井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

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休日のフレンチトースト・パン

パンが入る大きさの容器に卵液と好みの厚さに切ったパン2枚を浸す(卵液=卵2個、ミルク1〜1カップ半、きび砂糖大さじ1〜2を混ぜる)一晩冷蔵庫に入れ卵液を吸わせる。(600Wのレンジに50秒〜1分かけ、返して50秒かけても)フライパンに大さじ1半のバターを溶かし、中弱火で両面がこんがりするまでゆっくり焼く(オーブンで焼いても)。器にのせ、好みでメイプルシロップやはちみつ、シナモンシュガーなどお好みで。スペインではオリーブオイルで揚げるなど、国によって調理法は違いますが、朝食やおやつに最適です。パンは食パンでもフランスパンでも何でも良いのですが、かたくなってしまったパンにも◎な調理法。ミルクや卵に含まれるセロトニンは神経をリラックスさせる効果があります、フルーツを一緒に添えて楽しんで下さい

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小豆粥・粥・小正月

小正月の朝に小豆粥をいただくのは、無病息災の意味が込められています。古来から小豆の赤色は邪気を払うとされており、疫病を払うという神秘な力が信じられていました、これは中国の風習に習ったものです。日本ではお祝い事があると、お赤飯を炊きますがこれも同じような風習から生まれ、米やもち米にあるパワーと合わせて体が元気になる組み合わせなので、事あるごとに食されています。特に日本は湿気が多いので、小豆の強い利尿作用と解毒作用は大切です。水の代謝を促すのでカラダの余分な水分を排出し、むくみや怠さの症状を軽減する効能が期待できますよ。その他ポリフェノール、サポニン、ビタミンなどが含まれており、中医学ではその高い効能から赤小豆と呼ばれる生薬でもあります。そして朝食に温かく胃腸に優しくほんのり甘いお粥は、1日のスタートにも最適な食事と言えます。

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吉田うどん・うどん

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空気が乾燥していますね、気温も低下するので、インフルエンザなどが横行します、手洗いをこまめにして気をつけましょう。
寒い時期はうどんが特に美味しく感じられます。山梨県富士吉田市郷土食の吉田うどんを毎年お正月が明けると食べに行きます。富士山の清らかな冷水で〆られた太めのうどんは、コシが強くもちもちとして1度食べると忘れられない食感です。茹でたキャベツや馬肉を使用、それから自家製唐辛子の辛味が必ずおいてあるのも特徴的です。出汁はお店ごとにこだわっており、しっかりとしていて麺とよく絡みます。鍋焼きうどん、冷やし、肉天うどんなど、どれもおすすめですが、冷たい麺を温かい肉汁につけて食べるタイプもオツ。昔ながらの何気ないお店の風景も含めじんわり暖かい、美しい白雪が積もった富士もまた壮観です。

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黒豆・黒豆納豆・納豆・発酵食・醸壺

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大の黒豆好きです。今年はプロデュースする島根県の発酵レストランそばにある、空気と水がそれはキレイな畑で収穫された丹波黒豆を沢山ゲットしました。新豆は乾燥していても柔らかく、水で戻すと極大粒、お正月用に煮た豆はツヤツヤとして豆の旨みが強い、煮汁ごとスプーンですくっていただくのが好きなので、きび砂糖と少しの醤油と粗塩で味付けをし、スッキリとした仕立てにします。
それから、煮豆を作る時に一晩水につけたものを少し取り置き、これを指で難なく潰れ区るくらいまで布などに包んで蒸します。後は、市販の納豆と混ぜてメーカーにかけるだけです。日常的に発酵実験が多いので、温度管理が出来るメーカ(kamoshico)を愛用しています。麹系調味料も甘酒もヨーグルトもオリジナル発酵食も作れるのでとても重宝しますよ。
黒豆は良質のタンパク源、腎機能も上げるので老化防止に有効です。

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煮物・酒粕煮・発酵食

芳醇な香りの酒粕をたくさんいただきました。関西から届いた上品な海老芋と、年末の塩鮭の頭もあるので、今日は絵に描いたような酒粕煮を作ります。鮭の頭はざく切りにして霜降り(熱湯でサッと下茹で)し、血合いなど臭みの素となるような部分は丁寧に水で洗って落とします。太めのイチョウ切りした大根やにんじんをごま油でざっと炒め、出汁をはって下処理した海老芋と鮭、好みで生姜スライス、赤唐辛子を加え20分ほどゆっくり煮込みます。煮汁で酒粕と白味噌を適宜溶いて加え、さらにコトコトと3、40分ほど煮込む。器に盛って、仕上げに柚子の皮をふって出来上がり。酒粕にはお酒を作るときに働いた菌や、その生産物が多く含まれていて、酵母菌は各種のビタミンがたっぷり、体も温まりアンチエイジングにも最適です。

