井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

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生姜(しょうが)・干し生姜・冷え

足元の冷たさが気なり、生姜に手が伸びます。体をさっと温めるショウガオールとジンゲロンの効果は高く、慢性的な冷えも和らげます。少し濃いめのあんかけに、たっぷりのおろし生姜をのせたうどんや湯豆腐は消化もよく夜食にもピッタリ。子供が受験生の頃、お腹を満たし過ぎずに免疫力をつけたくて生姜をよく活用しました。少し多いかなと思うくらいの細切り生姜を炒め物や炊き込みごはん、スープ等に加えるのですが、バターやオイル、肉類を加えると脂や加熱で辛味も和らいで子供でも食べやすくなります、生姜オールは100℃以上で加熱すると増加します、覚えておきたいですね。ホットミルクにおろし生姜、ターメリック、ナツメグ、蜂蜜を加えたラテも集中力を高めながら美味しくいただけます。
干し生姜は胃にも優しく、芯から体を温める効能が期待できます。保存が効くのも良いところ、皮付のまま生姜を薄切りにしてザルに広げてカラカラになるまで干すだけ、乾燥剤と密封保存します。香りも良い生姜は気の巡りもよくするので、普段のお茶やお味噌汁などにも気軽に加えてリラックスします

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冷凍餅・お餅入りスンドゥブ・スンドゥブチゲ

今日はお正月の冷凍餅で旨辛チゲを作ります。お餅が濃厚な煮汁と半熟の卵が絡まった美味しいお鍋です。寒い日や疲れた時、風邪気味の時にカンフル剤のようによく効くアツアツのスンドゥブチゲ。食欲を増加させ、免疫力もつけてくれる食材の組み合わせで疲れもとれます。スンドゥブは韓国の柔らかいお豆腐、日本ではおぼろ豆腐が近いのですが、そこに野菜や貝類、肉などとお鍋で煮込んだ韓国の定番家庭料理。作り方です・鍋にごま油、にんにく、豆板醤を入れ熱し、刻んだネギ、白菜、豚バラ肉を炒める。材料がかぶる位のいりこ出汁と、味噌、醤油、みりん、あさりを入れ、スプーンで大きくすくった豆腐とお正月に余った冷凍餅(耐熱容器に冷凍餅とひたるくらいの水を入れ1〜1分半レンジ加熱)を加えて2、3分煮る。火を止めて生卵を落とし、好みでコチュジャン(味噌と砂糖でも)、お好みで唐辛子粉適宜を加えて下さい。

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たらこ・明太子

明太子はスケソウダラの子(たらこ)を、唐辛子や昆布で辛味と旨味を漬けたもの。韓国でミョンテ(明太)と呼ばれるスケソウダラの子、明太子の語源です。たらこは鱈の子なので明太の子、なので明太子はたらこの事を指しますが、唐辛子を加えた明太子が普及し、辛子明太子=明太子と認識されるようになりました。生食用の塩漬けたらこ(甘塩たらこ)を、タレに漬けるだけのクイック明太子の作り方をご紹介します・小鍋に酒100ccと、きり昆布(昆布)適宜を入れて弱火で昆布を煮る。アルコールが飛んだら、カツオ節ひとつかみを加えて数分煮て、粗塩か柚子胡椒少々、あれば数種類の粉唐辛子を入れ、辛子を多く入れて辛くしたい場合は、砂糖やみりんを多めに加えます。しっかり冷ましたら、密封袋にたらこ2腹を入れてなじませ冷蔵庫で保存する。
添加物の入っていない美味しい自家製明太子、辛さも風味も好みに調節できます。私はゆずの皮や山椒の実の塩漬けなども気分で加えて楽しみます。少し古くなってしまった、たらこでも美味しく出来ます

