井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

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桜鯛・鯛・真鯛・鯛茶

春を代表する旬魚の鯛。朱色をまとって北上する桜の季節の真鯛を「桜鯛」「花見鯛」と美しい名で呼びます。鯛は海老を食べるのですが、殻に含まれるアスタキサンチンが身に影響するからだそうです。縁起の良い魚として昔から珍重される鯛ですが栄養価も高く、タウリンが豊富で低脂肪、高タンパク、低カロリー、消化吸収もよいので胃腸の弱い人やお年寄りにもお勧めです(鯛の骨には充分気をつけて)。
鯛は昆布締めなどにして塩分を入ると表面がねっとりとする魚で、それが美味しくてお鮨や散らし寿しにすることもありますが、やはりお勧めは山葵をたっぷり添えた鯛茶です。ゴマにクルミやカシューナッツ、松の実など好みで加えて乾煎りし、すり鉢でめんつゆ味程度のタレとすり混ぜる。切り身を濃厚ゴマだれにくぐらせて炊きたてのごはんと半分いただき、あとはお好みで煎茶をかけて2度楽しみます

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行者にんにく・キトピロ・ヤマニンニク・アイヌネギ・山菜

食薬・免疫力・行者にんにく・山菜・アイヌネギ・キトビロ・ヤマビル・醤油漬け・天麩羅

別名が可愛らしい行者にんにくは山菜です。種ができるまでに7年、花が咲いて食べ頃になるまで更に5〜7年ほどの長い期間がかかるそう。にんにく、ニラ、玉ねぎと同じユリ科のネギ属多年草で、北海道の天然ものは3月〜6月頃が旬となり、希少な特産品です。
アイヌの人達は春に採集し、乾燥させて保存もしていました。北海度で食べたアイヌ料理店の「オハウ」(鮭や鹿、野菜と煮たスープ)にも入っていて、滋養をつけながら魚の生臭さを緩和する効果もあるようです。
これまでの私の調理方は、さっと茹でて食べやすく切って醤油に漬けていましたが、茹でずにそのままザクザク切って漬けるだけの手法に切り替えました、山菜名人仕込みです。これを炊きたてのごはんに卵黄とのせてご馳走になったのですがとても美味しく病みつきになりました。それ以来私は、醤油に刻んだ行者にんにくと卵黄、昆布のはし切れを一緒に漬けて、炊きたてごはんのお供や、和え物に使っています。
行者にんにくは、抗菌作用が高くアリシンを多く含み、免疫力をあげますね、香りからしてとても元気が出ます。

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山葵・わさび・ワサビ・丼

わさび・山葵・薬味

キラキラ光る清らかな湧き水が流れるわさび畑。蝶も飛び回り、せせらぎとと共に心安らぐ風景です。
伊豆半島は、わさびの名産地。生産に適している軟水が湧き出ています。農家さんの好きな食べ方は私と同じでした、熱々ご飯に鰹節と山葵をのせるだけのシンプルな食べ方、生卵を落とす時もあります。生山葵の擦り方です。皮の突起の部分(黒い部分もあれば)を包丁でこそげます。皮に近い部分に香りがあるので出来るだけ薄く。上の方から(茎付きだった部分)から大きな円を描くようにおろすと香りよく、口当たりのよい山葵がすれます。
海外に行くときに必ず山葵を持参します。訪れた土地のものを食べる事が何よりの楽しみなので、塩も調味料もその土地のものを頂きます。ただ、長期間の場合は小型の鮫おろし器とわさびを持っていきます。例えば、土地の新鮮な帆立のお刺身を食べる時、近隣の海の塩、上質なオリーブオイル、そこに鮫皮に切り口を当て、大きく回すようにすりおろしたわさびは最高ですし、殺菌作用も心強いのです。
数年前に、伊豆のわさび農家さんで購入したおろし金は、金属でした。おろす部分の突起が細かく、青々とした山葵はふんわりとした口当たりで滑らか、甘味も立ちます。鮫皮一辺倒でしたが、山葵の為だけに作られた道具に感動、脂身と絡まると美味な牛ステーキにも、粗塩とたっぷりのわさび添えが基本です。

