井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

6/10

山椒(さんしょう)・実山椒

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店先に山椒の実、小梅、青梅、らっきょうが並びワクワクしています。うかうかしていると、時期を逃してしまうので早起きして保存食作りに勤しむ。山椒醤油と山椒オイルを手始めに作りますが、この時期だけの淀みのない鮮烈な青い香りと辛味を逃さず、ギュッと詰める為に毎年試行錯誤を楽しみながら繰り返しています。山椒の実は沸騰させた湯に塩少々を入れ3分ほど茹で、氷水に1時間ほどさらす。枝から実をとって水気をしっかりふき(ここで冷凍しても)、清潔な密封容器に山椒をいれ、醤油をかぶるくらいに注ぐ。山椒オイルは下処理した山椒に米油、ごま油、オリーブオイルなど好みのものをそそぐ(冷暗所か冷蔵庫で保存)。シンプルで思いもよらぬ食べ方を発見できた時は特に嬉しい。青々した山椒のチリソースを作って、エビやホタテに絡めると眼にも舌にも鮮烈です。山椒は消化不良や胃腸の調子を整え、身体の冷えに効果があります。何よりその高貴な香りに胸がスッとします

6/9

新じゃがいも・ポテトパンケーキ

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ビタミンCも接種できる新じゃが芋。休日にはコロッケ作りで余った茹でじゃがいもで、ちゃちゃっとおやつを作る。ホットケーキミックスにチーズと混ぜて焼くとポテトパンケーキの完成、柔らかく練ったバターをたっぷり添えていただきます。ちょっとチーズドッグの味になるので昔懐かしい感じ(揚げるとアメリカンポテトドーナツになります)熱々のミルクティーとメープルシロップは欠かせませんね。柔らかい新じゃがいもは、油少なめの揚げ焼きでも十分なので皮付きポテトフライもおすすめですよ、粗塩にパプリカ、挽き立てのこしょう、ナツメグなどを混ぜたスパイシーソルトをふると最高。学生の頃、悪友達とよく食べたシェーキーズの皮付きの円形ポテトフライが、私の中のポテトフライモデル。

6/8

ズッキーニ

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ズッキーニはキュウリに似ていますが、西洋南瓜の一種。豊富なカロテンやビタミンCは肌に潤いを与え、体の余分な塩分を排出するカリウムも含んでいます。
広大な畑ですくすく育つスッキー二畑へお邪魔しました。バナナのような元気な黄色のズッキーニがたわわです。皮が柔らかく滑らかな肉質なのでそのまま薄切りにし、バジルを加えたビネガーオイルドレッシングと和える、清々しい美味しさと共に、体に栄養価を摂取しやすいシンプルレシピです。
畑では他にもカボチャやとうもろこしなども元気に育っている様子。保存方法も多様で、ザブンと水にくぐらせ、できるだけ空気を抜いて野菜を冷凍するそうです。作り手から教わる何気ないけれど真似してみたい野菜の扱い方は、まだまだたくさんあります。

6/7

クルミ・マカデミアナッツ・アーモンド・美肌・ダイエット

小腹が空いた時に食事の約30分くらい前に5〜10粒のナッツ類をよく噛んで食べると、食事後の血統値の上昇が緩やかになります。私はクルミ好きなので、いつも持ち歩いています、中医学ではボケ防止にも有効とされ、栄養学的にもクルミに良質な脂に効能があることが判っています。ナッツの中でもGI値が低く、悪玉コレストロールを減少させるオメガ3脂肪酸をとても多く含みます。
マカダミアナッツは風味が美味しい、含まれるパルミトレイン酸は血管を強くし、肌や髪をキレイにします。アーモンはビタミンEが豊富、美女のアンチエイジング、ダイエットに最適なのは有名ですね。

6/6

バジル・ハーブ・ジェノベーゼ

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バジルを目の前にすると深呼吸したくなります。鎮静作用、強壮作用があるスパイシーな香りはイライラも鎮めてくれますよ。今日は綺麗なグリーン色のジェノベーゼペーストの作り方をご紹介します・ハーブはそのまま使うより茹でると色がくすみにくくなります。バジル、パセリ、イタリアンパセリ等合わせて40gほど使います。硬い部分は落とし、熱湯に塩を加えてさっと茹でる。氷の入った水に放してしっかり冷やして色止めをし、水気を絞ってボウルに入れる。松の実やくるみを30g、潰したにんにく半かけ、粗塩、胡椒、茹で各汁少々、おろしチーズが無ければ粉チーズを半カップ、ハンドミキサーにかけて様子を見ながらオリーブオイルを半カップ弱少しずつ加え、清潔な密封容器で冷蔵庫保存。色鮮やかなジェノベーゼはパスタはもちろん、茹で野菜やサンドイッチ、肉や魚の付け合わせ、スープに落とすとお皿の上が美しく映えます。

6/5

発酵食・漬物(つけもの)・糠漬け(ぬかつけ)

