井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

11/20

滑子(なめこ)・きのこ・お味噌汁・発酵食

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深山に入り天然のなめこ摘みを毎年楽しみにしています。なめこは菌床栽培とブナ・トチなどの広葉樹の倒れ木などで育てられる原木栽培があります。天然物はゼラチンがまとわりついているような、ぬめり感が多く魅力的、一つ一つがプックリとしています。胃壁を保護するので二日酔いの朝などのお味噌汁にも最適。きのこにはBグルカンが豊富、腸内環境をよくし、免疫力を強化する作用を高めます。旨味が強いのでなめこだけで出汁が充分でますし、力強いなめこはしばらく煮てもしぼみません。朝1杯のお味噌汁は1日の「毒消し」と言われるほど体に良いもの、目覚めに温かいものをいただくと血液循環が高まって1日を気持ちよくスタートできます、特になめこのお味噌汁は元気になる気がします。
きのこ狩り名人宅で、なめことイノシシ肉の炒め物をご馳走になりました。塩、胡椒炒めのシンプルな調理ですが、旨味と滑りが上手に絡まってインパクトが有り、なめこも炒め物に出来ると初めて知った晩御飯でした。

11/19

アボカド

少し冷たいアボカドを食べやすくカットし、ライムをたっぷりしぼって美味しい粗塩をつけていただく。単純ですが1番好きな食べ方です、アボカド畑の農家のお父さん(ニュージーランド人)に教わりました。その他に半分に割って種を取り、卵を落として焦げ目がつくまでトーストすると、実はトロリとし、卵は半熟で絶妙です。醤油とわさびを少々、一緒に焼いたパンでですくっていただきます。アボガトに少々のレモン果汁をかけて色止めし、白味噌と混ぜてペーストディップにしたり、ごま油、少々のニンニク、塩、胡椒でアボガトナムルにしてもオツです。
アボカドを購入する時は皮が黒くてハリがあるものを。森のバターと形容されるアボカドは抗酸化作用のビタミンEが豊富、悪玉コレストロールを減少させる、女性が好きなアボカドは女性の強い味方なのです。

11/18

無花果(いちじく)・蒸しいちじく

古代ローマでは「不老不死の果実」とされていたいちじく。いちじくは和食でも繊細な白和えなどいろんな食べ方がありますが、是非一度お試しいただきたい一品をご紹介します。完熟いちじくが手に入ったら皮をむいて器に入れて蒸し、粗熱をとって冷蔵庫で(蒸し汁ごと)冷やしておきます。次にタレを作ります、先に指で砕いたカシューナッツ3、4個を乾煎りし、香りが出たら胡麻大さじ1を一緒に煎ります。熱いうちにすり鉢ですって、メイプルシロップ、醤油各大さじ2、酢少々で伸ばしながら好みの味に整えて、さらによくすり混ぜます、これを冷やしたいちじくに適宜かけます。香ばしい香りとトロリとした甘みがいちじくに絡まってなんとも美味、冷たいこともポイントです。ビールよりスパークリングか白ワイン、日本酒がよく合います。繊維が豊富ないちじくと胡麻を合わせるとグンと便通効果が上がります。いちじくは体の余分な熱をとり、喉の腫れをおさえます。更年期の女性によい効能もたくん、母乳の出もよくすると言われています。

11/17

にんにく・黒にんにく・免疫力

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黒にんにくは、白いにんにくを熟成発酵させたもの。抗酸化作用が高くなり、もともとパワーが強いにんにくがさらに高い効能になったものです。特有の強いニンニク臭が抜け、プルーンのように甘く、優しい味になり、微かな酸味がとても食べやすい。皮をむいてそのままいただきますが、スプーンでも簡単にペースト状になるくらい柔らかいので、マヨネーズやマスタード、バターとまぜてパンにぬったり、お肉などのソース、焼肉の下味つけ、醤油を使った煮物にポンと加えても。
体調を崩しそうになったり、喉に痛みを覚えた時など直ぐに口に入れてケアします。
作り方も簡単、普段使わない炊飯器などがあれば保温に設定し、皮付きにんにくを入れ、釜にあたらにように耐熱紙などをかぶせて10〜15日間入れておくだけです。体調管理は先手必勝、免疫力を上げておきましょう。

11/16

韮(ニラ・にら)・疲労回復

食欲増進、疲労回復に良いとされるニラは、最も調理しやすい野菜ですね。ニラレバやニラと豚肉炒めなどはシンプルですが、ニラのアリシン、カロテン、肉のビタミンB1などが合わさって相乗効果のある組み合わせです。ニラの効能を使った昔ながらの民間療法も沢山あります、嘔吐やゲップにお困りの方は、ニラをさっと茹でて絞ったものと、生姜をおろして絞ったものを牛乳で溶いて飲む。腰痛や肩こりには、熱燗を呑みながらニラのお浸しなどをお酒のお供にいただくなど。薬膳では、ニラには止血効果もあり、鼻血、不正出血などに良いとされています。ですが作用が強いので胃腸の弱い方、小さなお子さんは少し控えめになさって下さい、ニラはお腹のホウキと呼ばれるほど便通効果が高いので便秘気味の方には良いもの。それからお腹が弱い方は蜂蜜と併用すると下すこともあるようなので気をつけます。