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蕪(かぶ)・すずな・お味噌汁

蕪は七草で言う「すずな」です。江戸時代には葉の方を主流に食べられていた野菜で、葉は実際に栄養価も高い。蕪は根菜類に入りますが、白い部分は茎(胚軸)で、下の方のチョロリと細い部分が根です。
菊花蕪は歯ざわりが良く、疲れがとれます。皮をむいた蕪の両端を挟むように箸を置きます(下まで切れないように)。縦横に切り込みを細かく入れて(ケンザンのように)30分ほど塩水に浸します。水気を優しく絞って、小口切り唐辛子、昆布一切れを入れたかぶるくらいの甘酢につけて1時間以上冷蔵庫で寝かせます。最近私はこの甘酢にターメリックを少々加えてほんのりとした黄色をつけて、肝機能も上げています。
癖の無いみずみずしい蕪の食感は最も漬物に向いており、火を入れた時のとろみにも醍醐味があります。甘みが立って柔らかく煮えた熱々のお味噌汁は格別なので、我が家の朝の定番です。蕪は消化不良にも良いとされ、ビタミンC、カルシウムなどが豊富です。

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七草粥・(ななくさがゆ)・お粥の炊き方

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元は中国の「人日の節句」で七草を食べる風習が伝わり、七草粥を食べるようになったそうです。
春の七草(スズナ(蕪)・スズシロ(大根)・セリ、ナズナ(ペンペン草)・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ)で七草入りの粥を「朝」作り、無病息災を願います。スズナやスズシロは叩き(切っても)、葉ものも食べやすく切ります。今日はお粥の粒先がひらくような食感のよい作り方をご紹介します=米2分の1合は洗ってできればザルにひろげて30分ほど乾かす。鍋にお米の10倍量の湯を沸騰させて米を入れ一混ぜだけする。再度煮立ったら米油か菜種油を小さじ半ほど加えフタをして弱火でゆっくり25分ほど炊き、切った七草を入れ5分煮て5分蒸らします。最後に粗塩2つまみで味をつけます(塩を最後に加えると、さらりとした粘りが出ない)。七草粥は新年のおせちや祝い酒で疲れた胃を休めることも目的です。朝粥は普段の朝食にもお勧めです、日本では病気の時に食すように思われがちですが、胃にもたれず元気がでるので1日のスタートにふさわしい食事と言えます。

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鍋・白菜鍋・白菜漬け・ピェンロー・発酵食

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中国の鍋にピェンローと言う白菜鍋がああります。本当は干し椎茸の出汁と、ごま油と緑豆春雨を使うのですが、少しアレンジしてあっさりした和風をご紹介します。鍋に多めの水と昆布を2切れ入れておく、小袋に手羽中10本と塩麹大さじ1半〜2を揉み込み、別袋にゆずの輪切り4枚を入れて小さじ1ともんでおく。それぞれ30分から一晩置いたら鍋を火にかけ、鶏肉、酒半カップ、発酵が進んだ刻んだ漬物白菜(汁1カップ分)を順に加える。沸騰したら弱火にし、フタをして30分ほどゆっくり煮込む。まずはそのままいただき、好みで、かんずりや柚子胡椒、ごま油などでいただきます。ゆず皮も柔らかく、白菜はとろりと煮えて、コラーゲもたっぷり。発酵した漬物汁がさっぱりといい味を醸し出す、葛切りや春雨で〆ると煮汁の旨味を吸って美味です。体の外も内も乾燥が気になるこの季節、発酵白菜、柚子や塩麹、鶏肉、葛の組み合わせでたっぷり潤い、胃腸も健やかにするお鍋いかがでしょう。

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豆腐(とうふ)・湯豆腐・更年期障害

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身体の余分な熱をとる豆腐。つるんと滑らかなお豆腐は、喉越しよく消化に良いですね。暑い季節の夏バテ時などの冷奴は、理にかなって美味しく感じます。熱がある時の体調不良にも良いもので、柔らかく茹でた野菜を白和えにしたり、常温にしたおかゆに加えるなどすると、身体が落ち着きます。おでこに乗せやすく切った豆腐を貼れば熱を吸収します。良質なタンパク質を含む豆腐は、コレストロール値を下げる効果や女性ホルモンを補う効果も期待できます。大人になって湯豆腐の楽しさを知りました。土鍋に水2カップと5cmの昆布をちぎって浸しておきます。タレは小鍋にみりん大さじ2、醤油60c、酢100ccを加えて5、6分煮切ったポン酢がお勧めです。小皿に鰹節やおろし生姜、三つ葉、ねぎの小口切りなど薬味をたっぷり用意し、味の邪魔にならない程度の野菜も好みで準備します。昆布出しに豆腐を入れたらクラクラっとするくらいの火加減で煮て、熱々をいただきます。木綿豆腐はカルシウムが絹ごしより多く、絹ごしはビタミン類が木綿より、より多く含まれています。タルタルのゆで卵が面倒な方は、木綿を細かく崩してヨーグルトと和えたソースを作るとヘルシーで美味しいですよ。

