井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

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二条大麦・ビール麦・大粒大麦・ビール・四季彩キッチン

大粒大麦・ビール・二条大麦・ビール麦・クラフトビール

フジテレビ・四季彩キッチン 
汗ばむ季節、キーンと冷えたビールが美味しくなってきましたね。番組では『二条大麦』の特集で、ビールに合うおつまみも紹介致します。個人的に香りがよく風味のあるビールが好きです、近年では国内でもクラフトビールを含め様々な種類が生産され、缶や瓶も可愛らしくネーミングも個性的で楽しい。ビールの主原料は麦芽とホップ。麦芽は大麦から作られますが、大きく二条大麦と六条大麦の二つに分けられます。二条大麦は穀粒が二列で並び、粒が大きいので大粒大麦、六条大麦は小粒大麦と呼ばれます。
栃木県では二条大麦、六条大麦、小麦の3種類が栽培され、全国でも有数の生産地。小山市では、青々とした田んぼと金色の麦畑が、パッチワークのような模様を描いている風景も見られるそう。風に揺らぐ麦畑の麦秋(ばくしゅう)、コントラストの美しい情景が目に浮かびます。四季彩キッチンはJAグループ提供の、日本の農業の「いま」をプレゼンテーションする番組で、進行役は林修先生です。

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ホワイトアスパラガス

ヨーロッパでは4月下旬~6月が旬のホワイトアスパラガス。日本でも同じ時期に元気な国産品を見かけるようになりました。みずみずしく、滑らかな食感はまさに初夏を食べているようです。ホワイトアスパラはグリーンアスパラと同じ品種ですが、太陽の光が当たらないように育てます。
栄養価はグリーンアスパラの方が豊富です。ホワイトアスパラは口当たりや風味が良く、栽培に手間がかかる作為、値段は少し高めです。
ほんの少しの塩気を帯びた、茹でただけのシンプルなホワイトアスパラガスにフォークを入れる時は緊張します。一番好きな食べ方ですが、一切のごまかしが利かない究極の調理です。下ごしらえはグリーンアスパラと同じように根元で無理なくポキっと手で折れるところから、上の部分をいただきます。茹でる時は皮を剥いた後も一緒に茹でます。レモン果汁を少し落とすといいですね。
ドイツでは、白アスパラはシュパーゲルと呼ばれとても人気です。収穫時期は4月中旬から6月24日までと決まっているそう。いつか産地のヴァルベック村のレストランで、アルザスワインを片手に思いきり堪能したい願望があります。

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アスパラガス・グリーンアスパラ

食養生のススメ・薬膳・まいにち食薬養生帳・井澤由美子・アスパラ・昆布締め・グリーンアスパラ

アスパラには疲労回復効果のあるアミノ酸の一種「アスパラギン酸」が豊富。野菜の中でも免疫力を高める効果が高く、特に穂先の方に含まれるルチンはビタミンCと共に血管を丈夫にし、血流をよくします。
アスパラはヨーロッパやロシアなど冷涼地で育ちやすく、日本では以前は北海道産が主流でしたが、近年では他の地域でも美味しいアスパラが育ちます。我が家にはいろいろな農園からアスパラが届きます。産地が一緒でも農家さんによって味わいが違いますよ。ワインのテロワール(土壌、その土地の気候)と一緒ですね。土に近いアスパラの下の方の皮を剥いて、生のまま口にしてみるとそれがよくわかります。
アスパラは根元でポキっと折れるところがあり、そこより上を調理します。保存する時は、湿らせたキッチンパーパーに包み、密封袋に入れて穂先を上にし、立てて野菜室へ。
アスパラはシンプルに塩茹でも美味しいですが、昆布で挟んで数時間寝かせると、なんとも粋な昆布締めになります。

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青梅(うめ)・梅仕事・梅甘露煮

青梅・うめ・梅・食養生・12ヶ月の手仕事・季節の手仕事・井澤由美子・二十四節気・食薬・まいにち食薬養生帖・小梅

庭にポトリポトリと落ちる青梅。梅仕事の手始めは、すぐにいただける甘露煮を作ります。傷がついてない梅を選んでよく洗い、竹串の先でヘタを取って、できるだけ小さく数箇所穴をあける。ホーロー鍋に梅を入れてかぶるくらいの水を加えて5〜10分ほど煮ます。この時火加減は必ず極弱火で(強いと皮が弾けてしまう)。水をかえて氷砂糖を加え、厚手のキッチンペーパーをかぶせ、弱火でさらに10〜15分ほど煮て冷まします。梅を取り出して清潔な保存容器に入れ、煮汁を半量まで煮詰めて注ぐ。甘酸っぱい香りがキッチンに広がって、梅仕事の幸福なひと時が今年もまた始まりました。毎年もたらされる自然の恵みに感謝しながら過ごすひと時です。
薬膳では氷砂糖は肺を潤す効果が期待でき、梅は唾液の分泌を活発にしたり疲労回復を助ける働きがあります。甘露煮のシロップは炭酸や冷水で割っていただくと汗がひき、心身が癒されます。
後少ししたら南高梅が色付きそうです。こちらは黄色くなってから虫あみでそっと手繰り寄せて追熟させてから梅干しにします。
傷がついてないものを選んでよく洗い、ヘタを竹串の先で取って、できるだけ小さく数箇所穴をあける。

