井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

6/24

杏(あんず)・杏仁

杏・杏仁・あんず

ほんのり甘い香りに気づいて見上げると、杏の実がたわわ。杏のやわらかな色合いを目にすると幸福感が生まれます。完熟杏は香りよく果肉も食べやすい、旬が短いので見かけるたびに堪能します。子供の頃によく食べたクレープは、生クリームやチョコバナナではなく、甘酸っぱいあんずジャムを薄く塗ったものでした。美味しく感じる温かいジャムは、杏が際立っているように今でも思います。
杏は、ドライフルーツにしてもいいもの。半分に割って種を取り、低温のオーブンか果物乾燥機でセミドライにします。これを、黄色いパプリカとオリーブオイルで蒸し焼きにして冷ませば、お互いの良いところがきわだった鮮やかな冷製サラダになります。
杏はカロテンが非常に豊富で、粘膜をうるおす効能があり、種の中身(仁)は漢方薬の原料の杏仁です。杏仁豆腐でも有名ですね(生では食べられません)。
白きくらげは肺を潤す食材と言われていますが、氷砂糖と1時間半ほどゆっくり煮てトロトロにし、そこへ杏仁の粉を加えると咳にもよい美味しいデザートになります。冷たくても温かくてもおすすめです。生クリームなどお好みで加えてください。

6/22

ラペソー・発酵食・ミャンマー

ラペソー・発酵食・発酵食品

ラペソーは約半年から1年ほどかけて茶葉を発酵させたミャンマーの郷土食、漬物のようなイメージです。ミャンマーはイギリスの植民地でしたので、お茶を飲む文化も盛んな土地柄、飲むだけでなく、料理にも展開されています。ラペは「茶」、ソーは「湿った」の意味を持ちます。確かにしっとり湿っており、ほのかな酸味があって、後味に少し苦味が残ります。
ミャンマーのお母さんが作るお惣菜は、苦味のある野菜がクタクタに煮てあったり、辛味とたっぷりのオイルで煮た魚、スパイスでじっくり煮込んだ肉など保存性も高めた料理が多い様です。
買って帰ったラペソーは乳酸キャベツと混ぜてカレーの付け合わせにしたり、唐辛子入りの酢をかけたりして楽しんでいます。現地では(ラペットウ)と言うサラダにされることも。ラペソーと刻んだ生野菜に、レモン果汁、にんにく、青唐辛子、すりごまなどで味付けし、アジョゾンと言われる素揚げした豆やナッツがたっぷり混ぜてあります。旨味のある干しえびも入って、食感のコントラストも楽しいのです。タイの北部や中国雲南省でも食べられるラペソー、実に興味深い発酵食です。

6/20

空豆・蚕豆・天豆・夏豆・Broad bean

空豆・天豆・おたふく豆・蚕豆

千葉に畑をお借りして色々な野菜を栽培しています、5月から空豆も最盛期。見てくれは、お店で販売されているような美しさはないのですが、剥くと青々としてぷっくりとした大きな実が飛び出してきて、フンと豆の香りが鼻をかすめます。採りたての空豆を熱湯に入れ、塩梅よく茹でるわけですが、皮が柔らかいのでそのまま食べた方が美味しい、下ごしらえの皮に入れる切り込みも必要がない程です。空豆ってこんなに美味しいものだったのかとつくづく思いながら、仕事終わりの夕暮れに冷えたワインとつまんで楽しんでいます。少し厚めにスライスした発酵バターと、パン屋さんのバケット、少々の粗塩とペンチで割った胡椒を添えて。
空豆にはビタミン、タンパク質、カリウムが豊富、豆の中でも栄養価が高く疲労回復効果があります、お酒のお供としても最適です。
フジTV・四季彩キッチンでもご紹介した「空豆の素揚げ」は、皮に切り込みを入れて、ある程度温めた中温から揚げるのがポイント。油の中で皮から実が勝手に脱皮するので、手間いらず。鮮やかになって浮いてきた実から先に取り出し、皮は茶色く揚がったら引き上げます、此方もカリカリして実に良いつまみ、全体に軽く粗塩をふって下さい。お酒を提供するお店では空豆を(天豆)と書いてある事があります、心意気も粋なようで嬉しくなり、ついついお願いしてしまいます。

