井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

7/25

フレッシュハーブティー・自然療法

J-wave・ミントミルクティー・穀雨の雨・立夏・中医学・栄養学。食養生・食薬・ミント・井澤由美子・自然治癒力・整える・ハーブ・パセリ・ミント・香り

ローズマリー、ゼラニウム、ホーリーバジル、レモンバーベナなどのハーブ達が元気に育っています。スクスクと育つ丈夫なハーブはベランダ菜園でも気軽です、中でもローズマリーは特に元気に育ちやすい。古来から脳の活性化や血液循環も促進させる効能が期待でき、料理にも使いやすいので重宝しています。切ったジャガ芋と一緒に揚げるだけで、よそいきのポテトフライに。

フレッシュな香りを楽しめるハーブティーは簡単なストレスケアになります。つみたてを洗ってティーポットにたっぷりと入れ、熱湯を注いだら出来上がり。5分ほどそのまま蒸らせば、清々しい豊かな香りがフワリと立ち上がります。この蒸気はハーブの成分や効能も吸い込めるので心身からリフレッシュできますね。この出がらしのハーブを足湯に入れてもさっぱりとします。ハーブを詰む前に香りを嗅いで、今日の気分のハーブを多めに詰んで楽しみます。

ブレンドのハーブティーはそれぞれの効能プラス、胃腸を整える効果が期待できるので、消化機能の低下が気になる時にもお勧めですよ。

7/19

うめ・梅干し・梅仕事・夏の養生

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日本では「梅はその日の何のがれ」と昔からの言い伝えがありますね。梅干しを食べると、その日1日の災難から逃れられると言う意味合いですが、薬のなかった時代に下痢や便秘、疲労回復、生物などの殺菌効果や、旅先での病よけなどの意味合いも含まれていたと思います。子供の頃、高熱が出ると母におでこに梅干しを貼られるのが嫌で逃げ回っていましたが、翌朝目を覚ますと梅干しは私の熱を吸ってカラカラに乾いておでこからポロリとはがれていたものでした。「食・水・血」の三毒を断つとも言われる梅干し、色々な効果効能があることを昔の人々は感覚的によく知っていたのですね。

7月に地方に行くと、農家さんの庭先にずらっと並んだ梅干しを見かけます。夏の風物詩でもある梅の土用干しの景観はそれは壮観、もっとも日本らしい風景です。7月30日は梅干しの日だそうで、梅で有名な和歌山県みなべ町の農園さんが設定されました、7(なん)が30(去る)の語呂合わせだと伺いました。

汗で塩分が排出されていくので、暑い日の塩梅の良い梅干しは美味しく感じます。合わせてクエン酸で疲労もしっかり回復。白米や玄米、バターを加えた夏野菜のピラフなどを炊く時にも梅干しを、ポトンと一粒落とします。出汁をとる時に種ごと加えるのもこの時期の防腐効果や養生になります。

お酒に鰹節と梅干しを加えて煮詰めた煎り酒は、醤油が出来る前の江戸調味料でした。旨味とさっぱりとした酸味と塩味が心地よく夏の食材によくあいます。

7/17

ほうずき・ゴールデンベリー・スーパーフード・美容食

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浅草など、あちらこちらで開かれるほおずき市は、江戸時代から続く日本の夏の風物詩。季節になると母が必ず買ってくるほおずきを見ると、赤い身の中から種だけを取り出す遊びに挑戦し、苦味をこらえて膨らませていた幼少の頃を懐かしく思い出します。ある日の晩、ほおずきの赤い外袋に何気なく夕食のお惣菜をそっと入れて、食卓に出してくれた母を素敵だなあと思った記憶もあります。

17〜8年ほど前に、海外の黄色い西洋食用ほおずき(ゴールデンベリー)を初めて口にした時は、ココナッツ風味がする美味しさにびっくりしたものです。今日ではスーパーフードとして知られ、ドライフルーツも手軽に購入できるようになりました。人気の秘密は美容と健康に役立つ栄養素が多く、ビタミンA、B、C、ミネラル、繊維などが豊富だからです。

国産の食用ほおずきに北海道で出逢った時の感動も忘れられません。色とりどりの紙風船のような優しい色合いが美しく、嬉しくなってお土産にたくさん持ち帰りました。これから秋にかけてが旬なので、ご興味のある方は是非。

7/10

桜桃・さくらんぼう・さくらんぼ

さくらんぼう・桜桃・井澤由美子・食養生・美人・美しい人・大人のおしゃれ手帳・まいにち食薬養生帖・癒やす・整える

今年もそろそろ終わりのさくらんぼう。大きくて真っ赤です、とにかく果肉が多くて甘いのですが、酸味とのバランスがよく、やっぱりさくらんぼは国産にかぎます。

ビタミンCや鉄分、アントシアニンが豊富、抗酸化作用が高い果物で、中医学では体を温め、余分な湿を取るとされるスーパーフルーツ。雨季にぴったりの効能ですね。焼きたての甘酸っぱいさくらんぼクラフティーも本当に美味しいのですが、どうしても生食したくなり、毎シーズン焼かずに終わってしまうのです。写真は佐藤錦を親に持つ、山形県で配合された糖度のとても高い紅秀峰(べにしゅうほう)。

