井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

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花びら餅・和菓子・手土産

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花びら餅は、甘く煮たふくさごぼうと白味噌を合わせた和菓子。新年に御所へお納めしている「菱葩」(ひしはなびら)を原形とし、もとは宮中のおせち料理で、平安時代に長寿を願う歯固めの風習から伝承されているそうです。茶道の初釜でも用いられる気品ある洗練された和菓子です。清く潔いフカフカの真っ白な表面と、うっすら透ける中身の紅がよい年の幕開けを暗示するよう。贔屓にするお店に訪問する時、幼少の頃から親しんでいる近所の和菓子屋さん(一幸庵)の花びら餅をいそいそと買い込み、ご挨拶兼ねて毎年の手土産にしています。

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小豆粥・粥・小正月

小正月の朝に小豆粥をいただくのは、無病息災の意味が込められています。古来から小豆の赤色は邪気を払うとされており、疫病を払うという神秘な力が信じられていました、これは中国の風習に習ったものです。日本ではお祝い事があると、お赤飯を炊きますがこれも同じような風習から生まれ、米やもち米にあるパワーと合わせて体が元気になる組み合わせなので、事あるごとに食されています。特に日本は湿気が多いので、小豆の強い利尿作用と解毒作用は大切です。水の代謝を促すのでカラダの余分な水分を排出し、むくみや怠さの症状を軽減する効能が期待できますよ。その他ポリフェノール、サポニン、ビタミンなどが含まれており、中医学ではその高い効能から赤小豆と呼ばれる生薬でもあります。そして朝食に温かく胃腸に優しくほんのり甘いお粥は、1日のスタートにも最適な食事と言えます。

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小正月・女正月・2番正月・小豆粥

今日は小正月(こしょうがつ)です。昔はこの日を正月にしていたのでその名残から小正月とされています。お正月から働きつめの女性をねぎらう休息日として女正月とも呼ばれるそうで、2番正月、花正月とも言われます。各地の田んぼや神社では門松、しめ縄などを持ち寄って焼く風習があり、どんどん焼きなどの火祭りが行われ、五穀豊穣、無病息災などを祈願し、焼き餅や小豆粥をいただきます。小豆粥は邪気を払い体を元気にしますよ、私は七草を食べ損ねたので明日も明後日も朝は小豆粥です。小豆は一晩水につけて好みの柔らかさに炊いてから、お粥と合わせます。最近は蒸し小豆などが売っているので、その場合はいつものようにお粥を炊いて最後に小豆と粗塩を加えて出来上がり。お米から炊いたお粥は凛として美味しいものです。

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昆布・酢・昆布酢

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昆布にはフコイダン、フコキサンチン、食物繊維が豊富。フコイダンは免疫力を高めてがん細胞やウイルスに感染した細胞をいち早く攻撃できるように活性化させるなどの効果が期待でき、フコキサンチンはストレスや生活習慣病、メタボリックシンドロームの予防に役立ち、食物繊維は調整作用を促進させます。酢に昆布を浸すと昆布のカルシュウムが酢の酢酸(さくさん)に溶けでて酢酸カルシュウムを作るのですが、骨粗しょう症予防に有効です。酢に昆布をつけおくだけの旨味昆布酢をいつもキッチンに常備しています。天然昆布を全て手作業で丁寧に作業する素敵な漁師さんご夫婦とパチリ!

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冬の煮物・酒粕煮

酒粕をたくさんいただきました。関西から届いた上品な海老芋と、年末の塩鮭の頭もあるので、今日は絵に描いたような酒粕煮を作ります。鮭の頭はざく切りにして霜降り(ねつゆでサッと下茹で)し、血合いなど臭みの素となるような部分は水で洗って落とす。太めイチョウ切りの大根やにんじん、好みで生姜スライスや赤唐辛子を加え出汁をはって30分ほど煮込みます。煮汁で酒粕と白味噌を溶いて加え、さらにコトコトと4、50分煮込む。途中下処理した海老芋を加えます。器に盛って、仕上げに柚子の皮をふって出来上がり。体も温まり、アンチエイジングに最適です。