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漢方・薬膳・薬膳酢・豆乳・ドウジャン・トウジャン

ドウジャン・豆乳・大豆・薬膳・台湾朝ごはん

近所にあるお豆腐屋さんの豆乳は、とろりと粘度が高くてとても濃厚、風味が高くコクリと美味しい。普通の豆乳も少し煮詰めるとコクやとろみが増します。紅茶のアールグレイやハーブのカモミールを濃いめに煮出してハチミツを入れたソイミルクティーは、気の巡りも良くなりって胃にも優しくリラックスします。豆乳に含まれる大豆イソフラボンやサポニンは女性に嬉しい効果が豊富、植物性タンパク質は免疫力を高める手伝いもします。コレストロールが気になる方にも◎。寝つきが悪い時は、豆乳を温めて皮ごと焼いたバナナや甘酒、少しの焼酎と割って飲むのもお勧めです
夜食にも良い、台湾のドウジャン風をご紹介します。豆乳を沸騰直前まで1カップ温め、薬膳酢大さじ1、醤油小さじ2を入れた器に注ぐ。酢の効果で凝固し、フルフルとしたおぼろ豆腐のようなスープになります。鰹節とねぎ、ラー油をトッピングしたシンプル和風、カリッとしたバタートーストがよく合いますが、本場では調味料、桜えびやザーサイなどで、揚げパンが添えてあります。
薬膳酢はマガジンハウスHanakowellnessさん免疫力アップBOOKでも表紙にさせて頂きましたが、作り方は簡単。昆布の旨味やクコの甘みでまろやかです。この薬膳酢を使ったドウジャンや薬膳どんぶり、その他に薬膳茶、体を元気にする身近な食材達もご紹介させて頂いています、ご興味ある方はぜひご覧下さい。

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クレソン・ウオータークレス・西洋芹・オランダガラシ

西洋芹・薬味・クレソン・オランダガラシ・抗菌作用・食欲増進

柔らかい摘みたてのクレソンはとても可愛らしい。清らかな感じが伝わります。さてどんな風にいただきましょうか。
まずはボウルいっぱいに水をはり、クレソンを水につけてのびのびとさせます。最初は、繊細な風味を味わいたいのでそのままサシンプルなラダにして。このクレソンを口に運ぶと爽やかな辛さを感じるのですが、これは大根やわさびに含まれているのと同じ成分のシニグリン、胃がすっきりします。消化を助けたり、胃もたれの改善、食欲を増進させる作用があります。
クレソンは、カロテンを含み抗菌作用があり、老化やがん細胞を抑制し、血もきれいにする効能が期待できるそうです。
さっと茹でて軽く昆布締めにしても良いもの。デトックスジュースや、新じゃが芋と合わせて温かいポタージュスープもいいですね。鶏と酒で旨味をたっぷりひき出したお鍋に入れ、さっとしゃぶしゃぶにするのもオツ。微かな苦味がさわやか、みずみずしい食感を少し残してたっぷりといただきたい野菜です

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竹の子・筍・たけのこ

山菜・春野菜・筍・たけの子・竹の子・山菜

茹でたての筍がスーパーなどでも売っています。季節のたけの子と木の芽の相性や、香ばしく醤油で焼かれた香りには日本人のDNAも手伝うのか、太刀打ち出来ませんね。
たけの子はなんと言っても繊維が豊富、体の老廃物を排出し、コレストロールの吸収を抑え、脳を活性化させる効果が期待できます。竹皮には防腐効果や殺菌作用ががあるので、昔はおむすびなどお弁当を包んで腐敗を防いでいました。
地中に埋まっていた掘り立ての筍のお刺身は、旬の息吹を感じられ、食べてもアクをあまり感じません。時間が経つとアク抜きが必要になります、購入したら直ぐに下処理してしまいましょう。大きめの鍋にたっぷりの水を入れ、米ぬか1カップ(または重曹大さじ1、あるいは米のとぎ汁)、赤唐辛子2本を加えて中火にかける。筍の皮を数枚むき、穂先を斜めに4、5cm落とし、剥きやすいように縦に浅く切り込みを入れます。落し蓋や厚手のキッチンペーパーをかぶせて中弱火で(大きさによる)1〜2時間程下茹でし、後は穂先は縦斬りにするなど食べやすく切って調理します。
一瞬で大きくなるたけの子、エネルギーと共に色々な調理法で楽しみながらいただきます。
 

