井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

7/25

きょうの料理・きゅうりの水キムチ・ 乳酸菌飲料・ 腸活・夏バテ予防

美容食・美肌・腸活・食養生・きゅうりの水キムチ・井澤由美子・まいにち食薬養生帖・薬膳・漢方・保存食・発酵食・乳酸菌・乳酸菌飲料・きゅうりの乳酸水キムチ

うだるような暑さから帰宅して冷蔵庫を開け、キーンと冷たいサッパリとした水キムチの漬け汁をゴクンと飲む。塩分と糖分、野菜や薬味の風味、程よく発酵した酸味が入りじまっています。たっぷりの乳酸菌を感じる事ができますよ、体も脳も直後に元気が回復します。水キムチは、水分がたっぷりで辛味がほとんどない食べやすいキムチ。漬け汁に沢山の乳酸菌が含まれています、そのまま飲んだり冷麺や冷し中華などの漬け汁に加えるなど、余す事なくいただいて下さい。

今回は(はじめての手仕事・夏の恵みで保存食)と言う事で、簡単に作れる乳酸菌飲料を使いました、発酵オタクの裏技です。米の研ぎ汁などでも良いですが、乳酸菌飲料はそれ自体に効果効能があるので安定した発酵力を醸し、漬け汁の乳酸菌も容易に増える。きゅうりの繊維も手伝って腸活にうってつけです。しかも、丁度良い酸味や甘さがあるので美味くなる嬉しいおまけ付き。このレシピは、初めての保存食や発酵食作りを試したい方に特におすすめです、手軽に失敗なく作れるのでぜひトライしてみて下さい。

HNK「きょうの料理」7月号でご紹介しています。多少レシピが違いますが「365日の食が心とからだの薬になる・まいにち食薬養生帖」(リトルモア)8月5日の182ページでも掲載しています。この水キムチを井澤家では、「イマドキ水キムチ」と呼んでいます。きゅうりは体を涼しくします、夏バテ防止にもぜひ!

 

7/23

帆立貝・ホタテ・食養生・疲労回復

ホタテ・帆立・食養生・井澤由美子・お刺身・しそこしょう・薬味・貝・疲労回復

ホタテは縦に、手でちぎって食べると美味い!北海道の漁師さんから教わりました。ホタテは繊維が縦なのと、スパリと包丁で切るよりも、手でちぎることで断面が生まれタレなどが絡みやすくなります。粗塩とすだち、あるいは柚子胡椒とオリーブオイルなどでシンプルにいただく時もプリプリッと食感よく感じます。もしも肉厚のホタテが手に入ったら、騙されたと思って手割りをお試しください。

世界中で愛されているホタテはどんな調理をしても美味しい貝ですね。日本での天然ホタテの旬は産地によりますが、初夏から夏にかけてと、卵の育つ冬から3月頃の2回だそうです。旨味の元のイノシン酸やグルタミン酸、甘味の元のグリコーゲンが豊富。タウリンやビタミンβ1を含むので疲労回復を手伝い、お酒のお供にも最適です。薬膳では腎の低下を補い、アンチエイジングなどにも良いとされ、干し貝柱を使用します。

今号7月号のNHK(きょうの料理)でご紹介させていただいた「しそこしょう」は、ホタテの甘みを殊の外よく引き立てます。青柚子やしそ、青唐辛子の夏の香りと色をまとって涼を呼ぶ一皿に。薬味は、辛味や塩梅を好きなように加減できます、手仕事の良いところですね。柚子の代わりに酢橘やレモンでも香りよく美味しく出来ます。

 

 

7/22

パパイヤ・夏の果実・美肌・眼精疲労 ・大暑

井澤由美子・パパイヤ・夏も果実・酵素・カロテン・美肌・眼精疲労・美容・食養生・薬膳・食薬ごはん

7月の爽やかな伊豆出張、車窓からも青い海と空が広がります。ロケ現場近くの道の駅で、一人で食べるのにちょうど良い手の平サイズのミニパパイアを発見しました。半分に切ってみると小さな種が一つしかついておらず、石垣島で食べたパパイアも種なしだった事を思い出しました。

通常のパパイアには種がぎっしり入っています。完熟したパパイアの種は口にすると柔らかく、ホースラディッシュ(山わさび)のような辛味のニュアンスがありますよ。この辛味を生かしたお勧めのパパイアサラダの作り方です。まずパパイヤは表面をよく洗って、汚れなどをしっかり落とします。容器に種適宜とオリーブオイル、レモン果汁、少々の塩を混ぜてドレッシングを作る。食べやすくカットした果肉とさっくりと混ぜて器に盛ります。レモン果汁を絞ったり、器ごと冷やしてからいただくとさらに美味。シンプルですが、栄養を損なわず、効果的に体に吸収させる一皿です。

黄色く完熟したフルーツパパイヤは酵素やミネラル、ビタミンCがたっぷり。中でもカロテンの含有料が高いのが特徴。夏の日差しに負けない美肌効果や、眼精疲労ケアも高くなりますね。薬膳でのパパイヤは母乳の出をよくしたり、消化不良など胃痛に良いとされています

