井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

8/21

発酵食・甘酒・甘酒ドレッシング

井澤由美子・発酵食・薬膳・漢方・秘湯回復・甘酒・あま酒・あまざけ・発酵食・夏バテ

夏の季語の甘酒。麴甘酒の甘みは、でんぷんが麹菌によって消化しやすいブドウ糖に分解して生まれたもの。体内で素早くエネルギーに変換されるので、夏バテ予防にぴったりです。すだちやレモン、ハーブの香りを加えても飲みやすいですよ。
甘酒が余るときは、私はドレッシングにアレンジします。生姜を皮ごとすりおろし、オリーブオイル、昆布酢、粗塩、甘酒を空き瓶に合わせてシェイクすれば完成。私にとって、ナチュラルな甘みととろみの甘酒は、まるでドレッシングの為にあるような存在。
ミニトマトやフルーツを甘酒ドレッシングであえて、冷やしていただくとスッと疲れがとれますよ。

8/20

素麺・冷麦・そうめん・素麵つゆ

そうめん・素麺・酢橘素麺・

原料は同じ小麦粉の素麺と冷麦、麺の太さで呼び名が変わります。1、3mm以下が素麺、1、3〜1、7mmまでが冷麦、それを超えるとうどんとなりますが、手作業の手延べ素麺は1、7mm未満なら素麺あるいは冷麦とどちらで呼んでよいそうです。もともと素麺は練った生地を手で伸ばして作られたのが(手延べそうめん)、冷麦は練った生地を薄く伸ばして包丁で切った(手打麺)でしたので製法が違いました。いつしか機械製麺されるようになり、区別しにくくなったのでJASの規定が定められました。クイックですが本格的なそうめんつゆの作り方です・小鍋に水2カップ、昆布1切れ、かつをぶし一掴みを入れる。沸騰直前で中弱火にし、醤油50cc、本みりん大さじ2半を入れコトコト10分ほど弱火で煮る。ボウルにこし、底を氷に当てて冷ませば出来上がり。素麺を表示通りに茹でたら、素早くザルに入れ流水で洗い、氷水をはったボウルでぬめりをとるようにしっかりもみ洗いをする。キリッと冷たい手延べ素麺、鰹節香るたっぷりの出汁に削った青ゆずの皮や山椒の実を散らす。心身共に清々し、暑さと日々の疲れを癒してくれます。

8/19

与論島・オクラ・島オクラ

オクラ・おくら・夏野菜・井澤由美子・料理家・発酵食・健康ごはん

以前旅した与論島の農家のお母さんに、オクラは生で刻んで食すと聞いてびっくりしました。よく見ると産毛が無くてツルリとしています。一般に関東に出回るオクラより、この時期に沖縄、鹿児島に出回るオクラは大きいのに柔らかく、生食にも向いているようです。よく見る5角形のオクラに加えて、丸いタイプや赤オクラも収穫できるそう。オクラは塩で少しもんで、熱湯で(中の種が出ないくらい)茹でると、強い粘りと甘みが引き出されて美味しい。塩茹でしただけのシンプル調理ですが、島の粗塩とおろした生姜やわさび(これは持参)で堪能。島ではオクラばかり食べていました。オクラはカロテンやカルシウムなど食物繊維を多く含み、疲労回復効果も期待できるので夏バテ予防にも良いですね。粘り気のある野菜はそのまま炭火やグリルで香ばしく焼くのもお勧め。
そういえば、島根県の道の駅で買った黄色いオクラの花を酢の物にし、角寿司(島根県の郷土料理)を作った事を思い出しました。オクラの黄色花にも粘りがありますよ。

8/18

茗荷・みょうが・薬味・ピクルス

茗荷・みょうが・薬味・夏野菜

夏の薬味に欠かせない茗荷。香り成分には発汗作用があるので血行を良くし、消化をよくする効能も期待できます。色も美しいので、何かとお料理のアクセントになりますね。3〜4月頃が旬の茗荷竹は若い頃の茎で、天麩羅に美味しいですよ。7月ごろの早(わせ)茗荷は比較的小ぶりで、八月に入ると赤く丸みを帯びて秋茗荷となります。冷奴、そうめん、刺身のツマなどに添えると清々しさが演出できます。みょうがは刻み方で香りや食感の表情が変わります。刺身のツマにする時は、横薄切りにして水に5分ほどさらします。繊維を断ち切ると香りが立ちやすくなるのです。
縦に切るとしゃきしゃきとした歯ざわりが楽しめるので、生でサラダや和え物などで。縦半分切ってさっと茹で、熱い内に甘酢に漬ければ鮮やかに発色し、日持ちするピクルスになります。これを刻んでご飯に混ぜれば即席のお寿司がすぐに作れます。茗荷をつけた甘酢に焼き鮭やじゃこをくぐらせてご飯に混ぜると、さっぱりとした旨味が加理、食欲がない日にも箸が進みます。

8/17

にんにく・黒にんにく・免疫力・発酵食

井澤由美子・発酵食・黒にんにく・免疫力・黒にんいくの作り方

黒にんにくは、普通のにんにくを熟成発酵させたもの。抗酸化作用が高くなり、もともと様々な健康効果が期待できるにんにくがさらにパワーアップ。特有の強いにんにく臭が抜け、プルーンのように甘く、優しい風味で微かな酸味で食べやすくなります。皮をむいてそのままいただきますが、スプーンで簡単にペースト状になるくらい柔らかいので、マヨネーズやマスタード、バターとまぜてパンにぬったり、ソテーした肉のソース、焼肉の下味つけ、醤油を使った煮物に加えても。
体調管理は先手必勝で、免疫力を上げるには黒にんにくが大活躍。夏バテや体調をすぐれないとき、風邪の予兆で喉の痛みを感じる時など直ぐに食べてケアします。
実は作り方も簡単。普段使わない炊飯器などを活用します。内釜に直接あたらないようににんにくを皮付きのままオーブンペーパーなどで包んで入れます。炊飯器を保温に設定し、10〜15日間入れておくだけです(加熱するとにんにく臭が立ち込めるので、置き場所はよく健闘を)。

