井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

7/10

莢隠元(さやいんげん)

いんげん豆の若いさやで、原産は中南米。ヨーロッパ経由で中国から伝わったそうで、高僧の隠元僧侶によって伝えられたのでこの名がついたとされています。三度豆とも呼ばれ(主に関西)、1年に数回収穫できます。購入したらできるだけ早く調理して、味と栄養価を逃さないようにしまょう。ビタミンB群やBカロチンが豊富、腎機能を活性化して身体の湿気を取り除きます。太目のものはたまに筋がありますが、近頃のいんげんは端の硬い部分を落とすだけでOk。いんげんに似ている(ささげ)を初めてみたのは北海道、南米では幸福を呼ぶ食物としてお正月に食される野菜です。

7/9

紫玉葱(むらさきたまねぎ)

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血液をサラサラにする玉ねぎ。国内の生産量は第3位で大根、キャベツに続きます。紫色の玉ねぎは「アントシアニン」フィトケミカル、ポリフェノールの1種の色素成分が含まれており、これは葡萄、クランベリー、ブルーベリー、プルーン、ナス、小豆、黒豆などに含まれているものと同じです。植物が紫外線から身を守る為に作る成分で、抗酸化力が強く高血圧や眼精疲労に効果的。辛味や刺激が少ないのでさっと水に放して、サラダやツマにしても。赤しそや茗荷のように酢に漬けるとより鮮やかに発色します。皮ごと縦半分に切って塩とオリーブオイルをかけてオーブンで焼くだけで甘みが増して美味しいし、お皿に置くだけで様になりまます。大好きな畑に行ってたくさん購入してきました、このアダルトな紫にうっとりするのは私だけでしょうか?

7/8

水羊羹(みずようかん)

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羊羹(ようかん)は羊(ひつじ)の羹(あつもの)と書きます。もともとは中国の羊のスープ(冷めると煮こごり状になる)。肉食ができない僧侶の為に、小豆や葛などに精進料理として中身がかわったものが原型です。砂糖や寒天を加えて固形化したものが、時代をへて人気のお菓子となりました。水ようかんは一般的なようかんより、水の配合が多いのでツルんとしていて喉越しがいい。暑い季節にしっかり冷やしたようかんをいただくのは至福の時、疲れもとれます。進物にもかかせないお菓子ですね、眼にも涼やかな竹に入ったものや、ギリギリの口どけのものまでいろいろ楽しい。どちらにしても夏のイメージですが、福井県では丁稚(でっち)ようかんとも言い真冬に食するそう、きっと暖かい部屋でこたつに入っていただくのですね!

7/7

素麺(そうめん)

今日は七夕ですね、「笹の節句」「星祭り」とも呼ばれています。意外に知られていませんが、七夕の日の食事はそうめん。これは千年も前からの行事食で、暑い夏に冷たいそうめんを食べ、無病息災を願う風習でもあるそうです。天の川や織姫の糸なども彷彿させますね。ルーツは「索餅」(さくべい)という中国の小麦粉で出来た繊細なお菓子。日本には奈良時代に伝えられ、索餅がそうめんに変化しました。氷水でしっかり〆るのが、ツルツルしこしこした歯触りのよいそうめんにつながります。赤味噌で作った酢味噌でいただいてもオツですよ、寒い七夕の夜は、ほっとする温かい煮麺(にゅうめん)でも。

7/6

鰻(うなぎ)

白焼きに酢や味噌などをつける食べ方から、醤油や砂糖、みりんや酒を使って蒲焼が主流になったのは、江戸時代中期頃のこと。関東風の蒲焼は蒸し焼きにするのでふんわり柔らかくタレが濃いめ、関西風の蒲焼は蒸さないのでパリッとしています。うなぎはビタミンA,Bが豊富、その他優れた効能があり、疲れた時や元気を出さなければならない時に奮発していただく強壮食、私にとって昔から言われる「食い養生」です。ホント〜に玉にだけ口にできる天然のうなぎは、食べごたえがあって力強い旨味と後味に余韻がある感じ。それから香ばしく焼けた少し厚めの皮が美味しいなぁと思います、お重にするなら養殖の方が食べやすい。今年の土用の丑の日は、7月24日、二の丑は8月5日だそうです。疲れやすいこの頃、平賀源内先生の策略に乗りたくなりますね。