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御節料理・簡単なのにきちんと作れる「おせち料理」・成美堂出版

御節・簡単なのにきちんと作れるおせち料理・井澤由美子

年末から祝い肴数種種をご紹介させていただきましたが、お正月支度は「無病息災、子孫繁栄、五穀豊穣」と、この3つの願いが込められた祝い肴が大事です。関東では「黒豆・数の子・田作り」。関西では「田作り」を「叩きごぼう」に変えて3種とします。この祝い肴があってこそ、お正月の祝い膳は本式となります。つまりこの3種類があれば立派なおせち料理になるという訳です。後はご家族の好きなおせちを数種類足せばよいでしょう。お重がなくても、折敷や器、木のお弁当箱等に盛り付けても素敵ですよ。

12/21

ほうれん草・貧血・乾燥肌

冬の緑黄野菜の代表格、ほうれん草はポパイでお馴染み。缶詰めのほうれん草を食べると超人的パワーが生まれるポパイが主人公の漫画でした、歳がばれますね。
ほうれん草はシュウ酸があるので、さっと塩茹でしてアクを取って水に放して水気をしぼります(ラップをしてレンジ加熱でも)。根の赤い部分はマンガンが多く含まれます(マンガンはカルシウムやマグネシウムと共に、骨の形成をサポート)。ほうれん草は甘みもあり栄養価が高いので、根元の近くまで余すことなく食べて下さい。出来れば元気な有機栽培がおすすめです。
ビタミンや鉄分も多いので風邪予防や貧血にも効果的です。ほうれん草はカロテンが豊富で、肌の新陳代謝を正常に保ち、乾燥肌の予防に一役買います、カロテンは脂溶性なので、油と一緒に調理するのが正解。にんにくとバターで炒めて、ほんのり醤油と胡椒で味付けしたソテーは後をひきますね。ごま油、オリーブオイルで炒めてもOk。

12/18

美肌・酵素(こうそ)・おがくず酵素風呂

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最初にとても甘い酵素液を飲む。そして針葉樹のオガクズを発熱性微生物と発酵液により自然発熱させた6度付近の温風呂に横たわる。じわじわ蒸されるお風呂で感じた事は、いつも接している発酵食品はこれくらいの温度でゆっくり育っていくものが多いなぁということ。自身が蒸され体感したことで、親近感を深く覚えました。その後の濃厚パックで確実に肌のキメが整い、ツルツルになって、肌の色もパッと白くなっている。
力強い植物エキスで作られるその効能の高さに驚きます。体の内と外からの発酵作用を超特急で体感できる小樽の大高酵素さんさん!  酵素液の甘味がもう少〜しだけ、控えめバージョンがあったら嬉しいなぁ。

12/15

手作りビーフジャーキー・赤身肉・スパイス

出来上がりまでに数日かかりますが、簡単ビーフジャーキーを作ってみました。
ごく薄切り、薄切り、ちょっと厚切りの3つのバリエーショで切り分ける。密封袋に赤ワイン1カップ(飲み残しでOK)、醤油半カップ強、つぶしにんにく、玉ねぎの輪切り、赤唐辛子、きび砂糖大さじ1半位を入れる。スパイスはあまりがちなものを何でも入れてOK。今日はガラムマサラ、オールスパイス、ブラックペッパー各小さじ半、丁子(クローブ)、ローリエを加えて1日半マリネする。取り出してざっと洗って、脱水シートで2日おく。(冷蔵庫ならラップをしないで半日以上)。乾燥機ならそれを使ってもよし。あとは燻製器でヒッコーリーやさくらなどのチップで表示通りに燻製します。
私は中華鍋で番茶とザラメを一掴みずつホイルに包んで、簡単に燻します。煙がキッチン中充満するのが玉にきず。

12/14

味噌(みそ)・発酵食品

ウイルスが飛び交うこの季節、体調を崩さないように外からも内からもケアすることが大切です。食として強い味方は菌や発酵食ですが、中でも身近なお味噌には様々な高い効能があります。「みそは医者いらず」と昔から言いますが、コレストロールを抑える、美肌効果、がんや糖尿病の予防など良いことづくめ。
簡単なみそ漬け卵黄のご紹介。ちょっと雲丹みたいな味になって、ご飯にもお酒にも最適です。小さめのタッパーなどにみそを3㎝深さ位にひろげ、水でぬらして絞ったキッチンペーパーを上に敷く。卵の殻を押し当ててくぼみを数個作り、そこに卵黄を落とす。みそを薄くぬったキッチンペーパーを上からかぶせ(みその面を下にして)、半日〜4日置き、琥珀色になってきたら出来上がり。この卵黄みそを出汁で溶き、おろしにんにくを加えると、体力回復、風邪などに有効なおみそ汁になります。昔ながらの熟成みしそを日々いろいろな調理法で楽しんで下さい。