井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

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発酵調味料・酢・ビネガー・薬膳酢

ビネガー・酢・薬膳酢・発酵調味料・クコ

今日は身体の疲れをとり、心も癒すお酢のお話しです。
酢は世界最古の発酵調味料と言われており、万葉集にも登場します。味噌、醤油と並ぶ日本の食文化を支えてきた伝統的な発酵調味料。いろいろな国で、その土地に根付いたお酒から作られており、名前の由来も判りやすい。例えば日本の酢は酒から作られるので酒編で酢、フランスの vinegar(ビネガー)はvin(ワイン)、イギリスの(malt vinegar)のモルトは麦芽から出来ているというように。
果物や野菜から作られているものには、みかんや玉ねぎ、紅芋など多様にあり、林檎酢は世界中にありますね。私は基本的に米だけで作られている米酢を愛用していますが、赤酢やバルサミコ酢など日々料理やドリンクに使い分けて楽しんでいます。
酢には血液をきれいにし血行をよくする効果や、内臓脂肪を燃焼させる、疲労を回復させるなどの効能が期待できます。スクランブルエッグやチョコレートケーキにひと垂らしすると、しっとり仕上がりますよ。昆布にはカルシウムが含まれていますが、酢に漬けると酢酸カルシウムになって体により摂取しやすくなります。この昆布酢にナチュラルな甘みがでる、クコ(コジベリー)を入れた薬膳酢は使いやすいので重宝しています。スーパーフードでもあるクコは目によく、酸味と合わせると肝の働きをよりケアします。

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筍・竹の子・たけのこ

筍・たけの子・竹の子・山菜

茹でたての筍がスーパーなどでも売っています。季節のたけの子と木の芽の相性や、香ばしく醤油で焼かれた香りには日本人のDNAも手伝うのか、太刀打ち出来ませんね。
たけの子はなんと言っても繊維が豊富、体の老廃物を排出し、コレストロールの吸収を抑え、脳を活性化させる効果が期待できます。竹皮には防腐効果や殺菌作用ががあるので、昔はおむすびなどお弁当を包んで腐敗を防いでいました。
地中に埋まっていた掘り立ての筍のお刺身は、旬の息吹を感じられ、食べてもアクをあまり感じません。時間が経つとアク抜きが必要になります、購入したら直ぐに下処理してしまいましょう。大きめの鍋にたっぷりの水を入れ、米ぬか1カップ(または重曹大さじ1、あるいは米のとぎ汁)、赤唐辛子2本を加えて中火にかける。筍の皮を数枚むき、穂先を斜めに4、5cm落とし、剥きやすいように縦に浅く切り込みを入れます。落し蓋や厚手のキッチンペーパーをかぶせて中弱火で(大きさによる)1〜2時間程下茹でし、後は穂先は縦斬りにするなど食べやすく切って調理します。
一瞬で大きくなるたけの子、エネルギーと共に色々な調理法で楽しみながらいただきます。
 

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柏餅・かしわもち・子供の日

柏餅・節句・子供の日

5月5日は子供の日、端午の節供、菖蒲の日とも呼ばれます。菖蒲やよもぎを湯に入れてその香気で邪気を払い無病息災を願った薬湯につかる風習がありますね、私も子供の頃に1度だけ入った記憶があって、独特な香りをよく覚えています。菖蒲は尚武にかけており、勇ましく健やかな男の子の成長を祈願してのことですが、それにちなんだ武者人形や風に気持ちよさそうにそよぐ鯉のぼりを観ると素敵な風習だなと感じます。柏餅をいただく由来は、柏の葉が新芽が出るまで古い葉が落ちないので「家系が絶えない・子孫繁栄」縁起をかついで広まりました。店先には柏餅と中国から伝えられたちまきも肩を並べていますが、地域によって包む葉や呼び名が違う事もあるようです。
今日はみそあんの柏餅をお土産にして、大人ばかりなので、お赤飯や魚のカブト焼きを食卓に並べましょうか。

