井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

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胡麻(ごま)・すり胡麻・セサミン

白ごまの方が黒ごまより油分が多い。ごまからしぼった胡麻油はしっとりとしてコクがあり香ばしいので食も進みます。肌を潤したり便秘の改善にも効能があり、抗酸化成分ゴマリグナンに多く含まれるセサミンには健康に良いごまパワーがたっぷり。黒い色の黒ごまは腎機能を補う食材で、昔から白髪の改善にも良いとされてきました。白ごまも好きですが、最近ではポリフェノールも含む黒ごまを意識して摂取するようにしています。ごまを弱火でよく炒ってすり鉢に入れて半ずりにし、粗塩を加える。炒りたては香りが違いますよ、これを玄米にたっぷりふって食べると本当に美味しい。
ごまの消化をよくするために、すりごまにしていただくといいですが、面倒な時は指でひねり潰すようにするだけでも違います。

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漬物(つけもの)・キムチ・乳酸キャベツ

漬物に含まれるアミノ酸の一種、ギャバとい言う成分には脳の血流を良くしたり、リラックスさせて眠りを誘う効能もあるとか。その他、血圧を下げて中性脂肪のコントロール、免疫力を高める、アレルギーを改善するなどいろいろな健康効果が菌の力で期待でき、皮膚を潤すビタミン類も豊富、肌もキレイになります。発酵させてある乳酸キャベツは、柔らかく旨味があるので、少しのマヨネーズを加えるだけでさっぱりしたコールスローなど簡単にアレンジできます。キムチもすぐできますよ、ボウルに粉唐辛子、おろしにんにく、おろし生姜、おろしりんご、ナンプラーやアミ、梅シロップなどを混ぜたヤンニョムで和えると奥深いキムチに。

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(糠)ぬか・鰯の糠床炊き・発酵食

骨まで食ベれるイワシの煮付け、酢を加えるのでカルシュウムも難なく摂取できます。今日はご飯が進むこってりしたイワシ煮のご紹介です。鮮度のよいイワシの頭と内臓をとったものを6〜8匹用意し、酢水を熱してさっと下茹でします。鍋に半割りに切ったネギ(青い部分など)を入れ、水1カップ、酒、醤油各70cc、みりん大さじ3、メイプルシロップ(きび砂糖)大さじ1、皮付き薄切り生姜とイワシの頭側を左にして置き、落しフタ(厚手のキッチンペーパーや穴をあけたアルミホイルでも)をする。煮汁が半量になるまでフツフツさせながら気持ち強火で炊く(ここ臭みが出ないポイント)。5分ほど煮たら糠床を大さじ2〜3ほど加え、全体がからむまでさらに煮込んで出来上がり。
栄養価の高い青魚は脳を活性化させるDHAがたっぷり、加える生姜は花粉症にも良いものです。

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乳酸キャベツ・春キャベツ・竹の子キャベツ・キャベジン

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暖かくなって出まわる春キャベツは巻きがゆるく、ふんわり軽くなってきます。乳酸キャベツを作る時は、1kgのキャベツに対して約2パセーントの塩分なので、塩と砂糖を控えめにするかキャベツの量を足して1kにして下さい。よくもんだ後にプラスする香辛料も鷹の爪、ローリエ、キャロウエイなどの代わりに、千切り生姜や、これから出回る山椒の実の塩漬けなど日本で馴染みのあるものを合わせるのが私は好きです。写真のキャベツは栃木県の農家さんから購入したキャベツの兄弟たち、珍しい竹の子みたいな形の竹の子キャベツ(みさき・とんがりぼうし)もお目見え。この春から新生活を始めたフレッシャーズさん達は胃も肝臓もフル回転でしょう、胃腸薬としても知られるキャベジンたくさん摂取してください。

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台湾キヌア・レッドキヌア・紅キヌア・キヌア・スーパーフード

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2019年、注目の台湾フードとして「台湾キヌア」をご紹介致します。台湾キヌアは、古代より台湾の先住民により栽培されているそうで、紅色、朱色など鮮やかな見た目から(穀物界のルビー)と呼ばれています。先日ご一緒した台湾シェフによると、台湾キヌアは高い栄養価はもちろん、色味が非常に鮮やかなインスタ映えするスーパーフードとして、台湾国内で大きな注目を集めているとの事でした。白米と一緒に炊く食べ方が特に流行しており、台湾と同じように日本でも流行してほしいです!とお話しされていましたよ。
台湾キヌアは見た目の鮮やかさで目を引くことに加えて、タンパク質や鉄分が豊富ですが、とてもヘルシー。キヌアはNASAも評価するスーパーフード、食物繊維・ミネラル・カリウムも多く、栄養バランスに優れています。女性からの人気が特に期待できそうです、台湾キヌアが今後日本でも流行する可能性を感じてます

