井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

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発酵食・酢・ビネガー

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酢は最古の発酵調味料と言われており、万葉集にも登場します。味噌、醤油と並ぶ日本の食文化を支えてきた伝統的な発酵調味料。いろいろな国でも、その土地に根付いたお酒から作られており、名前の由来も判りやすい、例えば日本の酢は酒から作られるので酒編で酢、フランスの vinegar(ビネガー)はvin(ワイン)からくるというように。やわらかな酸味の京都の千鳥酢、心やすらぐ甘い香りのオーガニックアップルビネガー、キリッとさせたい料理に使う岐阜の内堀さんの米酢やリンゴ酢、気分によっては赤酢やバルサミコ酢を日々料理やドリンクに使用しています。酢には血液をきれいにし血行をよくする効果や、内臓脂肪を燃焼させる、疲労を回復させるなどの効能が期待できます。スクランブルエッグやチョコレートケーキにひと垂らしすると、しっとり仕上がりますよ。私はカルシュウムも摂取できる昆布をいれ、ナチュラルな甘みの為にクコを入れた薬膳酢を作り置きして楽しんでいます

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初鰹(はつかつお)

春から初夏に出回る初鰹は、黒潮にのって太平洋を北上します。あっさりしているお味ですが、ハシリを珍重する江戸っ子には今も昔も初夏を楽しむ風物詩。昔は高価でも初物に手を出すのが粋の証しでした、いただくと長生きするとの言われも人気の秘密だったかも知れません。レバー並みの鉄分を誇る鰹は、赤血球の生成を助けるので貧血にもよい魚、紫蘇、茗荷、葱などの薬味や、旬が同じ新玉ねぎを薄くスライスしたものとポン酢でいただくのもこの時期ならでは。いつものように生姜をたっぷりおろしてお醤油でいただくのもオツですが、皮を炙った鰹を少し太めに切り、ちょうどよく辛味が立った辛子と醤油でキリッといただくのもいい。窓から入る新緑の風をまといながら、5月だけは辛子で食したくなります。書かねば気が済まぬ、キンと冷えた日本酒と共に。

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トウモロコシ・コーン・ヤングコーン

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トウモロコシや枝豆は採りたてが美味、ひげ根と一緒に茹でるのが美味しさのコツです。
子供の頃は、ヤングコーンやホワイトアスパラガスはビン詰やカン詰などに入った保存食でした。
今やフレッシュなものが手に入るようになって、食感や香りも楽しめますね。
繊維が豊富で腸整作用も抜群、葉酸も含みます。ヤングコーンのひげ根は甘くて柔らかいのでさっと下茹でして食べやすく切り、普段のお料理に加えても。
トウモロコシは利尿作用があり、むくみにも有効。ヤングコーンは皮ごとグリルで焼くと蒸し焼きになり、香りと共に塩でシンプルにいただくのが定番、バター醤油でこんがり焼いても香ばしい。

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キャベツ・乳酸キャベツ・発酵食

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乳酸キャベツ(シュークルート・ザワークラウト)は発酵食ですが、気軽で直ぐに食せるサラダとしていつも作り置きしています。冷蔵庫を開けると、片隅にしんなりしておだやかな酸味と旨味をもった冷たいキャベツと目が合う。特に疲れて帰った夜、胃がすっきりしない日などに口にすると体や内臓が気持ちよくなるのを感じるので、つい手が伸びます(もともとキャベツがもつキャベジン効果もあります)。乳酸キャベツと納豆と2つまみの粗塩(好みで酢も少々)を混ぜたサラダ納豆や(夜食すのがお勧め)、少しのマヨネーズと和えただけのコールスローなど、旨味があって食べやすく直ぐにアレンジできるし、沢山の調味料や手順が不要なのも嬉しいところです。腸内環境を良くするので肌も綺麗になります

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じゃが芋・ポテト

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じゃが芋は、とても生命力が強いので世界中で多く栽培されている野菜。じゃが芋の豊富なビタミンCはデンプンに守られているので熱に強いのが特徴。胃腸を活性化し便秘改善などの薬効もあり、ドイツではじゃが芋をすりおろした汁やスープは胃腸症に良いとされる民間療法です。余分な水分や塩分を排出してくれるカリウムが多く、尿の出をよくしてむくみ改善にも有効。じゃが芋の芽を見つけたら取り除きます、ソラニンと言う有害物質なのでそこだけ気をつけて。茹でる時は2つまみの塩を加え、皮ごと水からフツフツとゆっくり火を入れると美味しい。始めてインカのめざめを口にした時は、その栗のような色とほっこりした甘みにじゃが芋の観念が変わったのでした。栄養もあり、お腹を満たすアレンジ自在なじゃが芋、フランスでは「大地のりんご」と呼ばれます。