 

7/3

うめ・梅干し・梅仕事・夏の養生

初夏の手仕事・梅仕事・食養生・東京食薬Labo・井澤由美子・三毒を消す・ume・梅干し・梅料理・井澤由美子・食養生・食薬・まいにち食薬養生帖・健康・美容・和食

日本では「梅はその日の何のがれ」と昔からの言い伝えがありますね。梅干しを食べると、その日1日の災難から逃れられると言う意味合いですが、薬のなかった時代に下痢や便秘、疲労回復、生物などの殺菌効果や、旅先での病よけなどの意味合いも含まれていたと思います。子供の頃、高熱が出ると母におでこに梅干しを貼られるのが嫌で逃げ回っていましたが、翌朝目を覚ますと梅干しは私の熱を吸ってカラカラに乾いておでこからポロリとはがれていたものでした。「食・水・血」の三毒を断つとも言われる梅干し、色々な効果効能があることを昔の人々は感覚的によく知っていたのですね。

7月に地方に行くと、農家さんの庭先にずらっと並んだ梅干しを見かけます。夏の風物詩でもある梅の土用干しの景観はそれは壮観、もっとも日本らしい風景です。7月30日は梅干しの日だそうで、梅で有名な和歌山県みなべ町の東農園さんが設定されました、7(なん)が30(去る)の語呂合わせだと伺いました。

汗で塩分が排出されていくので、暑い日の塩梅の良い梅干しは美味しく感じます。白米や玄米、バターを加えた夏野菜のピラフなどを炊く時に梅干しを、ポトンと一粒落とします。出汁をとる時に加えるのもこの時期の防腐効果や養生になります。

6/25

らっきょう・韮白・甘酢漬け

井澤由美子・食養生・まいにち食薬養生帖・疲労回復・らっきょう・ラッキョウ・甘酢漬け・漬物・きび酢

らっきょうは中国原産で中薬学では韮白(がいはく)と言う名の生薬、日本では畑の薬と言われるほど豊かな効能を持っています。行気薬(気の巡りをよくする)でもあり、野菜の中でもトップクラスの水溶性食物繊維を含みます。腸内の便を吸収するので、便秘解消に薬効があります。
ネギ類なので匂いがありますが(硫化アリル)、血行を良くし、血液をサラサラにします。購入時は丸みを帯び、あまり芽が出ていない新しいものを選んで下さい。

甘酢漬けの作り方です。らっきょう1㎏は茎と根元ギリギリの部分を切り、ボールに入れて流水で薄皮を取るようにこすり洗いする(剥きにくい時は、包丁で切った部分から引っ張るようにします、傷んでいるものがあれば除くか、包丁で剥く)塩大さじ2でもんで20分ほど置き、ざっと水で流す。熱湯で8〜10秒茹でてそのままザルに広げて冷まし、消毒した保存容器に入れ、種を取った赤唐辛子2本と昆布一切れを加えます。小鍋に水160cc、グラニュー糖か氷砂糖(ハチミツやきび砂糖でも)250g入れて溶かし、酢350ccをまぜて冷ましてらっきょうの入った瓶に注ぐ、2週間後から食べられます(好みで粗塩少々を加えても)。
大事なのは芽が成長するので購入したらその日に仕込むこと、後は時間が美味しくしてくれます。

6/20

糠漬け・発酵食・腸活

井澤由美子・雨季の食養生・発酵食・漬物・糠つけ・青梅・実山椒・梅雨の食養生・食薬ごはん・井澤由美子・薬膳・漢方

糠漬け作りは発酵しやすいこの季節の気温がおすすめです。梅干しやラッキョウ、山椒仕事で忙しい作業中ではありますが、酸味のあるさっぱりとした胡瓜の糠漬けなどをパリパリと頬張ると、グラつきがちな天候も気にならなくなります。

できれば精米したての生糠(ぬか)500gを用意します。鍋に水2カップ強の水と粗塩60〜70gを入れ溶かし冷ます、ホーローなどの密封容器にぬかを入れ、冷ました塩水を少ずつ柔らかく(ぬかどこらしく)なるまで加えてよく手で馴染ませる。赤唐辛子2本、角切り昆布3㎝角2枚、生姜、粉辛子、干し椎茸などを適宜好みで加え混ぜる。捨て漬け野菜を毎日変えて5、6日して熟れたらきゅうり等、軽く塩もみしてから本漬けします。朝晩かき混ぜるのが理想ですが、最低でも1日1回は混ぜる、容器のフチについたぬかはキレイにふきとり、表面は平らにならして保存するとカビが生えにくくなります。