7/5

李(すもも・プラム)

すももは、中国原産の生食用とする日本すももと、生食やジャムなどの加工用が多いヨーロッパ原産の西洋すもももの2つに分類されることが多いようです。よく見かけるドライプルーンも西洋すももを乾燥させたものです。すももは香りよく、皮にキンとした酸味を感じることもありますが、みずみずしいという言葉がぴったりな果肉と甘酸っぱさは他にありません。熟したものを皮ごと氷砂糖と煮ると、ほんのりピンク色の素敵なシロップができますよ。すももの効能はクエン酸などが肝機能を高め、中医学では血の巡りを良くし精神安定にもよいとされています。毎年送られてくる、大石プラムや長野のもぎとりプルーン今年も楽しみです.

 

 

7/4

胡麻(ごま)

白ごまの方が黒ごまより油分が多い。ごまからしぼった胡麻油はしっとりとしてコクがあり香ばしいので食も進みます。肌を潤したり便秘の改善にも効能があり、抗酸化成分ゴマリグナンに多く含まれるセサミンには健康に良いごまパワーがたっぷり。黒い色の黒ごまは腎機能を補う食材で、昔から白髪の改善にも良いとされてきました。白ごま好きでしたが、最近ではポリフェノールも含む黒ごまを意識して摂取するようにしています。ごまを消化よく吸収させるために、半ずりでもよいし、すりごまにしていただくといいですね。から煎りしたすりたてはやっぱり美味ですが、面倒な時は指でひねり潰すようにするだけでも違います。

 

7/3

ハトムギ(薏苡仁)

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ハトムギは漢方では薏苡仁(ヨクイニン)と呼ばれ、実の殻を除いたものです。身体の余分な異物を排出する効果があり、イボが取れることで有名(妊婦さんは禁忌ですよ)。美白作用もあるので化粧品などにも使用されています。少しクセのある味がしますが、水につけておいてお米と一緒に炊いたり、スープや煮物に入れてしまえばそんなに気になりません。セロリや玉ねぎなどお家にある野菜を刻んでオリーブオイルでゆっくり炒め、ハトムギや大豆をチキンスープで味付けした毒出しスープは朝食におすすめ。朝の時間帯に色々なものをキレイにしたり整えると浄化されるとか。バタバタしてなかなか難しいですが、心と身体の毒出しをいつも出来たらいいなと思っています。

7/2

グリーントマト

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グリーン色のトマトはまだ未熟な状態で収穫したものと、グリーンゼブラと呼ばれる熟しているのに赤くならないような品種があります。フランスではトマトをポムドール(黄金の林檎)、ポム・ダムール(愛の林檎)とかつてはロマンチックな呼び名で読ばれていました、もちろんこれは真っ赤に熟したトマトの話。トマトは赤くなって初めて美味しくなるイメージがありますが、ベランダ菜園のトマトをもぎとって試してみたいレシピあります。青いトマトに穴を数カ所開けて、ぬか漬けにする、アメリカの郷土料理で、同名の映画にでてくるカフェの名物料理「フライド・グリーン・トマト」!

 

 

7/1

スパイス

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スパイスとは植物から採集された、種、果実、根、樹皮などで、料理やお茶などに独特の香りや辛味をつける香辛料です。それぞれの国の気候などに適して育ち、体調を整える大事な役目もはたします。中医学では生薬として扱われrるお薬です。ターメリックはインド、唐辛子やシナモンは中国、クミンはイラン、コリアンダーはモロッコ、胡椒はマレーシア、カルダモンはグアテマラと、日本にはこれらの国からの輸入パーセンテージが高い。今は桃の季節ですね、つやつやの桃のコンポートに、ほんの少〜しかすかなカルダモンが香る。実にエレガントでうっとりします。