井澤由美子の食薬ごはん Yumiko Izawa

食薬ごよみ

四季のサイクルに合わせて食すことが、身体を健やかに導く手助けをしてくれます。
季節の食材とその由来や歴史、食にまつわるお話をご紹介します。

10/9

バニラビーンズ・バニラエッセンス・お菓子作り

バニラエッセンス・バニラビーンズ・お菓子作り

お菓子の香りづけに使うバニラエッセンスは、手作りできます。バニラビーンズのサヤを縦半分に切り、清潔な容器に入れて、ダークラムやブランデー、ウオッカなどを注いで漬けるだけです。小瓶で販売されているお酒なら、そのまま漬けるだけなので楽チンです。手作りのバニラエッセンスは、口に入れてもピリピリしない、多めに使っても大丈夫(焼くお菓子ならアルコールは飛びます)。

私は数種類作り置いて(中には10年以上のものも)、大事に使っていますが、年季が入るほど良い感じにこなれてくるような気がします。お菓子に加えたり、ミルクティーやホットミルクなどに入れると温まり、気の巡りもよくなります。ラム肉とも相性がよく、焼く時にふってフランベするとおもてなしの一皿になります。
バニラビーンズの種子をこそげた後のサヤも捨てません。きび砂糖や甜菜糖の瓶に一緒に入れておくと、良い香りが移ります。バニラビーンズは、バニラの木になるサヤを発酵・乾燥させた発酵食品で、リラックス効果があり、ストレスを緩和します

 

10/7

お結び・おむすび・おにぎり

おにぎり・お結び・おむすび・新米

日本のソウルフードのおにぎりは、神力の恩恵を授かるように山の形の(神様の形)にかたどって三角に握られたものという説があります。おむすびと言う説があります。おにぎりはどのような形でもよいそうで、地方によっても変わります。

どのような形でも作られてもお腹と心と脳を満たし、素晴らしいエネルギー源になる事に変わりはありません。ぜひ、お子さんと作ってみてください。
ついでに糠漬けもいかがですか? 最近では密封袋入りの糠漬けキットが売られています。キュウリやかぶなど塩もみして、漬けるだけまるコンパクトに冷蔵庫で保存できます。
ギャバが多い発酵食の糠つけは、ギャバが多く血圧の上昇を抑え、ストレスの緩和も期待できます。おむすびと合わせれば体と心が元気になります。

撮影時のまかないでも登場率の高い、美味しいおむすびの秘訣は、昆布を入れてお米を炊くこと、炊きたてをにぎること、海苔を巻いた後にも塩をパラリとふることです。

 

 

10/6

スーパーフード・食用ほおずき・ゴールデンベリー・インカベリー

井澤由美子・美人モデル・シニアモデル・美容・食用ほうずき・ほうずき・ゴールデンベリー・インカベリー

少しココナッツやパイナップルの風味もする甘酸っぱい食用ほおずき。干したものは美容やアンチエイジングによいと、海外では人気だそうです。ゴールデンベリー、インカベリーとも呼ばれ、日本でもスーパーフードとして認知度が上がっています。ビタミン類が豊富で、血液サラサラ効果もあるそうです。
ナチュラルな甘みで軽く酸味があるので、疲れた時などにお勧めです。北海道の農園にお邪魔した時に、紙風船のような形のそれは愛らしい色合いのほおずきに出会いました。薄い外皮に包まれた生ほおずきは、秋が深まるにつれて甘くなります。

10/5

栗(くり)・栗ごはん・薬膳

井澤由美子・老化防止・アンチエイジング・・お弁当・栗・栗ご飯・炊き込みご飯

中医学では腎の機能を助けるとされる栗は、実は美容食でもあります。もち米をひとつかみ加えたお米と栗を合わせると脾胃の働きを助け、滋養をつけてくれます。毎年、この頃になると作る栗ご飯。コツは栗を剥いたあと、栗が浸るくらいの水、塩と砂糖少々を加えてうっすら下味をつけておくこと。この一手間で和食屋さんのお味に。味付けは米2合に対し、調味料は酒大さじ2、塩小さじ半、薄口醤油小さじ半、そこにほんの少しの米油を加えただけと極シンプルなもの。その方が栗の香りと甘みが引き立つと思うからです。皮むき苦労のかいあって、本当に美味しく炊きあがります。