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ドライカレー・キーマカレー

キーマカレーのキーマとはひき肉の意味。インドでは宗教上の理由から豚や牛ではなく、マトンや鶏が主流。水分が多少多目ですが、日本のドライカレーの原型とされています。ドライカレーは明治時代に日本人のコックさんがヨーロッパ航路の客船で考案したそうです。
炒め煮なのでルーは使わず、カレー粉とお家にあるスパイスで短時間で出来ますね。玉ねぎをラップに包んで600wで4、5分加熱し、ざっくり刻んでフライパンに入れると時短でき、甘さがすぐにでます。ここにカレーススパイスを入れ馴染ませ、ひき肉や刻んだ旬野菜を自由に合わせます。スパイスの調合はお好みですが、クミン、チリパウダー、コリアンダー、ターメリック、シナモンはおすすめ。スパイスは胃腸の調子を整え、代謝をよくし免疫力を高めます。ドライフルーツやスライスアーモンドをちらすと大人向。

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新茶・緑茶・日本茶・ほてり

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緑茶は頭をすっきりとさせ、身体の余分な熱をとる効能があるので更年期障害、ホットフラッシュやほてり感のある方に特にお勧めです。5月頭から、立春から数えた八十八夜が過ぎてお茶の最盛期を迎えます。この時期のお新茶にはカテキンがより多く、爽やかで清々し香りと甘みが堪能できますよ、一番茶をぜひ楽しんで下さい。日本茶は昔から消化促進、虫歯、口臭予防などにもよいとされ、ビタミンCも豊富です。築地に行ったら必ず立ち寄るお茶屋さんは、丁寧に1杯のお茶を入れて下さる。時間がなくてもこのひと時を持つことで、頭の中が整理整頓されるので、お茶の時間はとても有意義です。
もしも若葉の摘みたてが手に入るならぜひ天ぷらにして下さい。好きな飲み方があります、器に茶葉をのせて氷を多めにのせて一晩おきます、翌朝にはカフェインの少ない旨味が凝縮したアイスティーが出来上がっています

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フレーク・シリアル

フレークは穀物(小麦・大麦・オーツ麦・トウモロコシ・米・玄米)を平らに押して加工したもので、ミネラル・ビタミン・繊維が多くとてもヘルシー。同世代の皆さんも初めて口にされたフレークはケロッグ社のコーンフレークだと思いますが、19世紀末に栄養食として生まれました。今では香ばしい色々なフレークが普及され浸透されていますね、グラノーラなどバリエーシォンも豊富。フルーツやヨーグルトを添えると、バランスのよい朝食が手軽に出来るのも嬉しい、1日の必要なエネルギーを摂取できます。保存容器に味噌を入れ豆乳を溶き、玄米フレークを加え混ぜて一晩寝かせると、しっとりした栄養豊富な離乳食や介護食になります、胃腸が弱っている時、歯の具合が悪い時などもお勧めです。
今日はドライストロベリーを作ったので、コーンフレークに入れてミルクとシンプルに楽しみます。
イチゴの栄養素は乳製品と一緒に食べるとアップします

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春豆・グリンピース

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我が家では春豆と豚汁の献立は初夏膳の定番です。炊きたてのピカピカごはんの中に、タップリのグリンピースがすがすがしい。とうもろこしのご飯も同じですが、素材の甘みを生かしたいので調味料は天然塩少々と、小さなこんぶ1枚だけで調理します。新豆とお米の甘みが際立ち、ふんわりと豆の香りがやさしく広がって幸福感を感じます。チーズとオイルのリゾットもいい、余ったら豆乳で伸ばして攪拌し、滋養たっぷりのポタージュにすることも。写真は紫サヤのツタンカーメン、この豆でごはんを炊くとうっすら色つく豆ごはんになります。グリンピースはβカロテン、たんぱく質、食物繊維が豊富です。

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お結び・おむすび・おにぎり

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ゴールデンウイークも開け、お弁当作りもまた始まりますね。日本のソウルフード、フィンガーフードのおむすびは力の源です。神力の恩恵を授かるように山型(神様の形)にかたどって三角に握られたものがおむすびと言う説が濃く、おにぎりはどのような形でもよい認識だそうですが、地方によっても変わります。何処でどのような形で作られてもお腹と心と脳を満たし、素晴らしいエネルギー源になる事に変わりはありません。
移動現場の日には、一個のおにぎりと糠がついたままのきゅうりの漬物をポンっと切ってラップに包んで現場に向かいますが、体と脳に充電し元気になります。撮影まかないでも登場率が高いおむすび、今日も1日良い日になりますようにと願いを込めて結びます。和やかな中にも心なしか、皆んなの気合も入って行くように感じます。
美味しい秘訣は昆布を入れて炊くこと、炊きたてをにぎること、海苔を巻いた後にも塩をパラリとふることです