井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

10/25

じゃが芋・ポテト

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じゃが芋は、とても生命力が強いので世界中で栽培されている野菜です。じゃが芋の豊富なビタミンCはデンプンに守られているので熱に強いのが特徴、料理に向いています。胃腸を活性化し便秘改善などの薬効もあり、ドイツではじゃが芋をすりおろした汁やスープは胃腸症に良いとされる民間療法です。余分な水分や塩分を排出してくれるカリウムが多く、尿の出をよくしてむくみ改善にも有効。じゃが芋の芽を見つけたら取り除きます、ソラニンと言う有害物質なのでそこだけ気をつけて。茹でる時は2つまみの塩を加え、皮ごと水からフツフツとゆっくり火を入れると美味しい。北海道で始めてインカのめざめを口にした時は、その栗のような色とほっこりした甘みにじゃが芋の観念が変わったのでした。固めに下茹でし、皮ごと太めのくし切りにして片栗粉をまぶしてカラリと揚げる、最高です。栄養もあり、お腹を満たすアレンジ自在なじゃが芋、フランスでは「大地のりんご」と呼ばれます。

10/24

柿・かき

柿には豊富なビタミンCやBクリプトキサンチンがあり、免疫力を向上させる作用が期待できます。漢方では、葉やヘタは生薬ですし、柿のタンニンはアルコールを分解するなどの作用があります。干し柿になるとビタミンAは倍増し、甘みが凝縮します。好きな食べ方に、完熟柿にスダチやカボス果汁をたっぷり振りかけて一晩冷蔵庫でマリネする一皿があります。柿のカロチンに柑橘果汁のビタミンCを足すとさらに風邪予防もアップし、酸味がよく合います。酒粕でほんのりマリネした生ハムで巻くとお酒に合わせる前菜にもピッタリ。柿の中身をくりぬいて器とし、中身はいくらと和えて柚子を散らし、美しく盛りつけた柿といくらの合わせ小鉢も粋ですよ、一瞬の出会いものを楽しみます。

10/23

くるみ・胡桃

脳を活性化させるくるみは、昔からボケ防止に良いとされています。ナッツの中でも必須脂肪酸のオメガ3を多く含みます、手軽に摂取できるのも嬉しいですね。私はいつも小さめのフィグ(イチジク)や手製のナツメなどのドライフルーツと小袋に入れて持ち歩き、小腹が空いた時に口にしています。
鯛茶漬けのタレにもくるみが必需品です。砕いたくるみ、カシューナッツ、ゴマを、順に加えて焦げないように小鍋で乾煎りしてすり鉢でよくすります。濃いめの麺つゆで好みの味に伸ばし、新鮮なお刺身をくぐらせる。後は、熱々ご飯にのせ、おろしわさびや海苔を好みで添えれば最高です。
くるみは血流の改善を促したり、コレストロール値を下げるなどの他、良質な脂分が腸を潤し便秘改善にもお勧め。1日に口にするだいたいの分量ですが、1日7、8粒くらいが良いようです。

10/21

お米・ごはん

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毎年美味しいお米を作る農家さんに出会って、感銘を受けています。畑にお邪魔し、6月の若い早苗植えからお手伝いし、黄金色の風になびく稲穂を刈り、数周間干されて玄米になるまでの手間暇。精米したてを口に運べる喜びはひとしおです。
美味しいご飯があると、おかずは昆布の佃煮とか、ぬか漬け、梅干し、お味噌汁などシンプルなもので充分。その方がお米の甘さや香り、旨さを堪能出来ます、炊きたてご飯の塩お結びも最高ですね。この季節はお米のお楽しみも沢山あって、栗ご飯、さつま芋ごはん、秋刀魚ご飯、いくらご飯など、秋の風味をとじ込めた数々は、目にも楽しく豊か。もち米で炊く銀杏おこわもいいですね。
お米はにっぽんの底力、毎日の食生活の積み上げが、心身共に本当の健康を作ると思います。難しいことではありませんね、日本の四季を受け入れ、巡る旬の恵みに感謝し、慈しみ楽しみながらいただきます。

10/18

林檎・りんご酢・フルーツビネガー・発酵食

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りんご酢には、りんごを発酵させたものと、酢にりんごを漬けた2種があります。今日は酢につける簡単な作り方です。りんご1個(紅玉だとキレイ)はよく洗って水気をふき、皮付きのまま乱切りにし、清潔なビンに入れる。りんごがしっかり浸かる程度の酢を注ぎます(ラップをかぶせてりんごが酢から出ないように内ぶたをします)。2、3週間冷暗所に置いたら楽しめます。香りがほんのりお料理やドリンクに移ってとても爽やかな酢、好みでりんごの半量くらいの氷砂糖(きび砂糖)を加えて寝かせると、甘酸っぱくて使いやすくなります。2、3日は容器ごと振って全体を馴染ませて下さい。早く風味を出したい時は小さめに切って、砂糖と酢をからめてボウルに入れ軽くラップをし、レンジに3、40秒ほどかけます。低温の発酵メーカーに、少しかけてもいいでしょう。
どの方法にしても、1ヶ月くらいしたらりんごを取り出して冷蔵庫で保存すると長期保存できます。
気の巡りを良くし、胃腸を整え、疲労回復に最適です。

