井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

11/8

 芹・ごぼう 貧血・便秘

芹の由来は競い合うように成長するので「せり」の名前がついたとか。ビタミン、カルシュウム、鉄分、食物繊維を含み、便秘、貧血などに効能があり免疫力を高めます。牛肉とごぼうと合わせた卵とじはバランスのよい一品(ごぼう半本はささがきにし、5分水に放しザルに上げる。鍋に出汁半カップ、酒、醤油、みりん各大さじ2、きび砂糖大さじ1を煮立て、切ったごぼうを鍋に入れ4、5分煮る。芹は根の部分をよくあらい4cm幅に切る(根の部分は意外に美味しいもので、秋田県ではきりたんぽ鍋などには欠かせません、栄養価も高い)。芹を加え煮立ったら、2個分の卵を溶いてとじる。香りのもとになっている精油成分には発汗作用があり、冷え性にも有効、肌も保湿します。刻んで布袋などに入れる、陰干ししたものを入れて湯を張るなど入浴剤にすると体が温まり神経痛や肩こりにきく民間療法は有名です。

11/7

青魚・鰯(いわし)・オイルサーディン

寒くなると血管系の病気が気になりますね、予防効果が高い青魚は息切れなどにも良いとされています。新鮮なイワシなどが手に入ったらおすすめのオイル漬け。頭と内臓を取り除き、洗って腹中をきれいにして水気をふく(ここまではお魚やさんにお任せしても)。塩を全体にふり、30分〜1晩おいたら、ざっと洗って水気をふく。ほうろうの容器などに入れ、いわしが浸かるくらいのオリーブオイルとサラダ油半々くらいを注ぎ、ローリエ1枚、つぶしたにんにく1かけ、鷹の爪1本を加え弱火で20〜30分煮てそのまま冷ます。

 

11/6

鰹(かつお)・鰹節・貧血予防

血合いの多い魚は、血を補って精力を上げる効果があり、脳を活性化させます。豊富な鉄分、不飽和脂肪酸、ビタミンB群など血液の循環を良くし、特に血合いの部分は貧血予防に有効的です。かつおのサクを購入し、皮目を炙って切り分け器に盛り、たっぷりの細ねぎ、薬味を添えてポン酢でいただく土佐の郷土料理は皮ごとの栄養価も摂取でき◎。皮なしのサクなら全体に、にんにくの切り口をこすりつけ、塩、胡椒をふり、よく熱したフライパン(ノンオイル)で表面を転がしてこんがり焼くとお肉みたい、マヨネーズも合いますから育ち盛りにも。お刺身ではおろした生姜やにんにくもお味と共に殺菌、防腐効果もあって魚によく合います、少しゆるく練った辛子も粋。
それから水にさらしたオニオンスライスをしき、塩こうじ、胡椒、オリーブオイルを混ぜたソースでカルパッチョ風も手軽で相乗効果のある組み合わせ。時間をかけて作られる日本が誇るお出汁のもとの鰹節は、美肌効果も高く、お味噌汁やふりかけなどにして毎日いただくと肌が潤います。

11/1

丁子(ちょうじ)・丁香(ちょうこう)・クローブ・胃痛

私はいつもクローブを紅茶に入れて、香りや少しピリッとするスパイーさを楽しんでいます。とても体を温める効能があり、胃や脾、腎が冷えて痛いときにも有効な生薬として知られています。漢方では丁香、西洋ではクローブと呼ばれます。体を温める発酵茶や3年番茶などに数個入れるだけでグンと効果が上がりますよ。民間療法では歯痛止めに使われたり、楊貴妃は口中で噛んで、口臭予防薬にしていました。肉の塊に刺して煮込み料理にもよく使われます、オレンジとの相性もよくデザートやお菓子作りにもお勧めのスパイスです。

10/31

南瓜(かぼちゃ)・南瓜の種・パンプキンシード

DSC07532

歩く先々に鮮やかなオレンジ色が飛び込んできますね、今日はハロウィン。写真の可愛らしいカボチャはタイの伝統工芸のカービングがほどこしてあり、私の先生作です!中医学ではかぼちゃは体を温める野菜とされており、豊富に含まれるカロチンは粘膜や皮膚、視力回復に役立ち、ビタミンCは免疫力を高め風邪などを予防。老化防止にも役立つビタミンE含め栄養バランスは抜群。この三大抗酸化ビタミンは油で炒めると体への吸収が良くなります。かぼちゃは意外かも知れませんが、漬物・南蛮つけ・ピクルスなどもお勧め。柔らかく煮たり蒸したものは子供の離乳食や年配の方の滋養食にピッタリ、糖尿病の方にも良いそう。かぼちゃの種干しは漢方やドイツでは薬用として有名で、手作りするなら種を洗って2、3日干すかレンジにかけて乾燥させます。その後、フライパンで乾煎りしたり油で揚げ焼きなどにして塩少々をふる、泌尿トラブルに特に効果的です。

 