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空豆・蚕豆・そら豆・天豆・一寸豆・お多福豆・がん豆・豆板醤

まいにち食薬養生帖・健康・薬膳・豆板醤・薬味・蚕豆・空豆・天豆・がん豆・一寸豆・お多福豆・豆

日本ではいろいろな呼び名が可愛らしいそら豆は、世界で最も古い農作物の一つだそうです。中国の調味料の豆板醤が作られた当初は、唐辛子は入っていませんでした。現在では、空豆に唐辛子と麹を加えて熟成させ作る辛いものが主流です。ちょっとヒラメいて旬のそら豆を使ったて、味料を作ってみました。ソラ豆を蒸し、すり鉢に入れて塩麹とほんの少しのごま油を加えて滑らかなペーストにします。えびやほたてのムースと合わせて型に流して固めれば、色鮮やかな一品になります。
そら豆は、たんぱく質、ビタミンB1、B2が豊富で、疲労回復にや胃腸機能を高める効果が期待できます。また、利尿作用があり、余分な水分を排出してくれるのも嬉しいですね。
そら豆は鮮度が落ちやすいので、さや付きを購入して調理する直前にさやから出しましょう。新鮮なものは皮も柔らか、栄養や食物繊維があります。
さやごと調理してもいいですよ。数カ所穴をあけて、さやごと酒蒸しにしたり、グリルや炭でさやが黒くなるまで焼くとふっくらと蒸し焼き状態になります。穴を開ける場所は、豆のないくびれた部分を狙って刺して下さい。大人になってから良さがわかったそら豆、見かけるとついつい手が伸びます。

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フジテレビ「四季彩キッチン」葉生姜

井澤由美子・中医学・料理教室・生姜・葉生姜・新生姜・旬野菜

「葉しょうが」は柔らかく筋がないのにシャキシャキとした食感が魅力的です。旬は5月から8月頃まで、みずみずしく清涼感のある爽やかな香りが際立って、辛味が何とも心地良い野菜です。葉生姜や生姜の辛味成分には食欲増進効果があり、胃もたれした時などにもおすすめ。薬膳では吐き気止めにも効果があるとされ「生姜は百邪を防衛する」と、漢方の古書にも書いてあるほど、薬効が高い生薬です。生は殺菌力が高く、加熱すると体の芯から温める効果が生まれます。
葉生姜は柔らかいのでそのままみそやマヨネーズで食べても。スパイスと黒糖で煮詰めたジンジャーシロップや甘酢漬けにすると美日持ちもします。
番組でご紹介したつくねは、葉生姜の消化を促進する成分が、肉の油っこさを軽減し、肉の脂で生姜の辛味がやわらいで食べやすくなっています。焼き鳥屋さんに期間限定であったらつい頼んでしまうような大人好みつくね。番組進行役の林修先生は、「こりゃ美味いよっ!」とおっしゃっていました。。
レシピをご紹介します

●葉生姜つくね
 材料(約10本分)
鶏ひき肉     200〜250g
卵        1個
おろし玉葱    大さじ2
塩、胡椒     各少々
タレ(醤油・酒・水各大さじ1・みりん大さじ2)
ごま油      小さじ2
作り方
1、葉生姜の葉をフライパンに入る長さに切り、3本を手で折って離しておく。
2、ボウルにひき肉と塩、こしょうを入れてよく混ぜる。水気をきったおろし玉ねぎ大さじ2、卵白1個分を入れてよく混ぜる。1の葉生姜の先端4、5cmを芯にして、ひき肉だねを包むようにして形を整える。
3、フライパンにごま油を熱し、2を入れて中火で全体に焦げ目をつけるように焼く。フタをして火が通るまで中弱火にして2分ほど蒸し焼きにし、タレの材料を混ぜて、鍋肌から加えてからめる。器に盛理、卵黄を添える

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四季彩キッチン・おかひじき・アグレッティ

ボンゴレ・野菜・おかひじき・オカヒジキ・アグレッテイー

フジテレビ「四季彩キッチン」でご紹介した「醤油風味のボンゴレ・アグレッティー」
番組進行役の林修先生は、召し上がって「個人的にパスタより好きかも!」 とのコメントでした。
アグレッティはイタリア語で、おかひじきのことです。シャキシャキ感が何といっても一番の魅力で、イタリアでは春野菜として親しまれています。他の食材にはない食感で、食べると心地よさを感じます。クセがないので使いやすく、おみそ汁や和え物など幅広く使用できます。
おかひじきの由来は、海藻のひじきに似ているからだそうで、元々は海岸の砂地に自生するアカザ科の野草。ものによっては口に含むと微かな塩気を感じることも。おかひじきの栽培は難しく、発祥地とされる山形県南楊町では細心の注意を払ってハウス栽培されています。水分が足りないと固くなり、温度、湿度が適切でないと特徴である歯ざわりが失われてしまうそう。殺虫剤を使う事が出来ないので、虫がつかないように日々の管理もしっかり行われています、ほぼ無農薬のおかひじき、安心してたっぷり食べられるのも嬉しいですね。
おかひじきはカロテンやカリウムが豊富で、免疫力を高め視力回復も手伝います。カロテンは油と調理すると体への吸収がよくなりますよ。にんにくのアリシンも加えて免疫力をさらに上げた一皿に。

