井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

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初鰹(はつかつお)

春から初夏に出回る初鰹は、黒潮にのって太平洋を北上します。あっさりしているお味ですが、ハシリを珍重する江戸っ子には今も昔も初夏を楽しむ風物詩。昔は高価でも初物に手を出すのが粋の証しでした、いただくと長生きするとの言われも人気の秘密だったかも知れません。レバー並みの鉄分を誇る鰹は、赤血球の生成を助けるので貧血にもよい魚、紫蘇、茗荷、葱などの薬味や、旬が同じ新玉ねぎを薄くスライスしたものとポン酢でいただくのもこの時期ならでは。いつものように生姜をたっぷりおろしてお醤油でいただくのもオツですが、皮を炙った鰹を少し太めに切り、ちょうどよく辛味が立った辛子と醤油でキリッといただくのもいい。窓から入る新緑の風をまといながら、5月だけは辛子で食したくなります。書かねば気が済まぬ、キンと冷えた日本酒と共に。

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キャベツ・乳酸キャベツ・発酵食

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乳酸キャベツ(シュークルート・ザワークラウト)は発酵食ですが、気軽で直ぐに食せるサラダとしていつも作り置きしています。冷蔵庫を開けると、片隅にしんなりしておだやかな酸味と旨味をもった冷たいキャベツと目が合う。特に疲れて帰った夜、胃がすっきりしない日などに口にすると体や内臓が気持ちよくなるのを感じるので、つい手が伸びます(もともとキャベツがもつキャベジン効果もありますね)。
乳酸キャベツと納豆と2つまみの粗塩(好みで酢も少々)を混ぜたサラダ納豆や(夜食すのがお勧め)、少しのマヨネーズと和えただけのコールスローなど、旨味があって食べやすく直ぐにアレンジできます、沢山の調味料や手順が不要なのも嬉しいところです。腸内環境を良くするので肌も綺麗になります

5/10

フレーク・シリアル

いちご・ドライストロベリー・フレーク・コーンフレーク

フレークは穀物(小麦・大麦・オーツ麦・トウモロコシ・米・玄米)を平らに押して加工したもので、ミネラル・ビタミン・繊維が多くとてもヘルシー。同世代の皆さんも初めて口にされたフレークはケロッグ社のコーンフレークだと思いますが、19世紀末に栄養食として生まれました。今では香ばしい色々なフレークが普及され浸透されていますね、グラノーラなどバリエーシォンも豊富。フルーツやヨーグルトを添えると、バランスのよい朝食が手軽に出来るのも嬉しい、1日の必要なエネルギーを摂取できます。
保存容器に味噌を入れ豆乳を溶き、玄米フレークを加え混ぜて一晩寝かせると、しっとりした栄養豊富な離乳食や介護食になります、胃腸が弱っている時、歯の具合が悪い時などもお勧めです。
今日はドライストロベリーを作ったので、コーンフレークに入れてミルクとシンプルに楽しみます。
イチゴの栄養素は乳製品と一緒に食べるとアップします

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春豆・グリンピース

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我が家では春豆と豚汁の献立は初夏膳の定番です。炊きたてのピカピカごはんの中に、タップリのグリンピースがすがすがしい。とうもろこしのご飯も同じですが、素材の甘みを生かしたいので調味料は天然塩少々と、小さなこんぶ1枚だけで調理します。新豆とお米の甘みが際立ち、ふんわりと豆の香りがやさしく広がって幸福感を感じます。チーズとオイルのリゾットもいい、余ったら豆乳で伸ばして攪拌し、滋養たっぷりのポタージュにすることも。写真は紫サヤのツタンカーメン、この豆でごはんを炊くとうっすら色つく豆ごはんになります。グリンピースはβカロテン、たんぱく質、食物繊維が豊富です。

5/6

キウイフルーツ・ビタミンC

この季節、特に気をつけなければならない紫外線、何はともあれビタミンCの摂取を心がけましょう。手軽に買えるキウイはオススメ、最近では黄色いゴールドキウイもよく見かけますね。
ゴールドキウイはケバが少なく、海外では皮ごと食べることもあり、グリーンよりビタミンCの富有量が豊富。肌を潤すコラーゲンの生成には、ビタミンCが不可欠、シミ、ソバカスなどの予防にも最適ですね。
グリーンキウイは胃腸に優しく、中医学では吐き気度にも有効とされています。
乗り物酔をしやすい方や、お子さんの遠足時などのお弁当に入れてあげると楽になるかも知れません。
それから妊婦さんのつわりにも有効、ついでに繊維も多く葉酸も摂取できるのでお勧めです。