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キャベツ・春キャベツ・ロールキャベツ

キャベツ・ロールキャベツ・春キャベツ・煮込み料理

ピタゴラスは言いました「キャベツは元気と落ち着きを保つ野菜」と。既にその時代には、キャベツのスープをお酒を飲む前に食されていたそうです。料理に使うとボリュームが出る、繊維が多い、ビタミンC.U.Kもたっぷり、胃腸薬でも有名な救世主的な野菜。生でも焼いても煮込んでもよし、いろんな用途に変化できるのも嬉しい。これからの季節のキャベツは、巻きがゆるくて葉が柔らかいのでロールキャベツも作りやすい。ポイントは巻き終わりを下にして置き、隙間があれば芯や葉を詰めて固定し、外側の葉を落としブタ代わりにかぶせる、それからキャベツの茹で汁をかぶるくらいに注いで自然な甘みを引き出すことです。あとはコンソメ、塩、こしょう、ベーコンなどの旨みやローリエなどの香りを好みで加えて柔らかく煮込む。好みでフタつき耐熱容器に入れオーブンで短時間加熱しててもいいですね。

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ひな祭り・お雛様・ハマグリ

食養生・卵・錦糸卵・井澤由美子・ひな祭り・お雛様・雛膳・ちらし寿司

娘が小学生くらいの頃までは、毎年雛壇を飾ってお友達と楽しむ散らし寿司やハマグリのお椀、和菓子を作っていました、きちんと正座して貝合わせも楽しんでいましたよ。平安時代が起源と言われる貝合わせは、ハマグリの対になっている貝だけが合う性質を用いて成立した非常に雅な遊び。美しい絵柄のものや金銀に塗られたものなど多様にあり、とても日本的で優美なものです。食しても旨みたっぷりのハマグリはタウリンが豊富、肝機能を向上させ、眼精疲労にもお勧めです。

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デトックス・はと麦・台湾スイーツ

体内のエネルギーが高まり、新陳代謝が上がる春。デトックス効果の上がるこの春に、野菜や山菜類の旬の食材の助けも借りて毒出ししましょう。出回るめかぶや若芽、ひじき、アカモクなどの海藻類は老廃物や余分な水分を排出する効能があります。その他の毒出し食材にはごぼう、コンニャク、黒きくらげなどがありますが、ハトムギは高い効果が期待できます、ご飯を炊くときやスープに入れてもいいですね。
流行りの台湾スイーツは身体に優しいものばかり。生薬でもある茎を煮出して作られる仙草ゼリーに茹で小豆や大豆、ハトムギなどが優しい甘さのシロップにからまってたっぷりのっています、美味しくデトックスできそうなおやつです。

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キビ・モチキビ・もちきび・雑穀

秋に花が咲き実がなるキビ。黄色い実なので(キビ)になったと言われるようですが、多説あります。お米と同じようにウルチキビとモチキビがあり、少し食感が異なります。カルシウムやマグネシウム、タンパク質、鉄分、ビタミンを含むなど栄養価が高く、食物繊維も豊富なので昔の中国では高級な主食とされていたそうです。お米に加えて炊いてもよいし、茹でて野菜と合わせサラダにする、肉だねに混ぜてハンバーグにするなど色々応用できます。
もちもちとしたコーンのような風味が美味しく、粉末で市販もされているのでお団子やパンケーキなどにもよいものです。タンパク質に富み、消化率が高くヘルシーな雑穀です。

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海藻・新わかめ・塩蔵わかめ

採りたての海藻がたくさん届きました。茎まで(めかぶ)付きのわかめや、地方でしかいただけない細目昆布、あかもく、銀杏草など珍しい海藻も数種類。まずはお鍋でしゃぶしゃぶにします、薄切り豚肉かハマグリなどの貝類とたっぷり頂きます。その後は酢の物にしたり、お味噌汁に入れたり滑らかな舌触りを楽しむ料理に使う。余ったら塩蔵します、茎と柔らかい部分をわけ、茎の部分を先に塩茹で。柔らかい部分も茹ですぎないように火をいれ水で〆て水気をきります。たっぷりの塩を全体になじませ重をして1、2晩おく。水分を捨てて水気をしっかりきり、清潔な密封容器や袋にいれたっぷりの塩をさらにまぶして塩蔵します。冷凍しても良いのでしょうが、大切に塩蔵するとふっくら柔らかく戻って美味しいと思うのです。デトックス効果の高い海藻、腎機能も高め体を元気にします。