10/26

小松菜(こまつな)・高血圧

薬膳で小松菜は、熱をともなうほてりなどの症状に良いとされています。胃の働きも促進する効果があり、ビタミンC、カルシュウムも豊富なので骨を丈夫にし、イライラを予防すし、血圧の高い人にもお勧め、鉄分は貧血予防に役立ちます。そして歯や歯茎にとても有効な野菜、歯周病が気になる方は1日250g前後の小松菜を目安にされるとよいですね。青汁にしたり、レモンやりんご、にんじんなどと合わせたジュースに、お料理に随時使用してみると良いでしょう。食感の残る小松菜の煮浸しのご紹介です、小松菜半束(茎の部分に砂があるので水で浸して落とす)を4㎝幅に切って茎の硬い部分からフライパンに入れる(じゃこ、ささみ、揚げげなど加えても)。ごま油小さじ2〜3、粗塩3つまみを回しかけフタをして中強火(ポイント)にかける。しんなりして色鮮やかになったら出来上がりです。下茹でしないので栄養価が逃げません、煮汁もぜひいただいて下さいね、ごま油の効果でカルシュウムの吸収も良くなります。

10/24

牡蠣(かき)・貧血予防・牡蠣ごはん・厚岸より

写真 3

レバーにも引けをとらないくらいの鉄分を多く含む牡蠣。「酒毒を消す」とも言われており、お酒をたしなむ時にもお勧め、嬉しい効果ですね。含まれる亜鉛は味覚障害を暖和し、舌をえんびんにします。アミノ酸も多いので、肌のキメが整い血色も良くなりますよ。剥きたての冷たい牡蠣にレモンをギュッと絞るだけでも最高ですが、シャロットを刻んで白ワインビネガーに漬けたものなどお勧めですし、私はタバスコをちょとふるのも好き、殺菌効果や生臭さを消す作用もあります。その他、燻製やオイル漬け、塩辛なども美味しいですね、火を入れすぎないようにふっくら調理して下さい。酒、みりん、醤油を煮立て牡蠣をさっと煮て取り出し、その煮汁でお米を炊く、炊き上がりに刻んだ三つ葉と牡蠣をもどして少し蒸らした牡蠣ごはんは旨みが凝縮、柚子を少しちらしてもいい。取材させていただいた厚岸漁師さんから送られてくる牡蠣は、ぷっくり美味、安心もついてくるから凄い!余談ですがヨーロッパでは、牡蠣には(秘められた恋)という隠れた意味があり絵画によく登場したそうです。

10/23

パースニップ・砂糖人参(さとうにんじん)・白人参

写真

まだまだ日本では知名度の低い野菜ですが、抗酸化作用が高い薬効のあるパースニップ。古代ギリシャから薬草ともされてきました。にんじんには色々な種類が世界中にありますが、ほとんど薬のような力強い効能を持っている生薬が多いですね。パースニップは生食より、加熱調理に向いています。皮がむけない程度に下茹でして、メイプルシロップを数回かけながらオーブンでローストします。加熱すると甘みがまし、エレガントな食感と風味が引き出されますよ。パースニップを、海外の友人に食べさせたら、日本にもこんなに美味しいパースニップがあるんだぁと歓喜わまってしみじみと食していました、道産です。お肉やお魚の付け合わせなどにもお勧めです。

 

10/19

韮(にら)・ニラ玉あんかけ・肩こり・血行不良・クマ

寒くなると肩がこりますね、ほぐしたいので今日は適度なストレッチと改善ごはんにします。海のもの(海産物)は割と体を冷やすものが多いのですが、海老は体を温めて血行をよくします。腸の掃除機とまで言われているニラと合わせて腸内環境をよくしつつ、血液循環を高めましょう。血行がよくなるので、冷えによる肩こり、腰痛、血行不良による目の下のクマを改善します。2人分です、ニラ半ワは洗って4㎝幅に切る、卵4個、めんつゆ大さじ2、ムキエビ適宜を混ぜる。フライパンを中火にかけ熱くなったらごま油大さじ1をなじませ、卵液を一気に流しいれ箸ではじから大きく混ぜてふんわり焼いて器に盛る。小鍋に出汁1カップ、醤油、みりん各大さじ1、酢、おろし生姜の絞り汁各小さじ1を煮立て、片栗粉小さじ2を水大さじ1で溶いたものを加えてとろみをつける。生姜を加えたあんかけ、温まりますよたっぷりかけていただいて下さい。

10/18

蕪(かぶ)・すずな・お味噌汁

蕪は七草で言う「すずな」です。江戸時代には葉の方を主流に食べられていた野菜で、実際に葉は栄養価も高い。ビタミンCの損出を防ぐために、さっと茹でてお浸しにしたり、塩でもんで柚子が酢橘をかけていただくと、効果が高まって酵素も一緒に頂けます。柑橘の香りでよい「気」も回りますね、呼吸でもよい気を巡らせましょう。人は1分間に17回ほど呼吸をしますが、朝の起きぬけに悪い「気」をゆっくり吐きだす習慣をつける。深い深呼吸を5回ほどすると脳が活性化し、ポジティブな思考になります。細胞の隅々までに酸素がいきわたるので肌つやもよくなり、舌もえんびんになります。朝いただくと自律神経がオンになり目覚めもスムースになる一杯の汁物も格段に美味しく感じますよ、甘みがたって柔らかく煮えた熱々の蕪のお味噌汁、美味しそうですね。