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新茶・緑茶・お茶・グリーンティー・八十八夜

緑茶・新茶・お茶・カテキン・清熱。グリーンティー

八十八夜のお茶のお話
雑節の一つで、立春から数えて88日目にあたる日が八十八夜、今年は5月1日でした。明日の5日から立夏になります。昔から季節の変わりめの目安として、夏への準備を知らせる縁起のよい日とされてきました。朝、手摘みをされた新茶は上質で不老長寿の縁起物ともされています。実際にこの季節の新茶は清々しく、旨み成分をたっぷり含み渋みや苦みも少ないのが特徴。緑茶は虫歯予防、口臭予防効果もあるので食事時にいただくのは理にかなっています。ビタミンCも豊富ですし、身体の余分な熱をとって頭をスッキリさせる効果等も。毎年、夏も近ずく八十八夜〜の歌を頭の中で口ずさみながら、まずは新茶を楽しみます。少し汗ばむこの時期には、茶葉の上に大きめの氷をいくつかのせて自然に溶けるのをまって、極上の氷茶を愉しみます。一晩冷蔵庫に入れておくのも手。この方法だと味の違いがよく分かり、カフェインも少ないので胃にも優しいのです

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新生姜(しんしょうが)・生姜・ginger ・生薬・ジンジャーエール

ジンジャーエール・新生姜・生姜・スパイス・ジンジャーエール・ginger

新生姜を薄切りにして甘酢に漬けたガリは薄紅色できれい、身体もシャキッとする風味です。刻んでゴマとご飯に混ぜるだけで防腐効果も上がるので、お弁当などにも最適、疲れもとります。スライスして甘酢に漬けることが多いのですが、皮つきの丸ごと生姜を、お味噌やたまり醤油、梅酢につけたものもお勧め。よく漬かったものは、みじん切りにして納豆に入れたり、お吸い物、炒め物の味付けに使うとそれだけで下味もつき、コリコリと食感のよいアクセントになります。
甜菜糖やハチミツとスパイスを煮詰めた生姜のシロップ(ジンジャーエールの素)は、お料理はもちろんソースにしたり、疲れた時に炭酸や水、お湯で割って飲むと元気が出ます、丁子(クローブ)を加えるとしゃっくりが止まると言われていますよ。免疫力が大事な時、生薬でもある生姜は、胃腸の冷えをとる薬でもあります。

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煮卵・味付け卵・たまご・薬味・スパイス

玉子・卵・煮卵・薬味・スパイス・ゆでたまご

卵は良質なタンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルなどがバランスよく含まれる完全栄養食品です。身体に必要不可欠な必須アミノ酸の8種類を含み、疲労回復や筋肉強化を促してくれます。
緑黄色野菜などを足して、食物繊維やビタミン類を補えばバランスの良い一皿になるので、日常食として手軽ですね。ゆで卵の作り方です・卵の丸みが広い方にガビョウで穴を開け、熱湯に塩と酢各少々を入れて茹でます。とろみのある状態にしたいなら5〜6分、半熟状態なら7〜8分、固ゆで状態なら11分ほど茹でます。この目安を覚えておくと便利、直ぐに冷水に入れると皮がスルリとキレイにむけますよ。味付け卵は、茹で玉子を密封袋に入れ、酒、醤油、みりん各同量、きび砂糖少々を一煮立ちさせたタレと一晩漬ける。タレを作る際に、好みで昆布や生姜、にんにく、長ネギ、赤唐辛子、八角など旨みや風味をつけても良いものです。これらの薬味は、美味しくなることが一番ですが、身体を温めて血行を良くし、香りをつけ、免疫力や保存効果を高める手伝いをします。

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セロリ・オランダ三つ葉・アンチョビセロリ

セロリ・オランダ三つ葉・食薬

もともと薬草だったセロリの香り成分には、春先に起こりやすいストレスを軽減する効果が期待できると言われています。キャベツと同じように、ビタミンuも含まれているので、胃の粘膜を修復する手助けもします。特に栄養価が高い葉は、刻むなどしてぜひ調理して下さい。カリウムも豊富、血圧が気になる方にお勧めの野菜です。
一番好きな食べ方に、アンチョビセロリがあります。筋を取ったセロリを5cm幅に切り、氷の上に置いたら、軽く刻んだアンチョビを散らし、レモン果汁をたっぷり絞ります。この上に挽きたての胡椒を散らすだけですが、アンチョビの塩気とレモンの酸味、セロリの香りと冷たい歯ざわりが三位一体になって後を引きます。冷たいことも美味しさのポイントです。日中は少し汗ばむこの頃、キーンと冷えた白ワインのお供にピッタリ、休日のお家のみにいかがですか?