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キムチ・ポッサムキムチ・発酵食

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韓国は世界の中でも有数の発酵食大国。キムチを朝、昼、夜といただくからだそうですが、当然キムチを作る量もとても多く、家族、ご近所総出で手作りします。キムチ用の冷蔵庫も各家庭に常備されているのが当たり前の文化。私もキムチ好きですが、中でもポッサムキムチが特に好み。栗やナツメ、松の実、アミの他に牡蠣、蛸など海鮮類も入るので辛いばかりではなく旨味と甘みが複雑に重なりあって、とてもコクがあって美味しいのです。ポッサムとは包むと言う意味だそうで、外側の葉で具を包み2〜3週間ほど寝かせます。贅沢な材料で作られるので、王様のキムチとも呼ばれる。韓国の白菜と日本の白菜は葉の厚さや形が違いますが、今が美味しい頃。妻家房のマダムに調味料を始め、作り方のコツを丁寧に教わりました。すご〜く嬉しくて、私も今年は沢山仕込みました!

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酒粕(さけかす)・美肌・発酵食

ビタミンなどの栄養価は周知の通りの酒粕。健康効果も素晴らしく、豊富な食物繊維で排便を促しますが、含まれる成分のレジスタントプロテインが体内の余分な油分も吸収して一緒に流してくれるため、悪玉菌コレストロールも減少。肥満予防やガン、高血圧抑制効果も医学的に効果があると期待されています。腸を美しくすることは直接美肌にもつながります、健康、美容はいつも表面一体ですね。ダイエットしたい時もお勧めの酒粕は素晴らしい発酵食です。
今日は小鍋でお正月のお餅を茹でたのですが、その後のとろみのある水分に酒粕とスープの素やスパイス、野菜を入れてお餅と酒粕のシチューにしました、好みで豆乳や牛乳を加えてもいいですね。

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酒粕・甘酒・粕汁・発酵食

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寒さ厳しいこの季節にいただく粕汁は骨身にしみ入るように美味しく感じます。大人になってお酒をたしなむようになり、さらに好きになった発酵食の酒粕ですが、今が旬の大根、かぶ、にんじん、サケやブリのアラなどがとてもよく合う。私は白味噌、山椒、生姜を加えて一緒にグツグツ煮た粕汁が好きですが、お好みです、今だからこそのこっくりした温もりのある旨さがありますよ。酒粕はお米、米麹、水で発酵させて漉した液体が日本酒、しぼりかすが酒粕です(発酵が終わったもろみを絞ったものが酒粕ですが、アルコール度数もビールほどあります)。このしぼりかすの酒粕ですが、アミノ酸、食物繊維、レジスタントプロテイン、ビタミン、酵母も豊富なので非常に栄養価が高い発酵食品と言えます。毎年、年末年始の食べ過ぎ飲み過ぎを「酒粕メンテナンス」で肌も腸も整えます。今日は赤米と紅麹の酒粕が手に入ったので、きび砂糖を溶いて桃色の豆乳甘酒を作り、リラックス。

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お正月と祝い箸

お正月は人々が総ての生命の更新を喜び祝う一年で一番おめでたい日。元旦朝に水引がついた中太両細の純朴の木で作られたお箸を使う意味は、片側を神様が使いもう片側を人が使うという風習が古来からあるからで「神人共食」を意味し、年神様の恩恵を預かるのです。洗って3が日か、七草、松の内(地方によって異なるのですが、門松をたてている期間1月7日まで)が終わるまで使用します。この祝い箸は末広がりの八寸(約24cm)で縁起がよく、両方の先端が細くなっていて「両口箸」とも呼ばれます。その他、丈夫で神聖な木とされる柳で作られるので柳箸と言われたり、五穀豊穣を願った米俵をイメージした俵箸と呼ばれることもあります。まちがっても神様の方を使わないように致しましょう。

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お雑煮・栃餅(とちもち) Part2

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お餅、お雑煮が大好きです。年末になると青のり入りや豆入り餅を自分でも作りますが(機械ですが)、美味しいお米やさんや和菓子屋さんで搗き立てのお餅を見かけると通りすがれず、ついつい購入してしまいます。去年出会った鳥取県は智頭町の栃の実のお餅は感動的でした。それまで栃もちや栃の実せんべいは食したことがありましたが、作りたて、つきたてのお雑煮は初めて。硬い皮むき、灰汁抜きという大変な手間をかけたその栃の実が豊富に含まれる塩梅よき風味は稀!病みつきになりました。栃の実羊羹もとてもオツなものです。五臓を強くし、保蔵の為にも食されてきた雑煮、古来から民間薬ともされてきた栃入りのお雑煮でこの1年を健やかにすごせる気が致します。