暦では明日は大暑(暑さピーク)、心身共にご自愛下さい。

 

7/21

ピーマン・夏の食養生

食養生・井澤由美子・ピーマン・夏野菜・赤ピーマン・きょうの料理・

夏の緑黄色野菜の王様ピーマン。唐辛子を意味するフランス語のピマンが語源だそうです。ビタミンCとカロテンが豊富で、皮膚を健やかに保ち、疲労回復を担います。紫外線などのダメージが気になるこの季節には、特に食べたい野菜ですね。ピーマンのビタミンCは加熱しても壊れにくい特徴があり、コラーゲン豊富なたんぱく質と合わせると生成に役立つので、肌を潤す手助けをします。豊富なカロテンは油と調理すると体への吸収率が高まります。

旬のピーマンはフレッシュで若々しく香りも良いですね、鉢植えでもたわわに実ります。タネやヘタ部分も食べられるし、美味しいんですよ。手でギュッと押しつぶして丸ごと調理、ヘラで押しつけながらごま油で焼いて、酒、醤油、みりんで落としブタをして煮込む「ピーマンの丸煮」や、お味噌汁やバーベキューなどいろいろな料理に展開しています。
ちなみに、少し苦味のある緑のピーマンを時間をかけて完熟させたものが赤ピーマンですが、甘みがましてビタミン類やカロテンの含有量が高くなります。
意外なところでピーマンは、鯵のなめろうに薬味代わりに加えると魚の風味を邪魔せずに美味しくなります。千葉の漁師さんに教わりました。

7/19

与論島・オクラ・島オクラ

オクラ・おくら・夏野菜・井澤由美子・料理家・発酵食・健康ごはん

与論島の農家のお母さんに、オクラは生で刻んで食すときいて、試してみました楽しい食感です。一般に関東に出回るオクラより沖縄、鹿児島にこの時期出回るおくらは産毛がすくなく、大きい上に柔らかいので生食にも向いているようです。丸もあるし、5角形の5各種もあって赤オクラも収穫できるそう。

オクラは塩で少しもんで、熱茹でパンっと張るくらい(中の種がでないくらい)まで茹でると、強い粘りと甘みが引き出されてものすごく美味しい。塩茹でしただけのシンプル調理ですが、島の粗塩とおろした生姜や山葵(これは持参)で堪能、オクラばかり食べていました。オクラはカロテンやビタミン、食物繊維を多く含み、疲労回復効果が高い野菜なので、夏バテ予防にも良いですね。炭火やグリルで(茹でずに)焼いても美味しい。そういえば、島根県の道の駅で買った黄色いオクラの花を酢の物にし、角寿司を作った事を想い出しました、花にも粘りがありますよ。

7/19

きゅうり・糠つけ・パリパリ漬け・食養生

食養生・井澤由美子・まいにち食薬養生帖・糠漬け・胡瓜・きゅうり・キュウリ・食養生・薬膳・夏野菜

昨日花が咲いたと思ったら、直ぐに大きくなっている胡瓜。成分は約80%以上が水分、カロリーが低く、夏にふさわしい薬効を持っています。身体の予防な熱を冷まし、喉の渇きを止め、利尿作用が高い。鎮静作用や美白効果もあるので、日焼けや火傷などの時に、きゅうりでパックをしてほてりを鎮める民間療法も伝わっていますね。

この時期の胡瓜でせっせと作るのは、まずはぬか漬け。2日半漬けてから水で洗って横半分に切り、冷蔵庫で冷やして置く。ポリポリとかじると適度な塩気と酸味で疲れがスッと抜けて行きます。

長野県の農家のおばあちゃんに教わったポリパリ食感のきゅうり漬けは、醤油、酢、みりんか砂糖、昆布、赤唐辛子を火にかけて漬け汁を作ってきゅうりを入れて煮るのですが、食感も美味しさのひとつです。
長野県での漬物は、お茶請けに登場させるもの、もちろんごはんのお供やお酒のアテにも最適で、暑い日には特に美味しく感じます。もしも詳しい作り方がお知りになりたい方はNHKきょうの料理7月号に掲載していますので、宜しかったらご覧ください。

7/17

唐揚げ・鶏肉・食養生・疲労回復

ザンギ・唐揚げ・北海道・鶏肉・疲労回復・井澤由美子・煮込み・食養生・手羽元・薬膳・漢方・食薬ごはん・疲労回復

体のあらゆる組織を作るタンパク質、近年特に話題になっていますね。鶏肉にはバランスよくタンパク質を構成する必須アミノ酸が豊富、部位によって栄養成分が異なります。疲労を感じたり、お酒のお供には胸肉、ダイエットや美肌にはささみ、旨味の多いもも肉はエネルギーを作り活力を産みます。皮にもコラーゲンが多く、髪や肌を艶やかにします。ビタミンCと一緒に摂取すると体への吸収が高まるので、レモンをしぼったり野菜などを添えて一緒にいただきましょう。