栗はデンプンが多く、血糖値が上がりやすいのが難点。ふだんは血糖値に気をつけた食事を心がけている父に、年に一度のお楽しみとして、しぶ皮つきの栗料理を作ります。しぶ皮に含まれるポリフェノールには血糖値の上昇を抑える働きがあるそうなので、あえて少し残す。一年に1度くらいはと血糖値が気になる父に皮付きの栗料理をせっせとつくります。

栗は、密封袋に入れて冷蔵庫で数日間置くとデンプンが糖に変わって甘くなります。ぜひ試してみて下さい。

 

 

10/2

菊花(きくか・きっか)・眼精疲労・ドライアイ

食用菊・菊花・眼精疲労・きく

薬膳で眼精疲労に効くのは菊花。目のかすみ、ドライアイなど、主に目のトラブルの解消に使用され、飲む目薬と言われる漢方薬の「紀菊治黄丸」にも配合されています。

私はいつものお茶に白や黄色の菊花茶(乾燥)、クコやナツメを加えてブレンドしています。酒毒緩和作用が期待できるので、中国では強いお酒をいただく時にも飲まれています。
店頭で見かけ始めた黄色や紫の国産食養菊はまた少し効能が異なりますが、独特の風味がよいものですね。アクとえぐみをとり、色を保つ為に酢を加えた熱湯で菊花をさっと茹で、冷水にとってギュッと絞って調理します。甘酢漬けや、お浸し、椀もの、お刺身のツマなどに添えると、美しいアクセントに。
山形で食べた紫菊は「もってのほか」又は「もって菊」というインパクトのある名前。由来は、御紋の花を食べるとは(もってのほか)だからだそうです。本名は「延命楽・えんめいらく」。素敵な香りとシャキシャキした食感が特徴です。

10/2

菊花(きくか・きっか)・眼精疲労・ドライアイ

食用菊・菊花・眼精疲労・きく

薬膳で眼精疲労に効くのは菊花。目のかすみ、ドライアイなど主に目のトラブルの解消に使用され、クコの実を加えたお茶は飲む目薬と言われる漢方薬の「紀菊治黄丸」です。私はいつものお茶に白や黄色の菊花茶(乾燥)、クコやナツメを加えてブレンドしています。酒毒緩和作用が期待できるので、中国では強いお酒をいただく時にも飲まれています。
店頭で見かけ始めた黄色や紫の国産食養菊はまた少し効能が異なりますが、独特の風味がよいものですね。アクとエグミをとり、色を保つ為に熱湯に酢を加えてさっと茹で、冷水にとってギュッと絞って調理します。甘酢漬けや、お浸し、椀もの、お刺身のツマなどに添えると、美しいアクセントに。
山形で食べた紫菊は「もってのほか」と言うインパクトのある名前、由来は御紋の花を食べるとは(もってのほか)だからだそうです、本名は「延命役」素敵な香りとシャキシャキした食感が特徴です。

10/1

お月見だんご・十五夜・おだんごの作り方

井澤由美子・月見だんごの作り方・食養生・日本の伝統・お月見・お団子・団子の作り方・みたらし

毎年変わる中秋の名月。今年のお月見は10月1日です。おだんごの作り方を2種類ご紹介します。まずは一般的な作り方です。ボウルにだんご粉か上新粉(うるち米)170g、ぬるま湯150ccを入れて箸で混ぜてから、手で「耳たぶくらい」のなめらかさになるまでよくこねます(水分が足りないようなら様子をみて少しずつ足す)。棒状にのばし、食べやすい大きさに切って丸めます。

もう一つはお豆腐を入れた滑らかなおだんごです。白玉粉(もち米)100gに絹ごし豆腐100gを混ぜてよくこねて、成形は上記と同じです。どちらも沸騰した湯に入れ、だんごが浮いてきたら取り出して冷水でしめ、水気をとって好みの味付けにします。
みたらしあんは、小鍋に「本みりん」適宜を注ぎ、色つく程度の醤油を加え、とろみが出るまで煮詰めるだけ。溶いた葛や片栗粉を少々加えるとからみやすくなります。
中秋の名月には収穫をお供えする風習もあり、月に見立てた里芋の煮物を作る地方もあります。秋の収穫に感謝しながらいただきます。今年はご家族で、お月見だんごとお酒などいただきながらゆるりと月を愛でてみてはいかがでしょう?