6/19

シラス・しらす・しらす干し・ちりめん

シラス・しらす・しらす干し・ちりめん

しらす好きです。早朝の海辺に行って、しらす漁があったらとってもラッキー!天候やその年によってまちまちなのは桜海老漁も一緒です。鮮度が命の生シラス、透き通った体でピチピチ飛び跳ねて元気。この鮮度の為に、漁が終わると全速力で浜に戻る漁師さん達です。とれたての生しらすを釜茹でしたものが釜茹でしらす、そこから数時間干したものがしらす干し、長く天火干ししたものがちりめんと言われています。しらすの産地では、シラスをパスタやピザ、トーストにのせるなど、日常の食卓に羨ましいほどたっぷり登場しています。
これ以上入れたら握れないかもと思うくらいのしらすを入れたお結びや、炊きたてご飯に贅沢にのせていただくしらす丼は至福です。お弁当にも香り高い青海苔と、手作りの赤紫蘇塩をアクセントにしてたっぷりと。月並みですが、きゅうりやワカメの酢の物とも好相性、酢と合わせるとしらすのカルシウムがよりよく摂取できます。

6/18

与論島・壺酢・さとうきび酢

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与論島のさとうきび酢を初めて口にした時は、そのコクにハッとして今でも鮮明に覚えています。島には黒糖がどこにでも売っており、きび酢に溶かすと奥深いパンチのある甘酢がすぐに作れる環境です。朝市で初めて見た赤瓜(あかうり・モーウィ)は胡瓜の仲間だそうで、食べ方を農家のお母さんに教わりました。煮ても炒めてもいいが、生でもよいようなので皮をむいて薄切りにし、島の粗塩で軽くもんで即席の甘酢に漬けてみました。半日ほど冷蔵庫で冷やした赤うりの甘酢漬けは、パリパリとした食感が独特で美味しい、疲れがスーと抜けていく甘酢漬けです。
90歳を過ぎたおばぁが「島の人はきび酢でお刺身をたべる〜」と教えてくれました。酢は腐敗防止効果が高いので南島では当然かも知れません、暑さでバテそうな体にもクエン酸が良く効きます。
島と共に発展してきた発酵調味料のきび酢。のんびりした畑に壺酢が行儀よく並んでいます、冬にきび砂糖を収穫して仕込むそうです。

6/17

梅仕事・昔ながらの梅干し・梅

梅・梅干し・梅しごと・南高梅

梅干しは防腐作用が高いのでこの季節のお弁当にかかせませんね、お米に入れて炊いても良いもの、疲れをとるクエン酸も頼もしい。梅干しを作ると生まれる白梅酢を手塩の代わりにして握ったお結びは、自分で作った調味料だからか、いつもより心華やぎます。ふくよかな香り高い梅は料理にも使いやすいので、私は大きめの完熟梅(緑色や硬さがある時は、真っ黄色になるまで常温で追熟させる)を購入します。500gで大体10〜13個、30分水に漬け水気をしっかりふき、竹串でヘタを取る。リカーや臭いのないアルコール大さじ1で密封袋の中をさっと消毒し、捨てる(袋中ふかなくてOK)。後は70〜90gの粗塩と梅を入れ、袋の上から馴染ませる。同量の重しをして2日間1日1回上下を返し、20日間そのままおく。冷暗所か冷蔵庫で保存し、梅雨があけたらザルに広げて好みの状態に2〜5日間天日に干す(好みで白梅酢に戻す)。梅干しを見ると唾液がでますね、消化力を高めるのでおかゆに添えるのです。味だけではない日本の素晴らしい知恵、梅干しは下痢や便秘にも効能があります。

6/13

丁子(ちょうじ)・丁香(ちょうこう)・クローブ・スパイス

クローブ・スパイス・丁子・丁香

お茶が好きで、毎日鎮静剤のようにいただくのですが、玉には胃を温めながらお休みします。
白湯を作るのと同じように、やかんのフタを開けて15分ほど湯を熱しますが、クローブも一緒に入れて煮出します。カップに蜂蜜を入れて、クローブ湯を注ぎゆっくりいただくと張り詰めた気が緩んでくるのが判り、バニラのような香りや、刺激的なピリッとするスパイーさにリラックスします。
クローブは体を温める効能があり、胃や脾、腎が冷えて痛いときにも有効なスパイスとして知られています。漢方では丁香と呼ばれる生薬、西洋ではクローブと呼ばれ、肉の塊に刺した煮込み料理やシチュー、カレーにも欠かせません。
ネパールの民間療法では歯痛止めに使われたり、インドネシアではタバコの香りに、楊貴妃は口中で噛んで口臭予防薬に、昔のヨーロッパでは伝染病予防にも使われたとか。
オレンジとの相性がよく、デザートやお菓子にも使われる他、オレンジに刺して乾燥させ、香りのポプリとしてもヨーロッパで親しまれています。

