井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

11/10

烏賊(いか)・鳥賊骨

薬膳では烏賊の甲は(鳥賊骨・うぞくこつ)と言い、主に月経異常、胃腸症に使用されます。タウリンが多い烏賊は血中コレストロールの増加を抑え、動脈硬化の予防も期待できます。肝機能を改善するのでお酒のアテにもよいものですが、昔よく見かけた烏賊徳利(いかとっくり)などは、味だけではなくちゃんと理由があったのですね。日本人は世界でも有数の烏賊好き、さまざまな料理に使われていますが、低エネルギーでタンパク質が豊富、昔から血を養うと言われ貧血にも良いとされてきました。もしもイカの足などが余ったら、つくねやハンバーグに細く刻んで加えると食感よく美味しくなります。

11/9

ししゃも・柳葉魚・骨粗症予防

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「柳の葉っぱ」を神様が、魚にしものが「ししゃも」とアイヌ伝説にあります、北海道の珍味ですね。日本の固有種は本ししゃもですが、輸入物はカラフトししゃもで通年多く出回っているものです。国産は美しい白目の銀色と繊細な形なので見分けがつきやすい。生干しで売られている事が多いので、軽く炙るだけで頭から骨まで食べられ、カルシュウムを多く摂取できます、フリットや天婦羅など美味しいですね、酢に漬けるとカルシウムが摂取しやすくなるので南蛮漬けなども勧めです。ししゃもにはマグネシュウムや亜鉛も多く、高血圧や骨粗症予防に最適。お腹がパンとはっているものは卵がしっかり入っていますよ。私はメスが好きですが、漁師のお父さんは味が濃いオスしか食べないそう。購入する時はツヤがあり、身がしまっているものを選びます。国産の旬のししゃもは、良い香りで焼いてもふんわり。北海道白糠付の、目の前の海からそよぐ潮風で丁寧に天火干しされたししゃもはピカピカ、塩加減も素晴らしいのでした。

11/8

じゃが芋・肉じゃが

肌寒さを感じるようになると、ほっこりした甘辛い肉じゃがが脳裏をよぎります。じゃが芋4個は4、5等分に切って水に5分放してザルに上げる。玉ねぎ1個は1㎝幅のくし切り、生姜半かけは細切り、鍋を中火にかけごま油大さじ1で生姜と牛細肉250gを炒めて取り出す。同じ鍋で切った野菜をよく炒め、水1カップ、きび砂糖大さじ2、醤油大さじ1を入れて厚手のキッチンペーパーをかぶせフタをして10分煮る。煮汁が半量になったら醤油大さじ2、肉を戻し入れまぜ、時々鍋を揺すりながら10分煮て出来上がり。じゃが芋のビタミンCはデンプンに守られているので、熱に強く調理に向いています。カリウムも豊富、塩分が気になる方は特におすすめの野菜です。じゃがいもの芽のソラニンは有毒なので、ある時はしっかり取り除きましょう。

11/7

親蟹(おやがに)・香箱蟹(こうばこがに)・母蟹(ははがに)・勢子蟹(せこがに)

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日の出を観ながらの早朝フライトで鳥取空港に到着し、早々市場へ。お目当は旬の親蟹、濃厚な内子やみそ、外子ががたっぷりです。地方によって呼び名が変わり、香箱蟹、セコ蟹、セイコ蟹とも呼ばれます。今年の解禁日は11月6日で、年末までの2ヶ月間だけ水揚げされます。地元のお母さんは、ポンポンとお味噌汁に入れる、贅沢ですね。絶品の炊き込みごはんの作り方を教わりました・鍋に蟹が浸るくらいの水、酒、醤油、みりん、生姜を入れて出汁をとり、蟹から中身を取り出す。粗熱が取れたら、洗ったお米に蟹出汁を注ぎ普通に炊く。炊き上がりに内子、みそ、ほぐし身を加え混ぜる、脳天直撃の美味しさです。
蟹のタウリンはコレステロールを抑制し、殻に含まれるキチン・キトサンは免疫力を高める効能があります。食べ過ぎると体を冷やす傾向が蟹にはあります、生姜や酢といただくなどしましょう。

11/6

里芋(さといも)・煮っころがし・胃腸の改善

見るからに柔らかそうな里芋が出回っています。色々な調理法がありますが、オーブンで皮ごと焼くとスルリと剥けますよ。ねっとりとした甘辛い里芋の煮っころがしは、これからの季節の醍醐味ですね。掘り立ての里芋はたわしやスポンジなどでこするだけでツルリと皮がむけるので調理が楽。鍋を熱し、ごま油大さじ1をなじませて里芋を炒め、出汁2カップ、酒50cc、きび砂糖大さじ2を加えて厚手のキッチンペーパーの落しぶたをし、10分ほど中弱火で煮る。醤油大さじ2を加えてさらに8〜10分ほど煮て、最後に強火でとろりとした煮汁をからめる。余ったら、薄く衣をつけて揚げ、熱々のおだしをかけたものもまた美味です。中医学では、病気に対する抵抗力をつけ、胃腸の改善に特によいとされています。生まれつき食が細い、病後の方にもおすすめですよ。里芋の粘りは血圧やコレストロールを下げ、体内の余分な塩分を排出してむくみをとります。

