井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

7/12

味噌(みそ)・長期熟成

みそは原料や色によって分類されます。米みそ、豆みそ、麦みそなどがありますが、大豆に加える麹の割合と塩量で甘さや辛さが異なってきます。私が日常使いしているみそは長期熟成もの。含まれるメラノイジンは熟成により出来る色素成分、悪玉菌を減らして老化の素となる活性酵素を減少させる効果があります。塩分もあるのですが、寝かせることによって角がとれ、丸く奥深い旨味に変わります。保存食は、素がしっかりしていれば寝かせる時間によって美味しさにつながるものが多い。シンプルがゆえに大豆は食べて美味しいもの、良い米麹、天然の塩が大事です。みそは手作りも簡単ですよ、私のいい加減な手前みそも毎年違う出来上がりになってしまうのですが、それはそれで面白い。みそに皮ごとおろした生姜とごま油少々を加えまぜる、きゅうりスティックなどとおやつにすると、身体の余分な熱を健康的にとり除くことが出来ます。夏を越した味噌はグンと美味しくなります。

7/11

胡麻(ごま)・すり胡麻・セサミン

白ごまの方が黒ごまより油分が多い。ごまからしぼった胡麻油はしっとりとしてコクがあり香ばしいので食も進みます。肌を潤したり便秘の改善にも効能があり、抗酸化成分ゴマリグナンに多く含まれるセサミンには健康に良いごまパワーがたっぷり。黒い色の黒ごまは腎機能を補う食材で、昔から白髪の改善にも良いとされてきました。白ごまも好きですが、最近ではポリフェノールも含む黒ごまを意識して摂取するようにしています。ごまを弱火でよく炒ってすり鉢に入れて半ずりにし、粗塩を加える。炒りたては香りが違いますよ、これを玄米にたっぷりふって食べると本当に美味しい。
ごまの消化をよくするために、すりごまにしていただくといいですが、面倒な時は指でひねり潰すようにするだけでも違います。

7/10

パン・天然酵母

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毎年訪れる蘭島(小樽の近く)の岬のてっぺんにあるAiguse Vives(エグ・ヴィヴ)さん。良質な水と天然酵母で作られたどっしりとした重いパン達は噛むとどれも味わい深く力強い。上質なチョコレート、フルーツ、ナッツなどを使った素敵なお菓子も焼いている。バターが香るクロワッサンに関しては、口溶けがよくてビックリする。本物のクロワッサンはただサクサクしているだけではないと言った、ジョエル・ロブションさんのコメントを想いだした。料理はお皿の中に自分がでる、パンも作った人に似ると思う。私は、ここのパンのファンです。

7/9

カシス(黒すぐり・ブラックカラント)

濃紫のカシス。カシスはフランス語で(グロイゼイエ・ノワールとも)、ブラックカラントは英語、日本名は黒すぐり、または黒ふさすぐり。スピリッツと合わせたカシスリキュールやジャムになっているものがお馴染みですね。カシスに含まれる(カシスアントシアニン)という物質は特別で、ピントフリーズ現象(眼精疲労からくる視界がぼやけた現象、眼のかすみ)などを素早く改善させる効能が高く、末梢神経を活発にさせる働きがあります。食べてすぐに効果が現れる即効性と、持続性があるのも特徴です。血行不良を改善するので目の周りのクマ消しにも効果が期待できる頼もしい存在。女性ホルモンのバランスも整えてくれるカシス、旅先で国産のフレッシュなものをみかけましたが、これからが旬です。

7/8

蘇葉(そよう)・紫蘇(しそ)・大葉(おおば)・保存食

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蘇葉・紫蘇葉(そよう・むらさきそよう)は、紫蘇の生薬名。食用だけではなく、古来より使用されてきた薬草。解毒作用や抗菌作用が高い。お刺身のツマには青紫蘇、穂紫蘇が添え物としてよくあり、βカロチン、リノレン酸、ビタミンCが豊富なので美肌効果やアンチエイジングにもよいもの。アレルギーの緩和、吐き気やつわりにも効能がある紫蘇、その香りは気を巡らせ、食欲増進をうながす効果がある。今日は庭やベランダにほったらかしの青紫蘇がわさわなっているのでクイック保存食を作ります。紫蘇は葉を摘んで水に5分さらして重ね、手前から丸めてごく細切りにする。キッチンペーパーに包んでぎゅっと水気をとり、ほぐしながら密封容器に入れごま油、おろしにんにく、粗塩を適宜加えてなじませ、好みですりごまを加えれば、紫蘇のナムルの完成。パスタやそうめん、肉や魚と和えるだけで爽快な一皿に。

