井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

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山椒(さんしょう)

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店先に花山椒、山椒の実、小梅、青梅、らっきょうが並び始め、とってもワクワクしています。ウカウカしていると、時期を逃してしまうので早起きして保存食作りに勤しむ。山椒醤油と山椒オイルを手始めに作りますが、この時期だけの淀みのない鮮烈な青い香りと辛味を逃さず、ギュッと詰める為に毎年試行錯誤を楽しんで繰り返しています。シンプルで思いもよらぬ食べ方を発見できた時は特に嬉しい。山椒は消化不良や胃腸の調子を整え、身体の冷えに効果があります。
何よりその高貴な香りに胸がスッとする。

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鰯(いわし)・ディル

いわしは脳を活性化させるDHAが豊富な上に、皮膚や粘膜を守るビタミン B2も多いので肌をうるおす効果があります。全体がピンと張ってツヤがあり、目が澄んでいるいわしを見かけたら、その日の内に調理する。火が通りやすくクセがないので何でもパッと作れます。小麦粉を全体にはたいてごま油でフライパン焼きにし、甘辛くめんつゆ味で蒲焼にする、甘酢に薄切り玉ねぎと漬けてマリネすれば血液サラサラ効果が倍増する。オイルがしたたるこんがりいわしをバケットに挟むポルトガル風は、焼き汁もぜひ。サーモンの付け合わせによく登場するディルは魚のハーブと呼ばれ、ちょうど今が旬。消化をよくし胃腸を整え、口臭予防にも役立つ古来から珍重されてきた薬草(ハーブ)です。

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梅仕事・昔ながらの梅干し

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梅干しは防腐作用が高いのでこの季節のお弁当にかかせませんね、お米に入れて炊いても良いもの、疲れをとるクエン酸も頼もしい。梅干しを作ると生まれる白梅酢を手塩の代わりにして握ったお結びは、自分で作った調味料だからか、いつもより心華やぎます。ふくよかな香り高い梅は料理にも使いやすいので、私は大きめの完熟梅(緑色や硬さがある時は、真っ黄色になるまで常温で追熟させる)を購入します。500gで大体10〜13個、30分水に漬け水気をしっかりふき、竹串でヘタを取る。リカーや臭いのないアルコール大さじ1で密封袋の中をさっと消毒し、捨てる(袋中ふかなくてOK)。後は70〜90gの粗塩と梅を入れ、袋の上から馴染ませる。同量の重しをして2日間1日1回上下を返し、20日間そのままおく。冷暗所か冷蔵庫で保存し、梅雨があけたらザルに広げて好みの状態に2〜5日間天日に干す(好みで白梅酢に戻す)。梅干しを見ると唾液がでますね、消化力を高めるのでおかゆに添えるのです。味だけではない日本の素晴らしい知恵、梅干しは下痢や便秘にも効能があります。

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パッションフルーツ・果物時計草(くだものとけいそう)

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果物時計草はパッションフルーツの別名で、花が時計草に 似ているからだそう。ハワイではリリコイと呼ばれ、台湾では百香果(パイシャンコウ)百の香りの果物という意味。爽やかで甘酸っぱく奥底に魅惑的な香りがひそんでいるので、化粧品やアロマテラピーなどにも用いられています。切った時のビジュアルもフォトジェニックですね、眼に良いとされ、肝機能を高める効能と美白効果や皮膚再生能力を高めます。旬のピークは6月〜8月頃、すっぱいイメージがありますが、皮にしわが寄ってしっかり完熟すると酸味が抑えられて甘くなる。私は酸味が立ったものでソースやドレッシングにするのが好き、生クリームとの相性もよく他のフルーツでは作れない魅惑的なものになります。写真はパッションフルーツ農園にて。まだ青く、垂れ下がる感じがカーテンみたいで可愛い。

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梅・梅遊び(うめあそび)

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梅仕事をする時に水に梅を漬けてあく抜きをします。水をはった容器に梅をポトンと落としたとたん、梅の周りに膜がはって銀色の梅の宇宙が現れます。初めて見た時は、なんて不思議でキレイなんだろうと、ずっと写真を撮っていたことを想い出します。青梅は梅酒の他に甘露煮に。シロップと共にもう少し暑くなったらかき氷と楽しむ、かき氷はスイか青梅のシロップでしょう!私は大量に青梅を仕込むので、梅専用にしたけんざんを使い梅の表面に穴をあけます、便利ですよ。その他、昆布と醤油に漬けたカリカリ梅など(しっかり寝かせる)香りを移して調味料として楽しむ。料理もグッと華やかになって、レパートリーも楽しく広がります。