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冬の(蜂蜜)はちみつ・はちみつレモン

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深いオレンジ色の美しく濃厚な蜂蜜を鳥取の農家さんに頂きました。熊に蜂箱が襲われる年もあるそうで、大事に口にしています。
古代から美容と健康によく、その高い殺菌効果から薬としても活用されてきたはちみつは自然治癒力を高める自然食です。リップクリーム代わりに、肌荒れ改善パックなど外からのケアにも◎。今の時期は喉の痛や咳止めなどに活用される出番も多く、効果を期待するならばやはり天然のはちみつがお勧めです、非加熱や低温で加熱したものを選びましょう。天然のもは温度が低すぎると固まる事があります、50〜60度くらいの湯煎にかけて優しく溶かして下さい。いくつか食しているうちに好みがわかってきますよ、専門店に出向くと色の違いや香り、産地や花の種類等教えてくれます。少しだけクセがありますがマヌカハニーも大変優れた生薬ですね。ビタミンCたっぷりの国産のレモンと合わせた、はちみつレモンは栄養価と風味と共に今最も楽しむべきホットドリンクです。大根を角切りにして蜂蜜につけた蜂蜜大根も民間療法で、よく聴きます。

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味醂・みりん・お屠蘇(おとそ)

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日本のお正月に欠かせないお屠蘇、無病長寿を祈って味醂に生薬を加えて家族といただくのが毎年恒例です。味醂はお米の美味しさが丸ごと出ている甘味滋養飲料。昨年、愛知県東部の三河味醂で有名な三河産地に御縁があって3社に伺ってきました。国産の米麹、蒸したもち米、米焼酎を糖化して熟成させ、ゆっくりゆっくり上からの重みだけで絞った味醂。搾りたてを初めて口にしましたが、多少のアルコール(14パーセント前後)を感じながらも、琥珀色のとろんとした味醂はそれはそれはふくよかで忘れられない美味しさです。味醂は米麹の酵素がもち米のタンパク質をアミノ酸にし、デンプンをブドウ糖に分解して甘みや旨みを生成します。江戸時代には女性やアルコールの苦手な人々に嗜まれた高級酒であり嗜好品でした。エネルギーが高く、ビタミンB1、B2、B6などのビタミンB群が豊富なので、甘酒のように栄養ドリンクの役割も果たしていたようです(昔は麹を作る技術が今ほど発達していなかったので甘みは少し薄かったそう)。料理にもかかせない調味料となって、タンパク質を固める作用で煮崩れをふせぐ、ツヤやテリをつけます。アルコールで(気化)臭みが一緒に抜ける効果もあるので煮魚・うなぎなどには特にかかせません。私は飲んで美味しいみりんを料理に使います

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元旦・お正月と祝い箸

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2020年 明けまして御芽出度うございます 本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます
お正月は旧年の収穫や様々な出来事の感謝をし、総ての生命の更新を喜び祝う一年で一番おめでたい日です。
元旦朝に水引がついた中太両細の純朴の木で作られたお箸を使う意味は、片側を神様が使いもう片側を人が使うという風習が古来からあるからで「神人共食」を意味し、年神様の恩恵を預かるのです。洗って3が日か、七草、松の内(地方によって異なるのですが、門松をたてている期間1月7日まで)が終わるまで使用します。この祝い箸は末広がりの八寸(約24cm)で縁起がよく、両方の先端が細くなっていて「両口箸」とも呼ばれます。その他、丈夫で神聖な木とされる柳で作られるので柳箸と言われたり、五穀豊穣を願った米俵をイメージした俵箸と呼ばれることもあります。箸は神様の方を使わないように気をつけましょう。歳神様に守って頂けるよう、箸袋に筆で名前を書いて願いを込めましょう皆様にとって良い年となるようお祈り申し上げます