井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

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オクラ・昆布酢・疲労回復

独特のネバネバ食感が楽しいオクラは、切った断面が星形なのも可愛い。ベランダ菜園でもスクスク育ちますが、きゅうりと同じようにベストな時期を見逃して大きくなってしまったものは硬くなるのでご注意を。オクラはビタミンと繊維が豊富、細胞の老化を抑え、胃粘膜を保護します。
オクラと納豆、昆布酢と混ぜた酢のものは疲労回復効果が高く、便通作用も抜群ですよ。お夕飯にいただくと特によいですね。ガクは切り落とすより、角の部分を丁寧にむくほうがお勧め。ネットの上から塩をかけてもんでうぶ毛を取り(ネットのおかげで産毛が取りやすい)、1分弱茹でてそのまま冷ます。滋養強壮にも良いとされるオクラ。グリルで焼いた焼きオクラ、素揚げオクラも食感がかわって美味しいので是非お試しください。

8/2

酢・発酵食・ドライフルーツ昆布酢・あさイチ

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酢は世界最古の発酵調味料と言われています。食欲を増進、内臓脂肪減少、疲れをとるなどの様々な効能があります。ドライフルーツ昆布酢は昆布の旨みにドライフルーツのナチュラルな甘みが加わり、柔らかな酸味で芳醇な味わいが楽しめます。いつもの酢のものやドレッシングに使うのはもちろん、煮物や炒め物に加えるとコクが出て、少ない塩分でも満足できて減塩につながります。また酢の醋酸と昆布のカルシウムが結びつくと酢酸カルシウムになって、カルシウムの吸収率が良くなります。カラダと心をもいやす、ドライフーつ昆布酢、は元気になる作り置き調味料です。
本日NHK「あさイチ」でご紹介したドライフルーツ昆布酢を使って作る豚肉の酢き焼きは、豚肉のビタミンB1を摂取しやすくするのでスタミナアップや疲労回復にとても効果的な一品です。
8月4日14時からたまプラーザテラスでドライフルーツ昆布酢のベントがあります、お近くの方はぜひ遊びにいらして下さい。

7/27

蛸・たこ・タコ・タウリン

タコはお刺身、酢の物、アヒージョ、タコ飯など和洋中どんな料理にも使いやすい海の幸。タコがとれる地方では15㎝くらいの足を揚げたタコ天がお総菜屋さんに並んでいるのを見かけます。
醤油風味のタコ飯も、タコの旨味がじんわり広がって美味しいですね、暑い季節には酸味があるトマトと合わせたさっぱり味のゾットも食べやすいもの。滋養がつくにんにくを入れたアイオリソース(マヨネーズベース)を添えるとさらに食が進みます。アイオリソースにチリパウダーを加えれば鮮やかなオレンジ色に、イカスミを加えて黒いアイオリソースも美味しくて楽しいもの、BBQなどにもいいですね。
タコには疲労回復に役立つタウリンが豊富。また、味覚力も正常に保つ亜鉛を含んでいます。
薬膳では、血を補う作用があるとされ、生理痛、整理不純などを改善する手助けをするため、女性にとって嬉しい食材です

7/23

カレー・カシミールカレー

夏本番を前に、本屋さんでカレー特集の雑誌が目立ちますね。ついつい立ち読みなどして、食べたくなってしまいます。私が大好きな市販のレトルトカレーは、カシミールカレー(デリー)です。キッチンにストックしておかないと落ち着かないほどの中毒で、気分をスカッとさせたい時はこれを食べます。冬瓜やなす(他の夏野菜でも)を出汁で煮て冷やしたものが相性抜群なんのです。
玄米に野菜をのせてカシミールカレーをかけるだけですが、この組み合わせはぜひ試してみて下さい。かなりスパイシーなので、出汁をたっぷり含んだ冷たい野菜を口に入れるとちょうどよくなるバランス。
このカレー、なぜか納豆と千切った海苔、卵黄のせなど和風にの具にも合う。薬膳ではスパイスの独特の香りは気の巡りをよくし、その働きは胃液の分泌をよくし、消化不良を改善します

7/22

莢隠元(さやいんげん)

さやいんげんはいんげん豆の若いさやで、原産は中南米です。ヨーロッパ経由で中国に伝わり、中国の高僧の隠元によって伝えられたのでこの名がついたとされています。
主に関西では、三度豆とも呼ばれ、1年に数回収穫できます。購入したらできるだけ早く調理して、味と栄養を逃さないようにしまょう。ビタミンB群やβカロテンが豊富で、薬膳(漢方)では腎機能を活性化して身体の湿を取り除くとされています。太めのさやいんげんはたまに筋がありますが、近頃のいんげんは筋の無いものが多く、両端の硬い部分を落とすだけでOK。沸騰した湯で、いつもより心もち塩を多めに入れて好みの加減に茹でます。