9/29

きな粉・大豆・みたき園

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きな粉を見かけると買わずにはいられません。和三盆かきび砂糖、塩を少し混ぜて、茹でたてのお団子や練りたてのわらび餅、揚げパンなどに山盛りにかけます。

きな粉は、もとが大豆ですからイソフラボンがたっぷり。女性ホルモンと似た働きをする効能があるので、更年期障害から来る不調の緩和にもお勧めです。大豆は良質な植物性たんぱく質を含み、免疫力を上げる手伝いをします。豊富な食物繊維は腸内環境を良くます。ハチミツときな粉、豆乳かミルクを少量を加えてゆるく練ったきな「粉クリーム」は子供にも人気です、明日のお月見団子にかけてもいいですね。
忘れられない私の中でのナンバー1きな粉は、鳥取県智頭町の山里にある山菜料理屋「みたき園」で出会ったきな粉。音と感触をたよりに、それはそれは大きなうすで手作業で丁寧にひかれ、少し粒が残っている。しっとりとした香ばしい風味がとても豊かで印象的です。冬は雪に閉ざされてしまうのですが、水質が良く広大な古き良き庭園の中におしゃれカフェも隣接されています。

地産の食材で作られる郷土料理はもとより、ゆっくりと流れる時間、随所に見れられる真心も素晴らしいご馳走でした。

9/28

棗(なつめ)・大棗(たいそう)・ナツメ・薬膳・漢方

可愛い・薬膳のプリンセス・健康・美容・井澤由美子・中医学・食養生・薬膳・料理教室・ナツメ・棗・大棗・漢方・薬膳・生薬

ナツメは9月〜10月頃に実る小粒の実で、色づく前は青りんごのようなかたさと風味がし、赤く完熟すればしっとりした食感に代わり甘くなります。
中国ではナツメを日常的に食べるそうで、1日3個のなつめを食べれば元気でいられると言われることから、秋に実るナツメをポプュラーに楽しむそうです。
ナツメは昔から珍重される五果の一つ(季・杏・栗・桃・棗)で、乾燥させたものは、大棗(たいそう)と呼ばれ、中医学では頻繁に使われる生薬です。気を補い、血流を増やし、精神を安定させる効能があると言われています。効能が高いので葛根湯にも配合されています。

ナツメ茶を作る時にはそのまま加えるより、半分にちぎって煮出しましょう。クコと合わせると効果も高まりふんわり甘みでます。紅茶と合わせても美味です。その他には、スープ(参鶏湯にも入っていますね)や煮物、ナツメ酒、ジャムなど使い道が色々あるので、私は薄切りにしてカラカラに干して、ストックしています。
毎年里山に出向き、ちょうどよい熟し加減のナツメを見極めて手摘みし、蒸して乾燥させ保存するまでの工程を楽しんでいましたが、今年はいつもご一緒してくださる農家さんに送って頂きました。

9/26

大豆・テンペ・発酵食

インドネシアが発祥の大豆製品のテンペは、大豆にテンペ菌をつけて発酵させた食品です。大豆以外に落花生バージョンもあるそうです。テンペ菌は、クモノスカビの一種で、発酵したテンペは白い菌糸に覆われています。大豆を茹でて、バナナの葉などに包んで発酵させたものが市場で売られています。現地では食べやすい大きさに切って、味を含ませて揚げ物にしたり、煮物や炒め物に使用。ベジタリアンに人気の食材で、欧米ではお肉の代わりに調理されることが多いようです。
テンペはクセがなくどんな料理にも使いやすいので、大豆のように気軽に使って下さい。煮物や炒め物も美味しいですし、から揚げのように醤油とおろし生姜、にんにくで下味をつけ、片栗粉をまぶして揚げ焼きしたお惣菜はお弁当にもお勧めです。サラダに加えると食べ応えがでて、便秘解消にも。キュウリ、トマト、ゴーヤーなど好みの野菜をざく切りにして、塩麹ベースのドレッシングと合え、手でくずしたテンペを加えるだけ。

大豆製品は女性に特にお勧めの健康食。日本の味噌と納豆、そしてテンペは世界中で注目されている発酵食品です