鶏肉といえば何と言っても唐揚げが人気。北海道に行くと、ご当地グルメとして名高いザンギ(鶏の揚げ物)の専門店をよく見かけます。居酒屋さん、カフェ、バーのメニューにも多く、お鮨とザンギの2本柱で営まれている心にくいお店も。釧路に行った際に寄った有名店では骨つきと骨なしのザンギがあり、少し甘酸っぱいオリジナルのタレがオツでした。鶏肉がジュージューと大きな音をたてながら揚がる様子に聞き耳を立てながら、お店中に充満する香ばしい香りで待ち時間も楽しかった想い出があります。

中医薬膳での鶏肉は「気」を補う力が強く、寝てもなかなか疲れが取れない慢性的なエネルギー不足に良しとされています。肉類の中では消化がよく、脾胃の働きを高めます。鶏肉は免疫力を高める発酵食の塩麹とも名コンビ、柔らかくなり2、3日長めにつけると奥深い香りもでてきます。少し不調を感じていたら、参鶏湯風も滋養がありお勧めです。夏バテ防止にも良い鶏肉と、発酵食の組み合わせをぜひお試し下さい。

 

 

 

 

 

 

7/17

ホオズキ・スーパーフード・ゴールデンベリー・美容

井澤由美子・美人モデル・シニアモデル・美容・食用ほうずき・ほうずき・ゴールデンベリー・インカベリー

浅草など、あちらこちらで開かれているほおずき市は、江戸時代から続く日本の夏の風物詩。季節になると母が必ず買ってくるほおずきを見ると、赤い身の中から種だけを取り出す遊びに挑戦し、苦味をこらえて膨らませていた幼少の頃を懐かしく思い出します。ある日の晩、ほおずきの赤い外袋に何気なく夕食のお惣菜をそっと入れて、食卓に出してくれた母を素敵だなあと思った記憶もあります。

17〜8年ほど前に、海外の黄色い西洋食用ほおずき(ゴールデンベリー)を初めて口にした時は、そのココナッツの風味がする美味しさにびっくりしたものです。今日ではスーパーフードとして知られ、ドライフルーツも手軽に購入できるようになりました。人気の秘密は美容と健康に役立つ栄養素が多く、ビタミンA、B、C、ミネラル、繊維などが豊富だからです。

国産の食用ほおずきに北海道で出逢った時の感動も忘れられません。色とりどりの紙風船のような優しい色合いが美しく、嬉しくなってお土産にたくさん持ち帰りました。これから秋にかけてが旬なので、ご興味のある方は是非。

7/15

しそのナムル・大葉・蘇葉・保存食

紫蘇・しそ・蘇葉・生薬・井澤由美子・薬膳・漢方・食養生・食薬ご飯

爽やかな日本の代表ハーブのしそ。
胃液の分泌を良くして食欲を増進させ、老化の素である活性酸素を抑える効能が期待できます。解毒作用などの薬効があるので、特に夏のお刺身などの生ものに添えるとよいですね。薬膳では、妊婦さんの(つわり)の吐き気どめに良いとされ、安泰作用もあると言われています。漢方では蘇葉(そよう)と呼ばれる生薬、主に赤しそを使用します。

しそは、そのままの形を生かしてごま油と塩の重ね漬けでナムル風にしたり、薄切り生姜と醤油漬けにしたりと色々な保存食が作れます。カロテンが豊富、油と調理すると効率よく体に摂取できます。しそを重ねて10枚位の細切りにし、辛いペペロンチーノにたっぷりとのせた(しその和風スパゲティー)はしその風味が涼をよんで、とても美味しく感じます。

今月の7号NHK「きょうの料理」でも夏の保存食として、簡単に作れる(しそのナムル)をご紹介しています。焼肉や、炊き立てのご飯に巻くと箸が止まらなくなりますが、しその健胃作用で消化を良くする手伝いをします。放送は18、19日です、よろしかったらご覧ください。

7/13

夏野菜・ズッキーニ・食養生

北海道・まいにち食薬養生帖・ズッキーニ・夏野菜・農家さん

ズッキーニはきゅうりに似ていますが、西洋南瓜の一種。豊富なカロテンやビタミンCは肌に潤いを与え、体の余分な塩分を排出するカリウムも含んでいます。広大な畑ですくすく育つズッキー二畑にお邪魔しました。バナナのような元気な黄色のズッキーニがたわわです。緑色より皮が柔らかく滑らかな肉質なのでそのまま薄切りにし、摘みたてのバジルを加えたビネガードレッシングと和える。あるいは、卵液を潜らせて焼いたチジミや、少し厚めに切って薄い衣にくぐらせて揚げたフリットもお勧め。ズッキーニのカロテンとオイルの組み合わせは、栄養素を体に摂取しやすくします。

畑では他にも、かぼちょやとうもろこし、おくらなどが元気に育っている様子。農家さんの野菜の保存方法は多様で、ザブンと水にくぐらせ、できるだけ空気を抜いて冷凍するそうです。作り手から教わる何気ないけれど真似したくなる野菜の扱い方は、まだまだたくさんあります。