11/15

発酵調味料・醤油麹(しょうゆこうじ)・生姜焼き・鷄そぼろ

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日々のおかずに最適な醤油麹。我が家では1番登場率が高い発酵調味料なので多めに作って熟成させています。煮物や炒め物を作る時は、醤油や酒、砂糖、みりんなどを加えて調理しますが、醤油麹は、奥深い旨味と甘味があるのでお酒と合わせるだけで充分。手作りは簡単でお財布にも優しいですよ、スーパーなどで見かける200gの麹を袋の上からキズをつける様によく揉みほぐし、容器に入れて醤油450ccを加えて混ぜる。1日1回とろみが出るまで1〜2週間ほど容器をふって常温におく(発酵メーカーを使ったり、温度調節の手間をかければ一晩でOk)とろみがでたら冷蔵庫で保存する(涼しい所や時期なら常温でOK)。肉を柔らかくする作用に加え、消化吸収を良くし、腸内環境を整える麹。皮付きおろし生姜をたっぷり加え、生姜焼き用豚肉と馴染ませれば王道お惣菜の生姜焼きも美味しく簡単。お弁当にもよいそぼろは、冷たいうちからひき肉と醤油麹をまぜながら火にかけるだけ、白いごはんが止まらなくなります。

11/14

クワハーダ・cuajada・発酵食・スペイン

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スペインの北東部で特によく食べられている発酵食のクワハーダ、バスク地方ではマミア(mamia)と呼ばれています。チーズの一種で伝統的には羊乳から作られていたようですが、今では牛乳で作られる事も多いそうです。
見た目ヨーグルトのようですが酸味は少なく、フレッシュチーズそのもの、なめらかでとてもさっぱりとしています。現地では砂糖入りと無糖が売っていますが、朝食やおやつに蜂蜜や砕いたクルミと合わせて食べられることが多いそうです。可愛らしい陶器に入った羊乳もあまりクセがなく食べやすい。私はプラムなどのフルーツとメイプルシロップと一緒にいただくのが好きで、市場で新鮮な果物を買って来てはスペイン滞在中の朝食として楽しんでいました。地産オイル、バルサミコ、塩を混ぜたクリーミーなドレッシングを作り、サラダと和えたり、魚のソテーにもよく合いました。低脂肪、低カロリーの体に優しい発酵食です。

11/13

蜂蜜(はちみつ)・honey・ハニー・咳止め 

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薬膳で蜂蜜は呼器器を潤し、咳を止めて痰をとる効能や、乾燥タイプの便通をよくし、腹痛、滋養強壮に良いものとされています。苦い生薬と一緒に、丸剤(薬を一緒に練ってまとめる役目)にも用いられます。ヨーロッパでは約1万年前から栄養源とされており、殺菌効果、お腹の調子を整えるなどの薬としても用いられてきました。蜂蜜は良質なビタミン、ミネラル、カルシュウム、ポリフェノール、酵素、オリゴ糖、鉄分が含まれているバランスのよい栄養食。できれば、加熱処理のされていない天然の蜂蜜を選んで下さい。咳が止まらない時の自然食ケアとして、小さく切った大根を混ぜた「大根蜂蜜」、蓮根をすりおろして、絞り汁と混ぜた「蓮根はちみつ」、刻んだみかん(無農薬皮つき)と合わせる。これらは喉によく効く民間療法です。免疫力も高めるので、季節の変わり目におすすめの甘味料でもあります。私の密かな楽しみに、ブルーチーズと旬フルーツに蜂蜜をたっぷりとかけ、相性の良い同士を探がす遊びがあります、加熱しても美味。

11/10

豚肉・茹で豚

バラ肉で柔らかい茹で豚を作り、キムチや白菜漬で巻いて食べると美味しいですね。作り方も簡単です。厚手の鍋に酒50cc、山椒の実の塩漬け、皮付き生姜スライス、あればタマネギやネギのはしきれをいれます、山椒の実塩漬けは胡椒のホールでもよいでしょう。かたまり肉に塩麹か粗塩をもみ込んだもの300gと、かぶるくらいの水を入れ、厚手のキッチンペーパーをかぶせて沸騰したらコトコトと30〜40分ほど火にかけてそのまま冷ますだけです。6,7mm薄の薄切りにして、叩いた梅肉に蜂蜜を少し加えまぜたものや(マヨネーズを入れるとお子さんも好きな味)、韓国味噌、酢橘と粗塩、辛子と醤油、ごま油と粗塩などお好みで。豚肉に含まれるビタミンB群は、中々取れない疲れをサポートしてくれますし、皮膚の粘膜もケアします。めっきり寒くなった今日この頃、発酵食と合わせて免疫力も上げましょう。

11/8

小鍋・鍋・なべ・主婦の友社

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沢山のいろいろな種類の具材が入ったお鍋も美味しいですが、単純シンプルな(野菜とたんぱく質が1対1くらいの)常夜鍋などは素材が生きて味が濁らず、お互いを引き立てるのでそれぞれを深く味わえる醍醐味があります。甘みと香りのつよいちぢれほうれん草をさっと茹で、豚しゃぶと合わせてポン酢でいただく、塩麹をもみ込んだ手羽とトロリと甘く煮える蕪、あさりと薄切り大根は塩こぶと、酒粕とタラと里芋もはオツ、炙りうなぎとごぼうを甘辛出汁で煮た小鍋も最高、砂肝鍋は全てお酒だけで炊き、唐辛子と煮て最後にさっと芹と合わせる(次の日にはプルンプルンの煮凝りができており、これまた美味しいのです!)大人ならではの楽しみがいっぱいの小鍋仕立て、一人鍋もぜひ楽しんで下さい。「爆ラク!小鍋」主婦の友社よりポケットサイズに、ギュッと色々詰まってます!