井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

5/12

5月の梅仕事・手仕事12ヶ月・カリカリ梅・青梅シロップ

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雨が降ると、庭の青々とした梅が小雨を受けて気持ちよさそうです。ちょうど500円玉弱くらいの大きさに育って、今年も梅仕事の始まりです。

手始めに、硬さが決め手のカリカリ梅を作ります。卵1個の内殻を剥がしてザルに広げてよく干します(600wレンジ1分半から2分でも・乾いたら出汁袋やお茶パックに入れ砕く)。500gの梅はよく洗って、水に3時間ほど漬けてアク抜きし、竹串などでなり口を取る。ポリ袋などに入れ、塩大さじ2を全体によく馴染ませて30分置く。ざっと洗って、梅の筋に沿って一周切り込みを入れ、なり口を上にしておき、ヘラなどを使って体重をかけて半分に割る(種は捨てる)。

後は、清潔な容器に割った梅、卵の殻、400〜500gの氷砂糖を順に入れる(玉に瓶ごと揺すってください)。水分が上がってきたら出来上がり、卵の殻を取り除いて下さい(卵の殻のカルシウム、梅のペクチンと冷温で梅がカリカリに仕上がります)カリカリ梅や、梅シロップには様々な作り方がありますが、今日は一番簡単な作り方のご紹介です。

熱がある時などは喉の渇きを速やかに押さえ、青々とした爽やかな香りが気の巡りも整えるので養生になります。薬膳での氷砂糖は肺を潤す効果が期待でき、梅は唾液の分泌を活発にしたり疲労回復を助ける働きがあります。

 

5/6

新にんにく・大蒜・食養生

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新にんにくが出回る頃は、そら豆の旬でもあります。山椒の実や梅、らっきょう、新生姜も出始めて、手仕事が大忙しの5月。
新にんにくは生ごと醤油や味噌、オイルに漬けたり、中国風に酢漬けにしたりとひねとは違う軽やかなにんにくの風味を楽しみます。
この時期のにんにくは、香りの薬味や香辛料と言うより、しっかり野菜として調理したくなります。たっぷり薄切りにして、小松菜や空芯菜とごま油でサッとソテーすると、新にんにくのシャッキリした歯触りを堪能出来ます。
中医学でにんにくは、脳や五臓の働きを活発にし、解毒効果や活血作用(血の巡りをよくする)がある食材とされていますよ。身体を温めるので、冷えて白い鼻水が出る時などの風邪のひき始めや、免疫力を高めたい時、体力を取り戻したい時などに効果が期待できます。

大蒜の字の蒜(ひる)は食用になるにんにく、ノビル、ネギなどの古名です。ノビルと区別するために、にんにくを(おおひる)と称し、生薬名は(たいさん)。ちなみに無臭にんにくやジャンボにんにくは、本当はポロ葱(リーキ)の仲間だそうです。

5/4

子供の日・端午の節句・菖蒲の日・柏餅

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明日は子供の日ですね。端午の節句で、菖蒲の日とも呼ばれます。二十四節気では立夏(夏の気配がする頃)。菖蒲やよもぎを湯に入れてその香気で邪気を払い、無病息災を願う。菖蒲は尚武にかけていて、勇ましく健やかな男の子の成長を祈願する日です。今日は菖蒲とよもぎを浮かべて朝風呂に、爽やかなお天気も手伝って清々しい。菖蒲とよもぎには血行をよくし、神経を沈静する効果が期待出来るそうです。

道ゆく和菓子さんやスーパーでは柏餅も売っています。きちんと作られたものは餅が二つ折りになって、兜の形をしています。かしわの葉は新芽が出るまで古い葉が落ちないので、「家系が絶えない」「子孫繁栄」と縁起をかついでおり、昔の武家社会では特に珍重されていたそうです。かしわ餅の餅は上新粉を練ったもので、江戸時代の生まれ。一方、中国伝来の粽(ちまき)(茅巻)は、もち米やうるち米などで作った餅を茅(ちがや)などの葉で巻いて井草で縛っています。餅に良い香りがうつり、乾燥を防ぐ効果や手を汚さないなどの利点もあります。かしわ餅の中身は小豆餡が主流ですが、白餡に甘い白みそ(西京味噌)を混ぜた白みそ餡も毎年楽しみにしています。写真は幼少の頃から大好きな、小石川一幸庵さんの柏餅です。

