷりピラフ・ジンジャーピラフ

私のオフィスでも風邪が大流行り。NHK[きょうの料理]でもご紹介したことがあるレシピですが、ふわ〜っと生姜が香りたつ身体温めピラフをご紹介(お米2合は研いで水に20分浸してザルに上げる。鶏もも肉1枚に塩を全体に揉み込んでおく。生姜は大さじ3分たっぷり皮付きでおろす。炊飯器に研いだ米を入れチキンスープの素、醤油、酒各大さじ1、生姜と水をメモリまで注ぎ一混ぜする、塩をした鶏とバター大さじ1をのせて普通に炊く。シャモジで鶏肉をほぐすようにしてごはんと混ぜ、茶碗に盛る、あれば三つ葉やゆずなど添えても。バターを隠し味に加えるのがポイントです、あればうす切り餅を2枚くらい加えるとおこわ風になりますよ。身体を芯から温めたい場合は、生姜を皮付きのまま薄くスライスしてカラカラになるまで乾燥させた干姜(かんきょう)を料理やお茶に使用してみてください。生の生姜は発汗作用があり、干姜は芯から身体を温めます。

10/15

鰻(うなぎ)・食養生

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うなぎのイメージは夏ですが、旬は秋冬です。白焼きに塩梅よく伸ばした味噌やお酢などをつける食べ方から、醤油、みりん、酒を使って煮詰めたタレを塗る蒲焼が主流になったのは、江戸時代中期頃のこと。関東風の蒲焼は蒸し焼きにするのでふんわり柔らかくタレが濃いめ、関西風の蒲焼は蒸さないのでパリッとしています。うなぎはビタミンA,Bが豊富、その他優れた効能があり、疲れた時や元気を出さなければならない時に奮発していただく滋養強壮食、風邪予防にも有効です。私にとっては、昔から言われる「食い養生」です。まれに口にできる天然のうなぎは、食べごたえがあって力強い旨味と後味に余韻がある感じ。香ばしく焼けた少し厚めの皮が美味しいなぁと思います、お重にするなら養殖の方が食べやすい。

10/14

落花生・らっかせい・ピーナッツ・ジーマミー豆腐

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立派な掘り立ての落花生を千葉の農家さんにいただきました。ピーナッツと言いますが豆科です。茹でたての皮を剥くと真っ白で、柔らかく土の香りがほんのりします。すっきりしたミルキーさも感じられて、沖縄の秘密のレストランで食べたジーマミー(地豆)豆腐を想い出しました。あまりに美味しくて作り方を教わりましたよ。まず水1カップとピーナッツ200gをミキサーに入れ滑らかにし、ザルに布やキッチンペーパーを敷いて濾す(絞りかすはクッキーや卯の花などに)。小鍋に水1カップ、くず粉7〜80g、きび砂糖小さじ1〜2、粗塩小さじ半を入れ混ぜる。中火にかけ豆乳を加えて木べらで混ぜながらプルンとなるまでよくよく練ります。出来立てを器に入れ、わさびと生醤油でいただく、もっちりして滋味深い。生姜ポン酢やみたらしでも本当に美味。
生薬では血を止める、肺を補う。アメリカの研究では、落花生の油分は血管を強くすることが明らかになっています。

10/13

銀杏(ぎんなん)

近所にある小石川植物園の丘の上にそれは大きな銀杏の木があり、この季節になると、母に言われて銀杏拾いに嫌々行かされていた想い出があります。
銀杏は脳の血流を高める効能があるので、ドイツでは頭痛薬やアルツハイマー防止などの医薬品になっています。中医学としては老化防止の緩和の生薬とされ、疲労回復、高血圧などに有効です(1日に10粒程度まで)。
大人になった今では、ツヤツヤとした大ぶりの銀杏の食感、微かな苦みなが美味しく感じます。銀杏をペンチや布で包んで綿棒などで程よく割り、香ばしく乾煎りしたものに、粗塩にほんの少し昆布茶を忍ばせた塩をふる、銀杏ごはんもいいですね。
真っ黄色に続く長い雄株の銀杏並木は美しく風情があって素敵、フォトジェニックです。

10/10

ニュージーランド・アヴォカド(アボカド)・美肌・ツヤ髪

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何よりビタミンEが豊富なアボガト。高い抗酸化作用があり、老化をふせぐ働きがある若返りのビタミン、女性には特に嬉しいスーパーフードです。アボガトは脂質も栄養価もとても高い果物の分類、リノール酸やオレイン酸は動脈硬化を予防し悪玉コレストロールを減少させます。繊維も多く、1個で様々な栄養価が摂取できますよ(ただし食べ過ぎには注意しましょう)。中医学では胃腸の働きを良くし、年齢と共に体力の衰えを感じる方にもよいとされています。半分にわって種をとり、トースターで焼いて醤油とわさびを添えてスプーンですくって温かいアボガトをいただく。その他、色味も綺麗でねっとりした舌触りのアボガトにはライムをたっぷり絞り、粗塩で食すのが1番だとアボガト農家さんに伺ったことがあります。中でもニュージーランド産のアボガトは、あっさりしているようで上質なクリーミーさを合わせ持ちます、アボカド好きも納得するハイクオリティー!