JAグループ提供の四季彩キッチンは日本の農業の「いま」をプレゼンテーションする番組情報番組で、進行役は林修先生です。

「おかひじき」
5月25日(月)フジテレビ※関東 21:54~
5月27日(水)関西テレビ  21:54~
6月 3日(水)BSフジ 22:55~

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鯵・あじ・アジ

魚・アジ・鯵・あじ

鯵は味がよいのでその名がついたと言う由来があります。日本人の食卓には欠かせない魚ですね、年中美味しい鯵ですが産地によってメドレーで旬があり、真鯵、むろ鯵、め鯵、しま鯵などが一般的で、青魚の中でも旨味成分が強い。記憶力向上や老化防止などの効果があるDHA、骨粗症やイライラを抑えるカルシウムが豊富。鯵でなめろうを作る時、臭みを消すためにみょうが、しそ、生姜などを入れますが、細かく刻んだピーマンも加えると味を邪魔せず臭みを消すのでお勧めです。
鯵といえば思い出すのが九州でいただいだ、元は漁師さんのまかない飯(りゅうきゅう)。鯵、さば、ぶりなど地魚の細切れを漬けにし、ごまとたっぷりの薬味を混ぜた郷土料理。即席で作るなら、濃縮タイプのめんつゆにすりごま、おろし生姜かわさびを合わせ、香りの良い柑橘を少し絞る。良い香り。冷蔵庫で30分〜1時間ほどマリネし熱々のご飯にのせます。刻んだしそ、みょうがなど添えるとさらに美味。今日のような熱い日にぴったりです。
ちなみに鯵は目がキレイに澄んでいてエラが赤く、背中に丸みがあるものが鮮度よく脂のりがいいようです。購入時の目安にして下さい。

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パクチー・香菜・かめむし草・コリアンダー

パクチー・かめむし草・コリアンダー・パクチー・香菜

気温が上がってくると、無性にパクチーが食べたくなります。(英名はコリアンダー、和名はカメムシ草)。パクチーは消化を助ける働きがあるので、我が家では胃が疲れた時に食すお粥のトッピングにしばしば登場します。そのお供はみそずけ生姜、ちょうど出回っている新生姜を皮ごとポリ袋に入れ、味噌にみりんを少し混ぜたものを生姜に覆うように馴染ませて冷蔵庫に入れておく。おかゆに刻んだみそ漬け生姜、あれば醤油をからめたピータンを添え、たっぷりのパクチーを散らすと美味しい。パクチーの根は捨てずに活用し、香りが強いので叩いてお米と炊き込んだり、スープ等に加えるとよい風味。
パクチーはベランダ栽培でも健やかに育ちます。思い立った時に食べたいので、せっせと水やりしています。柔らかい摘みたての柔らかいパクチーは格別で、白い可憐な花をお料理に添えるのも密かな楽しみです。
パクチはー抗酸化作用が高いビタミン類が豊富で、美容効果が高いのが特徴。独特の香りが気の巡りをよくするように私は感じます。

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油ぞうめん・油うどん・奄美大島(あまみおおしま)・きびなご

煮干しやじゃこの出汁を使って作る油ぞうめん。奄美でとれる今が旬のきびなごのいりこを使って、郷土料理の油ぞうめんを使うのがポイントです。作り方は、フライパンにたっぷりのきびなごを入れて乾煎りし、ひたひたくらいの水を加えて煮立て出汁をとります(自己流で今日は梅干しも一緒に煮ました)。酒と少しだけ甘みのある奄美のヤマア醤油、天然粗塩、油少々で味をつけ、フル(にんにくの香りのする葉)と、島唐辛子を刻んで加えます。奄美大島の西古見で、加商店のお母さん(早苗さん)からヒガシフーズの平うどん(乾麺)を頂いたので(作り方も教わった)、素麺の代わりにかために茹でて水気をきり、出汁に加えて煮含める。地元の人は入れないようですが、一緒にプリプリのもずくをたっぷり加えるとフワッとツルンと喉越しよくて美味しかった。出汁をとるのに使った煮干しやじゃこは柔らかくなるので、麺と一緒に食べられますよ。旨味もカルシウムもたっぷりで、簡単でとてもよい調理法と思います。
奄美大島の海や自然は色濃く美味しいし、素朴でステキです。またいつか出かけたい島の一つ。