4/26

花わさび・花山葵・三杯酢・甘酢漬け

井澤由美子・抗菌作用・食養生・ヒーリングフード・薬膳・花わさび・三杯酢・レシピ・春野菜・山菜

2月頃〜4月頃までが旬の花わさびは、白い小花が可憐ですね。清らかな清流が流れる畑には、蝶が舞っていました。わさびは花のつぼみや葉もたべられます。爽やかでピリッと美味しいわさびの酢漬けの作り方を農家さんに教わりました。
花わさび(約350g)は、葉や茎をよく洗い、2、3cmのざく切りにしてボウルに入れます。粗塩適宜を全体にふってしんなりするまで塩もみします。よくもむと細胞が壊れてわさびの辛味や香りが立ちます。この間に密封容器に甘酢(昆布酢か酢150cc、きび砂糖80g、醤油小さじ2)を合わせます。
塩もみした花わさびをざっと水で洗って熱湯をまわしかけ、ギュッと水気を絞る。冷蔵庫に1日置いて食べられますが、3日くらい経っても美味。私はここに、少し甘みのある柑橘を絞り、春の風味を満喫します。
抗菌作用の高い山葵は解毒作用もありますね。花や葉は、歯ざわりもあって爽やかな辛味がクセになります。

4/25

しらす・ちりめんじゃこ

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カルシウムたっぷりのしらす、旬ですね。骨を強くし、脳神経を活発にする効果が期待できます。減塩食の方は、塩気があるしらすや雑魚を上手に料理に取り入れると一石二鳥です。

しらすとは、イカナゴ、ウナギ、アユ、ニシン、マイワシ、ウルメイワシなど、白や透明無色の稚魚。マイワシやウルメイワシも流通していますが、いわゆるしらすのほとんどは、かたくちいわしの稚魚です。
しらすは釜茹でされたもの、しらす干し、それから更に乾燥させたものがちりめんじゃこですが、地方によって呼び名は多少異なるようです。通年出回りますが、春と秋が産卵のピーク。

新鮮な生しらすが手に入ったらぜひ試していただきたいレシピがあります。バケットに、にんにくの切り口をこすりつけて塩とオイルをふってカリカリにトーストする。生しらすをたっぷりのせ、オイルをふってほうばって下さい、ヨーロッパ風の食べ方で、冷えたワインとピッタリです。
しらすや小魚は、酢と合わせるとカルシウムの吸収がよくなるので、酢の物にもぜひ加えて下さい。酢飯にしらすとごまを、刻んだシソを入れたおむすびは運動後や暑い日に元気になりますし、しらすと青のりをたっぷりのせたしらす弁当もお勧め、旬をシンプルに楽しめます。

4/20

キウイ・ルビーレッド・セビーチェ・シーフードサラダ

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4月から5月にかけての期間限定で、女性に絶大な人気を誇る一皿があります。剥き立ての生エビ、ぶつ切りの茹でタコ、サーモン、ホタテ、時には蒸した貝などを添えたセビーチェ風。香り野菜には、刻んだ紫玉ねぎ、ジンジャー、赤唐辛子、コリアンダーなど。味付けにはバージンオリーブオイル、軽く塩胡椒、朝岡さんのナンプラー、コジベリー、主役のゼスプリルビーレッドキウイを合わせて、搾りたてのレモンを多めに加えます(レモンがライムになったり、唐辛子が山椒になったりと30年来お付き合いのある農家さんからの仕入れによって、風味は変わります。あるもので作るのでそれもお楽しみ)。

このフレッシュなシーフードサラダのメニュー名は「ルビーレッドチリサルサのセビーチェ」とそのまんまのネーミング。別名は抗酸化セビーチェです、アントシアニン、ビタミン類が豊富、美肌・美容に最適な他、免疫力UPも担います。

ちなみに通常の緑キウイに含まれるビタミンCは100g中約88mg前後。サンゴールドは152mg、ルビーレッドに至っては、189mgを誇ります。気の巡りを良くするコリアンダー、爽やかな香りの柑橘、少し辛くて甘酸っぱいドレッシングとコラーゲン豊富な魚介類を合わせれば女子力をアップします。

少し汗ばむ日も有り、冷えた白ワインが美味しい頃。新緑の風に乗って漂う香りも泡や白ワインにピッタリです。

 

4/18

ニュージーランド・キウイ・ルビーレッド・美肌

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昨夜ニュージーランド出張から帰国。季節はちょうど落ち葉がきれいな秋、日本の春と逆です。同じような気温なので、体感的に無理がなく過ごしやすい気候でした。