糠漬けつくりは発酵しやすいこの季節におすすめです、本格的な梅作業の前に楽しまれてはいかがでしょう。精米したての生糠(ぬか)500gを用意します。鍋に水2カップ強の水と粗塩70gを入れ溶かし冷ます、ホーローなどの密封容器にぬかを入れ、冷ました塩水を少ずつ柔らかく(ぬかどこらしく)なるまで加えてよく手で馴染ませる。赤唐辛子2本、角切り昆布3㎝角2枚、あれば実山椒や生姜、粉辛子、干し椎茸などを適宜好みで加え混ぜる。捨て漬け野菜を毎日変えて5、6日して熟れたらきゅうり等、軽く塩もみしてから本漬けします。朝晩かき混ぜるのが理想ですが、最低でも1日1回は混ぜる、容器のフチについたぬかはキレイにふきとり、表面は平らにならして保存するとカビが生えにくくなります。管理が難しい時は発酵してから冷蔵庫保存します。乳酸菌やギャバがたっぷりの糠漬け、免疫力を上げイライラも防ぐ効果が期待できます

6/4

山椒・麻婆豆腐

真っ茶色の麻婆豆腐が出てくると嬉しい。中国山椒(花椒)がたっぷりと入って、辛いと言うより舌がビリビリ痺れるくらいの容赦ない大人の四川麻婆豆腐。材料があまり無い中で山椒、豆豉、辣油、豆腐、牛肉などで150年前ほど前に四川省に住む陳さんという料理上手な女性が作ったのが始まりだとか。日本には昭和25年頃に、日本人向けに改良して広めたのが陳健民さん、有名ですね。牛肉は体力を回復させて抵抗力を上げ、豆腐は身体を潤し、にんにく、生姜、ねぎ、唐辛子は血行を促進させ、発汗作用があります。ごま油と合わせるとさらに抗酸化作用がアップするので、暑い時やストレスフル時には、辛くて熱くてしびれる旨さの大人の麻婆豆腐がよく効きます。
青山椒は赤くなる前のもの、特徴的な爽やかな香りと辛味があり、赤い山椒は痺れるような辛さがあります。私はブレンドして使うこともあります

6/3

大蒜(にんにく)・新にんにく・薬膳

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新にんにくが出まわる頃になりました。中医学では脳と五臓の機能を活性化し、腫れ物や解毒の改善、血の巡りをよくする食材とされています。身体を温めるので、冷えて白い鼻水が出る時(黄色の時は熱がこもっているのでNG)などの風邪のひき始め、免疫力を高めたい時、体力を取り戻したい時などに有効。この時期のにんにくは、香りの香辛料と言うより野菜として調理したい。たっぷり薄切りにして小松菜や空芯菜とごま油でソテーしたものなどシャッキリした歯触りが心地よい。酢やオリーブオイル、にんにく、味噌に漬けても!大蒜の字の蒜(ひる)は食用になるにんにく、ノビル、ネギなどの古名。ノビルと区別するために、にんにくを(おおひる)と称し、生薬名は(たいさん)。ちなみに無臭にんにくやジャンボにんにくは、本当はポロ葱(リーキ)の仲間だそうです。

6/2

甘海老(あまえび)

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北海道が約7割の水揚げをほこる甘えび。北国赤海老又は南蛮海老とも呼ばれ、南蛮は赤い唐辛子や葱などの料理を南蛮料理と呼ぶことからの由来。春から夏にかけて青緑色の卵をつけるのですが、後味に微かな酸味を感じます。甘えびは、アスタキサンチンやビタミンEなども豊富なので美容にも◎。刺身や揚げ物、贅沢に塩辛などもいいですが、紹興酒に漬けたものも絶品です。とれたてはプリプリ、次の日はねっとり感がでて甘みを増します。余市にある燻製屋さんで初めて丸ごと甘エビの燻製を口にしたのはかれこれ10年以上前、殻ごと楽しめます。写真は北海道天売島に船上する前、甘エビ漁が盛んな周辺の食堂にて。

6/1

空豆(そらまめ)・豆板醤・発酵食

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そら豆は世界でも最も古い農作物の一つ。中国で最初に作られた豆板醤は唐辛子無しでした。現在では辛いものが多く、唐辛子と麹を加えて熟成させています。そら豆の調味料は手作りしても美味。ソラマメを蒸し、すり鉢に入れて塩麹とほんの少しのごま油を加えてすり混ぜて作ります。さらに滑らかなペーストにし、えびやホタテのムースと合わせてもよいものです。
タンパク質、ビタミンB1,B2も豊富な空豆は疲労回復によく、胃腸機能を高め、余分な水分を排出する効能が期待できます。
鮮度が落ちやすいので、できれば調理する直前にさやから出しましょう。新鮮なものは皮も柔らか。サヤに数カ所穴をあけて、酒蒸しにしたり、熱したグリルや炭で皮が黒くなるまで焼くと、蒸し焼き状態になってふっくら美味