そして、旬の生実山椒と青梅をポンと加えるのがこの時期ならではの醍醐味。風味が良くなって防腐作用が上がりますよ、ぜひお試し下さい。管理が難しい時は発酵してから冷蔵庫保存します。乳酸菌やギャバがたっぷりの糠漬け、免疫力を上げイライラも防ぐ効果も期待できます。

6/12

荏胡麻・エゴマ・ジュウネン

ジュウネン・健康ごはん・食薬ごはん・井澤由美子・料理家・薬味・健康ごはん・野菜料理・美しい人・初夏の野菜・香味野菜・韓国料理

農家さんから、茎がしっかりとしたエゴマの葉が送られてきました。エゴマはシソの葉が大きくなったような香味野菜、シソ科の一年草。絞ったエゴマ油は近年特に人気ですね、大変な手作業に加え、デリケートな油なので値段は少々しますが、それだけ高い効能があります。

豊富に含まれるオメガ3脂肪酸、aリノレン酸が体や脳、肌を健康に保つ効果が期待できます。上質なものを購入し、かける和えるなどの調理法でシンプルにいただいて下さい、加熱しないのがポイントです。

荏胡麻の簡単麺つゆ漬けの作り方です。荏胡麻の葉30〜40枚は、5分水に離して裏面をよく洗い、重ねる。1分塩茹でし、氷水にさらして水気を絞る。浸るくらいの3倍濃縮麺つゆに、おろしにんにく、ごま油、すりゴマ、唐辛子各少々を混ぜたものに茹でた荏胡麻を馴染ませ、一晩冷蔵庫で寝かせれば、ごはん泥棒の出来上がりです。

荏胡麻は防腐効果もあるので、採取される産地では、昔から郷土料理や民間療法などに多様されて来ました。10年長く生きられる意味合いから、ジュウネンと呼ぶ地域もあるほどです。食以外にも、荏胡麻油は乾性油なので防水性、昔は油髪や番傘に使われていたそうです

6/9

パッションフルーツ・リリコイ・果物時計草・美肌

井澤由美子・与論島・美肌・美容・パッションフルーツ・果物時計草・リリコイ

果物時計草はパッションフルーツの別名。コケティッシュな花が時計草に似ているからだそうで、ハワイではリリコイと呼ばれる定番のフルーツ。台湾では百香果(パイシャンコウ)百の香りの果物といい、素敵な意味の名がついています。爽やかで甘酸っぱく、奥底に魅惑的な香りがひそんでいて、化粧品やアロマテラピーなどにも用いられています。切った時のビジュアルもとてもフォトジェニックです。

農家さんがパッションフルーツの話をしながら、両手で挟むように圧をかけてパンッと器用に割って中を見せてくれました。中身が飛び散らないか少し不安になりますが、私も真似してみたら割と上手くいきました。内側の皮を寄せて引っ張りだすと中身を上手に出すことも出来ます。

パッションフルーツには、肝機能を高める効能の他、美白効果や新陳代謝を活発にする働きが期待できます。ピークは6月〜8月頃、果肉はすっぱいイメージがありますが、皮にしわが寄ってしっかり完熟したものは酸味が抑えられて食べやすい。逆に表面にシワの寄らない若いものは酸味が少し立つように感じ、ソースやドレッシングにするのがお勧めです。生クリームとの相性もよく、他のフルーツでは作れない魅惑的な味わいが生まれます。

写真は与論島のパッションフルーツ農園にて。まだ青く、実垂れ下がる感じがカーテンみたいで可愛い。撮影で、沢山のフルーツティーを作っていますが、リリコイを加えると他の果物より衝撃的に美味しくなりますよ。

6/8

小鮎・鮎

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先日、お土産にいただいた琵琶湖の小鮎の串刺しは、小さな鮎を調理したもの。香ばしく炙ってあり、辛子酢味噌が添えられていました。小鮎は世界で唯一、琵琶湖だけで獲れる特別な魚で地元では自慢の味覚。小鮎は鮎の稚魚では無く、小さいですが成魚です。

鮎が成魚になる前の小さい鮎の稚鮎も初夏の醍醐味。骨が柔らかいので、唐揚げやフリットにしたり丸ごと甘露煮にするなど楽しめます。小さいですが、ちゃんと内臓のほろ苦さが有ります。

赤味噌に甘みを加えて滑らかく練ったものに、鮎の新鮮な鮎のウルカ(内臓)を合わせたものは、独特の苦味が生きています。揚げなすとの相性が抜群で、新炊きたてのご飯と合わせると最高ですよ。鮎は生きているうちならお刺身にも出来ます。氷をはった器に青紅葉をあしらい、美しく盛られた鮎は涼やかで風流、初夏の醍醐味です。

鮎は川によって、香りや苦味が違うように思います。ビタミンAやビタミン12を非常に多く含む鮎、老化予防にも効果が期待できそうです。