秋なので、どの店先にも様々な産地のりんごや青りんごが並んでいます、日本より少し小振りですよ。その他には洋梨、プラム、蜜柑、アボガト、柿などが並びます。ニュージーランドの代表的な果物のキウイに関しては、グリーン、イエロー、レッドがたわわ、ゼスプリさんの畑にもお邪魔して来ました。中でも私はレッド好き、ちょうど今日本の店頭にも並んでいますが、4月から5月の頭くらいで販売が終わってしまうのでとても貴重です。ベリー類のような香りと甘さの完熟ルビーレッドは、アントシアニンも豊富。美肌効果がもともと高いキウイ達ですが中でもレッドが最高、コラーゲンの多い食材と合わせて料理にも多様して、肌の生成を促します。

 

4/12

筍・竹の子・春の息吹・デトックス

井澤由美子・食養生・山菜・春野菜・筍・たけの子・竹の子・山菜

この時期だけは茹でたての筍を売っているスーパーや八百屋さんなどでもあります。筍を香ばしく醤油風味に焼いて木の芽と合わせるともうたまりませんね。日本では昔からの春の代名詞、旬の味ですからDNAも手伝うのか、この時期は無性に食べたくなります。

筍はなんと言っても繊維が豊富。食物繊維は体の老廃物を排出し、コレステロールの吸収を抑え腸内環境を整えます。茹でた時に断面に現れる白いものはチロシンといい、脳を活性化させる効果が期待できます。竹皮には防腐効果や殺菌作用があるので、昔はおむすびを包んで腐敗を防いでいました。

掘り立ての筍はお刺身もお勧めです。旬の息吹を感じられ、食べてもアクをあまり感じません。収穫から時間が経った筍は、アク抜きが必要になります。購入したら直ぐに下処理しましょう。筍の皮を数枚むき、穂先を斜めに4、5cm落とし、剥きやすいように縦に浅く切り込みを入れます。大きめの鍋に筍とたっぷりの水を入れ、米ぬか1カップ(または重曹大さじ1、あるいは水の代わりに米のとぎ汁を使う)。赤唐辛子2本を加えて、落し蓋や厚手のキッチンペーパーをかぶせて煮立ったら中弱火にして(大きさによる)1〜2時間程下茹でします。火を止めてそのまま冷ます。
成長の早い筍。この時期はそのパワーを色々な調理法で楽しみながらいただきます。

4/9

韓国・全羅南道・チョルラナムド・カンジャンケジャン

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商品開発の為、韓国出張に行ってきました。嬉しい事に、美食で有名な(全羅南道・チョルラナムド)地方。美しい海が点在し、豊かな海鮮が豊富で、街々によって蟹や魚の郷土食がそれぞれにあります。私は無類のケジャン好き、今回初めていし蟹のカンジャンケジャン(醤油漬け)とヤンニョンケジャン(薬念・ヤンニョン漬け)を頂きました。名前の通り、硬い殻の蟹で、旨味が強いのが特徴です。同じく旬の甘みの強いわたり蟹も頂きましたよ、旬の蟹は当然美味。卵がたっぷりの甲羅に、ご飯を詰めて頂くのが韓国流です。酒、醤油、生姜、唐辛子、たまね日、胡椒、にんにくなどの薬効もあるカンジャンベースに漬け、美味しく頂きます。

4月の韓国は日本と同じ時期に桜だなんて以外でした。日本の桜の名所は混んでいるし、ケジャンは美味しいし、毎年韓国に来ても良いかも知れないなぁと思った全羅南道でした。

4/2

春の息吹・山菜(さんさい)・うど・うるい・デトックス

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つくし、かんぞう、うど菜、うるい、行者にんにくなどの柔らかい山菜を、昆布出汁でしゃぶしゃぶにしていただくのが毎年の楽しみ。山菜は春の息吹。香りが豊かで繊維が豊富(食べ慣れない方はほどほどの量で楽しんで下さい)。春野菜の苦味は、虫から身を守るためのアルカノイドに由来する成分で、デトックス効果があります。菜の花やふきのとう、こごみ、たけのこ、うどなどは独特の香りと風味、食感を楽しめる時期がとても短いので、この時期は日々何かしら口にしています。香りは気の巡りもよくするのでストレス緩和にも良く、リフレッシュできます。
少し暖かい日は緑茶に柔らかな蓬を浮かべると、香りと成分で頭がスッキリします。