5/5

柏餅(かしわもち)・お赤飯

お赤飯

子供の日ですね。幼少のころ菖蒲の湯に浸かったことがありますが、皆さんはどうでしょう?中国から伝わった習わしで、薬草を摘んで邪気を払うといった端午の行事。尚武(しょうぶ=武をたっとぶ)と菖蒲をかけています。ちまき(中国由来)や、柏餅をいただく風習がありますが、我が家では江戸で生まれ、日本独自に発展した柏餅の登場率が高かった。玉にちまきを頂くとその巻き方に心惹かれ、子供心にゆっくりゆっくりほどいて楽しんでいました。今日は大人ばかりなので健康に過ごせるようにとお赤飯を炊きました。お天気が良いし、庭を眺めながら縁側ピクニック、祖父母や猫とよく座っていた場所で。想い出に残る食と風景は心の宝物です。
お弁当をいつも作って遊びに連れ出してくれた母にも感謝しています。もうすぐ母の日ですね。

4/30

ホヤ・赤ホヤ

藤の咲く頃が美味しいと言われ、海のパイナップルとも呼ばれるホヤ。貝類でも魚でもなく、脊索動物で、おたまじゃくしの様に泳いでいますが、成体になると海底の岩に張り付いています。小樽の市場で見かける旬の赤ホヤは、鮮やかな朱色がまるで高級なアップルマンゴーの様。むき方は簡単ですよ、ツノの様に尖っている頭部の突起部分2つを切り落とし、穴からハサミを入れ縦方向に切ります。外側の硬い部分から中身を取り出し(ホヤは水で洗わないそう)、包丁で開いて黒い部分を取り除き、後は食べやすく切るだけです。ほんのりしたほろ苦さを感じますが、ホヤは苦味、塩味、酸味、旨味の5つを持つ珍しい海の幸なのだとか、独特の食感も美味しさの内ですね。三杯酢につけて冷やし、少しのおろし生姜か山わさびを添えていただくのもお勧めです。ホヤの天婦羅も粋、どちらにしても日本酒の恋人と呼ばれる訳に納得です。ホヤは疲労回復に良いそうです

4/25

スペアリブ&焼肉(やきにく)・バーベキュー

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ゴールデンウイーク目前、アウトドアを楽しむ方々もいらっしゃいますね。大人にも子供にも人気の骨つきスペアリブは野外料理で特にお勧めです。骨にかぶりつく醍醐味も緑の中ではさらに美味しく感じます。スペアリブ専門店の1番人気は醤油味、似た味を再現できますよ。密封袋にフォークで穴を開けたスペアリブ、3倍濃縮のめんつゆ、潰したにんにく、ガラムマサラを多めに加えて袋の上からよく揉む。後は現場に持って行くだけなので、前夜に作って冷蔵庫に入れておけばOK、翌日には調度味が染みて柔らかくなっています。もう1つ大人に人気なベトナム風焼肉のご紹介、焼肉用肉400g、ナンプラー、醤油各おさじ1、きび砂糖小さじ2、塩、胡椒各少々、つぶしにんにく1、あればレモングラス3本をよく馴染ませる。こんがり焼いてサニーレタスやミント、シソ、新玉ねぎなどお好みの野菜をたくさん重ねて包む。タレはナンプラー小さじ1、きび砂糖小さじ2、レモン果汁大さじ1〜好み、みじん赤唐辛子適宜をチャチャっと混ぜたものでいただきます。

4/20

苺(いちご)・いちごシロップ・いちごジャム・ジャムの日

苺・いちご・イチゴシロップ

苺は唾液の分泌をうながすので、口内の乾燥を和らげます。含まれるビタミンCは果物の中でもトップクラス、程よい酸味と甘みで良い香り、ストレスを暖和させて風邪予防にも良いですね。ヨーグルトと合わせると便通作用がさらに高まり、アレルギーなどにも効き目があります。苺がお手頃価格になってきたので、苺シロップやジャムを作りましょう。シロップは簡単です、清潔なビンにヘタを取った苺、苺の量より少し多めの氷砂糖の順に入れ、ラップをかぶせる。水分が出てきたら玉にビンごとふるだけ(ここにりんご酢を足せばストロベリービネガー)。
クツクツと幸せの香り広がる苺ジャムは休日にぜひ!最後にミントや黒胡椒をほんの少し加えた大人味に私は仕上げます。

4/17

よもぎ・よもぎ餅(草餅)

よもぎ餅・蓬・草餅・食養生

新芽のよもぎを見かけるとついつい手にとってしまいます。やわらかいよもぎは風味も優しい、緑茶に加えていただくとその香りと効能で私はシャキッとします。よもぎ餅も作ります、よもぎはよく洗って汚れを取り除き、硬い部分があれば落とします。大きめの鍋に湯を沸かしてよもぎと重曹少々を入れて茹で、冷水にとる。後は水気をしっかり絞ってハンドミキサーにかけるか、包丁で細かく刻めば下ごしらえは完了。よもぎには炎症作用や止血作用もあるので、傷や虫さされには葉をもんで貼るとよいそう、お風呂に入れる風習も昔からありますね。邪気を払い、神経痛や肌荒れにも効果があり、婦人病にもよいようで。韓国のよもぎ蒸しなど有名ですね。つきたての柔らかい餅を香ばしく焼いてお醤油をひと垂らし、苦味のような緑香が口いっぱいに広まって元気がでます。