井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

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鰯(いわし)・ディル

いわしは脳を活性化させるDHAが豊富な上に、皮膚や粘膜を守るビタミン B2も多いので肌をうるおす効果があります。
いわしは全体がピンと張ってツヤがあり、目が澄んでいるものが新鮮です。必ずその日の内に調理しましょう。火が通りやすいので短時間で調理でき、色々な味付けや調理法で楽しめます。いわしを玉ねぎと甘酢でマリネすれば血液サラサラ効果たっぷりの一品に。マリネには魚と相性の良いハーブのディルを千切って合わせるのもお勧め。
ディルはちょうど今が旬で胃腸を整え口臭予防にも役立つと古来から珍重されてきた薬草です。

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梅・梅遊び(うめあそび)

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梅仕事をする時に水に梅を漬けてアク抜きをします。水をはった容器に梅をポトンと落としたとたん、梅の周りに銀色の膜が覆います。毎年観ているのに、写真を撮らずにいられないくらいキレイです。
青梅は梅酒の他に甘露煮にし、もう少し暑くなったらかき氷のトッピングにして楽しみます。かき氷は粋(すい)か青梅のシロップ(甘露煮の煮汁)でしょう。私は大量に青梅を仕込むので、花を生けるのに使うけんざんで梅の表面に穴をあけます。一気に作業が進めので、便利ですよ(けんざんは梅専用にしています)。

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梅・梅仕事 ・梅酒の作り方

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梅仕事の季節です。大きくなった実がポトンポトンと庭の地面に落ちる音が聞こえると、梅仕事はじめの合図。落ちた実は洗って、水に半日浸して竹串でヘタをとり、清潔な保存瓶に、水気を拭いた梅を入、氷砂糖500gを上から加え、焼酎1,8ℓ(またはブランデー)を注ぐ。時々瓶ごとゆすって氷砂糖を溶かす、2〜3ヶ月くらいしたら香りよい梅酒ができます(1年置くと熟成され、さらにこなれた風味に)梅酒はとてもリラックスする香りで、アペリティフ(食前酒)レモンを浮かべたソーダ割りなどもいいですよ。梅の実は酢豚など、甘みと酸味が必要なお料理に使うと絶妙な一皿に。

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心太(ところてん)

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5月の終わり、青空が広がって爽やかな日々が多く心も晴れやかになりますね。日中は暑くて汗ばむくらいです。こんな時期の大人のおやつにぴったりな心太。酢をきかせて海苔をたっぷり入れ、辛子でいただくもよし、出汁に薄口醤油とみりん少々を加えた関西のうどんつゆくらいの味付けもお勧め。キンキンに冷したこのつゆに心太を入れ、胡麻や海苔とおろし生姜を多めに添えていただくと最高。
涼やかなコシのある心太は体の余分な熱を取り、ツルリと喉越しもよいので脳もリラックスします。
繊維も豊富なので、便秘解消にも。合わせる出汁や酢を潤し、疲労回復にも良いので、スポーツ後にも最適。

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ドライフルーツ・薬膳酢

小腹がすいた時やおやつにドライフルーツはいかがですか?イライラした時、エネルギーチャージしたい時、脳が疲れた時、お茶の時間のホッとしたい時などに最適。保存食ですから小袋に入れて持ち歩けるのもいいところ。ナチュラルな甘さと効能が、身体に滋養を与えてくれます。消化を良くするために水やミルク、お酒でふやかしたり、柔らかく煮ても。温かいうちにいただくと美味しいものですよ。貧血気味の時はプルーン、便秘や緊張が続いた時はいちじく(フィグ)、脳の働きを活性化させたい時は龍眼肉(ライチに似た果実)、イライラした時はレーズンがお勧め。
ドライフルーツを酢に漬けておくと料理にも活用できますよ。一昨年からからNHK「きょうの料理」でもご紹介している薬膳酢、肝機能をケアするのでこの季節に特に良いものです。