11/5

牡蠣(かき)・カキフライの作り方

牡蠣が美味しい季節になってきましたね。腎の働きを高める牡蠣は亜鉛を多く含み、肌や髪の艶をよくしエイジングケアにも有効、味覚も正常に保ちます。今日は、はがれにくい洋食屋さんのサクサク衣のテクニックのご紹介。ひと手間でグンとパン粉が落ちにくくなって、サクサクに揚がります。衣を作ります、ボールに卵L玉1個、小麦粉大さじ1、水を大さじ1を加えて混ぜる(料理用語でこの衣をバッター液batterと言います粉、卵、水やミルクを混ぜた混合物の意)。後は、いつものように具材の水分をとって塩、こしょうをふり、小麦粉を全体に軽く叩いたあと、衣にくぐらせてパン粉をしっかり押し付ける。生パン粉がサクサクして私は好きですが、お好みです。

11/3

薬膳・薬膳の知恵・薬膳料理・マガジンハウスDr クロワッサン

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マガジンハウス・DRクロワッサンより新刊が発売になりました。普段の野菜や薬味で健康を整える「薬膳の知恵」。薬膳とは小難しく聞こえるかも知れませんが、身近にある食材で無理なく美味しく続けられる食事の事。食材の組み合わせを最大限に生かした「食べ合わせ」を考えることで、日々の体調をケアし、巡る季節を楽に過ごせる手助けをします。
伝統的な日本の伝統和食ほとんど薬膳です。この本は昔ながらの民間療法、現代栄養学、発酵食を交えながら考案したレシピを判りやすく、例えば「風邪のひき始めに効く」「アンチエイジング髪の悩み」「シミそばかす肌荒れに効く」「冷え低血圧」「便秘下痢お腹に効く」「花粉症・鼻炎」「高血圧動脈効果予防に効く」など11の章に分けてご紹介していますよ。
「食薬ごはん」とは食べ物の性質や効能を知り、身体に取り入れ不足を補う料理、皆さんが健やかに美しく過ごせる手助けになれば本当に幸いです。

11/2

滑子(なめこ)・きのこ・お味噌汁

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深山のなめこ摘みを毎年楽しみにしています。なめこは菌床栽培とブナ・トチなどの広葉樹の倒れ木などで育てられる原木栽培があります。
天然物はゼラチンがまとわりついているような、ぬめり感が魅力的、眼や胃の粘膜に存在する成分が豊富です。胃壁を保護するので二日酔いの朝などのお味噌汁にも最適。きのこにはBグルカンが豊富、この成分が腸内環境をよくし、免疫力を強化し、抗がん作用を高めます。旨味が強いのでなめこだけで出汁が充分でますし、炒め物などにしてもしぼみません。
朝の1杯のお味噌汁は1日の「毒消し」と言われるほど体に良いもの、目覚めに温かいものをいただくと血液循環が高まって1日を気持ちよくスタートできます。

11/1

お粥(かゆ)・朝粥のすすめ

寒くなってきました、朝粥のすすめです。胃が温まり消化がよく、負担がかからないお粥は、デンプンの糖質が頭や体のエネルギーになるので1日のスタートにぴったりな食事です。。私は普段から食べることが多いのですが、旅先でもおかゆをチョイスします。だいたい食べすぎや呑みすぎになるので胃に優しいお粥と梅干し、お味噌汁、大根おろし、生姜など胃腸を整えるものと合わせて。なんてことない日常のものですが、全て調子を整える食材、普段の生活にも多く取り入れると調子がよくなります。台湾やタイなどのアジアではお粥に肉や魚、香野菜を加えてろりと煮込み、栄養満点の朝食としていますね。禅の教えに(粥有十利)と言う言葉が有ります、10個の効能の意、まさに医食同源です。

10/31

南瓜(かぼちゃ)・南瓜の種・パンプキンシード・ハロウィン・ハローウィン

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歩く先々に鮮やかなオレンジ色が眼に飛び込んできますね、元々は秋の収穫を祝う行事でしたがアメリカでは民間行事となっており、いろいろな趣向があって楽しそうです。
写真の可愛らしいカボチャはカービングの先生作。スルスルと野菜や果物をアッと言う間に楽しく美しく仕上げます。
かぼちゃは体を温める野菜、豊富に含まれるカロチンは粘膜や皮膚、視力回復に役立ち、ビタミンCは免疫力を高めるので風邪などを予防します。カボチャの栄養素は油で炒めると体への吸収が良くなります。柔らかく煮たり蒸したものは子供の離乳食や年配の方の滋養食にピッタリですね。かぼちゃの種干しは漢方やドイツでは薬用として有名です、手作りするなら種を洗って2、3日干すかレンジにかけて乾燥させます。その後、フライパンで乾煎りしたり油で揚げ焼きなどにして塩少々をふる、泌尿トラブルに効果的だそう。