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台湾棗・蜜棗・なつめ・ナツメ・台湾・薬膳

薬膳・なつめ・棗・ナツメ・台湾棗・蜜棗・薬膳・果物・フルーツ・台湾

姫りんごより大きな台湾なつめは、インドナツメとも呼ばれ、渋かったインドナツメを台湾で美味しく品種改良した果物です。旬はもうそろそろ終わりですが、生なつめは梨のような甘さと爽やかさを持ち、黄緑色の皮は薄くて食べやすいのでそのままかじることも出来ます。台湾に行くとお手頃価格ですし、人気があるので店先を陣取っています。生なつめはビタミンCが豊富なので、薄切りにしてサーモンとオリーブオイルでサラダなどにするとコラーゲンの生成を促します。クリーミーなチーズとカナッペにすると白ワインやシャンパーニュによく合います。
乾燥なつめは生薬でもありますが、食薬両用です。お茶に入れたり、スープや煮物などの料理にも美味しく多用されます(丸のままでも良いですが、お茶などは刻んだり割ったりして使用します)。気血を作り滋養があるので、貧血気味な方や、疲労が気になる方には特にお勧めですが、のぼせ気味の方は控えます。

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春の息吹・山菜・うど・うるい・よもぎ・デトックス

デトックス・蓬・ヨモギ・山菜・春の息吹・デトックス

つくし、かんぞう、うど菜、うるい、行者にんにくなどの柔らかい山菜を昆布ダシでしゃぶしゃぶにしていただくのが毎年の楽しみ。山菜は春の息吹、香りが豊かで繊維が豊富(食べ慣れない方は、ほどほどの量で楽しみます)。春野菜の苦味は、虫から身を守るためのアルカノイドに由来する成分で、デトックス効果が高いそうです。菜の花やふきのとう、こごみ、たけのこ、うどなど独特の香りと風味、食感を楽しめる時期はとても短いので何かしら毎日口にします。香りは気の巡りもよくするので、ストレス緩和にも良く、リフレッシュできます。汗ばむ日も出て来ました、緑茶に柔らかな蓬を浮かべると、穏やかな良い香りと成分で頭がスッキりします。

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雪ノ下・ユキノシタ・虎耳草

雪の下は湿った岩場など薄暗い場所を好んで自生している常緑多年草。年間を通して育つので観賞用にも人気があり、特徴的な白い花は可憐です。
この雪ノ下と初めて出会ったのは、天婦羅屋さんでした。サクッと揚がった緑と赤の葉色が美しく、形も丸くて可愛らしい、とても印象的でした。 春先の柔らかい時期が調理しやすくて食べやすい、お刺身などに添えたり、胡麻和えなどにもするそうです。雪が積もった下でも枯れずに生息しているので「雪ノ下」と言われるそうですが、所以は色々あるようです。 生薬では虎耳草(コジソウ・葉が虎の耳の形に似ている)といい、解毒・炎症作用があるので、子供の熱冷ましに煎じて飲んだり、葉を火で炙ってはれものなどに貼るなどの民間治療薬として使われていました。

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牡蠣・カキ・かきの炊き込みご飯・貧血予防

牡蠣・かき・カキ・牡蠣の炊き込みごはん

見るからに美味しそうなぷっくりとした牡蠣。牡蠣は味覚障害を緩和する手伝いをするそうで、亜鉛と鉄分を多く含むので貧血予防や不眠にもお勧め、栄養豊富です。
牡蠣は「酒毒を消す」とも言われており、お酒のお供にも。生食なら、剥きたての冷たい牡蠣にレモンをギュッとしぼり、ぜひタバスコ少々ふって下さい。全体がしまって美味しいのと、殺菌効果や生臭さを消す作用もあります(タバスコは牡蠣の為に作られた説もありますね)。
牡蠣の旨味と香りをたっぷり堪能できる炊き込みごはんは、酒、醤油、本みりんを煮立て牡蠣をさっと煮て、一度取り出します。旨味のでた煮汁に水を足し、お米と炊きます。炊き上がったら牡蠣をもどして少し蒸らします。さっくりと混ぜて器によそい、柚子の皮を削るか、山椒の葉を散らせば至福の時が来ます