10/17

柿・かき

柿は富有柿、富士、次郎などその他数種類あり、それぞれ形や味に特徴があって楽しめますね。生産地では干し柿用の柿も沢山出回っていますが、柿の袋の中に縄も一緒に入って販売されていて、気が利いています。柿に含まれる渋みのタンニンは血圧を下げる効果があり、ビタミンC、カロテンもたっぷり。アルコールを分解する作用もあります。柿のお気に入りの食べ方にレモン果汁をたっぷり絞って冷蔵庫に一晩おき、生ハムといただく気軽な一皿があります。スプーンですくえるくらいに完熟したら、タンパク質のヨーグルトと合わせると、肌荒れ改善にも役立ちます。それからよく冷えた柿といくらをさっくり和えると柿の甘さといくらの塩気が絶妙、出会いものは一瞬です。ジンに柿を沈ませて冷凍庫に一晩、とろりとして美味、呑み過ぎないようにご注意下さい

10/16

牛蒡・ごぼう・牛蒡子・便秘改善

中医学では牛蒡(ごぼう)は生薬で、種は(牛蒡子)ごぼうしと呼ばれ、主にのどの治療薬です、平安時代に中国から薬草として渡来しました。ごぼうを食用とするのは日本や韓国などの一部だそう。ごぼうの食物繊維は水に溶けにくい繊維と、水に溶ける性質の食物繊維を含むので、腸内環境を良くして便通をしっかり促します、柔らかく香り良い旬のごぼうで作るごぼうのサラダは水々しくて気持ちまでスっとします。皮に香りや栄養分があります、下処理は包丁の背で軽くそぐかタワシでこする程度に。サラダや揚げ物、醤油麹と赤唐辛子のキンピラもお勧めですが、厚手の鍋に梅干し、昆布、丸ままのごぼうを入れ酒と少量の水でじっくり炊いた柔らかな(ごぼうの梅煮)は、ごぼうの土の香りに梅が合って、シンプルながら絶妙です。

10/16

 芹・せり・ 貧血・便秘

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芹の由来は競い合うように成長するので「せり」の名前がついたとか。ビタミン、カルシュウム、鉄分、食物繊維を含み、便秘、貧血などに効能があり免疫力を高めます。芹は根の部分をよくあらい4cm幅に切り、めんつゆ程度の味付けで煮て、多めの卵でとじると美味。根の部分は秋田県ではきりたんぽ鍋などには欠かせないそうで、栄養価も高いようです。香りのもとになっている精油成分には発汗作用があり冷え性にも有効、肌も保湿します。干したものを刻んで布袋などに入れ、入浴剤にすると体が温まるので神経痛や肩こりにきく民間療法は有名です。

10/14

じゃが芋・肉じゃが

肌寒さを感じるようになると、ほっこりした甘辛い肉じゃがが脳裏をよぎります。じゃが芋4個は4、5等分に切って水に5分放してザルに上げる。玉ねぎ1個は1㎝幅のくし切り、生姜半かけは細切り、鍋を中火にかけごま油大さじ1で生姜と牛細肉250gを炒めて取り出す。同じ鍋で切った野菜をよく炒め、水1カップ、きび砂糖大さじ2、醤油大さじ1を入れて厚手のキッチンペーパーをかぶせフタをして10分煮る。煮汁が半量になったら醤油大さじ2、肉を戻し入れまぜ、時々鍋を揺すりながら10分煮て出来上がり。じゃが芋のビタミンCはデンプンに守られているので、熱に強く調理に向いています。カリウムも豊富、塩分が気になる方は特におすすめの野菜です。じゃがいもの芽のソラニンは有毒なので、しっかり取り除きましょう。

10/13

スーパーフード・ビーツ・血管力・くま・シミ

ビーツはスーパーフード野菜。名を聞くとロシア料理のボルシチ(シチュー)が真っ先に頭に浮かびますが、酸味が合うので酢漬けなどにも。古くから食され、ローマ時代には発熱や便秘に効く野菜とされていました。葉の部分にも高い栄養価が含まれていますよ、血液の流れを良くし、血管自体をしなやかに拡張させるので脳卒中や心筋梗塞に有効。抗酸化作用も豊富で、クマやシミをなくす効果もあるそうです。りんごやレモンと合わせるとさらに美肌効果が上がります。じゃが芋とビーツを柔らかく茹で、生クリームか牛乳、粗塩、胡椒少々を加えて水分をとばす。ほんのり甘く、舌触りのよいピュレにした濃厚ソースは、ポークやチキンソテーの付け合わせ、茹で野菜のディップとしてもにピッタリ。眼を見張る鮮やかな色合い、お米を炊く時や茹でる時、それからパスタに加えてみるとサプライズに!
その昔、フランスでは砂糖不足に対処すべく、皇帝がシュガービートを栽培する者達に土地を与えたそう。ビーツには天然のオリゴ糖が多く含まれています。