8/17

にんにく・黒にんにく・免疫力

井澤由美子・発酵食・黒にんにく・免疫力・黒にんいくの作り方

黒にんにくは、白いにんにくを熟成発酵させたもの。抗酸化作用が高くなり、もともとパワーが強いにんにくが更に高い効能に。特有の強いニンニク臭が抜け、プルーンのように甘く、優しい風味で微かな酸味がとても食べやすい。皮をむいてそのままいただきますが、スプーンでも簡単にペースト状になるくらい柔らかいので、マヨネーズやマスタード、バターとまぜてパンにぬったり、お肉などのソース、焼肉の下味つけ、醤油を使った煮物にポンと加えても。
夏バテや体調を崩しそうになったり、喉に痛みを覚えた時など直ぐに口に入れてケアします。
作り方も簡単、普段使わない炊飯器などがあれば保温に設定し、皮付きにんにくを入れ、釜にあたらにように耐熱紙などをかぶせて10〜15日間入れておくだけです(過熱するとニンニク臭がするので、倉庫や物置きなどだとよいですね)。体調管理は先手必勝、免疫力を上げておきます。

8/15

西瓜(すいか)・スイカジュース

スイカ・スイカジュース・西瓜

幼少の頃から一番好きな果物はスイカ。暑い日には特に食べたくなる夏の風物詩です。ヘタの回りがへこんでおり、縞模様がくっきりしているものが美味しいそうです。
昔は1個買いが普通でしたから、八百屋さんに食べ頃を選んでもらって、その所作も楽しんでいました。お客様がみえると食べやすいよう、カットを色々工夫しています。
スイカはしゃりしゃりとした食感で水分が多く、身体を潤してくれますね。リコピンやカロテンが豊富で、利尿作用もあるのでむくみ改善にもいい。白い部分は薬効があるので浅漬けや糠漬けなどにします。
スイカが余ったら、梅干しの果肉と合わせて攪拌してジュースにしたり、生クリームと一緒にパンに挟んでフルーツサンドにしたりして楽しみます

8/14

盆団子・おだんご

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昔からお盆にはお団子を作ってご先祖様にお供えする風習がありますね。島根県の邑南町で「盆団子」をいただきました。お月見は白いお団子で、お盆にはきな粉をまぶしたお団子を作るそうです。ご相伴にあずかりました、しっかりしたもち米粉が印象的でとても美味しかった。
作り方を教わりました。ボウルに米粉150g、もち米粉150gを合わせる。熱湯を少しずつ加えて箸で混ぜながら耳たぶくらいのかたさにし、団子状丸める。たっぷりの湯を沸かして茹で、浮き上がってきたらザルにとり水気をきる。きな粉と砂糖を合わせ、粗塩少々を加えてお団子とからめて完成。
もち米はたんぱく質、ビタミン類、マグネシウム、亜鉛、食物繊維を含み、体を元気にします、夏バテ対策にも良いものです。

8/13

かき氷・氷

かき氷・氷

数年前に行った与論島の食事処のみさき。店頭に「頭が痛くならないかき氷」と書いてある。キーンとするような痛みが出ないという意味ですよね? 半信半疑で食べてみるとホントに痛くならない! ふんわりとして、口にいれてもスッと溶けるので冷た過ぎない。冷たいものを食べると脳が危険を感じてシグナルを出すのですが(これがキーンと感じる痛み)きっと優しい口当たりなので、脳がびっくりしないのでしょうね。
生姜を濃厚な香りよいシロップにした、生姜練乳をたっぷりかけたかき氷。何気ないけれど、島のお母さんの愛がいっぱいです。台湾で、おやつに冷やしたトマトをいただいた時、添えられていた黒糖と生姜を混ぜ合わせたものを想い出しました。トマトは身体の余分な熱をとる効能があるのですが、冷やし過ぎないようにとの配慮からでしょう。
食は身体も作るけれど、心の優しさも育んでくれますね。

8/11

ホップ・西洋唐花草(セイヨウカナハナソウ)・ハーブ・ビール

ハーブ・ホップ・ビール・ハーブ・セイヨウカラハナソウ

この時期に楽しみなホップは、花期がちょうど今頃(8月〜9月)です。数年前、奈良県の曽爾(そに)村のホップ畑に出かけました。摘みたてのホップをひともみして浮かべた地ビールと、おつまみにホップのフリットをいただきました。贅沢ですね、ホップのス〜っとする香りと冷たいビールの喉越しがなんとも爽やかで、ストレスも洗い流してくれるようです。ホップの成分はビールの香りと苦味を作り、泡持ちをよくして濁りを取り除くなどの作用があるそうです。西洋ではハーブとしても古い歴史があり、神経を鎮める効果があるので、睡眠薬としても愛用されてきました。北海道の広大な畑にお邪魔したことが有ります。ホップのつるは見上げるほどの高さで、カーテンのように風にそよそよとゆれて香り、とても心地よかった。
最近よく口にするクラフトビール、麦芽配合によってコクやフレーバーが変わる。好みの香りとキレがよいビールに出会うと嬉しくなって、おつまみも香りに合わせて楽しみます。