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お粥(おかゆ)・お粥の炊き方

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お米から炊く本来のお粥の炊き方をご存知でしょうか?
お米から炊くと、さらりとした口当たりに仕上がり、滋養に溢れたお米のパワーを感じることが出来ます。NHK「趣味どきっ!」ではお米からの炊き方と、木の実を入れた薬膳粥などをご紹介しています。
今の季節にお勧めは、食してホッとするあずきのお粥。あずきは腎機能を高め、身体の余分な湿「水滞」を取り、内臓の冷えなどを改善します。病気じゃないのに何となく体がだるい、頭が重い、食欲が減退している方は試してみてくださいね。

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セモリナ粉・プディング

生パスタを手作りするのにセモリナ粉を使って余ったので、お菓子を作ってみました。
デュラム小麦を粗く精製したもので薄い黄色をしており、ラテン語では穀粉を意味します。パスタやクスクスなどに使用される事が多いですね。セモリナ粉がちょっと余った時にお菓子はいかがですか?小鍋に牛乳500ccを入れ弱火で温めたら、セモリナ粉50gを加えて混ぜながら10分ほど煮る。きび砂糖30gを加えてさらにもったりするまで10分ほど煮込んで、水で濡らした型(エンゼル型やドーム型、何でもOK)に流し入れて冷蔵庫で固まるまで2、3時冷やす。
好みで牛乳を温める時にシナモンやバニラビーンズを加えて香りをつけても良いし、食べる時にホイップしたクリームや旬のフルーツを添えても。このお菓子は、オランダの家庭で親しまれているホッとくつろげるデザート、セモリナプディングです。

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苺・ベリーパイ・イチゴ・ブルーベリー・ラズベリー

いちごのお菓子

国産のブルーベリーがもう直ぐ出回り始める頃です。目にも鮮やかな苺やブルーベリーの酸味は肝機能を向上させるので眼にも良く、お酒をいただく時のお供にもお勧めです。苺は美肌効果が高く、生理不順にも◎。生クリームメーカーのカタログレシピで、簡単ベリーパイをご紹介しています。トッピングなどは、お子さんもお手伝いできるので、親子で楽しんでいただいてもいいですね。泡立てた生クリームに苺のシロップを混ぜて風味つけします。焼いたパイに苺風味のクリームをたっぷり挟み、ベリー類を飾り、溶けないパウダーシュガーを仕上げにふっています。見栄えのアクセントとして、パイ皮をもう1枚焼いて砕き、フルーツと一緒に刺すように飾るとちょっと可愛く見えますよ。

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苺・いちご・ビタミンC

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苺はメロンやスイカと同じで木にならず、畑でなるので、農林水産省の統計調査などでは野菜に分類されますが、市場では一般的に果物として流通しています。
苺は身体の余分な熱をとり、程よい酸味が胃腸を整え、豊富なビタミンCが肌をきれいにし、風邪などを予防します。酸味が疲労回復を担います。完熟苺をシロップにしました。鮮やかな色の苺シロップは、見た目も可愛らしく、キッチンがパッと華やぎます。苺シロップと甘酒とレモンを合わせたドレッシングは鮮やかで美しく、栄養的にも良いものです。

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納豆(なっとう)・乳酸菌・多汗症

ホルモンのバランスの乱れや精神的な緊張などから多量に汗をかいてしまうケースがあります。総合的に言えるのは、脂肪分の高い動物性タンパク質の過剰摂取や発汗作用のある辛いもの、脂っこいものは極力控え、豆や乳酸菌をたっぷり摂取しましょう。納豆に発酵食の乳酸キャベツやキムチ、ぬか漬けなど植物性乳酸菌を加えて、美味しさと栄養価を上げる食べ方などおすすめです。ゴーヤやキュウリ、トマトなどを加えると体の余分な熱が排出されます。
深呼吸をしながら軽くストレッチをすると気持ちいいですね、ストレスを緩和になりますね。