7/18

桃(もも)・桃仁(とうにん)・薬膳・漢方

旬のフルーツ・果物・薬膳・桃・桃仁・井澤由美子・食養生・

新鮮な桃は水で洗いながらうぶ毛をこすりとるように布で洗い、皮ごと食べるのだと山梨の友達から初めて聞いた時はびっくりしました。食べてみて納得。その方が、桃の香りが立って美味しい。写真のももは熟しても実が硬いタイプ、切ると真っ白な果肉に紅色がなんとも艶やか。

それまでは桃は完熟した柔らかい果物と認識していたので、そのシャリシャリとした食感は新感覚でした。かたい桃はフルーツビネガーに漬けてピクルスにしても美味しそうです。

桃の葉は日本でも民間療法であせもや湿疹、神経痛などに効く入浴剤になっていますね。中国では邪気を払い長寿の果物とされ、つぼみや花は漢方の生薬(白桃花)、むくみや無月経などに使用されます。種は(桃仁)と呼ばれ、血行を良くし、下腹部痛、更年期障害などに有効、漢方薬の桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)の主成分でもあります。

7/15

北海道仁木町・アイコのトマトジュース

北海道の仁木町のある農園でトマトジュースを頂いて、そのお味にビックリ。とっても甘くて旨味が濃い!なんと、糖度が9度以上もあるそう。原料となるトマトは「アイコ」と言う品種で、仁木町はその生産地として名高いのです。
アイコは少しほぞ長いプラム形をしたミニトマトで、その小さな身に秘められたパワーは凄いのです。普通のトマトの約2倍ものリコピンを含み、ビタミン、ミネラルもとても豊富。リコポンの高い抗酸化作用は、老化やガンを引き起こす活性酸素を除去するので美容と健康を守りたい人にお勧めです。
とろみもあるアイコのトマトジュースを半分凍らせて、おろし生姜やすりごま、自家製のめんつゆを混ぜ、そうめんタレを作ったら美味しそう。「氷トマトそうめん」って、熱い時にはそそられます。

7/13

玉蜀黍(とうもろこし・とうきび)・とうもろこしの冷たい昆布スープ

とうもろこしは米、麦に並ぶ世界3大穀物の一つ。糖分が高いので、エネルギーの補給源にもなります。購入したら栄養価が急速に下がるので、なるべく早めに直調理しましょう。毎年、生のトウモロコシを炊き込みごはんにしたり、かき揚げにするのが楽しみ。甘みを生かしたすっきりとした和風スープもいいものです。作り方は昆布を水につけておき、とうもろこしの実を削いだ後の芯と玉ねぎを入れて弱火にかけてフタをし、20分ほどゆっくり煮る。とうもろこしの実を加え、好みの加減に煮たらハンドミキサーで撹拌し、白みそを溶き入れる。冷たく冷やすして夏向きの冷製スープもいいですが、温かくても美味しいものです。とうもろこしは利尿作用が高く、繊維も多いので便秘やむくみを改善します。

7/12

味噌・みそ・長期熟成

みそは発酵食品なので、様々な健康効果が期待出来ます。発酵・熟成の過程でできる色素成分「メラノイジン」は、食物繊維のような働きをし、
腸内の善玉菌を増やして悪玉菌を減らすのに、一役買います。また、抗酸化作用も高まり、廊下の素となる活性酸素を減少させる事も、わかっています。私が日常使いしているみそは長期熟成褪せたもの。塩分はしっかりめですが、寝かせることによって角がとれ、奥深い旨味に変わります。保存食は、原料が上質なものなら、寝かせる時間が美味しさを引き出してくれる。
美味しい大豆、良い生米麹、天然の塩にこだわって作る味噌蔵のものを選びたいですね。
みそは手作りも簡単ですよ、私の適当に作る手前みそは毎年違う出来上がりになってしまうのですが、それはそれで面白い。お手製のみそに皮ごとおろした生姜とごま油少々を加えまぜる、きゅうりスティックなどをつけて食べると身体の余分な熱を健康的にとり除くことが出来ます。

7/8

蘇葉(そよう)・紫蘇(しそ)・大葉(おおば)・保存食

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蘇葉・紫蘇葉(そよう・むらさきそよう)は、しその生薬名。食用だけではなく、古来より使用されてきた薬草で、解毒作用や抗菌作用が高く理気薬でもあります。美しい発色の紫蘇ジュースは、貧血予防にも良く、咳なども止める薬効が期待出来ます。

お刺身のツマには青しそ、穂しそが添えられていますね。青しそはβカロテン、リノレン酸、ビタミンCが豊富なので美肌効果やアンチエイジングが期待出来ます。アレルギー症状の緩和、吐き気やつわりにも効能があるとされています。その香りは気を巡らせ、食欲増進を促す効果があ有ります。今日は庭やベランダに青しそがわさわさなっているのでクイック保存食を作ります。しそは葉を摘んで水に5分さらして重ね、手前から丸めてごく細切りにする。キッチンペーパーに包んでぎゅっと水気をしぼり、ほぐしながら密封容器に入れ、ごま油、おろしにんにく、粗塩を適宜加えてなじませ、好みですりごまを加えれば、しそのナムルの完成。パスタやそうめん、肉や魚と和えるだけで爽快な一皿に。