6/3

梅・梅仕事 ・梅酒の作り方

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梅仕事の季節です。大きくなった実がポトンポトンと庭の地面に落ちる音が聞こえると、梅仕事はじめの合図、落ちた実は直ぐに洗って竹串でヘタをとり、水に3〜5時間浸してアクを抜き、水気をしっかりふく。消毒した瓶に入れ、梅が浮かないように氷砂糖500gを上から加え焼酎1、8ℓかブランデー1〜2本を注ぐ。時々ビンごとゆすって氷砂糖を溶かす、2〜3ヶ月くらいしたら香りよい梅酒ができます(1年置くと熟成され、さらにこなれた風味に)梅酒はとてもリラックスする香り、食前のアペリテェフやレモンを浮かべたソーダ割りなど。梅の実は酢豚など、甘みと酸味が必要なお料理に使うと絶妙な一皿に。

 

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青梅(うめ)・甘露煮

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庭にポトリポトリと落ちる青梅。梅は傷がついてないものを選んでよく洗い、ヘタを竹串の先で取って、できるだけ小さく数箇所穴をあける。手始めはすぐいただける甘露煮。ホーロー鍋に穴をあけた梅を入れてかぶるくらいの水で10分煮る、必ず弱火で。そっと梅を取り出し、水を新しくかえて氷砂糖を加え梅を戻します。厚手のキッチンペーパーをかぶせ、弱火で10〜15分ほど煮て冷ます。梅を取り出し保存容器に入れ、煮汁を半量まで煮詰めて注ぐ。甘酸っぱい香りがキッチンに広がって梅仕事と言う幸福がまた始まる。氷砂糖は肺を潤し咳を止める効果あり、梅は唾液の分泌を活発にしたり疲れをとります。

6/1

赤しそ・ゆかり・抗酸化作用

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抗酸化作用が高いアントシアニンが豊富な赤しそは、お弁当のごはんなどによくふってある(ゆかり)。梅を塩漬けすると白梅酢が上がってきますが、赤しそと一緒に漬けると梅が鮮やかな紅色になります。葉をむしり、塩でもんでギュッと絞ってアクを抜き、再度塩をしたら白梅酢少々で洗って、もどして一緒に漬けます。この赤しそは梅干しを干す時に、広げて一緒に干しましょう。カラカラに乾いたら、形を残して保存瓶や缶に(お菓子や海苔についている乾燥剤と一緒に)保存してください、使いかってがよいですよ。食する時には細かくほぐします、胡麻と調理すると吸収がよくなります。赤しそは紅ショウガの色素の素にもなりますね、胃液の分泌をよくします。

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酢・にぼ酢・にぼし・カルシュウム

本日のNHKあさイチでご紹介したにぼ酢。米酢やりんご酢に煮干しを漬けるだけですが、煮干しは30分で柔らかくなり、一袋(約120g)漬けるので酢には旨味がまわります。酸味が押さえられてとても食べやすくなり、酢に旨味をつけると言うより、煮干しを美味しく食べられるところがいい。
小さなお子様や年配の方まで難なくいただける柔らかさになりますよ、酢の酢酸菌とカルシュウムが合わさると、「酢酸カルシュウム」になります、単体で食べるよりグンと吸収率がアップするので、骨粗しょう症予防にもなりますね。料理にも使いやすく、たとえばすり胡麻と合わせて胡麻和えに、片栗粉をはたいて揚げたフリットや炒め物など、幅広く活用できます。
酢に関しては、今月号のNHK出版「きょうの料理」にドライフルーツ昆布酢を掲載しています。
(8月4日に酢のイベントが玉プラーザであります、お酢は体も心も癒します。興味のある方は遊びにいらしてください)
ついでに番組で一晩もどした小豆を加えていましたが、小豆は解毒・利尿作用が高いので雨季におすすめの食材です。

5/30

無花果(いちじく)・蒸し無花果・濃厚ごまだれ

旬のいちじくが出回っています。繊細な白和えなどいろんな食べ方がありますが、是非一度お試しいただきたい一品をご紹介します。完熟いちじくが手に入ったら皮をむいて器に入れて蒸し、粗熱をとって冷蔵庫で冷やしておきます。カシューナッツ3、4個と胡麻大さじ1を乾煎りし、すり鉢ですって、メイプル、醤油各大さじ2、酢少々を入れてさらによくすり混ぜて、冷やしたいちじくにかける。ごまも繊維が豊富、香ばしい香りとトロリとした甘みがいちじくに絡まって美味、冷たいこともポイントですよ、和食に添えるいちじくのお料理として最高だと思います。ビールよりスパークリングか白ワイン、日本酒がよく合う。いちじくは昔から痔に効くと言われていますね、便通をよくし、体の余分な熱をとり、喉の腫れをおさえます。更年期の女性によい効能もたくん、母乳の出もよくします。