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クレソン・クレス・オランダガラシ・薬味

クレソン・オランダガラシ・抗菌作用・食欲増進

柔らかい摘みたてのクレソンはとても可愛らしく清らかな感じが伝わります、どんな風にいただきましょうか。
まずは繊細な風味を味わいたいのでそのままサラダにして。
クレソンを口に運ぶと爽やかな辛さを感じるのですが、これは大根やわさびに含まれているのと同じ成分のシニグリン、胃がすっきりします。消化を助けたり、胃もたれの改善、食欲を増進させる作用があります。
クレソンは、カロテンを含み抗菌作用があり、老化やがん細胞を抑制し、血もきれいにする効能が期待できるそうです。
さっと茹でて軽く昆布締めにしても大人風味で良いもの。デトックスジュースや、新じゃが芋と合わせて温かいポタージュスープもいいですね。鶏と酒で旨味をたっぷりひき出したお鍋に入れ、さっとしゃぶしゃぶにするのもオツ。微かな苦味がさわやか、みずみずしい食感を少し残してたっぷりといただきたい野菜です

4/24

アーティチョーク・朝鮮あざみ

アーティチョーク

アーティチョークの和名は朝鮮あざみです。原産地は地中海周辺のエリアで、日本には江戸時代にオランダから伝わったと言われています。アーティチョークは扱いにくいように思われがちですが、塩茹でするだけで実はとても食べやすい野菜です。確かに食べることろは少ないのですが、柔らかい芯の部分はまるで上質な筍のよう、アクの出方も似ています。
茎部分を切り離して皮を剥き、先端の尖った部分を切り落とします。鍋に入れて、たっぷりのと水と塩、レモン果汁適宜を加えて20〜30分くらい柔らかくなるまで茹でる(または逆さに置いて蒸す)。粗熱がとれたら1枚ずつ外してお皿に並べ、マヨネーズやビネグレットなどをつけて柔らかい部分を歯でしごくようにして食べます。他にはない独特の食べ方が楽しいのと、美味しい風味で毎年食べたくなります。

4/23

行者にんにく・アイヌネギ・ヒトビロ・キトピロ・食薬

食薬・免疫力・行者にんにく・山菜・アイヌネギ・キトビロ・ヤマビル・醤油漬け・天麩羅

別名が可愛らしい行者にんにくは山菜です。花が咲いて食べ頃になるまで5〜7年ほどの長い期間がかかるそう。にんにく、ニラ、玉ねぎと同じユリ科のネギ属多年草で、北海道の天然ものは3月〜6月頃が旬となり、希少な特産品です。
アイヌの人達は春に採集し、乾燥させて保存もしていました。北海度で食べたアイヌ料理店の「オハウ」(鮭や鹿、野菜と煮たスープ)にも入っていて、滋養をつけながら魚の生臭さを緩和する効果もあるようです。
これまでの私の調理方は、さっと茹でて食べやすく切って醤油に漬けていましたが、茹でずにそのままザクザク切って漬けるだけの手法に切り替えました、山菜名人仕込みです。これを炊きたてのごはんに卵黄とのせてご馳走になったのですがとても美味しく病みつきになりました。それ以来私は、醤油に刻んだ行者にんにくと卵黄、昆布のはし切れを一緒に漬けて、炊きたてごはんのお供や、和え物に使っています。
行者にんにくは、抗菌作用が高くアリシンを多く含み、免疫力をあげますね、香りからしてとても元気が出ます。