7/7

甘酒(あまざけ)・小健中湯(しょうけんちゅうとう)・生薬・薬膳

発酵食の甘酒は飲む点滴と言われるほど栄養価が高いので、江戸時代には夏バテ防止の栄養ドリンクとしてとても人気でした。冷やし甘酒は夏の季語にもなっていますね。お米のデンプンを麹が食べて分解し甘くなり、ブドウ糖とビタミンが入っているので滋養強壮に効くのです。私は疲れて甘いものが欲しい時に旬の果物と合わせて甘酒をいただきます、確かに元気が出ますよ。
中医学での古代栄養ドリンクもありました、方剤学からみても温中補虚、脾胃虚弱によい小健中湯です。芍薬、桂枝、炙甘草、生姜、大棗、飴糖の6つの生薬から成り立ちますが、飴糖が君薬でこちらも美味しそうです。

7/6

山桃(やまもも)・楊梅(ようばい)

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裏庭にたくさんの実をつけたからと、お手製のやまももシロップと冷凍果実をいただきました。シロップの作り方を伺ったら、耐熱容器にやまももと氷砂糖を入れてレンジにかける。砂糖が溶けたら布で絞ってシロップにするのだそうです。ほ〜っレンジで?今度やってみよう。
ルビー色のきれいなシロツプはかき氷にかけて、実のシロップ漬けを飾ったらかわいらしいでしょうね。お店で「やまもものかき氷」のメニューがあったらステキですね。
やまももは美しく映えるのと酸味がさっぱりするので夏の和食に使用します。辛子白酢味噌と混ぜて淡白なものと和えるなど美味しいものです。カリウム、ビタミンC、クエン酸、ポリフェノールがたっぷりです。やまももの花は高知の県花です。

7/4

岩牡蠣・いわがき・夏牡蠣

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岩牡蠣は亜鉛を多く含むので、味覚をクリアにする効能が期待できます。タウリン、カルシュウム、ビタミンA,B類が豊富、夏バテ予防にも良いものです。
サイズは色々あるけれど私は一口で食べられるサイズが好み、口の中で一体化できるので濃厚なクリーミーさとみずみずしさをバランスがよく堪能できるから。後から貝柱の美味しさと磯の香りがジワっと広がります。
写真は島根県隠岐郡島西ノ島町の(なかがみ養殖場)のプリプリの剥きたて岩牡蠣、隠岐の岩牡蠣「隠岐ひかり」です。日本で初めて岩牡蠣の種苗生産に成功し、広めた中上さんの岩牡蠣はそれは絶品です。

7/3

韮(ニラ・にら)・疲労回復

食欲増進、疲労回復に良いとされるニラは、最も調理しやすい野菜ですね。今日はニラの効能を使った民間療法をご紹介しましょう、嘔吐やゲップを抑えたい時は、ニラをさっと茹でて絞ったものと、生姜をおろして絞ったものを牛乳で溶いて飲むと抑えることができます。腰痛がある方は、日本酒の熱燗を呑みながらニラのお浸しなどをお酒のお供にいただいてみて下さい、効き目があるかもしれません。ニラには止血効果もあり、鼻血、不正出血などに良いとされています。ですが作用が強いので胃腸の弱い方、小さなお子さんは少し控えめになさって下さい、ニラはお腹のホウキと呼ばれるほど便通効果が高いので便秘気味の方には良いもの。それからお腹が弱い方は蜂蜜と併用すると下すこともあるようなので気をつけます。

7/2

朝活・朝ごはん・卵(たまご)

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朝起きたら常温のお水をコップ半〜1杯ほどゆっくりのみましょう。そして朝ごはんには暖かいお味噌汁やスープなどを添える。胃を温めると、身体が喜ぶように気持ち良く目覚めていくので、1日のスタートを快適に過ごすことが出来ます。そこに、ほぼ完全栄養食の卵を合わせれば朝ごはんに最適。調理もクイックに出来るし、繊維とビタミンCを補えばバランスの良い朝食になります。半熟茹で卵は、卵料理の中でも消化がよいですよ、作り置きしておくと何かと重宝します。卵の広い方に画びょうでチョンと刺して穴をあけます。沸騰したお湯に塩と酢を少し加えて4〜6分ほど茹でて好みの硬さにし、冷水にとるとツルリとむけます。