6/12

赤しそ・赤しそジュース

紫蘇ジュース・赤紫蘇・紫蘇・美肌ジュース

キレイな色の元気がでる旬のジュースです。色が濃いめの赤しそ(2袋)を選んだら、葉だけを摘んでボールにはった水でよく洗い、ザルに上げます。鍋に約1ℓの湯を沸かし、5〜8分茹でる。ザルにしそを上げてギュッとしぼり、エキスを全てしぼりきます。甜菜糖かきび砂糖は半カップ〜好みの量を入れてとかし、酢50cc(レモン果汁)を加える。一瞬で色鮮やかになりますよ、楽しい瞬間です。冷めたら清潔な瓶などに入れ、冷蔵庫で保存します。
しそ、赤しそは夏の疲れを癒やします。殺菌効果が高く、胃液の分泌をよくし、消化を助ける効能や美肌効果が期待できるこの時期だけの美しいジュース

6/11

日本テレビスッキリ・ヨーグルトキムチのふるふるスープ・発酵食・免疫力

体がよろこぶお漬け物・発酵食・乳酸菌・キムチ・ヨーグルト・サワーキムチ・免疫力

日本テレビスッキリさんでご紹介した免疫力を上げる発酵食レシピはキムチとヨーグルトを和えたサワーキムチのご紹介でした。キムチの辛味がマイルドになり食べやいキムチになります、混ぜたら、ひと晩冷蔵庫で寝かせるとより馴染んで美味しくなりますよ。
植物性タンパク質の豆乳に、発酵調味料をふんだんに使用して免疫力アップ効果を高めています。発酵食は日々幅広く色々な種類を食べる事が大切ですが、私は特に季節の野菜で漬けた乳酸菌たっぷりの糠漬けやキムチ、水キムチを作っていただくようにしています。作り方も難しくなく、安心安全な乳酸菌がたっぷり摂取できるからです。発酵食は食物繊維とビタミンなどと一緒に食べて効果が高まりますが、野菜の持っている豊富な繊維やビタミンなどが丸っといただけるのでお漬物は理想的な発酵食なのです。
含まれるギャバの成分には、リラックス効果が高く安眠のお手伝いをします、晩御飯にも漬物をぜひ添えて下さい。免疫力アップには睡眠、食事、運動の三つの柱が大切です。
沢山の方が直ぐにお作り下さって、コメントも頂きました有難う御座います。ご紹介したレシピは、下段のニュース内やインスタにも掲載しております。番組内では2人分で作っていましたが、レシピは1人分です。

6/10

パッションフルーツ・果物時計草(くだものとけいそう)

パッションフルーツ・果物時計草・リリコイ

果物時計草はパッションフルーツの別名で、花が時計草に 似ているからだそう。ハワイではリリコイと呼ばれ、台湾では百香果(パイシャンコウ)百の香りの果物という意味の名がついています。爽やかで甘酸っぱく奥底に魅惑的な香りがひそんでいるので、化粧品やアロマテラピーなどにも用いられています。切った時のビジュアルもフォトジェニックですね、農家さんは両手で挟むように圧をかけてパンッと器用に割ります。飛び散らないか少し不安になりますが自分で試してみても大丈夫でした。
肝機能を高める効能と美白効果や皮膚再生能力を高めます。旬のピークは6月〜8月頃、すっぱいイメージがありますが、皮にしわが寄ってしっかり完熟すると酸味が抑えられて甘くなる。私は酸味が立ったものでソースやドレッシングにするのが好き、生クリームとの相性もよく他のフルーツでは作れない魅惑的なものになります。写真はパッションフルーツ農園にて。まだ青く、垂れ下がる感じがカーテンみたいで可愛い。